地方銀行の志望動機を書くコツは?盛り込むべき4つのことを例文付きで解説

このページのまとめ

  • 地方銀行とメガバンクの志望動機を使い回すのは避ける
  • 志望動機を書く前に、まずは地方銀行の特徴をしっかりと押さえる必要がある
  • 志望動機には、なぜその地方銀行を選んだのか具体的な理由を述べるのが効果的

地方銀行の志望動機を書くコツは?盛り込むべき4つのことを例文付きで解説のイメージ

「地方銀行の志望動機はどのように書けばよいのか」「県外出身者が地方銀行に就職するのは難しいのか」など、さまざまな悩みを持つ就活生も多いでしょう。

効果的な志望動機を書くためには、まず地方銀行について理解を深めたうえで、「なぜその地方銀行なのか」を明確にすることが大切です。

この記事では、地方銀行の志望動機を書くコツや注意点を解説します。出身別の例文もまとめているので、ぜひ参考にしてください。

地方銀行の志望動機について相談したい

   
目 次

地方銀行の志望動機を作成する手順

地方銀行に限らず、志望動機を作成する際はまず自己分析から始めます。自己分析で自分の適性や強みを把握したら、志望先の情報を集めて自分と志望先がマッチする箇所を見つけてアピールにつなげましょう。

ここでは、具体的に志望動機を作成する手順を説明します。

自己分析を行う

地方銀行への就職に限らず、就活をスムーズに進めるためにまずやらなければならないのが自己分析です。具体的には、自分の考え方や価値観が過去のどのような経験に基づいているのかを分析していきます。

地方銀行を志望している場合は、「なぜ金融業界に興味を持ったのか」「地方銀行での働き方がどのように自分に合っているのか」など、それぞれ理由を深掘りすることが大切です。

分析した結果から自分なりのアピールポイントを見つけ出し、関連するエピソードもあわせてリストアップしておくとよいでしょう。最初に自己分析を徹底しておくと、志望動機を作成しやすくなります。

志望先の地方銀行の情報を集める

志望動機を書くためには、地方銀行に関する情報収集も欠かせません。なぜなら、志望先の地方銀行と自分の関連性を明確にできると、志望動機に説得力が生まれるからです。

具体的には、志望先の地方銀行が融資しているエリアや比率、地域貢献の活動内容などを調べるとよいでしょう。必要な情報は地方銀行のWebサイトをはじめ、各種ニュースやインタビュー記事などから得られます。

志望動機の作成にあたって、「なぜその地方銀行で働きたいのか」を明確にするためにも、志望先について理解を深めておくことが大切です。

志望動機を作成する

自己分析や情報収集を行ったら、実際に志望動機を作成しましょう。過去のエピソードや志望先の特徴を掴んだ内容を盛り込むと、オリジナルの志望動機になり、ほかの応募者との差別化につながります。

銀行は就活生に人気の就職先の一つです。志望動機を差別化するほど、採用担当者の印象にも残るため、選考を通過できる確率もアップするでしょう。ありふれた内容ではなく、自分だけのエピソードを盛り込んだオリジナリティのある志望動機になるよう意識するのがポイントです。

志望動機を作成するのに欠かせない自己分析については、「【就活生向け】自己分析のやり方を解説!内定に近づく活用方法とは」を参考にしてください。

地方銀行の志望動機について相談したい

 

地方銀行の志望動機はメガバンクと書き分けるのが基本

前提として、地方銀行の志望動機はメガバンクのものと書き分けるようにしてください。

地方銀行を志望する就活生のなかには、メガバンクと併願するケースも少なくないでしょう。地方銀行とメガバンクのビジネスモデルは共通する部分もありますが、地域とのつながりや社会的な役割はそれぞれで異なります。

そのため、地方銀行にもメガバンクにも共通するような志望動機を作成しても、志望度の高さや熱意は伝わりにくいでしょう。地方銀行からの内定獲得を本気で目指しているのであれば、地方銀行の特徴を踏まえて志望動機を考える必要があります。

地方銀行の志望動機を作成する際は、メガバンクとの違いに理解を示したうえで、興味・関心や熱意をアピールしましょう。

銀行員に求められる基礎知識について知りたい方は、「銀行業務とは?主な仕事内容や銀行員に求められる5つのスキルを解説」をご覧ください。

地方銀行の志望動機について相談したい

 

