【21卒 就活お悩み相談室 #4】ESの自己PR、どんなふうに書けばいいの?

こんにちは。キャリアアドバイザーの本澤です。本格的に寒くなり、いよいよ冬が近づいてきました。就活生の皆さんは風邪をひかないように、体調管理に気をつけてください。

さて、連載第5回で取り上げるのは「自己PRにどんなことを書いたらいいのかわからない」というお悩み。志望動機やガクチカと比べて、自己PRは自由度が高く感じられ、書く内容に迷ってしまう人も多いと思います。そこで、今回は自己PRを書くポイントや注意点についてお話ししたいと思います。

キャリアアドバイザー

本澤 杏祐(ほんざわ・きょうすけ)

大学在学中に京都で飲食店の起業・経営を経験。卒業後にレバレジーズ株式会社へ入社。入社後はキャリアチケットの立ち上げメンバーとしてキャリアカウンセリングを担当。自身の経験や培った知識をフル活用して、学生にとってベストなキャリアスタートを支援。

 

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自己PRは自己紹介や長所とは別もの

ESや面接で必ずと言っていいほど聞かれるのが「自己PR」です。皆さんは自己PRを問われたとき、どんなことを書くでしょうか。これまで私は3000人近くの学生のES添削や面接対策を行ってきましたが、文章としては上手く書けているものの、企業に対する「PR」という観点で見ると不十分な内容になってしまっているなと感じることがよくあります。また、「自己紹介と自己PRの違いが分かりません。」「自己PRは長所を書けば良いのですか?」と聞かれることも非常に多く、そもそも「自己PR」という項目で、何を聞かれているのかすらわからないという方も多いのではないでしょうか。

自己紹介は経歴や趣味など、自分についての基本的な情報を伝えるものです。そして、長所は主観的に自分が良いと思うところを挙げます。

では、自己PRはどうでしょうか。「PR」という言葉には、「売り込み、宣伝」といった意味があることから、自己PRは強みを伝え、自分を採用すると企業にとってどんなメリットがあるのかをアピールする内容でなくてはなりません。
 

自己PRは企業に合わせて書き換える必要がある

しかし、ある企業にとっては「採りたい」と思うような内容であっても、他の企業にとってはアピールにならないこともあります。

例えば、個人の成果を特に評価している実力主義の企業に対して、「私には協調性があり、仲間と協力しながら目標を達成することができます」と伝えても、企業が求めている人物像とはズレてしまっています。

このようにPR内容がズレている就活生にありがちなのは、自己PRの内容を使い回しているケースです。就活を始めるとき、まず自己分析を行い履歴書やOpenESを作成すると思いますが、最初に書いた自己PRから内容を変えていない人が多くいます。

また、自己分析の目的がズレていると、自己PRもアピールにならない内容になりがちです。自己PRの文章を作るために自己分析を通して内容を考えていくと、そこに企業目線が欠けてしまい、通過しにくいESになってしまいます。
 

まずは自己分析で自分が何をやりたいのか、将来どうなりたいかを考え、どういった企業が自分に合っているのかを探ってみてください。自分に合う企業や仕事のイメージをつけたうえで、その企業に対して自分がPRできることは何か、というように逆算して考えていくことが大切です。

 

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固定概念にとらわれずにアピール内容を考えよう

いざ企業に合わせた自己PRを書こうと思っても、「どんなエピソードにしよう?」と考え込んでしまうかもしれません。自己PRを書くときに就活生が悩んでしまいがちなのは次の2つです。

①留学、ボランティア、リーダー経験…大してアピールすることがないと思ってしまう

企業の採用担当者が自己PRでチェックしているのは、「企業が必要としている人物像を把握できているか、そのうえで活かせる自分の強みがわかっているか」ということです。以前、「2年間同じ職場で飲食のアルバイトをしていただけで、大した結果が出ていないしアピールにならない」と悩む学生がいました。しかし、学生のアルバイト経験者のうち、60%以上が1年以内に離職しているというデータがあります。それを踏まえると、周りが言うかっこいいエピソードがなかったとしても、1つの職場で長くアルバイトを続けられたということは、社会でも重要視される「継続力」や「忍耐力」といった能力をアピールする材料になります。

自己PRを考えるときは、「目に見える成果を残せていなければアピールにならない」「大きな経験を話さなければならない」という偏見を捨てて、自分の経験を客観的に振り返ることが重要です。

もし、それでもエピソードが見つからないと悩んでしまうときは、高校や中学での出来事を考えてみてください。大学生になってアルバイトもサークル活動もやっていないという人でも、中学・高校のときは部活を頑張っていた、というエピソードが出てくるケースがあります。「自己PRは大学でのことを話さなければならない」という決まりはないため、大学時代のことに限定せずに、どんな経験をしてきたか振り返ってみましょう。

②「エピソードは1つ」にこだわるあまり、上手く書けない

伝わりやすい自己PRにするために、1つのエピソードを書くことにこだわる人がいますが、エピソードが弱いと感じるのであれば2~3つのエピソードを盛り込んでも問題ありません。大事なのはアピールしたい1つの強みが伝わる、一貫性のある内容に仕上げることです。

例えば、「コツコツと努力を続けることができる」という強みを伝えたいと考えたものの、1つのエピソードが弱いと感じる場合は、次のように複数のエピソードを組み合わせてアピールすることができます。
 
私はコツコツと地道な努力を継続できる人間です。私は中学・高校でバレー部に所属しており、6年間で1日も休むことなく部活の練習に打ち込んできました。その結果、高校2年生のときに目標にしていたレギュラー入りを果たし、大会に出場することができました。また、大学受験のときも、平日は最低2時間、休日は最低4時間は勉強することに決め、勉強に集中しました。その甲斐あって、先生から合格は難しいと言われていた大学に合格することができました。これらの経験から、私は何かを成し遂げるためには継続的な努力が必要だと実感しています。御社での業務も日々の努力を怠らず、目標達成を目指したいと思います。

1つ1つのエピソードが弱く感じても、このように組み合わせることで説得力を強めることができるので、参考にしてみてください。

よく、ESの添削を身近な先輩や大学の就職支援課でしてもらったのに、落とされてしまったという声を耳にしますが、それは添削時に企業目線が抜けているためだと私は考えています。
添削によってどんなにESの内容をブラッシュアップしても、企業が採りたい人物像と離れている場合は落とされてしまうのです。自己PRに限らずESを書くときは、その企業が求める人物像に沿っているか、一言一句こだわり抜いて作っていくことが大切です。

しかし、1社1社の企業研究を1人で行うには、時間も労力もかかります。1人でES対策をするのが難しければ、就活生同士で企業研究を協力し合ったり、就活エージェントのようなプロに頼ったりしながら、就活をスムーズに進めていくことをおすすめします。

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