【お仕事図鑑】営業の仕事で大切なのは、要望をヒアリングし信頼関係を築くこと

コンビニにあるマルチコピー機は近年、アイドルのブロマイドや資格試験の過去問のプリントアウトなど、コピー以外にもさまざまなことができるようになりました。

今回お話を聞いたのはこうしたマルチコピー機の「eプリントサービス」を提供する、株式会社ビジネス・インフォメーション・テクノロジーの営業担当、加藤さん。eプリントサービスの営業は、どのような営業方法なのでしょうか?
 

<Profile>

株式会社ビジネス・インフォメーション・テクノロジー
e-出版事業部 
加藤 康(かとう・こう)さん

高校を卒業後、アルバイトを経て22歳からシステム開発会社に8年間勤務。30歳の節目に全く別のことにチャレンジしたい、もっとお客さんと接する仕事がしたい、と転職を決意。競馬が好きだったこともあり、競馬新聞のプリントサービスを扱う株式会社ビジネス・インフォメーション・テクノロジーに2019年9月入社。現在、eプリントサービスの営業を担当。

株式会ビジネス・インフォメーション・テクノロジー
システム開発事業、ハードウェア事業、アウトソーシング事業、工事事業、マルチメディアクリエイティブ事業、電子出版事業など多彩な事業を展開するIT企業。電子出版事業では、コンビニエンスストアのマルチコピー機からさまざまなコンテンツを購入できるeプリントサービスビジネスが急成長している。https://www.b-it.co.jp/
 

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クライアントごとに提案資料を作成、新たなサービスを生み出すために

――株式会社ビジネス・インフォメーション・テクノロジーでの営業の仕事について教えてください。

コンビニのマルチコピー機からさまざまなコンテンツを購入できる「eプリントサービス」の営業をしています。eプリントサービスにコンテンツを提供していただくクライアント様への営業がメインの業務です。クライアントはエンタメ系や資格系の出版社、競馬新聞を発行する新聞社などジャンルは多岐にわたります。コンテンツでいうと、アイドルやアニメのブロマイドや公営競技の予想、資格試験の過去問などです。

最近始まったちょっと珍しいコンテンツとしては、事前に登録しておいた履歴書をプリントできるサービスですね。そういった、もっと生活が便利に楽しくなるような新たなサービスを生み出せないかは常に模索しています。
基本的に新規の営業をかけることはほとんどなく、クライアントからの紹介で案件をいただくことが多いです。

――コンテンツを導入する際、クライアント側の初期費用はどのくらいかかるのでしょうか?

eプリントサービスにコンテンツを提供していただくにあたって、初期費用やランニングコストは一切かかりません。クライアント側には基本的にデータを入稿いただくだけです。最初に弊社の営業担当と出力サイズや販売価格などを決める打ち合わせを行う程度で、そのほかは電話やメールでのやり取りで済みます。1カ月程度で販売開始ができますので、営業先でも「リスクがなくメリットしかない」とよろんでいただけます。

――1日のタイムスケジュールを教えてください。

朝出社したらメールチェックをして、上司と優先的に行う仕事がないかを確認します。1日の大半はクライアントとのやり取りがメインになるので、事前にアポを取っていれば外出します。クライアントとは、弊社で解決できる課題がないかといったヒアリングや成果報告を行っていますね。

あとは、契約書や訪問時に使用する資料の作成です。新規のクライアントを訪問する際には、毎回eプリントサービスをイメージしやすいように資料を作成するのですが……これは意外と時間がかかるんです。例えば、資格系の出版社のクライアントの場合、アイドルのブロマイドの事例を載せてもピンと来ないですよね。なので、1社1社に合わせて資料を作るように心掛けています。

アポがない日は事務処理を行ったり、クライアントのコンテンツをみずからマルチコピー機で買い、品質のチェックを行ったりしています。
 

――営業の仕事でやりがいを感じるのはどのようなことでしょうか?

