志望動機で社風をどう書く?人事にアピールするためのコツや例文を紹介

このページのまとめ

  • 志望動機に社風を挙げる時は企業の理念やビジョン、歴史と関連させて具体的に書こう
  • 社風に関連する体験談を用いて、自分の価値観や行動目標を志望動機の中でアピールする
  • 志望動機に社風以外の要素も入れ「他社ではなくこの企業を選んだ理由」を述べる

志望動機で社風をどう書く?人事にアピールするためのコツや例文を紹介のイメージ

志望動機は応募書類の中でも注目されやすい項目。「志望動機で社風について書きたいけどありきたりになってしまう」「この内容で大丈夫だろうか」と心配される方もいるでしょう。

この記事では、社風をテーマとして志望動機を書く場合のポイントを学べます。また3つの例文も参考にしてみてください。

言葉にするのがなかなか難しい「社風」ですが、書き方次第で人事担当者を惹き付ける志望動機にすることができます。

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目 次

志望動機「社風に共感した」でもOK!ただし工夫が必要

社風とは、その企業が持つ価値観や雰囲気のことを指します。企業の中の文化や慣習と言い換えることもできるでしょう。長く働き続けるためには、自分に合った価値観や文化の企業を選ぶことが重要です。

企業も、職場の雰囲気に早く馴染み、周りの社員と同じ価値観を持って行動してくれる人が入社すれば円滑に仕事が進むと考えるでしょう。

したがって、社風を志望動機にすることは理にかなっていますが、書き方によっては人事担当者に「ありきたりだ」という印象を与える可能性もあります。

志望動機が思いつかないときは、「志望動機が思いつかない原因は?対処法をご紹介します!」も参考にしてください。

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志望動機に社風を書くメリット・デメリット

社風を志望動機にするのは実は難易度が高く、安易に「社風に共感したから」とするのは得策ではありません。まずは志望動機を社風とすることのメリット、デメリットを確認してみましょう。

メリット:同業他社との違いを示すことができる

1つ目のメリットは、志望者が考えている同業他社との違いを示すことができる点です。世の中には同じような事業内容の企業が多数あります。

企業独自の文化である社風に触れることで、「同業他社でなくその企業を選んだ理由」が明確になり、より説得力のある志望動機になります。

たとえば、同じような商品を製造しているメーカーでも、社員同士の個人的な交流が盛んで社内イベントが多い企業もあれば、合理的な働き方を追求し社員の家庭の事情に配慮する企業もあります。その企業の社風のどんな点に惹かれたのかを説明することにより、志望者が感じている同業他社の差をアピールできるでしょう。

メリット:深い自己理解や企業理解をアピールできる

2つ目のメリットは、志望動機で社風について書こうとすること自体がより深い自己理解や企業理解につながる点です。社風が自分に合うことを説明するためには、前提として自分と企業の双方がどんな価値観を持っているのか理解している必要があります。

社風について考えていく過程で、自分が大事にしたい考え方や望んでいる働き方を確認することができるでしょう。また、自分がどのような形で企業の役に立てるか想像しやすくなります。こうした過程を経験することは、書類選考後の選考を進める上でも大きな力になるでしょう。

デメリット:人事担当者は「社風に惹かれた」を飽きるほど見ている

デメリットは、人事担当者に「当たり前の内容を書いている」と思われ、興味を持ってもらえなくなる可能性がある点です。人事担当者は応募者に対し、事前に企業について調べて理解していることを期待しています。

企業の雰囲気を知ってもらうため、パンフレットやWebサイト、会社説明会などで社風を伝える工夫をしている場合が多いでしょう。人事担当者は「その情報を受けて応募してくるのだから、共感していることが前提」と考えているのです。

また、「社風に共感した」「社風に惹かれた」という表現が使い古されているという問題もあります。これらの表現をそのまま使うと、人事担当者に平凡な印象を持たれることもあるでしょう。

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社風への共感だけで志望動機のすべてを作らないようにしよう

志望動機が社風に関する内容だけだと、「同じような社風の企業なら他の企業でもいいのでは」と思われる可能性があります。

事業内容や業務内容、商品・サービス、対象のお客さまなど、他にも魅力に感じる部分を記載しましょう。

志望動機を書く前に、自分がどんな仕事を、どんな環境で、どんな方法でしたいのか整理できているでしょうか。

きっと、社風の他にもあるはずです。自分の希望と企業の求める人物像が一致する部分を、自分の考えや経験をもとに説明してみてください。

企業の求める人物像を知るためには、企業の新卒採用サイトや募集要項を細部まで読み込むことが基本です。企業が発信する採用情報には、どんな人に来てほしいのか、自社のどの面に注目してほしいのかが集約して書かれています。

