文学部の強みを活かせる就職先の見つけ方|おすすめの業界や資格も紹介

このページのまとめ

  • 文学部出身でも他学部出身でも就職先探しの難易度はあまり変わらない
  • 文学部で学ぶことから得る強みは、就活だけでなく社会に出てからも多いに役立つ
  • 文学部の学生の強みを活かせる資格を取得することで就職活動が有利になる

文学部の強みを活かせる就職先の見つけ方|おすすめの業界や資格も紹介のイメージ

「文学部は就職先を探すときに苦労する」という概念を抱いている人もいるでしょう。しかし、文学部で学んだことは多岐にわたり、大学で得た知識を活かせる職種もたくさんあります。

この記事では、文学部生におすすめの資格や文学部の学生が就活をするときのコツ、就職先として人気の業界や職種をご紹介します。

就職率の数値や噂などに流されず、自分に合った就活、自分に合った企業選びの参考にしてください。

就活の効率の良い進め方について知りたい方は、「就活は何から始める?基本の進め方や効率良く終わらせるためのコツが分かる!」も参考にしてください。

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目 次

文学部の就職状況

理系などの場合は、学部で取得した知識や能力を就活に活かしやすく、自分のスキルやレベルに合わせながら効率よく企業選びができます。

また、大学によっては理系の学部に推薦枠があることも多いため、より就活がスムーズにできるイメージがあるでしょう。

一方、文系の就活では「自由応募」となることがほとんどです。そのため、大学の推薦はほとんどなく、自分で書類選考や一次・二次面接、最終面接などのステップを踏む必要があります。その点から、理系のほうが有利と感じる人が多いのです。

さらに、就職率を出す際の分母を「就職希望者数」にしている学校と、「卒業人数-大学院の進学者数」にしている学校に分かれており、一概に「文学部は就職率が低い」とは言い切れません。

文部科学省が発表した「令和4年度 高等教育機関《報告書掲載集計》 卒業後の状況調査大学」によると、令和4年3月の文学部卒業者の就職率は、82.6%となっており、ほかの学部生と文学部生の就職者の数に大きな差はないといえるでしょう。

文学部の学生が大学の授業を通して得られる強みは、就職に活かされるものが多いのも事実。就職率の数値に惑わされず、就活対策を万全にし、自分に合った就職先を見つけましょう。

文学部の就職活動に関しては「文学部は就職に不利?文学部から内定を掴むコツ」の記事も参考にしてください。

参照元
e-Stat 政府統計の総合窓口 統計で見る日本
学校基本調査 / 令和4年度 高等教育機関《報告書掲載集計》 卒業後の状況調査 大学

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就職に役立つ文学部の強み

文学部出身だからこそ身に付く強みについてご紹介します。就活はもちろん、社会人になってからも役立つものばかりですので、積極的にアピールしてください。

文章力

文学部の学生は、普段の授業でレポートや論文を書く機会が多く、自分の意見や考えを文章で論理的に伝える能力にすぐれています。その能力は、就活で必要な書類のエントリーシート(ES)や履歴書で発揮されるでしょう。

たとえば、ビジネスメールでのコミュニケーションが円滑にできる、会社のホームページに載せるキャッチフレーズを考えるなど、高い文章力は、社会に出てからも仕事で役立つ場面がたくさんあります。

情報収集力

日々のレポートや論文作成などで文章を作成するとき、さまざまな情報収集が必要になります。その際に身に付く情報収集能力も、文学部の学生の大きな強みとなるでしょう。

就活では、自分がどのような業界に進みたいかを決めるための企業研究や、「自分にはどの業界・企業が合っているのか」といった問いに対して、答えを見つける自己分析の作業で役立ちます。

また、企業に入社したあとも、これまで経験したことない業務などに対しては、必要な情報を入手する必要があります。さまざまな手段を使いながら調べていく情報収集能力は、幅広い業務で発揮することができるでしょう。

