人事の評価を上げる!苦手な人でもできるグループディスカッションの取り組み方

グループディスカッションは、個別の面接を始める前の選考初期段階で実施されることが多いです。

ある企業は「コミュニケーション力や責任感、行動力がありそうか見ています」と語り、ある企業は「論理的に議論を進められるかどうか見ています」と言います。
評価ポイントや実施の目的は企業により異なりますが、共通点としては、「エントリーシートや筆記試験では分からない学生の特性を知る」ということが挙げられます。

今回はグループディスカッションを切り抜けるうえで知っておいていただきたいことを説明したいと思います。
 

本記事の執筆者
酒井 一樹(さかい・かずき)

慶應義塾大学在学中、世界初の就活SNS「Dachinco!」の代表に就任。国内最大の就活SNSへと成長させた後に大学を卒業し、エグゼクティブサーチを行う人材ベンチャーに入社。役員・事業責任者などの幹部人材の採用支援に携わる。2009年に株式会社エイリストを設立し「自分の頭で考え、行動する人材を増やすこと」を命題として、就職情報サイト「就活SWOT( https://swot.jp )」を開設。
 

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担当者の人数でわかる選考の傾向

グループディスカッションでは、1グループごとに選考担当者が付いているケースもあれば、担当者がグループの数より少ないケースもあります。

選考担当者の数が少ない場合はとても一人ひとりの発言を追うことはできませんので、全体の雰囲気から議論が活発なチームを見て、「気になる学生がいたらチェックする」という感覚になります。

この場合、グループディスカッションでの選考倍率はそこまで高くないことが多いでしょう。

現場に選考担当者が少ない場合の工夫として、「事後アンケートを取って、ディスカッションの感想と学生の相互評価をさせる」というケースも多く見られます。
自分のことだけ考えるのではなく、「ほかの参加者をどう評価するか」という視点も大切です。誰がどんな部分でグループに貢献しているのか注意して見ておきましょう。

一方、チームごとにしっかり選考担当者が付いている場合は、一人ひとりの発言や動き方まで見られていると思ってまず差し支えありません。論理の飛躍や、先走った発言で場を乱すことがないよう注意しましょう。

前述の通り、選考で重視されるポイントは企業により異なります。

・地頭の良さを見ようとする企業
・リーダーシップを見ようとする企業
・コミュニケーション能力を見ようとする企業


など多かれ少なかれどの要素も大事ではあるのですが、重視される比率は異なります。これについては自分で情報収集して志望企業ごとに傾向を掴んでもらえればと思います。

ケンカ(生産的な議論でのケンカ)をしてでも正しい結論を導いたほうが高評価になるケースもありますし、結論の正しさよりも過程を評価されるケースもありますので、必ずしも優秀な学生が通過するというわけではありません。
 

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馬鹿にできない最初の挨拶

グループディスカッションのチーム分けがされたとき、グループ内で挨拶などを積極的にしない方がいらっしゃいますが、これは非常にもったいないことです。
最初に挨拶や最低限でも自己紹介をしておくと、そのあとのコミュニケーションの取りやすさが全く違ってきます。自分が話しやすく、ほかの参加者も自分に話しかけやすくなるよう、グループメンバーと話せる最初の時間は大事にしましょう。

これを心がけるだけでラクにディスカッションができるようになる場合が多いです。スマホを見たりほかにやりたいことがあったとしても、メンバーの前では壁を作らないようにしましょう。
 

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「タイムキーパーになれ」は間違い?

よく「司会ができないならタイムキーパーを」とアドバイスするような就活記事がありますが、これを鵜呑みにしてはいけません。少なくとも「タイムキーパー役が上手い学生を通したい」と思って選考している企業はありません。

ちゃんとディスカッションを前に進めながら「タイムマネジメント“にも”貢献している」なら評価はプラスになるかもしれませんが、議論に貢献せずただ時間だけを見てアナウンスする役割に徹したところで、あなたの人柄や能力を知ってもらうことはできません。

このやり方では「誰を落とすか決める」選考には通過できるかもしれませんが、「誰を通すか決める」選考には通ることはできないでしょう。

場合によっては「就活マニュアルでタイムキーパーをやれと書いてあったのを鵜呑みにしているんだな…」と認識されてしまう可能性もあるかもしれません。間違っても、ただ残り時間を告げるだけの「カウントダウンタイマー」にならないよう注意してください。

和を乱してマイナス評価を受けるよりは良いかもしれませんが、遅かれ早かれ落ちることには変わりありません。

まずは、「見られている」ことを恐れないで議論に参加しましょう。「自信がないからタイムキーパー」というスタンスでは、そこから得られるものはありません。

何か一つでも自分が貢献できるように、議論に参加することをまず意識しましょう。

もちろんタイムキーパーをすること自体がNGというわけではないので、自分の貢献できる役割を果たしたうえで時間管理までできるのであればぜひやってみてください。
 

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「それでも司会はできない…」という方にオススメしたいこと

こういう話をすると、「そうは言ってもやっぱり司会はできないし、議論についていくのが難しい」と言う方がいらっしゃいます。

そういう方にオススメしたいのが、「議事録係」です。

「決定したこと」や「決定した理由」などをしっかりまとめておけば、それだけでもチームに貢献することができます。そして議事録を取る過程で議論の全体像が見えるので、結果的に議論にも参加しやすくなるでしょう。議論についていけないメンバーがいたときのフォローをする役割も担えます。

議論の流れをまとめ、理解しているからこそ、話が脱線したときに軌道修正したり、誰かが議論についていけていないときに「これはこういうことです」と理解を促すことが可能になるでしょう。

そして、全体像を理解したうえで自分の意見を伝えることもできるはずです。

しかし、完全に「ただ議事録を取るだけの存在」になってしまうと、選考担当者からは議論に何も参加していない学生に見えてしまう可能性があるため、「議事録を取ったうえでアウトプットする」というところまでセットで考えてもらえればと思います。
 

 

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自信満々の参加者に騙されない

まだあまりグループディスカッションに参加したことがない方に1つ伝えておきたいのは、「自信満々に意見を言っている方が正しいことを言っているとは限らない」ということです。

自分とは違う意見を持っている方が自信満々に発言していると、「もしかして自分の考えは間違っているのでは…」と縮こまってしまう方がいらっしゃいます。
しかし、蓋を開けてみると縮こまっていた側の意見のほうが正しかったということもよくあります。

自信満々で主張している方がいつも正しいわけではないため、態度だけで圧倒されないようにしてください。

もちろん、結果的に自分の意見が間違っていることもあります。だから自分とは違う意見の参加者がいる場合、どういった背景からその意見の違いが発生しているのか探りましょう。

意見の「前提条件」が違うだけで、「前提条件を揃えれば実は同じ意見だった」ということもよくあります。そういった確認作業を通して議論は整理されていくので、「異なる意見」こそ大事にしましょう。

一見別物に思える意見を整理してこそ、より説得力のある結論に至ることが可能になります。

「自分は正しい」という自信があったとしても、盲目的に自分の意見に固執しているようではマイナス評価になるでしょう。違う意見を1つにまとめていったり、違う意見を得て自分の考えを改善できる人こそグループディスカッションでは評価されます。

「自分の発案が採用されたかどうか」ではなく、グループで成果を出すために何か貢献できているかどうかを重視してもらえればと思います。

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