自己分析とは?おすすめのやり方と8つの注意点を解説

このページのまとめ

  • 自己分析する目的は、企業選びの軸を決めて面接官に自分をアピールするため
  • 自己分析には、自己理解を深めて内定先選びに役立つメリットがある
  • 自己分析には「自分史」や「ジョハリの窓」など、複数のやり方を活用できる

自己分析とは?おすすめのやり方と8つの注意点を解説のイメージ

「自己分析はなぜ必要なのか」「どのような方法で自己分析すればよいのか」と悩んでいる就活生も多いでしょう。自己分析は、自分の長所や短所、強みを理解し、自己PRや志望動機をまとめるために必要です。

この記事では、就活における自己分析の目的やメリット、おすすめのやり方を解説します。自己分析するときの注意点もお伝えするので、ぜひ参考にしてください。

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目 次

自己分析とは?就活において重要な理由

自己分析とは、過去の経験や出来事を整理しながら、自分の長所や短所を分析し、自分の強みを見出すことです。

就活に欠かせない自己分析ですが、そもそもなぜ自己分析が重要なのでしょうか。まずは、自己分析する目的について解説します。

企業選びの軸を決めるため

1つ目の目的は、自分の強みや性格を深く知り、どういった企業に応募するかを決めるためです。自分の好きなことや得意なこと、弱点などが分かれば、自分に合う企業が明確になり、それが企業選びの軸になります。

企業選びの軸とは、「就職先を選ぶにあたって譲れない条件」のことです。もし、企業選びの軸が決まっていない状態でやみくもにエントリーしてしまうと、自分に合わない企業を選んでしまい、内定を獲得するのが難しくなるでしょう。

また、仮に内定をもらって入社したとしても、「思っていた仕事と違う」「社風が合わない」などと感じて早期退職につながるケースも珍しくありません。こうしたミスマッチを防ぐためにも、自己分析を通じて企業選びの軸を定めておくことが重要です。

面接官に自分をアピールするため

2つ目は、応募書類や面接で自分の人柄や強み、価値観などを伝えるためです。自分がどのような人物なのか何となく分かっていても、言語化するためには、これまでの経験や大切にしている価値観を掘り下げる必要があります。

たとえば、面接などで「自分の強みは△△です」と話したところで、裏付けできる情報がなければ説得力に欠けるでしょう。この場合、どのような経験をして、そう思ったのか具体的なエピソードを伝える必要があります。

自己分析を通じて、自分が過去にどのような経験をして、何を考え、どう行動したかを深掘りすることで、説得力のある自己アピールが可能です。

就活において自己分析する意味については、「就活における自己分析のメリットとは?」も参考にしてください。

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自己分析する5つのメリット

​​自己分析に取り組むことで、以下のようなメリットが得られます。

1.今まで見えていなかった自分の特性が見えてくる

自己分析すると、今まで見えていなかった自分の特性が見えてくるでしょう。自分の強みや性格などは、自分が一番よく知っていると思っている方も少なくありません。しかし、実際には、内省する時間をなかなか確保できていないケースがほとんどです。

自己分析することで、日々の忙しさや人との関わりのなかであまり意識できていなかった自分の強みや価値観に気づけます。今まで見えていなかった側面を見ることで、企業選びの視野が広がったり、自分のアピールポイントが増えたりするでしょう。

2.自分のやりたいことが明確になる

自己分析すると、自分のやりたいことが明確になるメリットがあります。自分自身と向き合うことで、自分の熱意や興味・関心が明確になり、自分が望むキャリアや人生の方向性が見えてくるはずです。

自分のやりたいことが明確になれば、将来的なキャリアパスをより戦略的に計画できます。また、モチベーションの維持にもつながるため、効果的に成果を追求できるでしょう。

3.選考通過率がアップする

自己分析すると、就活において企業にアピールすべき自分の強みやスキルを把握できます。自己理解が足りていない状態で、履歴書やエントリーシートを書いても、自分のアピールポイントを効果的に伝えられません。

自己分析を通じて自己理解ができていれば、自分の強みや価値観を的確に伝えられるほか、自信を持って選考に臨めるでしょう。結果として、企業からの評価が高まり、選考通過率のアップが期待できます。

4.複数内定が出たときに迷わず選べる

複数内定が出たときに迷わず選べることも、自己分析するメリットの一つです。自己分析することで、具体的に「どのような環境なら自分が活躍できそうか」「自分が何を大切にして働きたいか」といった自分の価値観や優先順位が明確になります。

