Uターン就活は大変?後悔しない進め方5選とメリット・デメリットを解説

このページのまとめ

  • Uターン就活とは、地元から都会の大学に進学した人が再び戻って就職活動をすること
  • Uターン就活は、地元での生活環境が好きな人や通勤の負担を減らしたい人に向いている
  • Uターン就活を円滑に進めるには、志望動機を明確にして綿密な計画を立てる必要がある

Uターン就活は大変?後悔しない進め方5選とメリット・デメリットを解説のイメージ

都会の大学へ進学するために地元を離れた学生のなかには、「地元で就職先を探したい」と考えている人もいるでしょう。Uターン就活は、家族や地元の友人を身近に感じられる一方で、日程調整や経済的な面で難しさを感じるケースも少なくありません。

この記事では、Uターン就職のメリットやデメリット、就活を効果的に進めるための方法を解説します。Uターン就活を視野に入れている方は、ぜひ参考にしてください。

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目 次

Uターン就活とは?Iターン・Jターンとの違い

Uターン就活とは、生まれ育った地域から離れた場所にある学校に進学した人が、地元に帰って就職活動をすることです。

東京や愛知、大阪、福岡などの都市圏にはたくさんの大学がある一方で、地域によっては学校数が限られており、進学を理由に地元を離れる学生も少なくありません。地元での就職を希望する理由はさまざまですが、Uターン就職はよくある選択肢の一つだといえるでしょう。

また、「Uターン就活」とよく似た用語に、「Iターン就活」と「Jターン就活」があります。

用語 意味
Uターン就活 生まれ育った地域から離れた場所にある都会の学校に進学した人が、地元に帰って就職活動をすること
Iターン就活 生まれ育った地域から離れた場所で行う就職活動のこと 特に、都心部出身の人が地方で就活するときによく使われる用語
Jターン就活 Uターン就活と同じく地方から都会の学校に進学した人が、生まれ育った地域とは別の都心部から離れた場所で就職活動すること


Uターン就活とIターン就活、Jターン就活はそれぞれ意味が異なるものの、どれも生活エリアから遠い場所で就活をする点で共通しています。

Iターン就活のメリットやデメリットについては、「Iターン就活のメリットは?実践のコツを知り遠距離を円滑に進めよう」をご覧ください。

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Uターン就活の主な理由

Uターン就活の理由は、人によってさまざまですが、多いのは「両親や親族の住む地域で生活したい」「経済面を考えて実家に住みたい」「慣れた土地で社会人としての生活を送りたい」などが挙げられるでしょう。
なお、Uターン就活においては、採用担当者から地元就職を希望する理由を問われる場合がほとんどです。志望動機を聞かれた際に、しっかりと答えられるように、自分なりに理由をまとめて準備しておきましょう。

たとえば、「地元で盛んな産業に携わりたい」「県庁や市役所で地方公務員として働きたい」といった場合は、Uターン就活の理由と志望動機が一貫するため、理由を説明しやすいはずです。

一方で、家庭の事情などを理由にUターンを決めた場合などで、「なぜ地元に帰って、この企業を志望したのか」を説明できなければ、選考に通過するのは難しくなるでしょう。

Uターン就活を有利に進めるためのポイントについては、「大学生のUターン就職は有利になる?地方で働きたい方に向けて解説」も参考にしてください。

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Uターン就職のメリット5選

ここでは、Uターン就職のメリットを5つ解説します。Uターン就職を考えている就活生は、メリットについて改めて考えてみましょう。

1.地元なので環境に馴染みやすい

生まれ育った地元に帰るため、環境に馴染みやすい点がUターン就職のメリットです。生まれ育った環境は自己形成にも深く影響している部分があり、地元の人々とは価値観を共有しやすいといえます。

たとえ新しい職場であっても、よく知っている道を通って通勤したり職場の人と共通の言語で話せたりできると、安心感を覚えやすいでしょう。円滑なコミュニケーションを取れれば、職場での人間関係も構築しやすくなります。

2.家族や友達を頼りやすい

家族や地元の友人が身近にいる点も、Uターン就職のメリットの一つです。就活中や入社してすぐは、新しい環境によるストレスや孤独感を抱くケースも珍しくありません。家族が身近にいれば、心理的な支えになるだけでなく、経済的な支援をしてもらえる場合もあるでしょう。