教養力

文学部の学生は、教養科目において、国語や社会、歴史、外国語と幅広く学ぶため、限られた分野や専門分野を学んできた学生よりも教養力があるのが特徴です。

また、学生の基礎知識を図るため、面接の前にwebテストを実施する企業も増えています。一般教養や一般常識に関する問題が多いので、文学部の学生はwebテストや適性テスト、SPIにおいても有利になるでしょう。

語学力

文学部は、英文学科をはじめ、そのほかの言語を専攻できるため、外国語を学習する機会にも恵まれています。留学などで高いレベルの第二外国語能力を取得できれば、外資系企業やグローバル展開する企業などが就職先として候補に挙がるでしょう。また、海外要員として採用されることもあります。

プレゼン能力

文学部の授業では、自分の考察や意見をまとめたり、発表する機会が多いです。自分の言いたいことを表現する練習をしているため、相手にわかりやすく伝えることや、論理的に伝えるプレゼン能力に長けています。

プレゼン能力が高いと、就活のグループディスカッションや、面接においても活用できるスキルであり、仕事上でも、社内会議でのプレゼンや、企画の立案などにおいて役立てることができます。

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文学部に向いている就職先

文学部のおもな就職先は、以下のとおりです。大学で得た知識や能力を活かしやすい業界は何か、自分が専攻している学科はどんな業界に有利となるかを考えながら、企業選びの参考にしてください。

金融業界

金融業界は、銀行業務だけでなく資産運用や生命保険、証券会社などもあります。おもに貸し出した金額に利子をつけ、利子で利益を生産していくのが特徴といえます。

ほかにも、クレジットサービスや損害保険会社など幅広い職種があり、それぞれで業務が異なるため、自分に合った職種や企業を選ぶことがおすすめです。お金を扱う仕事なので、細かい正確性と集中力が求められます。

広告業界

広告業界は、おもにチラシやWeb広告を作成する仕事であり、広告代理店が代表として挙げられます。広告代理店とは、クライアントが依頼した宣伝内容をもとに、代理で広告を作成しメディアにPRするという仕事です。テレビや雑誌、Webなどさまざまな媒体への広告出稿をサポートする必要があり、表現力や創造力など、文学部の学生が得意とする能力を発揮しやすいでしょう。

広告営業は華やかなイメージがあり、文学部だけでなく、ほかの学部の就活生からの人気も非常に高いといわれています。インターンの参加やアルバイトの勤務で知識を身に付け、新卒での就職を目指す学生が増えています。

出版業界

出版や新聞業界は、文章力に長けている文学部の就職先として適しており、学生からの人気も高いです。自分が編集した文章が書籍や新聞になるという点が魅力的な仕事です。出版業界の職種には、雑誌編集者や取材記者、カメラマンなどがあり、近年、雑誌などの紙媒体が衰退しつつあるなか、電子書籍などの事業分野が盛んになっています。

そのため、流行に敏感な洞察力と情報収集力などを活かしやすい業界ともいえます。また、出版社には、雑誌や書籍を手がける「総合出版社」と、文芸や参考書、地図など特定の分野に強みを持つ「出版社」とがあります。自分が興味のある分野を選び、活躍の場を広げていくとよいでしょう。

教育業界

文学部の就職先として教育業界をおすすめする理由のひとつは、教養や一般常識などの知識をそのまま活かすことができることです。小学校、中学校、高等学校などの教育機関だけでなく、塾講師、社会人が通う資格スクール、語学学校など多岐にわたります。

また、教育施設の運営スタッフや大学の事務など、組織の運営に携わる仕事も人気が高まっています。物事を分かりやすく、論理的に説明することに慣れている文学部出身者にとって、教育業界の仕事は、人に「教える」というやりがいを感じることができるでしょう。

