このページのまとめ
- 大企業の定義はないが、中小企業法の規定に該当しない規模の企業をそう呼ぶ傾向にある
- 大企業での勤務で発生するメリット、デメリットを把握して就活する必要がある
- 会社選びにあたって大切なのは、自分なりの価値観と判断基準を持つこと
大企業への就職を検討中に「メリットが多いと聞くけど自分に合うのか?」と悩む方も多いでしょう。大企業での勤務はメリットがある一方、人によってはデメリットとなる場合もあります。
この記事では、大企業のメリットとデメリットを紹介したうえで、会社選びにあたって大切にしたい考え方をお伝えします。「大企業は魅力的に見えるけれど、知名度や待遇で会社を選んでよいか不安」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
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大企業の定義とは?大手企業との違いも解説
「大企業」という言葉自体には、明確な定義はありません。中小企業の定義を上回るものを、大企業と呼ぶケースが一般的です。
中小企業の定義は、中小企業庁「FAQ『中小企業の定義について』」によると次のとおりになります。
業種 | 中小企業者(下記のいずれかを満たすこと) | 小規模事業者 | |
資本金の額または出資の総額 | 常時使用する従業員の数 | 小規模事業者 | |
①製造業、建設業、運輸業、その他の業種(②~④を除く) | 3億円以下 | 300人以下 | 20人以下 |
②卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 | 5人以下 |
③サービス業 | 5,000万円以下 | 100人以下 | 5人以下 |
④小売業 | 5,000万円以下 | 50人以下 | 5人以下 |
引用元:中小企業庁「FAQ『中小企業の定義について』」
大企業かどうか迷ったときには、中小企業の定義を参考に、上回るかどうかで判断してください。
大企業と大手企業の違い
大企業と大手企業の違いにも、明確な定義はありません。定義はありませんが、一般的には「各業界で上位シェアを獲得している企業」「規模が大きく知名度も高い企業」を大手企業と呼びます。大企業の方が範囲が広く、大企業のなかに大手企業が含まれていると覚えておくといいでしょう。
中小企業と大企業の違いについては、「中小企業と大企業の違いやメリット・デメリットを知ろう」の記事で解説しています。企業選びの参考にしてください。
参照元
中小企業庁
FAQ『中小企業の定義について』
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大企業で働くメリット
大企業で働く場合、「社会的信用がある」「教育体制が整っている」などのメリットがあります。ここでは、大企業で働く8つのメリットを紹介するので、就活時の参考にしてください。
社会的信用度が高い
大企業で働く場合、社会的信用を得やすくなります。ビジネス麺はもちろん、住宅ローンのようなプライベートでも信頼されるでしょう。
将来、転職をする場合でも大企業での勤務先が実績になる場合もあります。社会的な信用を得られれば、有利に働くケースが多いでしょう。
会社の安定性がある
業績が悪化したとしても、即座に倒産するケースが少ないという点が大企業の強みです。大企業の社会的信用度の高さは、この安定性に由来していると考えられます。
当然ながら大企業にも倒産リスクはありますが、中小企業や個人事業主と比較すると安定性が高いといえるでしょう。
ネームバリューがある
ネームバリューも大企業ならではの魅力です。法人をターゲットとする企業以外であれば、社名を出せば何をしている会社なのかすぐに把握してもらえるでしょう。
自分の勤め先を知っている人がたくさんいることは仕事へのやりがいにつながり、働き続けていくための強い動機となる場合もあります。
教育体制が整っている
新入社員の教育に力を入れている所が比較的多いのが大企業の特長です。
入社数年目の人や肩書がついた社員に対しても、それぞれの立場に応じた研修が適宜実施される場合もあります。
会社の制度の下でスキルアップしながら、着実にキャリアを積み上げていけるのがポイントです。
高い給与が得られる
中小企業と比較し、給与が高い点も大企業のメリットとして挙げられます。
厚生労働省が発表した「令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況」によると、大企業の男女、年齢合わせた平均賃金は348.3千円でした。一方、中企業では303.0千円、小企業では284.5千円という結果が出ています。
この調査から、より高い給与を得たい方の場合、大企業にメリットがあるといえるでしょう。
引用元:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況」
福利厚生が充実している
福利厚生が充実しているのも大企業の特色の1つです。
社会保険のような基本的な制度はもちろん、社宅完備や資格取得支援、ストックオプションといったバラエティ豊かな福利厚生を用意している企業もあります。
このような福利厚生を活用すれば、安心して業務を続けられ、長期的な勤務も実現できるでしょう。
仕事の規模が大きい
携われる業務の規模感が大きい点も、大企業で働くメリットです。大企業のなかには世界中に拠点を持ち、海外企業との取引を行う場合もあります。
海外の企業や人を巻き込む業務を担当できれば、自分の視野や能力の成長にもつながるでしょう。さらに、新しい人脈を獲得しやすく、今後の業務へのプラスになります。
転勤や異動のチャンスがある
大企業は部署や支店が多く、転勤や異動しやすい点もメリットです。新しい業務を経験できれば、スキルアップにつながるでしょう。
大企業では、社員に経験を積ませるために、ジョブローテーションを実施しているケースも多くあります。企業全体への認識が広がったり、人脈が増えたりするため、成長や出世にもつながりやすいでしょう。
ジョブローテーションとは