そのため、2社以上の企業から内定を獲得した場合でも、自己分析ができていれば、自分なりの基準に従って「自分に最もマッチしている△△社で働こう」と迷わず選べるはずです。

5.入社後のミスマッチを防げる

自己分析は、入社後のミスマッチを防ぐのに役立ちます。なぜなら、自分の強みや興味・関心、価値観などを理解しておくことが、入社後の満足度を高めることにつながるためです。

就活のゴールは内定を獲得することではありません。仕事を通じて理想の人生を実現していくためにも、入社後のミスマッチはできるだけ防ぎたいものです。そのためにも、自己分析は欠かせないステップだといえるでしょう。

就活において大切にしたい価値観については、「就活の軸とは?例文付きで見つけ方や回答のコツを紹介!」も参考にしてください。

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自己分析は就活を始めたらできるだけ早く取り組もう

自己分析は、できるだけ早い時期に始めることで、就活をスムーズに進められるでしょう。自己分析しておくと、エントリーシートの作成はもちろん、インターンシップの選考にも役立ちます。

実際のところ、自己分析をいつまでにやるべきか、明確な決まりはありません。しかし、一般的には、就活準備を始める大学3年時に済ませているケースがほとんどです。

内閣府の「令和4年度学生の就職・採用活動開始時期等に関する調査 調査結果 報告書(29p)」
によると、インターンシップの参加時期は大学3年生の「7月〜9月」が約5割と最も高く、この時期から本格的にインターンシップを実施している企業が多いことが分かります。

令和4年度学生の就職・採用活動開始時期等に関する調査 調査結果 報告書の引用画像

引用元:内閣府「令和4年度学生の就職・採用活動開始時期等に関する調査 調査結果 報告書(29p)」

また、内閣府の調査によると、全体の9割近くの学生が大学3年生の3月までに最初のエントリーシートの提出を済ませているという結果でした。

令和4年度学生の就職・採用活動開始時期等に関する調査 調査結果 報告書の引用画像の画像

引用元:内閣府「令和4年度学生の就職・採用活動開始時期等に関する調査 調査結果 報告書(56p)」

自己分析は、できればインターンシップの参加前にあたる大学3年生の5〜6月、遅くてもエントリーシートを提出する前に取り組んでおくのがおすすめです。

24年卒・25年卒の​​就活スケジュールについては、「大学生の就活スケジュールを徹底解説!24・25・26年卒の動向もご紹介」も参考にしてください。

引用元:内閣府「令和4年度学生の就職・採用活動開始時期等に関する調査 調査結果 報告書

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就活における自己分析のやり方6選

自己分析の目的とメリットが分かったところで、次に自己分析の具体的なやり方を解説します。

1.「好き・嫌い」から自己分析する方法

まずは、自分の好き・嫌いをベースに自己分析するやり方です。

自分の「好き・嫌い」を書き出す

初めに、自分の好きなものと嫌いなものを、理由とあわせて箇条書きで挙げてみてください。趣味やスポーツ、人の性格など、なんでもよいので、最低でも各10個以上書き出します。普段自分が感覚的に持っている好き・嫌いを言語化できると、自分の強みや価値観が明確になるでしょう。

「好き・嫌い」の理由を参考に企業選びの軸を決める

好きなものと嫌いなものが書き出せたら、理由を参考にしながら、以下のような視点で企業選びの軸を決めます。

・どのような職種が合いそうか
・安定性かスキルアップのどちらを重視するか
・自分の時間をどの程度確保したいか
・どのような性格の人と相性がよいのか
・給料や待遇を重要視しているか

たとえば、「成長できること」「達成感が感じられること」が好きな場合、単純作業を繰り返すような仕事よりも、将来性があり主体性を持って働ける仕事が向いているでしょう。職種でいうと、営業や企画などが挙げられます。

また、嫌いな理由から、どのような職種を避けるべきか考えるのも有効です。一例として、「じっとしているのが嫌い」という傾向があれば、デスクワークには向いていないといえるでしょう。

企業に響くアピールを考える

自分の好き・嫌いから、自分が企業でどのように活躍できるのかを考えていきます。

たとえば、「不特定多数の人と話すのが好き」なら、コミュニケーション能力があることを示したり、「筋トレ」や「読書」が好きなら、自分の成長につながることを好む点をアピールしたりできるでしょう。

2.「自分史」から自己分析する方法

次に、「自分史」を使って自己分析するやり方を解説します。

自分史を作成する

過去にどのような経験をしてきたかを振り返り、「自分史」を作成してみます。1つのことを長く続けた経験や精一杯努力したこと、価値観が変わった出来事など、どのような内容でも構いません。

