【実際のESをプロが添削!ES書き方講座#5】Fさんガクチカ:サークル会長編

 

 こんにちは。キャリアチケットのキャリアアドバイザー・樋口です。
先輩就活生が実際に書いたESを添削し、書く上でのポイントをお伝えするES書き方講座、今回で5回目です。
学生時代、ビジネスパーソンに向けて何かをプレゼンするという経験を積む機会はなかなか無いかと思います。ESは自分をプレゼンする資料ですので、その際に何に気をつけたら良いかわからない方も多いのではないでしょうか。学生さんがよくしがちな方法が、エピソードをいくつも盛り込んだり、エピソードを華美に脚色するという方法です。しかしこれらよりも大切なポイントがたくさんあります。ES添削講座で紹介するポイントを押さえ、自分自身を適切にアピールできるESを目指していきましょう。

今回は、学生時代にサークルの会長さんとして頑張ってきたFさんの「学生時代に力を入れたこと」を添削していきます。FさんのESには良かったポイントがありました。今回は”ここを直せばもっと伝わりやすくなる”というポイント以外に、良かったポイントも解説していきます。

 キャリアアドバイザー
  樋口 美和子(ひぐち・みわこ)

大学在学中にインターンシップの斡旋団体に所属。卒業後にレバレジーズ株式会社へ入社。入社後はキャリアチケットの立ち上げメンバーとしてキャリアカウンセリングを担当。一人ひとりの気持ちに寄り添い本人の価値観に合った学生のキャリア支援をしています。

 

  
私は野球サークルの会長として、サークル活動の維持と規模の拡大に努めてきました。まず、メンバーたちと有効な宣伝活動を考え実行し、新入生勧誘目標を達成しました。また、不要な経費を削減し、大会に景品を出すなどしてサークル活動を盛り上げました。最後にサークル内の組織構造を考え直し、職務を分散し、世代交代をしました。物事を達成するために必要なプロセスや人材配置の重要性を学びました。
※ES中に色付け・下線が引かれている箇所が、今回のポイントで触れる箇所です。下記で紹介する3つのポイントと連動して色分け・下線を引いておりますので、同じ色、下線で連動しているポイントを参照してください。

 

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何を頑張ったのか、これから何について書くのかが読み手に伝わる1文目を目指そう

ESの1文目は大切な役割を持っています。1文目には、①自分は何を頑張ったのか、②これから何について書くのかがイメージできる要素を入れて、読み手がイメージしやすくなる1文目になるように作りましょう。1文目以降は、1文目で書いたことの背景や詳細が続いていきます。Fさんの1文目を例に上げて見てみると、
 

と、①・②共に含まれているため、最初の段階でこれから何について書かれているのか、イメージを持った状態でスムーズに読み進めることができ、1文目の役割をしっかりと担っています。

1文目に沿って、中盤から後半に必要な要素(1文目についての詳細や背景)がしっかり入っているので、最後までブレることなく一貫性のある構成がしっかりしたESに仕上がっています。

 

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自分で行ったのか、チームで行ったのか。はっきりさせるために主語はしっかり書こう


良い書き出しから始まっていて、構成のポイントもしっかり押さえてあるESなのですが、内容の部分でもう少しブラッシュアップが可能です。今回は2点紹介します。

1つ目の修正ポイントですが、自分で行ったことなのか、チームで起こしたアクションなのか、はっきりさせるためにも主語はしっかり書きましょう。
「宣伝活動を考え実行した」

「不要な経費を削減し、大会に景品を出すなどしてサークル活動を盛り上げた」

「組織構造を考え直し、職務を分散して世代交代をした」
など活動のエピソードが沢山書かれているのですが、Fさんが主体的に行ったのか、チームで取り組んだことなのかこのESでは判断できません。

経費の削減などは代表のFさんの主体的な行動かもしれません。一方で、サークル活動を盛り上げた、や、より良い形で世代交代を行ったというエピソードについては、おそらくFさんだけでなく、チームで動いた経験かと思われます。

チームで動いたエピソードを書く場合は、Fさんはチームの中でどんなことを行ったのか、という部分について書いたほうが、Fさんの志向性や行動特性は読む側に伝わりやすくなります。