先輩社員の志望動機や仕事に関する考え方が載っていることもあるでしょう。熟読して自分に照らし合わせながら志望動機を考えると、企業の意向に沿う内容に仕上げることができます。

面接官を惹き付ける志望動機については、「面接官を惹き付ける志望動機とは?回答例とNG例を合わせて紹介」も参考にしてください。

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志望動機に社風を盛り込みたいならやっておきたいこと2つ

社風について志望動機を書きたいなら、どのように社風を知ったのか自分の経験と交えて具体的に書くことで信頼性の高い志望動機になります。

そのためには、OB・OG訪問をしたりインターンシップや仕事体験に参加するなど、その企業で働く人とコミュニケーションを取ることが例として挙げられます。

OB・OGを訪問する

OB・OG訪問とは、興味のある企業や業界で働いている先輩たちに直接会って話を聞くことです。仕事内容や、職場の雰囲気、職場環境などインターネットだけでは知ることができないリアルな情報をたくさん得られるでしょう。

NHKによる「大学生とつくる就活応援ニュースゼミ」の調査では、23年卒の学生で、およそ4人に1人がOB・OG訪問をしたことがあると回答していました。訪問人数は平均して5人くらいで、WEB訪問も増えてきています。

特に志望動機に社風を盛り込みたいなら、その企業で実際に働く人の話を聞くことで会社全体の雰囲気や、社員同士の関係、事業の進め方など、社風と自分の価値観や経験などと絡めて書くヒントになります。

OB・OG訪問の質問やマナーについては、「就活におけるOB・OG訪問の役割とは?しておくべき質問やマナーも解説」も参考にしてください。

参照元
大学生とつくる就活応援ニュースゼミ
OB・OG訪問したほうがいいの?

インターンシップ・仕事体験に参加する

インターンシップや仕事体験に参加して実際に働いている人たちの現場を見たり、聞いたりして学ぶことも社風を知るいい方法です。

インターンシップや職場体験で実際に興味のある企業に赴き、働く人の様子や雰囲気、コミュニケーションなどを見ることで、具体的に自分のどんな点がその企業と合っているのかがわかるでしょう。深く理解することが志望動機の社風について書く際に大いに参考になります。

インターンシップに応募する時の志望動機については、「インターンシップに受かる志望動機とは?書き方のポイントを例文つきで解説」も参考にしてください。

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志望動機で社風について書くときのポイント

社風をテーマに志望動機を作成するためには、人事担当者が興味を持つような内容にしなければなりません。ここでは、社風をテーマに志望動機を書く際のポイントを5つご紹介します。

受かる自己PRと志望動機の書き方については、「履歴書を例文つきで解説!受かる自己PRと志望動機の書き方は?」も参考にしてください。

1.その企業ではならない理由を他の企業と比較して伝える

同業他社にはない独特な社風であれば、なぜ共感したのか具体的に記載しましょう。同業他社との大きな差がない場合は、社風を企業の理念やビジョンと絡めることがおすすめ。

企業理念とは、企業の存在意義や使命、大切にしたい価値観などのことです。ビジョンとは、企業理念をもとに実現したい理想像のことを指します。

企業理念にもビジョンにも、経営者の思いが詰まった独自の言葉が用いられているので、志望動機に取り入れると他社にはない魅力を説明できるでしょう。

たとえば、「顧客満足を重視する社風」と書くよりも、『最高の品質と心のこもった行動を通じて、お客様の満足を追求する』という企業理念を体現している」と書く方が企業の個性が表れます。

今表れている社風の背景となる歴史を考えることも有効です。たとえば、創業者の人生経験や創業時の苦労が社風の源になっていることがあります。志望動機の中でその歴史に言及すると、志望者が他社との違いを感じていることが際立つでしょう。

就活の志望動機の基本的な作り方については、「就活の志望理由にもう困らない!基本的な作り方や伝え方を例文つきで解説」も参考にしてください。

2.社風を知ったきっかけを説明する

まだ実際に働いたことがない人がどのように社風を知ったのか伝える必要があります。社風とは、人間の人柄のようなもので目に見えるものばかりではありません。

その企業が持つ雰囲気やそこに根付いた文化など、実際に働いてみないとわからない部分もあるでしょう。

しかし、実際にその企業で働いていない人がどのように社風を知ったのかを説明しておかないと、人事担当者は「本当にうちの社風をわかっているのかな?」と疑問に思ってしまうかもしれません。