大切なのは、企業へのアピールとして使えないと感じるようなことでも、すべてを書き出していくことです。幼稚園、小学校、中学校、高校と時系列に分けて書いていくと、整理しやすくなります。

印象的なエピソードを掘り下げる

作成した自分史の中から印象的なエピソードをいくつかピックアップし、以下のような視点でさらに掘り下げてみましょう。

・なぜその活動をしたのか
・なぜ頑張れたのか
・活動の中でどのような課題があったか
・課題に対してどのような行動を取ったか
・行動の結果はどうなったか
・出来事を通じて何を学んだか

これらをしっかり分析してみると、自分がどんなときにモチベーションが高まるのか、どのようにして課題を解決しようとするのかを明確にできます。

エピソードの共通点を見つける

過去のエピソードを深く掘り下げていくと、自分がどのような行動パターンを取ることが多いかといった分析が可能です。エピソードの共通点を見つけて、自分の長所として認められると、自己PRも書きやすくなります。

たとえば、「一度決めたことは絶対にやり通す」といった傾向があれば、責任感が強いといえるほか、「周囲の関係を取り持つことが多い」場合は、調整力や物事を客観視できることを長所にできるでしょう。

自分史の作り方については、「自分史とは?就活のために設置する項目や自己分析への活用法を解説」も参考にしてください。

3.マインドマップで自己分析する方法

マインドマップとは、自分の考えを具体的に表現する手法です。中心にテーマとなる言葉を置き、そこから自分の思考をクモの巣のように広げていきます。

マインドマップを作成することで、日頃から自分が「何を考え」「何を大切にして」「どのような原理で行動しているのか」をより明確にできるでしょう。中央から放射状にイメージがつながっていくため、視覚的に分かりやすいメリットがあります。

4.ジョハリの窓で自己分析する方法

ジョハリの窓とは、自分の認識と、他人の認識におけるズレを理解するための手法です。自分自身を4つの窓から見るやり方で自己分析を進めます。

・自分も他人も知っている部分を「開放の窓」
・自分は知っていて他人は知らない部分を「秘密の窓」
・自分は知らず他人は知っている部分を「盲点の窓」
・自分も他人も知らない部分を「未知の窓」

やり方として、まずは「向上心がある」「几帳面」など、人の性格や長所・短所などを書き出してください。そして、その中から「自分はこれが当てはまる」と思うものをピックアップします。

次に、身近な友人や家族などにどの特徴が当てはまるかを質問しましょう。その結果をジョハリの窓の当てはまる部分に書き出すと、ジョハリの窓による自己分析ができあがります。

5.理由を繰り返し考え自己分析する方法

一つの出来事に対して「なぜ」を何度も繰り返すことで、自分の強みや価値観、性格を知ることができます。以下の例のように、自分への質問を続けてみてください。

フットサルサークルのマネージャーの仕事を頑張った
↓ なぜ頑張れたのか?
プレイヤーの人たちがありがとうと感謝してくれたから
↓ なぜ感謝されると頑張れる?
誰かの役に立っていると実感できて嬉しいから
↓ なぜ役に立っていると実感できると嬉しい?
自分がリーダーになるよりサポート役が好きだから
↓ なぜサポート役が好き?
みんなで力を合わせて頑張っている雰囲気がよいから
↓ なぜみんなでその雰囲気がよいと思う?
一人で何かに取り組むより、人と一緒に取り組んだ方が大きな成功が得られるから

このように「なぜ」を繰り返すことで、協調性があることや個人プレーよりチームプレーが向いていることなどが分かります。

些細な出来事でもよいので、「なぜ」を繰り返していくと、これまで気づかなかった強みや価値観を見つけられるかもしれません。

6.自己分析ツールを利用する方法

自己分析ツールを活用して、自分の強みや価値観を明確にするのもおすすめです。最近では、Web上でいくつかの質問に回答するだけで、自己分析できる診断ツールが増えています。

なかには、無料で利用できるものもあるので、自己分析に行き詰まったときには、気軽に利用してみてください。自己分析の時間がなかなか取れない就活生にも、取り入れやすいといったメリットがあります。

また、効率よく自己分析を進めるためには、就活エージェントに相談してみるのもおすすめです。

自己分析のやり方については、「自己分析とは何のためにする?やり方や準備するもの」も参考にしてください。

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自己分析するときの8つの注意点

ここでは、自己分析するときに気をつけるべき注意点を解説します。

1.他己分析も合わせて行う

就活においては、自己分析とあわせて他己分析をするとよいでしょう。一人で自己分析していると、「こうであってほしい」という潜在的な思いから、自分の強みや弱み、性格などを決めつけてしまうケースも珍しくありません。