エピソードをたくさん盛り込むと、一見自分の活動の幅広さをアピールできる気がするのですが、自分が主体的に起こした行動なのか、チームの一員としての行動なのか、そこを明確にしないと、選考官に自分の強みを具体的にイメージしてもらえません。適切に評価されるためにも、主語をしっかり書くことを心がけましょう。

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その表現は伝わる表現になっているか。格好いい言葉よりも、伝わる言葉を選ぼう

もう1点の修正ポイントは、自分の行動したことが的確に伝わる言葉選びを心がけたほうが良いということです。Fさんの例で言うとこちらの部分
 
「最後にサークル内の組織構造を考え直し、職務を分散し、世代交代をしました。」

一見ビジネス用語のようなカチッとした言葉が並び、綺麗にまとまっている印象を受けますが、1つ1つを見てみると曖昧な言葉が並んでいる印象を受けてしまいます。組織構造を考え直し、職務を分散、世代交代などの抽象的な言葉の連続だけで留まってしまっているため、結局何をしたのかわかりません。

エピソードをたくさん盛り込むと。活動全体を形容・修飾する言葉を使用せざるを得ず、結果抽象的なESになってしまいます。読み手に伝わる言葉選びをするためにも、学生時代頑張ったことは、活動全体についてさらっと触れる自分の活動のダイジェストをつくるよりも、最も自分らしさが出た経験に絞って書くことをおすすめします。

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プロが教えるポイントを意識して、修正してみると……?

今回ご紹介した3つのポイントを踏まえて、修正をしたESがこちらです。
 
私は野球サークルの会長として、サークル活動の規模の拡大に努めました。当初はサークルの人数が5人と少なく、試合に出てメンバーの士気を高めたいと思ったためメンバーの確保に注力しました。私は新入生との接点を増やすことと、サークルを魅力的に感じてもらうことが必要だと考え、今まで月に2回しかしていなかった新入生歓迎イベントを月6回に増やし、また、新入生にとって役に立つ履修相談会を取り入れるなど、新たな企画を考え実施しました。この企画を導入した結果、新入生が20人入会し、試合に出ることができるようになりました。
 

〈解説〉

今回のポイントを踏まえて、このようにESを改善しました。もともと良く書けていた1文目はほぼそのまま残しています。エピソードを削ったため、「規模拡大を努めました」のみを残しました。規模拡大を実現するために、会長である自分はサークルメンバーに何を提案し、企画の役割を担当したことを明記しました。エピソードを新入生勧誘だけにしぼったことで、自分は何を目標に掲げて、その実現のために何をしたのかが具体的になっています。
表現としては、サークルのことを知らない人が初めて読んでも理解できるような言葉を選んでいます。規模拡大のために、新入生勧誘に注力し、企画数を増やし接点を増やすことで、加入者を増やすことができたという事実が伝わりやすい内容に修正しました。


学生時代に書いてきたレポートや卒業論文を作成にあたり、「◯◯文字以上で論ぜよ」などの条件があった方も多いかと思います。ところがESでは◯◯字以内で書くことを求められます。文字数制限のある文章作成の経験が少ない方も多いのではないでしょうか? 文字数制限がある中で、自分を表現するしなければならないからこそ、今回ご紹介したポイントの1つ、伝わる言葉選びが重要になってきます。伝わりにくい曖昧な表現を用いると、さらに説明の文言が必要になります。そうすると、修飾語や形容詞が次第に増え、文字数を圧迫していき、十分に説明できず、ふわっとした内容のESが出来上がってしまいがちです。限られた文字数だからこそ、細部まで適切な表現を用いて極力無駄を無くし、端的に伝わる文章をつくるように心がけましょう。

初めて読む人でも一読で内容が伝わるか、わかりやすい表現になっているか、これらは自分ではなかなか気づけないものです。友人や家族、先輩やゼミの先生など自分以外の人に読んでもらい、ちゃんと伝わるかチェックしてもらうことをおすすめします。

周囲に読んでもらえる人がいない。身近すぎて恥ずかしい……。そんな方はどうぞお気軽にキャリアチケットを利用してください。ES添削から面接対策まで、年間平均◯人の就活生をサポートしてきた就活支援のプロが全力でサポートさせていただきます。

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