「こういうコンテンツをプリントできるようにしたらどうでしょう」といった提案がクライアントに受け入れられたときや、そのコンテンツの売上が伸びていると、「お勧めして良かったな」とうれしくなります。最近では、アニメのキャラクターブロマイドのプリントサービスが予想以上に売れたのがうれしかったですね。

また、私は人と話すのが楽しいし好きなので、クライアントを訪問していろいろなことを話すのはとても楽しく、日々充実しています。

――逆に、営業の仕事で大変だなと思うことはどのようなことですか?

ありがたいことに、クライアントからたくさんのコンテンツをご提供いただいているので、開発が追いつかないこともあります。「このクライアントはこのタイミングでサービスを開始したい」「ここはもう少し猶予がある」というように、開発の順番を組み立てるのですが、クライアントの都合もあるのでスケジュールの調整は頭を悩ませるところですね。

また、eプリントサービスをそもそも知らない、というユーザーの方々にどのように認知を拡大していくか考えるのは大変ですが、やりがいでもあります。もっと多くの人にeプリントサービスについて知ってもらうために、昨年末に秋葉原で行われた大型のアニメイベントではチラシを2000部配りに行きました。コンテンツの種類を増やしていくことももちろんですが、それと同時にユーザーの認知度を上げていくことも営業として大切な仕事だと考えています。

 

 

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ガツガツとアピールするのではなく、困ったことを聞くのが営業

――株式会社ビジネス・インフォメーション・テクノロジーにはどのような経緯で入社されたのでしょうか?

前職はシステム開発の会社なのですが、私がいたのは資格試験の進行業務を行う部署でした。試験会場の手配や、当日のオペレーションを行う仕事です。22歳から8年間勤めていましたが、30歳を迎えるタイミングでもっとお客さんと接する仕事をやってみたい、と思って転職を決意したんです。実は個人的に競馬が好きだったこともあり、紹介会社からビジネス・インフォメーション・テクノロジーの営業の仕事を紹介され、入社を決意しました。

――転職後、初めて営業の仕事をしてみて、営業に必要なことは何だと思いましたか?

営業は自分からガンガン売り込みに行ったり、自社のサービスや商品をアピールしたりしないといけないと思われがちですが、実はそれよりも相手の要望をきちんと聞けるかどうかが大事だと感じています。例えば、「最近どんなことに困っていますか?」という世間話から入って、徐々に互いの信頼関係を築いていくんです。

資格系のコンテンツをご提供いただけるクライアントの場合は、問題集を出版するうえで在庫を抱えることを課題に思っている会社が多いんです。ヒアリングの際に、「eプリントサービスであれば、自社商品を紙で印刷する必要がないため、在庫コスト削減にも繋がる」 とお伝えすると興味を持っていただけます。電子書籍がどんなに普及してきても、問題集などには「書き込みたい」「印や丸をつけたい」といった紙でなければダメだというニーズはありますよね。そのため、紙でいつでもプリントアウトできるというメリットをお伝えするとご納得いただけるんです。

――営業として今後の目標はありますか?

実は現在営業と並行して広報の仕事も任されており、営業としても広報としてももっと自社のことを対外的にアピールしていきたいと思っています。今はプレスリリースの書き方の勉強をしたり、広報向けのセミナーを受講したりしています。いずれは営業活動もしつつプレスリリース配信や、SNSでの発信といった業務もできれば良いなと。こういったインタビューも広報活動の一貫ですし、職能を高めて自社の認知向上や新卒採用にも貢献していきたいですね。

――就活生へメッセージをお願いします!

営業の仕事をやるのであれば、ぜひ人とたくさん関わることを意識すると良いと思います。これから新たに出会う人だけでなく、あまり交流がなかった中学や高校の友人なども積極的に会うようにすると良いでしょう。営業はフットワークの軽さが大切です。さまざまな人に自分から声を掛けることに抵抗を感じてしまうと、営業の仕事は務まりません。同世代であれば就活の情報交換もできますし、刺激にもなると思います。これは周りの友人だけでなく、大学のOB・OGでも構いません。ぜひ、積極性を持っていろいろな人に会うことを心掛けてほしいなと思います。
 

取材・文/松本果歩

 

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