サービス業界

多くの文学部学生が得意な傾向にある、ホスピタリティ精神が活かせる就職先がサービス業界や小売り業界です。顧客のニーズを考えながらサービスを提供する仕事であり、商品をプロモーションする宣伝広告や新しい企画を提案したりする機会も多いため、文学部で培ったプレゼン能力や文章力を活かせるでしょう。

就職先は、百貨店やスーパー、コンビニやドラッグストアなど幅広いので、入念な企業選びが大事になってきます。

製造業界

モノづくりに関わる製造業界は、文学部の就職先としてイメージが薄い人もいるかもしれませんが、食品や化学、医薬品メーカーなどは、文系学部に人気のある業界です。

製品加工や設計、研究開発などの職種では専門的な知識とスキルが必要になりますが、生産を管理する部門や営業、商品企画、経理などの職種では、文学部出身ならではの強みを活かすことができます。

物流業界

物流業界は、文学部在籍中に外国語を学んだ学生に適している就職先です。海外から商品や資源を輸入する業務も多く、海外との取り引きの際に、英語やそのほかの外国語スキルは重宝されます。

本社では企画系の業務、国内や海外の支店配属の場合は、物の動きや従業員を管理するコーディネーターなどの職種も人気です。ゆくゆくは海外勤務をしたい人や、貿易に携わる仕事に興味がある人にも向いているでしょう。

公務員職

収入や雇用が安定している、という点で、公務員を志望する文学部の学生も多いです。行政や役所職員だけでなく、教員や保育士、薬剤師や管理栄養士も公務員の職種に含まれ、公務員職に必要な資格は学部関係なく受けることができます。難関と言われる資格受験に向けてしっかりと準備すれば取得が可能なので、文学部で学んだことを活かしつつ業務を遂行することができるでしょう。

心理カウンセラー職

文学部や心理学部からこの仕事に就く人が多く、特に心理学科を専攻している場合は知識を活かせる職種です。学校では「スクールカウンセラー」とも呼ばれており、小学校から高校を中心に教育現場に携わることが可能です。文学部から心理カウンセラーになる方法は、大学院に進み、カウンセラーとしての専門性を高めることが必要。カウンセラーになるには資格は必要ありませんが、そのうえで「臨床心理士」などの資格があるといいでしょう。

文学部の就職先についてさらに詳しく知りたい学生は「文系が就く職業にはどんな種類がある?職種と業界を解説」の記事も参考にしてください。

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文学部生が就職で有利になるには

ここでは、文学部生が就職で有利になるための対策をご紹介します。自己分析を行い、自分の経験や能力で企業に活かせる部分は何かを考えましょう。

自分の得意分野や特技をもっておく

自分の得意分野や特技をもっておきましょう。たとえば文学部なら、語学スキルやPCスキルなどがあります。企業で活かせることや、自分の個性として発揮できる能力があれば、面接でも一目置かれる存在になる可能性も。

就活は、「自分がどのように企業に貢献できるか」を考えることが重要です。そのためには自己分析を行い、自分のことを理解しましょう。頭で考えても分かりづらいときは、書き出してみるのもおすすめです。

アルバイトの経験を増やす

学生時代のアルバイトの経験は、就活の大きな強みになります。アルバイトとはいえ、仕事をしている間は社会経験となっているでしょう。企業への志望動機を考えたり、自己分析をしたりするときもアルバイト経験を自分のエピソードとして振り返ることができます。

また、新卒者は前職経験がないぶん、学校生活やアルバイト経験で培ったことを重視されるのです。その経験は面接で話すだけでなく選考書類にも記載できるため、アルバイトを通して学んだことをアピールするチャンスになるでしょう。

インターンシップに参加する

文学部生も、企業インターンシッププログラムに積極的に参加しましょう。ほかの学部と比べて、文学部ビジネスの知識や企業活動に触れる機会があまりないからです。企業研究や自己分析を深めることができ、企業とのミスマッチを防ぐことにもつながります。

