学歴フィルターの実態は?かかる基準と回避方法を就活のプロが解説!

このページのまとめ

  • 学歴フィルターとは、大学名で選考から落とすこと
  • 大手や有名企業は、選考効率化のため学歴フィルターを使う傾向にある
  • 学歴に自信がない人は、「学業以外の実績や体験」をアピールしよう

学歴フィルターの実態は?かかる基準と回避方法を就活のプロが解説!のイメージ

「学歴フィルターって本当にあるの?」「どこから掛けられる?」と気になる就活生は多いでしょう。就活では、多くの企業が学歴フィルターを取り入れるのが現状です。ただし、努力によっては高学歴でなくても学歴フィルターを突破できるでしょう。
このコラムでは、「学歴フィルターがある理由」「乗り越える方法」などを詳しく解説。
学歴フィルターに振り回されず、自分の強みを効果的にアピールして内定を目指しましょう。

目 次
 

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学歴フィルターとは

学歴フィルターとは、就職活動において大学名だけで就活生をふるいに掛けるシステムです。これにより、求める偏差値に満たない大学生は選考から除外します。多くの企業は学歴フィルターの存在を公言していませんが、採用活動に取り入れられているのが現状です。また、実際に選考過程で「学歴フィルターを掛けられている」と感じる就活生は多いようです。

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学歴フィルターが存在する理由

学生からすると、なぜ学歴だけで判断するのかと思うかもしれませんが、企業が学歴フィルターを設ける理由は以下のようなことが挙げられます。

採用コスト削減のため

学歴フィルターの大きな理由として「採用コスト削減のため」が考えられます。多数の応募者が殺到する有名企業では、一人ひとりと会って採用否か判断するための時間を割けません。そのため、就活生を学歴でふるいに掛け通過させることで、採用活動の効率化を図っているのでしょう。

また、大手や人気企業の中には社内学閥があるために、学歴フィルターを採用していることもあるようです。このような企業では、学閥外の社員が重要ポストに就くのは難しい傾向があります。

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学歴フィルターはどこから?

では、実際に学歴フィルターはどのように区切られ、どこからかかるのでしょうか。

学歴フィルターの区切り

学歴フィルターがあるとすれば、下記のように区切る企業が多いでしょう。

・上位国公立
・早慶上智以上
・MARCH/関関同立以上
・日東駒専/産近甲龍以上
・大東亜帝国以上

大企業と中企業のフィルター基準

大企業の場合、「国公立」や「早慶上智」をターゲット校としつつ、「MARCH」「関関同立」から学歴フィルターを掛ける傾向にあるようです。

中堅企業の場合、「日東駒専」や「産近甲龍」も学歴フィルターに入るといわれています。
ただし、学歴フィルターをどこから掛けるかは企業によって異なるため、一概にはいえません。

理系大学の場合

理系に関しては、専門性で評価されやすいことから、学歴よりも情報系や機電情など学部で見ている企業も多い印象です。学歴の場合、企業によってどこからフィルターを掛けるのかは違いますが、「国公立」や「早慶上智」「MARCH」「関関同立」は掛けられず、偏差値50以下の理系から掛けられることが多いようです。
ほかにも、研究職に関しては、大学名だけではなく「大学院卒」であるかどうかも重視されている傾向があります。

 

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学歴フィルターをかける企業の特徴

では、学歴フィルターはどのような企業であるのでしょうか。特徴をお伝えします。

大手や有名企業の名高い企業で多い

学歴フィルターを掛けるのは、大手や有名企業といった人気の高い企業の傾向があります。求人倍率が非常に高く、内定者の学歴も高いのが特徴です。
中でも高度な知的労働が求められる企業の場合、難関大学に絞って学歴フィルターを掛ける場合があると考えられるでしょう。

地域や時期よって異なる

企業の所在地によって、学歴フィルターが異なる場合も。関東に本社がある企業の場合はMARCHを、関西に本社がある企業は関関同立を優先的に採用している傾向があります。また、就活の時期や、その年の景気によって左右される場合もあるでしょう。

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学歴フィルターがある企業か確かめる方法

企業は、学歴フィルターの有無を公言していないので、フィルターの有無ははっきりと分かりません。しかし、学歴フィルターがあるか否かによって対策の仕方も変わってくるでしょう。そこで、学歴フィルターの存在を事前に確かめたい場合には下記の方法を試してみても良いでしょう。

採用実績校を調べる

企業や大学の採用実績校を調べることで、学歴フィルターを掛けているかどうかを、ある程度は推測ができます。採用実績は企業の公式Webサイトや、大学の就職課、就活生向けの四季報から調べる事が可能です。
もし、自分の大学から何年も内定者が出ていなければ、学歴フィルターに掛かっている恐れがあるでしょう。