地方銀行とメガバンクの違い

地方銀行とメガバンクでは、企業の規模や営業エリアに違いがあるものの、主な業務内容に大きな違いはありません。以下で、地方銀行とメガバンクの主な違いを解説するので、参考にしてください。

地方銀行は地域との結びつきが強い

地方銀行は、名前の通り特定の地域と密接に関わる銀行として、地元の企業・個人とのつながりが強いのが特徴です。

実際に、メガバンクが融資しないような中小企業や個人向けにも融資するなど、地元の経済界では強い影響力を持っています。また、融資のほかに、地元の経済を支えたり地域の発展を後押ししたりするための幅広いサービスを提供している地方銀行も少なくありません。

地方銀行ならではのこうした地域との強い結びつきは、メガバンクにはない特徴だといえます。

地方銀行は転勤するエリアが限られている

銀行員として働く際に、転勤するエリアが限られているのも地方銀行の特徴です。

都道府県を主なエリアとしている地方銀行では、ほとんどの支店が本店と同じ都道府県内にあります。東京や大阪などの都市部にも支店を置いている地方銀行もありますが、多くの場合は、転勤するエリアは都道府県内に限られるでしょう。

一方で、全国に支店があるメガバンクでは、遠方への転勤を命じられるケースも少なくありません。部署によっては、海外転勤の可能性もあるでしょう。「地元で長く生活したい」「決まった場所で生活の基盤を安定させたい」といった方には、地方銀行への就職がおすすめです。

業務内容にそれほど大きな違いはない

前述のような違いがある一方で、地方銀行とメガバンクの基本的な業務内容には大差がありません。

地方銀行もメガバンクも、共通して下記のような一般的な銀行業務を行っています。

・個人や法人の預金
・振込や送金などの為替業務
・金融商品の販売 など

業務内容における違いがあるとすれば、地方銀行の場合は地域密着型のサービスや地域振興に関する業務に携わる機会が多い点が挙げられます。

なお、利益の中心になるのは、融資から得られる利子やサービス利用時の手数料などです。取り扱うビジネスやプロジェクトの規模に違いはありますが、利益を生み出す基本的な構造は地方銀行もメガバンクも変わりません。

地方銀行を含めた銀行業界の業務内容について詳しく知りたい方は、「銀行の業務内容を知ってる?就活前に知りたい金融業界の知識」をご覧ください。

地方銀行の志望動機について相談したい

 

地方銀行の志望動機に盛り込むべき4つのこと

地方銀行の志望動機で重要なのは、「なぜ志望先の地方銀行でなければならないのか」を明確に伝え、採用担当者を納得させることです。

ここでは、地方銀行の志望動機に盛り込むべきポイントを4つ解説します。

1.なぜ銀行なのか・なぜ地方銀行なのか

志望動機には、「なぜ銀行で働きたいのか」「なぜメガバンクではなく地方銀行を選んだのか」といった理由を明確にすることが大切です。

金融業界には証券会社や保険会社などの選択肢もあります。そのなかで、銀行を選んだのには何か理由があるはずです。

具体的には、業界・企業研究を通して感じている地方銀行の魅力を自分の言葉で説明できるようにしておくとよいでしょう。地方銀行だからこその志望理由を盛り込むと、志望動機がより相手に伝わりやすくなります。

2.なぜ志望先の地方銀行なのか

志望動機では、「なぜその地方銀行なのか」まで伝えるのもポイントです。実際に、同じ地域内で複数の地方銀行が営業しているケースも珍しくありません。

営業エリアがほかの銀行と重なっている地方銀行を志望する場合には、なぜそこを選んだのかも明確にしておきましょう。そのためには、複数の地方銀行を比較してそれぞれの特徴をよく理解することが大切です。