そのため、どのようなきっかけで社風を知ったのか具体的に説明しましょう。さらに、主観的な意見だけではなく客観的にわかる事実と関連付けることで信頼性の高い志望動機を書くことができます。

3.社風への共感だけでなく、自分の価値観を述べて個性をアピール

社風に共感した理由を経験談から説明すると、おのずとオンリーワンの内容になり、自分の価値観をアピールすることもできます。

「もし入社することができたら自分はこうしたい」という行動目標を示すことができればさらによくなります。

4.社風と事業内容を結び付ける

社是とは会社を経営していく上での基本方針を指します。社風や社是は企業を経営していくうえで基本方針となるものです。そのため企業が行っている全ての事業には社風や社是が根本にあるはずです。

たとえば、キユーピーグループの「理念」について、社是は「楽業偕悦(らくぎょうかいえつ)」です。同じ志を持った人が、楽しみながら仕事をして、困難や苦しみを分かち合いながら悦びを共有するという意味があるそうです。

キユーピーではスキルアップやキャリアアップのための支援や、ワークライフバランスの実現に取り組むなど楽業偕悦の社是のもと、社員一人ひとりが多様な働き方ができるような組織づくりを目指しています。

このように、社風や社是と会社の取り組みとを結び付けることで、企業をより深く理解していることをアピールでき、志望動機もより充実したものになるでしょう。

参照元
キユーピー公式サイト
理念

5.過去に経験したネガティブな人間関係については話さない

志望する企業の「風通しがいい社風」や「アットホームな社風」に惹かれたという就活生や転職活動中の人は、過去に人間関係で悩んだことがあるのかもしれません。

ただ、「人間関係が良くなかった」「社員同士の悪口が多くて嫌だった」などうまくいかなかった人間関係の話を正直に伝えてしまうと、過去の愚痴や不満を話しているだけになってしまいかねません。

さらに、人事担当者には「そういうことが起きたとき耐えられるのかな?」という不安感を与えてしまう可能性もあります。

社風における志望動機で、その経験に対してどのように対処したのか、改善するために取った行動など、次につながるポジティブな話として伝えられない場合は敢えて話す必要はないでしょう。

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志望動機で社風をアピールする例文3選

ここでは、志望動機で社風をアピールする際の例文を3つご紹介します。これを参考に自分の経験などと照らし合わせて、人事担当に刺さる自分だけの志望動機を作り上げてください。

履歴書の志望動機を書くコツについては、「履歴書の志望動機を書くコツとは?魅力的に仕上げるポイントを解説!」も参考にしてください。

例文1伝統と品質を重視する菓子メーカー

私は誇りを持って良質の商品を販売したいと思い、貴社を志望します。

私は人と話すことが好きで、食品販売のアルバイトをしていました。自分が魅力を感じている商品をお客さまに選んでいただいたときに特にやりがいを感じ、「自信を持ってお勧めできる商品を扱っている会社で働きたい」と考えるようになりました。

貴社のお菓子は社是「誠心」のとおり、良質な原材料を使用し、一つ一つ職人の手作業で作られています。味わいも優しく、お子さまからお年寄りまで安心して食べていただける点も魅力であると感じます。

貴社があえて拡大路線をとらず、創業以来品質にこだわり続けていることにも感銘を受けました。
入社させていただけたら、お客さまの気持ちを想像して丁寧な接客をしていきたいです。

ポイント 

この例文では、社風の魅力を「社風によって生み出される商品の魅力」として伝えています。社是を取り入れることによって企業独自の価値を強調しました。アルバイト経験に基づいて自分のモチベーションの源を説明することにより、説得力が増しています。

例文2丁寧な対話を重視するIT企業

貴社の皆さまの丁寧なコミュニケーションと向上心が自分の目標に一致しているため、応募させていただきました。

貴社のセミナーに参加した際、社員の皆さまが私と対等な目線で真剣に話を聞いてくださったことが強く心に残っています。

セミナーの前後にも、緊張が和らぐように気遣っていただいたり、励ましの言葉をかけていただいたりして、他社で味わったことがないような安心感を感じました。

私は大学のゼミで共同研究を行った際、目的の達成のためにはチームメンバーとのこまめな対話が不可欠だと痛感しました。技術や知識があっても、メンバーと目標をすり合わせることや進捗を確認し合うことを怠ると仕事が進みません。