リクルーターが付いているかを調べる

リクルーターが付いているかどうか調べるのも一つの手。リクルーターとは、自身の出身校の学生をスカウトし、採用につなげる若手社員のことです。「リクルーター面談がある=採用したい大学」といえます。そのため、リクルーター面談があれば、学歴フィルターにはかかっていないと考えて良いでしょう。同時に、リクルーターの制度を採用している企業には学歴フィルターを採用している可能性があるでしょう。

ただし、大学のOB・OGに内定者がいなければ、リクルーターが付かないのが一般的です。仮に、リクルーターが付いたとしても、「ターゲット校以外の学生たち」と一括りにされ、丁寧なフォローを受けるのは難しいでしょう。

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学歴フィルターが存在し得る4つの状況

上記で述べた方法以外に、就活において選考過程からも学歴フィルターの有無を推測することが可能です。
下記で、学歴フィルターが疑われる状況を確認しておきましょう。

1.説明会に参加できない

「説明会が満席で予約できない」場合には、学歴フィルターが要因である可能性があります。
企業によっては予約システムにフィルターを掛け、対象外の学生の参加を受け付けないからです。実際、同日の説明会でも高学歴の学生は「予約可能」、それ以外の学生は「満席」と表示されるという事態がSNSで指摘されたことがありました。

2.エントリーシートが通らない

何社出してもエントリーシートが通らないときには、学歴フィルターにひっかかっていると考えられるでしょう。企業によっては大学名でエントリーシートを選別し、ターゲット校以外は読まないこともあります。また、高学歴の学生のエントリーシートを先に読み、それ以外の学生は後回しにすることもあるようです。

3.高学歴の学生と比べて情報格差がある

面接やセミナーの案内が高学歴の学生に比べて遅い場合、学歴フィルターが掛けられていると推測できます。というのも、企業によっては高学歴の学生を優先するため「高学歴を先に・それ以外は後に」と連絡することがあるからです。
ほかにも、「大学にインターンシップの案内が来なかった」「学内説明会が開かれなかった」ということも。結果として情報格差が生まれ、選考に苦戦する就活生が多いようです。

4.Webテストの合格点数が高い

企業によっては、大学名によってWebテストの合格ラインを変えている可能性も。ふるいに掛けられている大学は、高得点が出せなければ筆記試験を通過できないこともあるようです。ただし、得点次第では選考に進めるので、挑戦のチャンスであるといえるでしょう。

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学歴フィルターを乗り越える10のコツ

学歴に自信がなくても、努力によって学歴フィルターを乗り越えられることもあります。面接に進めば、人柄や意欲といったポテンシャルを重視されるのが一般的。ここでは、学歴フィルターを乗り越えるコツについて具体的に解説します。

1.学歴以外の実績を作る

学歴に自信がない人は、「全日本〇〇大会出場」「ビジネスプランコンテスト〇〇賞受賞」のような
学歴以外の実績を作りましょう。
ほかの人が出せないような実績は、「成果を目指して努力できる人間」というイメージにつながります。体育会系・文化系問わず、全国規模の実績がある人は積極的にアピールしてください。
特異な実績がない人は、自分の特性を見極め、強みを発揮したエピソードをアピールすると良いでしょう。

2.採用試験で高得点を狙う

学歴に自信がない人は、SPIや一般常識テストなどの、採用試験対策を徹底し、高得点を目指しましょう。
高学歴と並ぶ高得点を出せば、採用担当者の目を引く可能性があります。もし、採用試験の結果が面接で話題になれば、努力の過程をアピールするチャンスにできるでしょう。早い段階から採用試験を視野に入れ、問題集で練習することがおすすめです。

3.志望企業の社員との接点をつくりにいく

志望企業の社員との接点をつくるのも学歴フィルターを乗り越えるコツです。志望企業の社員に気に入ってもらえたら、人事や役職者に紹介してもらい面接までつなげてくれる、ということもありえます。

4.選考書類を丁寧に書く

選考書類は丁寧に記入し、採用担当者の目に留まるエピソードを盛り込んでエントリーシートを書くことが大切です。学歴フィルターがあるような大企業は応募者数が非常に多いため、学歴フィルターを通過できたとしても、ほかの応募者と差別化できていなければ、埋もれてしまうでしょう。
Webサイトや就活の参考書に書かれた例文をそのまま書くのではなく、自分らしさをアピールすることが重要です。輝かしい経歴である必要はなく、失敗や自分の短所とどのように向き合い、成長してきたのか、入社後の活躍が想像できるような内容を書いてみましょう。