就職にあたって悩んだときは、地元の友人に相談しながら、お互いの成長をサポートし合っていけると理想的です。信頼できる家族や友人が身近にいる場合、スムーズに社会人生活をスタートするための力になるでしょう。

3.地元に貢献できる

Uターン就職を考えている人のなかには、「愛着のある地元に帰りたい」といった気持ちを持っている人もいるはずです。Uターン就職のメリットとして、納税や消費を通じて地元に貢献できる側面が挙げられます。

Uターン就職は、直接的な地域貢献の仕事をしていなくても、地元で働くことが地域の活性化につながるのが特徴です。そのため、「生まれ育った街の力になりたい」といった気持ちを実現しやすいといえるでしょう。

4.都会と比べて家賃や生活費を抑えられる

Uターン就職をすると、都会で暮らすよりも家賃や生活費を抑えられます。地域差もありますが、一般的に都会と比べて地方の物価は安い傾向です。また、地元に戻るということで実家で生活することもあるでしょう。その場合は家賃を払う必要がなくなるため、賃貸を借りるより経済的です。

毎月の支出を減らせれば、給与の範囲内でより快適な生活を送れるでしょう。また、住宅ローンの支払いや資産の積み立てに資金を回せると、将来的な選択肢も増やせます。経済的な余裕は精神の安定にもつながるため、家賃や生活費を抑えられるのは大きなメリットです。

5.通勤のストレスを減らせる

Uターン就職のメリットとして、通勤のストレスを減らせる点が挙げられます。就職先の立地や勤務時間帯によっても異なりますが、都心部では勤時に満員電車に乗らなければならないケースも珍しくありません。

一方で、地方就職であれば、都心部ほどの通勤ラッシュに巻き込まれる心配がないほか、駐車場代が安い地域であれば車通勤もしやすくなります。通勤にかかる負担をできるだけ減らしたい場合は、地元へのUターン就職を考えてみるとよいでしょう。

Uターン就職のメリットについては、「Uターン就職のメリット・デメリットを解説!IターンとJターンとの違いも」も参考にしてください。

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Uターン就職のデメリット4選

Uターン就職にはメリットがある一方で、「大変」といった声も聞かれます。Uターン就職をして後悔しないためにも、デメリットをよく理解して就活を進めてください。

1.効率よく就活を進めるのが難しい

Uターン就職を目指す場合、効率よく就活を進められなくなる可能性があります。Uターン就活は、住んでいる地域と地元を何度も行き来する必要があるため、計画を立てて調整するのが大変です。

就活生の多くは、学業やアルバイト、部活動なども並行しているケースがほとんどです。住んでいる地域が地元から遠方であるほど、説明会や面接に参加する度に多くの移動時間を伴うため、難しさを感じやすいでしょう。

2.就活や引っ越しに費用がかかる

就活や引っ越しに費用がかかる点も、Uターン就職をするデメリットの一つです。Uターン就活をする際は、移動距離が長くなるほど、時間だけではなく多額の交通費がかかります。なかには、地元へ帰るために、新幹線や飛行機を利用しなければならない人もいるでしょう。

また、実家を拠点に就活をするのが難しい場合には、交通費だけでなく宿泊費や飲食費などもかかるため、状況をよく把握しておく必要があります。

なお、就職先が決まってからの住宅探しや引っ越しにかかるコストも考慮しなくてはなりません。本格的に就活を始めてから焦らないように、経済的な負担について、事前に対策をしておきましょう。

3.都会と比べて求人数が少ない

多くの企業が集まる都会と比較して、地方の求人数は少ない傾向です。そのため、志望する業界や職種によっては、自分が望む仕事に就けない可能性もあります。また、企業数が少ないがゆえ、人気企業に応募が集中するケースも考えられるでしょう。

Uターン就職を検討する際は、まず地元企業や求人情報などを調べて、自分が希望する仕事があるかどうかリサーチしておくことが大切です。

ただし、近年は都会の企業に就職後に地元でリモート勤務をするなど、働き方の選択肢も増えています。都会と比べて求人数が少ない点を踏まえたうえで、しっかりとプランを練ってUターン就活に臨みましょう。