なぜ応募先の地方銀行を選んだのかをしっかりと伝えられれば、志望理由に説得力が増します。

3.銀行が求める人物像にマッチしているか

志望動機には、銀行が求める人物像に自分の特徴や強みがマッチしていると分かるエピソードが欠かせません。

たとえば、「△△を経験し、顧客対応に欠かせないコミュニケーションスキルを身につけました」などのように、志望する職種に必要な能力をアピールできると効果的です。

過去の経験や身につけてきた強みなどを、銀行が求める人物像と関連づけて伝えられると、読み手・聞き手はより納得感を得やすくなります。

4.地域に対する思い

地方銀行は、メガバンクと比べて地域との結びつきが非常に強いのが特徴です。そのため、志望動機を書くときは、地域に対する思いを伝えると好印象につながります。

営業エリアの出身であれば幼い頃の思い出、また、その地域にある大学に通っているのであれば学生時代のエピソードなどを盛り込むとよいでしょう。

具体的な思い出やエピソードがあれば、地域への思いも伝わりやすくなります。

就活の志望動機で採用担当者が見ているポイントについて詳しく知りたい方は、「就活の志望動機はどう作る?基本的な構成や例文を解説」をご覧ください。

地方銀行の志望動機について相談したい

 

地方銀行の志望動機を作成するポイント

地方銀行の志望動機は、「結論→エピソード→入行後のビジョン」の順に文章を組み立てると、より効果的に伝わります。以下で、地方銀行の志望動機を作成するポイントを解説するので、ぜひ参考にしてください。

最初に結論を伝える

志望動機を作成する際は、最初に「貴行を志望する理由は△△だからです」と結論をはっきりと伝えましょう。

結論を最初に述べると、志望動機に盛り込んだエピソードの要点やアピールポイントが読み手・聞き手に伝わりやすくなります。また、結論を先に述べることで、採用担当者の印象にも残るでしょう。

エピソードは1つに絞って具体化する

志望動機に盛り込むエピソードは、1つに絞るのが基本です。

エピソードを絞って具体的に伝えることで、自分の経験や学びがどのように志望動機につながっているのかアピールポイントに一貫性が生まれます。

反対に、複数のエピソードを盛り込むと何を伝えたいか要点がぼやけてしまいます。アピールしたいことが伝わらないままになってしまうと、選考を通過するのは難しいでしょう。

「営業担当の方が親身になってくれた」「サービスを利用して利便性の高さに魅力を感じた」などのきっかけがあれば、1つのエピソードを深掘りして伝えるようにしてください。

入行後のキャリアプランを伝える

地方銀行の志望動機では、入行後のキャリアプランを明確に伝えるのがポイントです。採用担当者が入行後に働く就活生の姿をイメージできなければ、「ほかの銀行でもよさそう」と思われてしまう可能性があります。

志望動機で大切なのは、入行の意欲をしっかりとアピールすることです。入行後のビジョンが明確に伝わらないと、採用担当者に志望度が低いといった印象を与えかねません。志望先の地方銀行で何を達成したいのか、具体的なビジョンを伝えることで、積極性や成長の可能性をアピールしましょう。

志望動機の構成についてより詳しく知りたい方は、「志望動機の組み立て方は順番が大事!好印象を与えるポイントや例文をご紹介」も参考にしてください。

地方銀行の志望動機について相談したい

 

地方銀行の志望動機を作成する際の注意点

地方銀行の志望動機は、自分の特徴や強みが志望先のニーズにマッチしているかを意識して、分かりやすく伝えなければなりません。

地方銀行の志望動機を作成する際は、以下に注意してください。

自分本位の志望理由になっている

志望動機を作成する際は、自分本位の志望理由になっていないか注意してください。志望動機では、地方銀行が求める人物像を意識したアピールが大切です。

たとえば、地域密着型の銀行を志望しているにもかかわらず「全国の顧客を相手に幅広いサービスを届ける」などと伝えると、業界・企業研究ができていないといったマイナス評価につながるでしょう。

また、待遇や給与など、自分目線の内容ばかり述べている場合も注意が必要です。たとえ待遇や給与面に魅力を感じたのが応募のきっかけだとしても、銀行や顧客の利益に貢献する姿勢を見せる必要があります。

志望動機では、自分の強みと銀行の特徴を踏まえ、「どのような取り組みで銀行や顧客に貢献していくのか」といった社会人としてのビジョンを伝えましょう。

志望動機の内容に一貫性がない

志望理由やエピソードに一貫性がない場合も注意が必要です。

たとえば、志望動機の冒頭で「インターンシップ経験を経て地域の人とのつながりに喜びを感じたのをきっかけに志望しました」と述べたとします。しかし、具体的なエピソードとして「窓口で親身に対応してくれた」などと伝えてしまうと、採用担当者は志望理由の根拠を理解できないでしょう。