ジョブローテーションとは、職場や職種を一定期間ごとに異動し、スキルアップや人脈を広げるための制度です。ほかにも、社員の適性判断や、企業の幅広い業務を把握させる目的があります。
これらのメリットに価値を感じる場合は、大企業を目指すのがおすすめです。ただし、会社ごとの特長や制度の違いがあるため、自分が求めるメリットの有無についても企業研究し確認しましょう。
転勤に不安を抱えている方は、「転勤のない仕事や職種の探し方は?転勤しないメリットデメリットも解説」を参考にしてください。
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大企業で働くデメリット
大企業で働く場合、「業務が限定されやすい」「出世まで時間がかかる」などのデメリットもあります。ここでは、6つのデメリットを紹介するので参考にしてください。
転勤や異動がある
大企業は支店や部署が多く、転勤や異動が実施されます。同じ業務を続けたい場合や、新しい環境が苦手な場合はデメリットになるでしょう。
入社当初から部署移動が想定されていたり、ジョブローテーションで複数の業務を行うことが決まっていたりする企業もあります。転勤や異動があるかどうかは、事前に確認しておくといいでしょう。
アイディアを実現しにくい
大企業に所属するのは、組織の中の小さな歯車となって働くという側面があります。常に希望する仕事が与えられるとは限らず、指定された業務をこなす働き方になる可能性もあるでしょう。
そうした環境では、自分のアイディアがいかに優れていても、それを直接事業に活かせる機会は少なくなります。
自立に時間がかかる
大企業は仕事のスケールが大きく、自立できるまで時間が必要になるかもしれません。研修期間はどれくらい必要か、何年あれば一人前になれるかなどは確認しておくといいでしょう。
大企業は教育制度が整っている場合が多く、研修にも時間を欠ける傾向にあります。自分の裁量を早く持ちたい場合には、デメリットになるでしょう。
出世が遅くなる
大企業は社員数が多いために社内での競争が激しく、若いうちに役職に就任するのは難しいと考えられます。
努力して出した実績も組織の成果とみなされ、すぐに個人の待遇に反映されるとは限らない点もデメリットです。
意思決定が遅め
案件を進める上で大勢の承認を得るプロセスを経なければならない点も、大企業のデメリットの1つです。
とりわけ保守的な体質の大手企業では、事の大小を問わず、ミスを防ぐために意思決定に時間をかける傾向があります。
こうしたやり方は時に、取引先やクライアントに「この会社は仕事が遅い」と感じさせてしまう要因となるようです。
業務が限定的になりやすい
大企業では社員数の多さから、業務が細分化され限定される点もデメリットといえます。異動や転勤の機会が少なければ、携わる仕事が一部となり、職種全体に関する業務把握やスキル向上、大きな成果につながる可能性は低いでしょう。
また、すでに業務のルールや流れが固定されている場合が多く、変則的な対応は認められない社風の企業もあります。
大企業は経営陣と現場の距離も遠いため、双方の動きが見えづらい点もデメリットとなりえるでしょう。
なお、メリットとデメリットは表裏一体の部分もあるため、考え方次第で反転する場合も考えられます。企業の特徴を客観的に見て、応募先を選択するのがおすすめです。
大企業への就職を目指す場合、総合職と一般職の違いについても把握しておきましょう。業務の範囲や転勤の有無などで異なるからです。総合職と一般職の違いについては、「総合職とはどんなもの?一般職との違いは?」で詳しく解説しているので参考にしてください。
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大企業と中小企業どっちがいい?それぞれのメリットを知って選ぼう
就活で迷いやすいものが、「大企業と中小企業のどちらに就職するか」です。大企業と中小企業にはそれぞれメリットデメリットがあるので、よく比較して選んでください。
大企業・中小企業それぞれに魅力がある
大企業も中小企業にもそれぞれ魅力があるのを知っておきましょう。中小企業のなかにも、業界シェア上位を獲得していたり、ユニークな事業で注目を集めていたりする企業があります。
また、中小企業の場合、個人の裁量が大きくなりやすい点もメリットです。若いうちから経験を積みたいと考えている就活生には、活躍の場が多いのでチャンスになります。
企業を選ぶ際には、大企業や中小企業に関係なく、業界内での立ち位置や働きやすさ、将来性など総合的な判断で決めるのが大切です。「大企業は知名度があるから優良企業だ」のようなイメージにとらわれず、幅広い視野で企業を見るようにしましょう。
「大手病」でチャンスを逃さないようにする
大手病にとらわれ、就活で失敗しないように気をつけてください。大手病とは、就活で大手企業ばかりに注目している状況です。企業選びの視野が狭くなり、自分にあわない企業を選んでしまう恐れがあります。
応募する企業を選ぶ際には、自分のキャリアプランが実現できるかどうか考えるのが大切です。また、就活の軸を持ち、自分の価値観や考え方にあう企業を選ぶのも重要でしょう。
世間的なイメージだけで判断してしまうと、ミスマッチを引き起こしてしまいます。客観的に企業を捉え、自分なりの判断基準で選ぶようにしてください。
大企業でなくても、優れた企業は数多くあります。詳しくは、「隠れ優良企業を見つけるにはどうする?探し方や注目ポイントを解説!」で解説しているので、参考にしてください。
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大企業への就職が自分に合っているか悩むあなたへ
大企業への就職は、メリットがある反面デメリットもあります。一般的な印象で応募先を決めるのではなく、さまざまな面から企業研究し、総合的に自分と合っているか判断してください。
しかし、なかには「大企業と中小企業、どちらがよいか決められない」方もいるでしょう。そのようなときは、就活のプロなど、第三者に相談するのがおすすめです。
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