こうした思い込みを防ぐためには、自分のことをよく知る周りの人に、自分の長所や短所などを聞く「他己分析」が有効です。他己分析すると、自分では気づかなかった弱点が見つかって認識をあらためられたり、より説得力のある自己PRを書いたりできます。

他己分析のやり方については、「​​他己分析とは?効率的なやり方のポイントや質問例を紹介」も参考にしてください。

2.企業に合わせて自己分析しない

就活においては、企業に合わせて自己分析しないように注意が必要です。特に、最初から志望する企業が決まっている場合は、その企業のビジョンや価値観に自分を当てはめるように自己分析してしまうケースも少なくありません。

企業にあわせて自己分析しているうちに、本来の自分の強みを見失ってしまう可能性も考えられます。就活の自己分析で大切なのは、企業に自分を当てはめることではなく、正しい自己分析をもとに企業を選ぶことです。

3.短所をポジティブ変換する

自己分析するときは、短所をポジティブ変換して言い換えることを意識しましょう。自己分析していて、「長所が見つからず、短所ばかり出てきてしまう」と悩んでいる場合は、短所をポジティブ変換してみてください。

たとえば、「優柔不断」は「柔軟性がある」と言い換えられるほか、「心配性」なら「計画的に行動できる」と変換できます。短所をポジティブ変換することで、より多くの長所を見つけられるはずです。

4.ありきたりな表現は言い換える

自己分析するときは、できるだけありきたりな表現を避けましょう。なぜなら、就活においては、ほかの応募者と差別化することが求められるためです。一般的な表現やフレーズは、抽象的で伝わりにくいほか、採用担当者の印象にも残りにくいでしょう。

たとえば、「コミュニケーション能力がある」という表現よりも、「複雑なアイデアを分かりやすく説明する能力を持っている」と具体的に言い換えることで、より効果的に自己アピールできます。

5.自分を大きく見せようとしない

自己分析において、自分を大きく見せようとする必要はありません。自分を偽って大きく見せていると、信頼を損なうリスクがあるため注意が必要です。

また、誤った自己分析で自分の本当の長所を見逃してしまうと、就活が進まなかったり、早期退職につながったりする恐れがあるので、無理やり合わせないようにしましょう。

自己分析では、自分の実際の経験や成果を具体的に示すことで、信頼性を高められます。自分を正直かつ客観的に表現することで、企業との相性を見極めることにもつながるでしょう。

6.自己分析した内容をメモする

自己分析した内容は、ノートに記録を残すのがおすすめです。メモを取ることで、エントリーシートを作成するときや面接前に簡単に確認できます。

一般的に、就活は長期にわたります。そのため、就活の過程で、自分の強みが分からなくなって自信をなくしてしまうときが来るかもしれません。自己分析の内容をメモしておけば、すぐに立ち返ることが可能です。

7.時間を費やしすぎない

自己分析は就活の基本ですが、必要以上に時間をかけるのは避けましょう。なぜなら、過度に時間をかけることで、就活をスムーズに進められなかったり学業に支障をきたしたりする可能性があるためです。

また、就活のために始めたはずが、自己分析そのものが目的となってしまうケースも少なくありません。限られた時間で効率よく就活を進めるためにも、計画的に時間を使って自己分析に取り組んでください。

8.一度だけで終わりにしない

自己分析は、多くの場合、一度だけで終わりではありません。自己分析をもとに自分の強みや経験をアピールしても、なかなか内定がもらえないケースも十分考えられます。

自己理解は、自分の経験や成長に応じてアップデートすることが大切です。特に、就活がうまくいかず行き詰まってしまったときは、自己分析からやり直す必要があるでしょう。

自己分析不足による就活失敗例については、「​​【就活生向け】自己分析のやり方を解説!内定に近づく活用方法とは」で詳しく解説しています。

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自己分析に苦手意識があるあなたへ

自己分析は、就活生における基本となる取り組みです。そのため、自己分析をうまく進められなければ、志望動機を作ったり、面接で適切に答えたりするのも難しくなるでしょう。

「自己分析のやり方がわからない」「自己分析の結果を誰かに確認してほしい」と悩みを抱えている方は、就活エージェントへの相談もおすすめです。

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本記事の監修者

淺田真奈(あさだまな)

大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。

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