志望動機の内容に一貫性がないと、説得力に欠けるため、マイナスの印象につながりかねません。

地方銀行の志望動機を作成する際は、全体を通して一貫性のある内容になっているか確認してください。

周囲との差別化ができていない

地方銀行の志望動機は、周囲との差別化を意識することが大切です。ありきたりな志望動機では効果的なアピールにはつながらず、選考を突破するのが難しくなります。

実際に、うまく書く自信がないからといって、例文をコピーしたり作成ツールに頼りすぎたりすると、ありきたりな志望動機になる可能性が高いでしょう。

採用担当者は、日頃から多くの応募書類に目を通しています。そのため、志望動機の内容にオリジナリティを感じられない場合には、「自分の言葉で書いていないのでは」と疑いの目を向けるケースも少なくありません。

ありきたりな志望動機で効果的なアピールにつなげるのは難しいため、業界・企業研究を徹底するとともに、自分の言葉で志望理由を伝えましょう。

なお、志望動機を作成する際は、使用しないほうがよい「NGワード」があります。NG例文と改善のポイントについて詳しく知りたい方は、「志望動機のNGワード使っていない?ダメな例文と改善例を解説」を参考にしてください。

地方銀行の志望動機について相談したい

 

県内・県外別|地方銀行の志望動機例文

地元の地方銀行を志望する場合と、地元ではない地方銀行を志望する場合では、志望理由の伝え方のポイントが異なります。

県内出身・県外出身の場合に分けて志望動機の例文を紹介するので、ぜひ参考にしてください。

県内で地元の地方銀行を志望する例文

地元出身の就活生は、地元に住んでいた経験を志望動機に盛り込むとよいでしょう。

以下で、地元の地方銀行を志望する場合の例文を2つ紹介します。

例文1

貴行を志望する理由は、地元である△△市を経済的な面から支えたいと考えているためです。

私は生まれてからずっと△△市で生活しており、貴行への親しみもあります。幼い頃には毎年のように地元のイベントに参加していたのですが、貴行をはじめとした多くの地元企業のサポートによってイベントが運営されていると知ったのは大学生になってからでした。地域のイベントには地元企業の力が不可欠だと、あらためて強く実感しています。

企業研究を行うなかで、貴行が地元企業に多く融資していることを知り、私も地元の企業・個人と深い関わりを持ってサポートしていきたいと考えるようになりました。

入行後は、顧客が本当に必要としているニーズは何かを把握しながら、地元の活性化に貢献するのが目標です。

例文2

私が貴行を志望する理由は、地元の中小企業を経済面で支えたいと考えているためです。

私の両親は地元で中小企業を経営しています。幼い頃には祖父母と一緒に会社周辺を散歩しており、よく貴行の営業担当の方をお見かけしていました。私の顔を見るといつでも優しく話しかけてくれる営業担当の方を見て、私も△△銀行で働きたいと感じたのが、銀行の仕事に興味をもったきっかけです。

大学生になり、銀行の貸出が事業の拡大に与える影響を大きく感じるのと同時に、業界研究を通じて、貴行が地元の中小企業向けに多く融資していることを知りました。

また、学生時代には接客のアルバイトをしていたので、コミュニケーション能力には自信があります。入行後も、私の強みであるコミュニケーション力を活かし、地域の人びとに寄り添ったサービスを提供したいと考えます。

県外から地元ではない地方銀行を志望する例文

県外から地方銀行を志望する就活生は、地域に興味を持ったきっかけや銀行員としてどのように成長していきたいかなどをしっかりと伝えるのがポイントです。

以下で、地元ではない地方銀行を志望する場合の例文を2つ紹介します。

例文1

私が貴行を志望する理由は、△△市で大きな信頼を得ていることに感銘を受けたためです。

私の出身は△△市で、△△市では大学に進学してから生活を始めました。金融業界を志望し業界研究や企業研究を行うなかで、貴行の取り組みが地域活性化や地域発展に大きく関わっていることを知りました。

私自身、大学のゼミでは地域活性化をテーマにシャッター商店街の改善に向けて取り組んだ経験があります。入行後も、持ち前のコミュニケーションと経験を活かし、地域活性化を支える一員として活躍していきたいと考えています。