5.面接対策を徹底する

「質問に対する答えを想定する」「逆質問を考えておく」「説得力のある自己PR・志望動機を作る」など、面接に対する事前対策を徹底しましょう。
また、何度も面接を経験することは、面接の訓練になります。面接を受けたあとは、PDCA(計画・実行・評価・改善)の追求をしましょう。聞かれた質問とそれに対する答え、面接官の反応を振り返ってください。反応が悪かった答えは、「どう説明すれば魅力的になるか」考えることが大切です。
反省を活かして次の面接で改善できれば、自分の人柄や能力を最大限にアピールできるでしょう。

6.OB・OG訪問で社会人の話を聞く

OB・OG訪問で「就活への取り組み方」「学歴フィルターの乗り越え方」を質問してみましょう。OB・OGは学歴フィルターを乗り越えて就職している可能性があります。エントリーシートの添削や自己PRのフィードバックをお願いし、実践的なアドバイスをもらうのもおすすめです。また、「30人のOB・OGに話を聞きました」というようなエピソードは、入社意欲を伝える材料にもなります。
近年では他大学の社員と会えるサービスもあるので、積極的にOB・OG訪問すると良いでしょう。

7.インターンシップで就業経験を積む

インターンシップで就業経験を積み、就活でのアピール材料を作りましょう。企業によってはインターンシップで学歴フィルターを掛ける場合もありますが、積極的に応募するのがおすすめです。
実務をとおして業界や職種との相性が分かり、就活でのミスマッチが防げるメリットもあります。
リクルーターがつけば本選考で優遇されるため、高学歴と肩を並べられる可能性もあるでしょう。

8.英語力をアピールする

英語力を必要とする企業は多いため、自信がある人は積極的にアピールしましょう。
TOEICや英検など、客観的な評価軸を伝えるのが大切です。就活で使えるのは、「TOEICは800点以上」「英検は準1級から」が目安。長期の留学や海外インターンシップの経験もアピール材料になり得るでしょう。

9.プログラミングを習得する

エンジニアを目指す場合、学歴よりもプログラミングスキルが評価される傾向にあります。
近年エンジニアの不足が問題視されており、企業側は即戦力となる人材を求めているからです。
プログラミングを独学したり、アプリを開発したりした経験がある人は、積極的にアピールしましょう。しかし、企業や業務内容によって、求められる言語のスキルは異なります。自分の言語スキルと、企業が求める言語が一致しているかしっかり確認することが大切です。

10.就職エージェントでサポートを受ける

効率的に就活を進めたい方は、就職エージェントを利用するのがおすすめ。就職エージェントとは、プロのアドバイザーがマンツーマンで就活を支援してくれるサービスです。エントリーシートの添削や模擬面接も受けられるため、アピール力をアップできるのが魅力だといえるでしょう。
また、就活生の特性に合わせて、マッチする企業を紹介してもらえるサービスもあります。学歴フィルターを気にせず内定を目指したい人は、就職エージェントに相談すると良いでしょう。

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学歴フィルターの捉え方(メリット・デメリット)

下記では、学歴フィルターよるメリット、デメリットについて紹介します。

企業側

企業にとっては、学歴フィルターを設けることで選考を効率化できるのがメリットです。一人ひとりの応募者を丁寧に見ていると、人事コストがかかりすぎるため、学歴という分かりやすい指標を使うことで、選考の手間と時間を省いているといえます。
しかし、デメリットもあります。学歴フィルターを設けることで、ターゲット校以外の優秀な学生を取りこぼす恐れがあることです。学歴が高いからといって、仕事で成果を上げるとは限りません。さらに、学歴フィルターの存在を世間に知られることで企業イメージを下げたり、ターゲット校を絞ることで内定者が画一化し、個性の幅が狭まったりする可能性もあるでしょう。

就活生側

就活生にとって学歴フィルターは、説明会に参加できなかったり、エントリーシートが通らなかったりと、デメリットのイメージが強いでしょう。しかし、デメリットだけではなくメリットに注目することも必要です。学歴フィルターがなく20社にエントリーし、すべて面接を受けたと考えてみると、選考に参加するための交通費や書類作成でかなりの労力を必要とするでしょう。
そのため、採用の可能性が低いと考えられる企業は早めに見切りを付け、自分のスキルや適正に合った企業に絞って就活を進めたほうが効率的です。
学歴フィルターは、交通費や就活にかける労力といったコストを掛けずに自分に合った企業を把握する機会であると考えましょう。

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本記事の執筆者

梶川沙綺(かじかわさき)

新卒でレバレジーズ株式会社に入社。年間1000名以上の就活生の支援を行い、入社3年目で神戸支社の立ち上げに携わる。現在は本社でサービスの向上にも関わりながらキャリアコンサルタント国家資格取得に向けてスキルアップ奮闘中。

 

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本記事の監修者

淺田真奈(あさだまな)

大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。

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