4.生活が不便になる

地方での生活は、都心部と比べて利便性には欠けます。都会は交通の便がよいだけでなく、映画館やショッピングモールをはじめとする娯楽施設なども充実しているのが特徴です。

一方で、地方は都会と比べてアクセスも悪く、お店や施設の数も限られるでしょう。特に、都会の生活スタイルを好む人は、地元へ戻ったときに不便を感じやすいといえます。

Uターン就職すべきかどうかを悩んでいる場合は、「就活の軸がない人へ|設定するメリットや見つけ方を解説」もぜひご覧ください。

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Uターン就活を効果的に進める5つの方法

ここでは、Uターン就活を効果的にすすめる方法を5つ解説します。

1.しっかりと情報収集する

Uターン就活で大切なのが、情報収集です。Uターン就活に限った話ではありませんが、就活では十分な情報収集をできているかどうかが周囲との差にもつながります。なぜなら、情報収集ができていなければ、キャリア選択の幅が狭まり、自分が本当にやりたい仕事に就けない可能性が高まるからです。

Uターン就活にあたっては、地元企業の採用動向や求人情報をよく調べる必要があります。地方は都会と比べて求人数が少ないため、場合によっては、妥協して企業選びをしてしまうケースも珍しくありません。入社後のミスマッチを防ぐためにも、しっかりと情報を集めて就職先の選択肢を広げられるようにしてください。

2.地方就職の目的を明確にする

Uターン就活では、「なぜ地方の企業に就職するのか」を明確にしておくことが大切です。Uターン就活の目的は一人ひとり異なります。自分なりの理由が明確になっていないと、誤ったキャリア選択をして後悔の原因にもなりかねません。

また、選考の際には、採用担当者からUターン就職の理由を聞かれるケースがほとんどです。その際、地方の企業に就職する理由をしっかりと伝えられれば、熱意や入社意欲の高さをアピールできるでしょう。就活における志望動機のポイントについては、「志望動機が肝心!就職活動のポイント」も参考にしてください。

3.綿密にスケジュールを立てる

Uターン就活の進め方は、基本的に一般的な就活と同様です。ただし、Uターン就活では遠距離を移動する必要があるため、事前にしっかりとスケジュールを組んでおく必要があります。

地元に戻る期間をあらかじめ決めておき、その期間に面接や説明会、イベントをまとめてこなせるように調整しておくと、金銭的にも身体的にも負担が少なくて済むでしょう。

なお、Uターン就職に絞って就活をするほかに、都会での就活も並行したり公務員と併願したりするケースも少なくありません。まずはどのようなかたちでUターン就活を進めるのかを明確にして、自分に合ったスケジュールを組み立てていく必要があります。

4.遠隔地への就活に配慮している企業を探す

最近は、遠隔地への就職活動に配慮している企業が増えている傾向です。就活のオンライン化は、新型コロナウイルス感染症の流行による影響だけでなく、大学等の所在地による不平等を生じさせない意図もあるでしょう。

内閣官房などがとりまとめた「2024(令和6)年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請等について(7p)」でも、「遠隔地の学生に対して、オンラインでの実施を積極的に検討し、そうした機会を提供している場合には、積極的に周知すること」と企業に要請しています。

また、内閣府の「令和4年度学生の就職・採用活動開始時期等に関する調査 調査結果 報告書(106p)」によると、Uターン就職を含む学生の負担の大きい遠隔地への就活に際して、企業側からの配慮があったかの問いに対して、「多くの企業で配慮していた」「ある程度の企業で配慮していた」と回答した学生は、あわせて79.6%でした。約8割という数字は、2021年度と同様に非常に高い割合を示しています。

遠隔地への就活に際して企業側からの配慮があったかの割合グラフのイメージ

引用元:内閣府「令和4年度学生の就職・採用活動開始時期等に関する調査 調査結果 報告書(106p)

多くの企業が遠隔地への就活に配慮しているほか、なかにはUターン採用枠を設けているケースも珍しくありません。Uターン採用に力を入れている企業をうまく見つけていけると、よりスムーズに就活を進められるでしょう。