出身地は異なりますが、入行後は地域の未来を支えられる人材となれるよう精進したいと考えている次第です。

例文2

私が貴行を志望する理由は、地域の人びとを応援する仕事を通して、経済の活性化に貢献したいと考えているためです。

私は△△県で生まれ育ち、△△市に住んだ経験はありません。しかし、所属するゼミの教授の出身地であることから、毎年夏になると観光に訪れ、壮大な自然と住民の方々のあたたかさに触れてきました。また、OB訪問では、4年前の被災時には貴行の復興ローン・復興ファンドが被災者の生活を支えたと伺い、私も地域の人びとが夢や目標に向かうための力になりたいと考えるようになりました。

大学ではマーケティングを専攻し、所属するゼミでは地域振興をテーマに研究に取り組んでいます。入行後も、顧客と誠実に向き合い、地域の企業や個人の方によりよい提案ができる銀行員として成長していきたいと考えます。

地方銀行の志望動機NG例文

私が貴行を志望する理由は、日本企業の海外進出を経済面で支えたいと考えているためです。

金融業界はさまざまな業界を資金面で支えており、銀行は日本企業が海外に挑戦するためには欠かせない存在です。なかでも、業界トップクラスの規模を誇りながら、今もなお積極的に店舗を拡大する貴行の姿勢に強く惹かれました。

私は大学2年生の秋から1年間、オーストラリアに留学していました。入行後も、学生時代に身につけた語学力を活かして、日々の業務に取り組んでいきたいと考えています。

銀行の志望動機ではあるものの、地方銀行ではなくメガバンク向けの印象を受けるNG例文です。また、志望のきっかけになったエピソードに自身の経験が盛り込まれておらず具体性に欠けるほか、入行後の姿も抽象的なイメージに留まります。

志望動機を作成する際は、地方銀行の特徴をよく理解したうえで、志望先のニーズにマッチしたアピールが必要です。

銀行の志望動機について、ほかの例文も参考にしたい方は「銀行の志望動機を差別化する書き方は?新卒が盛り込むべき内容や例文を解説」をご覧ください。

地方銀行の志望動機について相談したい

 

志望動機に盛り込みたい地方銀行の現状と課題

地方銀行は、政府による政策や取り巻く環境の変化によって新たな課題にも直面しています。そのため、メガバンクと比べて地方銀行の将来性を懸念する声も少なくありません。

志望動機をより具体化するために、以下で地方銀行の現状と課題について解説します。

地方銀行に関する政策

地方銀行に関する主な政策は、手数料の引き下げやマイナス金利政策などです。こうした政策による影響は大きく、地方銀行は以前のようなビジネスモデルで収益を上げるのが難しくなっています。

手数料の引き下げは、2021年10月に行われました。預入れや口座振替の際にかかる送金手数料を引き下げるという内容です。収入源である手数料の引き下げによって、銀行業界は大きな打撃を受けました。

また、マイナス金利政策とは、民間の銀行が中央銀行にお金を預ける際の金利をマイナスにする(=金利を払わなければならない)政策です。

マイナス金利政策は、金融機関が企業や個人への融資などを積極的に行うことで、景気を刺激する効果を狙って行われています。しかし、地方銀行としては収益が減少し、預金の行き場に困っているのが現状だといえるでしょう。

フィンテックの発展

フィンテックの発展によって、地方銀行の競争はより一層激化しています。

フィンテックとは、ファイナンスとテクノロジーを掛け合わせた造語で、下記のような金融業界におけるオンラインサービスやIT技術のことです。

・インターネットバンキング
・キャッシュレス決済
・仮想通貨を活用した送金 など

メガバンクでは、新技術を取り入れてデジタル化が進んでいる一方、地方銀行のなかには、導入コストや利用者の傾向から、メガバンクのような対応ができていない銀行も少なくありません。

キャッシュレス決済などが主流となっている現在では、地方銀行を利用し続けるメリットが少ないと感じる人もいるようです。そのため、地方銀行からメガバンクに乗り換える人が増えているといった課題も顕在化してきています。

経済の停滞によるニーズの低下

人口減少と地方経済の停滞も、地方銀行が抱える課題の一つです。地元の企業や個人の資金需要が低下してしまうと、地方銀行は貸し付けによる利子を得られなくなるため、大きな痛手になります。

こうした環境下において、業界ではビジネスモデルを見直す動きも加速しました。現在では多くの地方銀行が、融資やローンといった従来の金融業に囚われず、さまざまな地域ビジネスを進めています。