開発の仕事はチームワークですので、率直に話しやすくお互いの状況に配慮し合える貴社の先輩方と一緒に働きたいと思いました。

また、貴社には定期的な勉強会と資格取得の支援制度があります。私は技術者としての価値を上げるために学び続けることが一番重要だと考えているので、貴社の環境を活かして新技術の習得や資格取得に積極的に取り組んでいきたいです。

入社後は常に技術力の向上に努め、顧客やチームの目標達成に貢献できるように頑張ります。

ポイント

この例文では、社風に惹かれた理由をセミナーとゼミでの体験から説明しています。体験は固有のものであるため、多くの就活生が用いるコミュニケーションのテーマであっても個性を出すことができるでしょう。同時に、自分の仕事に対する考え方や取り組みの姿勢を伝えられています。

技術の勉強を支援してくれる環境であることにも言及し、社風以外の要素がある志望動機になっています。環境を志望動機にする場合は「会社がしてくれるから」という受身の姿勢で書くのではなく、環境を活かして自分が実現したいことを強調することが大切です。

例文3スタッフが助け合って笑顔で働く福祉施設

私の兄が就労継続支援事業所で大変親切にしていただき、やりがいや役割を持って働くようになったことから、自分も就労継続支援事業所で利用者さまの支援をしたいと考えるようになりました。貴法人には精神・発達障がいをお持ちの利用者さまが多く、大学で学んだ内容を仕事に活かせるため志望しました。

貴施設に見学に伺った際、スタッフの皆さまが笑顔で楽しそうに仕事をされている姿に感動しました。笑顔で過ごせる秘訣を〇〇さまにお伺いしたところ、スタッフ同士でこまめに声を掛け合って助け合っていること、ご自分でも疲れやストレスを溜めないように注意して生活していることを教えていただきました。スタッフの皆さまの結束力とプロ意識の高さを感じ、ぜひ自分も一員になりたいと思いました。

入職後は、利用者さまが少しでも多くやりがいを感じてもらえるような工夫をしたいと考えています。利用者さまの表情や行動をよく見て、その方の長所や楽しみを発見していきたいです。

ポイント

この例文の一番強い志望動機は社風ですが、希望する施設と支援対象者について述べ、客観的な視点を加えています。志望する理由と自分自身の目標を結びつけて書くことで、専門家として成長したいという意欲が伝わるでしょう。

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志望動機で社風についての書き方に悩んでいるあなたへ

志望動機で社風について書きたいけど、どうやって書けばいいのかわからないと悩むあなたには就活エージェントのキャリアチケットがおすすめです。

キャリアチケットでは就活に詳しいアドバイザーがあなたの志望動機作成をサポート。企業理解を深め、あなたの経験や価値観などと関連性を見つけられるようにマンツーマンで支援します。

社風に共感したけどそれだけでは不十分、もっと自分らしさを盛り込んで作成したいと考えているなら、キャリアチケットを活用して一緒に就活を乗り切りましょう。

強みの見つけ方については、「「強み」ってどうやって見つければ良いの?簡単にできる「強み」の発見法」も参考にしてください。

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志望動機に関するよくある質問

志望動機に関するよくある質問をまとめました。

Q.社風の例文は?

A.社風とは、その企業が持つ価値観や雰囲気のことです。従業員が職場で感じる空気感ということもできるでしょう。

たとえば、「社員みんな仲良しでアットホームな職場環境」「若手社員でも上司に意見をいえる風通しのよい職場」「みんなで一つの目標に向かって協力し合える環境」などが社風です。

Q.なぜ社風は重要?

A.興味のある企業の社風を知ることはその企業を深く理解するうえで重要なポイントです。社風は人間でいうと人柄にあたります。

人間関係でも「こういう人柄なら仲良くなれそう」「この人とは合わないな」ということがあるように、社風が合う合わないで仕事のしやすさが変わるのです。

Q.志望動機はまず何をいえばいい?

A.まず始めに最も重要な、「なぜ志望したのか」を伝えます。「△△のため、御社を志望いたしました。」

結論を先に述べることで話のゴールが見え、採用担当者も聞きやすくなります。そして、そう考えた理由などを自分の経験や価値観と関連付けて説明します。

最後に、「もし入社したらこんなことをしてみたい」というような将来挑戦してみたいことなどを付け加えるといいでしょう。

採用担当者に響く応募動機については、「これで受かる!採用担当者に響く履歴書の応募動機とは?」も参考にしてください。

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本記事の監修者

淺田真奈(あさだまな)

大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。

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