採用直結型のインターンシップも増えてきており、通常のインターンシップでも企業からの評価が高ければ特別枠を獲得できるチャンスもあるので、就職に有利になるでしょう。

面接では仕事への活かし方を伝える

文学部で学ぶ文章力や論理的思考は、ビジネスと直接結び付きにくいため、伝え方をあやまるとマイナスの印象を与えてしまう場合も。「文学部で△△を学んだ」だけでなく、学んだことを仕事上でどう活かしていくか明確に伝えることが大事です。分かりやすく具体的に伝えることで、コミュニケーション能力もアピールすることができるでしょう。

就職に有利な資格を取得する

文学部で学ぶ内容は就職に直接関係しづらいため、できれば、就活の前に資格を取得することをおすすめします。資格を取得すると、特別なスキルを所持しているというアピールポイントになり、就職に有利になるからです。

何の資格を取るべきか分からない人は、まず、自分の興味のある分野にはどんな資格があるのかを調べてみるといいでしょう。文学部におすすめの資格は、このあとに詳しく解説しますので参考にしてください。

就活をもっと有利に進めたい文学部学生は、「就活を有利に進めるための3つのコツ」の記事も参考にしてください。

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文学部生の就職に有利な資格

文学部の就活生におすすめの資格をご紹介します。就活だけでなく、就職したあとの将来のキャリアに役立つ資格ばかりなので、自分の興味のある分野の資格取得を検討してみてください。

TOEIC

TOEICは、英語の語学力に関する有名な資格です。TOEICの受験者数も増え続けており、企業のグローバル化など時代とともに英語スキルの需要が高まっていることが背景にあるといえます。

国際的な意思疎通ができれば企業の選択肢も広げることができ、ライバルとの差をつけることにも繋がるでしょう。英語のスキルは幅広い業界で役立つため、外資系企業や貿易会社への就職に有利になります。

国語や社会の教員免許

文学部で培った能力や知識を活かして、国語や社会の教員になる人も多いようです。一般的に教員免許を取得するためには、各教科の専門的な知識だけでなく、「教育原論」や「教育心理学」などに関わる能力も必要になります。

文学部には教職課程を担当する専門の教員も所属している大学がほとんどであるため、それらの科目を履修することが可能となっています。

日商簿記

お金や数字に関することを学ぶ機会が少ない、という文学部の弱点をカバーできるのが、簿記の資格です。経理や経営企画など、ほぼすべての企業に存在する職種への就職に有利になります。なお、企業で求められる日商簿記検定のレベルは2級以上なので、興味のある人はチャレンジしてみてください。

カウンセラー

カウンセリングに関わる資格を持っておくと、カウンセラーとしての道を選ぶことができます。心理「臨床心理士」や「メンタル心理カウンセラー」など、相談者が抱えている問題をヒアリングし、相手が自己成長できるよう支援する仕事です。相手の話を整理し、共感したりすることが求められるので、文学部の学生が比較的得意とするサポート精神に精通するでしょう。

ファイナンシャルプランナー(FP)

保険や金融業界を志望する文学部の学生におすすめの資格です。ファイナンシャルプランナーとは、
税金や保険、年金、株などの金融資産の知識を身につけ、個人や中小企業の資産の運用や設計のアドバイスができる職種です。

就職活動に必要なレベルはFP2級と言われており、3級に受かってから2級を受ける必要があります。お金に関する知識は仕事上だけではなく、プライベートでの資産運用などにも役立つため、持っていて損はないでしょう。

プログラミングやIT系の資格

どの企業でもITが多用される現代社会において、プログラミングやIT系の資格に挑戦する文学部の大学生も増えているといわれています。プログラミング系の資格は出版業界やマスコミへの就職に、webデザイナーやアプリ開発の資格は、デザイン会社や広告会社への就職に有利といえるでしょう。

就職に有利な資格についてさらに知りたい学生は「就職に有利な資格11選!取得するときの注意点も解説」の記事も参考にしてください。

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本記事の監修者

淺田真奈(あさだまな)

大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。

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