・リース業
・証券
・不動産仲介
・人材派遣
・福利厚生サービス など

ニーズの低下に対応するためには、経営の多角化が不可欠です。このように、地方銀行では生き残りをかけた経営努力が続けられています。

業界の現状や課題を整理するためには、業界研究が欠かせません。業界研究の進め方を詳しく知りたい方は「就活における業界研究のポイントや、情報源などをご紹介!」を参考にしてください。

地方銀行の志望動機について相談したい

 

志望動機に活用できる地方銀行を取り巻く業界のトレンド

地方銀行の志望動機を書くためには、業界のトレンドを把握することが大切です。業界のトレンドを把握しておくと、自分が入行後にどう活躍・貢献できるのかを具体的にイメージしやすくなります。

以下で、地方銀行に関する近年の主なトレンドを解説するので、参考にしてください。

合併などで業界再編が進んでいる

現状の課題を解決するために、地方銀行は合併などによる再編を進めています。合併によるメリットは、資金の増加や顧客の拡大を図れる点です。

資金や顧客の増加は、経営基盤の強化につながります。そのため、さまざまな経営課題に直面している地方銀行にとって、合併は有力な選択肢といえるでしょう。

また、ほかの業界との提携によって、サービスの幅を広げられるメリットもあります。競争力や影響力の拡大を図るため、合併に前向きな地方銀行が増えているようです。

DXが進展している

地方銀行を含め、近年は金融業界全体でデジタルトランスフォーメーション(DX)が急速に進んでいます。DX化の背景にあるのが、IT技術の発展・普及に伴うフィンテックの進展です。

特に、地方銀行では、地域密着型のサービスを維持しつつ、テクノロジーを活用して新たな価値を提供する取り組みが求められるようになりました。DX化は業務のスリム化や新たな価値提供につながると期待される一方で、金融業界はほかの業界に比べて導入が遅れているといわれています。

そのため、DXに興味・関心がある場合は、DX化に貢献できる点を志望動機に盛り込むとよいでしょう。

業務が多様化している

前述のとおり、地方銀行では新規事業の立ち上げや提携による事業拡大が進められ、業務が多様化しています。

全国地方銀行協会の「地域商社の取り組み」によると、北海道銀行やみちのく銀行など、各地の地方銀行が地域商社を立ち上げるケースが増えているようです。地方銀行の地域商社は、下記のような支援を行っています。

・地元産品等の販路開拓
・新商品の開発
・ブランディングの構築 など

地方銀行の志望動機を書くときは、入行後にどのような業務に携わっていきたいかを考えることが大切です。そのためには、志望する地方銀行の業務内容をよく理解する必要があります。

業界について理解を深めるための具体的な方法については、「業界研究の効果的なやり方を解説!会社説明会やセミナーには行くべき?」を参考にしてください。

参照元
一般社団法人全国地方銀行協会
地域商社の取り組み

地方銀行の志望動機について相談したい

 

地方銀行への就職に向いている人の特徴

対人コミュニケーションが得意で、細かな作業もそつなくこなせる人などは、地方銀行への就職が向いているといえます。

以下で、地方銀行への就職に向いている人の特徴を具体的に解説するので、自分に当てはまるかどうか考えてみてください。

人とコミュニケーションを取るのが得意な人

人とコミュニケーションを取るのが得意な人は、地方銀行での仕事に向いています。

なぜなら、地方銀行の業務では、顧客とコミュニケーションを取りながら、一人ひとりの状況やニーズを汲み取る必要があるからです。

金融庁の「金融仲介機能の発揮に向けたプログレスレポート(62p)」によると、地方銀行の一般行員に求められる能力・スキルのうち、「コミュニケーション力・協調性」が「業務知識」に次いで2位という結果でした。

金融庁「金融仲介機能の発揮に向けたプログレスレポート(62p)」の画像

引用元:金融庁「金融仲介機能の発揮に向けたプログレスレポート(62p)

コミュニケーション能力は、地方銀行での業務を組織的に進めるうえで欠かせない能力だといえます。そのため、人とのコミュニケーションが得意な人は、志望動機で積極的にアピールすると効果的です。

コミュニケーション能力を活かして顧客のニーズを的確に汲み取ったうえで、最適な解決策を提案できれば、地元の企業や顧客からの信頼につながるでしょう。

参照元
金融庁
金融仲介機能の発揮に向けたプログレスレポートについて

慎重かつミスなく物事に取り組める人

慎重かつ正確に作業できる人も、地方銀行への就職に向いています。

銀行の業務では、少しのミスが大きな損害につながる可能性もあるため、金額や書類の内容を入念に確認することが大切です。「このくらいで大丈夫だろう」「後で確認すれば問題ないだろう」と作業を進めてしまって、ミスが発覚したときには問題が深刻化してしまう恐れがあります。

慎重かつ正確な作業の大切さを身に染みて感じたエピソードがあれば、過去の経験から得た強みを志望動機でアピールするとよいでしょう。

地元に貢献したい人

「地元に貢献したい」と感じる気持ちの強さも地方銀行の銀行員に必要な要素です。

地方銀行の多くは、地域貢献に力を入れており、地域経済の発展や再生をサポートするための事業も展開しています。そのため、地元に貢献したいという意欲が高い人ほど、よりやりがいを持って働ける環境だといえるでしょう。

業界・企業研究をする際は、「モチベーションが高い状態を維持できるか」「継続した支援や取り組みができるか」といった視点を持って、地方銀行について理解を深めるのがポイントです。

銀行で働く際に求められる能力やスキルについては、「銀行への就職はやめたほうがよい?将来性やメリット・デメリットをご紹介」で詳しく解説しています。

地方銀行の志望動機について相談したい

 

地方銀行への就職は県外出身でも不利にはならない

地方銀行に採用される学生は地元出身が多い一方で、県外出身の学生も採用されます。

地方銀行を志望する就活生のなかには、「県外出身だと不利かもしれない」と感じている人もいるかもしれません。しかし、たとえ県外出身だとしても、しっかりと志望理由をアピールできれば、内定獲得のチャンスは十分あるでしょう。

地元出身の志望者が多く採用者数も比例するだけ

地方銀行には地元出身の内定者が多いように感じますが、県外出身だからといって不利になるわけではありません。

実際には、地元出身の志望者が多く集まるがゆえに、採用者数にも比例しているケースがほとんどです。たとえば、「実家から通える職場に就職したい」「住み慣れた地域で働きたい」といった安定思考の就活生にとって、地方銀行は有力な選択肢の一つです。

地方銀行は営業エリアが限定されているため、地元出身者の志望者が多くなる傾向です。

志望理由が明確であれば出身地は問われない

県外出身の就活生でも、地方銀行の内定を獲得できる可能性はあります。

内定を獲得するには、しっかりと自己分析を深めたうえで、志望先の銀行や地域についてよく理解し、採用担当者を納得させる志望理由を伝えることが大切です。

県外出身の就活生のなかには、「地元出身者と比べてその地域に対する思いや過去の思い出に深みが足りないのでは」「志望理由に差が出てしまう」などと不安を感じるかもしれません。

採用担当者の多くは、志望理由が明確であれば、出身地を問わず優秀な人材を確保したいと考えています。県外出身の場合、採用担当者に「内定を出しても辞退されるのではないか」と思われないよう、地方で働く熱意や入行後のライフプランなどを伝えるとよいでしょう。

地方での就職か、都心部での就職か悩んでいる就活生は、「「地方就職と都会就職、どっちが良いの?」就職の選択の仕方とは」を参考にしてください。

地方銀行の志望動機について相談したい

 

地方銀行の志望動機の書き方に自信が持てない方へ

初めての就活において、志望動機の書き方に悩む就活生は少なくありません。

地方銀行を志望する就活生のなかにも、「志望理由をうまく言語化できない」「関連する過去のエピソードが思い浮かばない」といった状況で困っている人もいるでしょう。

地方銀行からの内定を獲得するためには、自己分析と業界・企業研究を徹底したうえで、効果的な志望動機を作成する必要があります。一人で志望動機を作成するのが不安な場合は、就活エージェントへの相談がおすすめです。

就活エージェントであるキャリアチケットを利用すれば、経験豊富なキャリアアドバイザーから志望動機を作成するためのサポートを受けられます。

自己分析から志望動機の書き方、選考でのアピール方法まで、地方銀行への選考を有利に進めるためのアドバイス全般をもらえるため、効率よく対策を進められるでしょう。地方銀行への志望動機に自信が持てずにいる方は、ぜひキャリアチケットを活用してみてください。

地方銀行の志望動機について相談したい

 

キャリアチケットについて

キャリアチケットは、就活生の最高のキャリアスタートを支援するサービスです。