参照元
内閣府
学生の就職・採用活動開始時期等に関する調査

5.自治体の支援制度を活用する

Uターン就活を効率よく進めるためには、自治体の支援制度を活用するのもおすすめです。自治体によっては、Uターン就職を支援するための情報発信に力を入れたり奨励金を支給したりするなど、さまざまな取り組みを行っています。

自治体の支援制度を活用することで、Uターン就職におけるデメリットを解決できるケースもあるでしょう。役所のサポートセンターなど、相談窓口も設置されているため、市町村のWebサイトを確認してみてください。

就活成功のコツについては、「就活成功のコツを知りたい!エントリー前の準備から面接・筆記対策まで」で詳しく解説しています。

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Uターン就活の情報の集め方

Uターン就活の情報収集にあたっては、以下の方法を参考にしてください。正しい情報の集め方を知っていれば、自分に合った企業を見つけやすくなります。

全国のハローワーク

全国各地に500ヶ所以上設置されているハローワークは、「公共職業安定所」と呼ばれる公的な​​サービスで、誰でも利用しやすいのが特徴です。なかでも、東京と大阪の2ヶ所のハローワークには、地方就職支援コーナーが設置されていて、全国各地の求人情報や生活関連情報を提供しています。

なお、学生の場合は、「新卒応援ハローワーク」の利用もおすすめです。新卒応援ハローワークは、新卒の方や卒業後おおむね3年以内の方を対象にしたサービスで、各都道府県に1ヶ所以上、全国に58ヶ所設置されています。

ハローワーク独自の求人情報がある可能性も考えられるため、就活の相談や情報収集のために、一度訪問してみるとよいでしょう。

参照元
厚生労働省
ハローワーク
新卒応援ハローワークの所在地・連絡先

地元で開催される合同説明会

大手の就活サイトが主催する合同説明会は、全国各地で開催されています。地元の合同説明会には、近隣に所在する企業が多く集まるため、限られた時間で効率よく情報収集するのに役立つでしょう。

また、興味のある企業だけでなく、これまで知らなかった企業の話も聞くことで、新たな発見や気づきを得られるはずです。地元の合同説明会に参加できれば、地元企業の採用担当者と対面で会える貴重な機会となるほか、自らの企業選びの幅を広げられるメリットもあります。

Uターンに特化した就活サイト

情報収集にあたっては、Uターンに特化した就活サイトの利用もおすすめです。就活サイトのなかには、Uターン就職に特化したものもあり、地方の求人情報やUターン支援情報を集約しています。

こうした就活サイトを利用しながら、エリアを絞って求人情報を検索すれば、自分が希望する業種や職種の仕事があるかどうか確認できます。また、Uターン就職者の体験談やアドバイスなどもあるので、実際の成功事例を参考に就活を進められるでしょう。

就活の情報収集に役立つサイトについては、「スムーズな就職活動のために!就活におすすめのサイト情報」で詳しく解説しています。

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Uターン就活の志望動機の例文

地元での就職を希望する場合は、志望動機のなかに、Uターンする理由を盛り込むとよいでしょう。ここでは、よい例と悪い例をそれぞれ解説するので、志望動機を考える際の参考にしてください。

よい例

私は幼少期からこの地域で育ちました。貴社の工場を見ては「いつかは自動車をつくる仕事がしたい」と思い、大学で機械工学を専攻しました。

貴社を志望する理由は、「自動車を通じた地域貢献」という企業理念に共感し、また、貴社の強みであるエコロジーに配慮した自動車づくりに携わりたいと思ったからです。自動車開発を通じて、愛着のある地域のさらなる発展に貢献したいと考えています。

志望動機のなかで「自分がなぜ地元で就活しているのか」をうまく説明できると、Uターン就活におけるアピールポイントの一つになるでしょう。

悪い例

私は大学に進学した後も、「この地域のために働きたい」という思いを持ち続けてきました。貴社を志望する理由は、この地域で有数の規模を持つ企業であり、地元に貢献するというやりがいを持って働けると感じたからです。

貴社に入社後は、積極的に地域貢献プロジェクトに携わり、街全体を活性化させたいと思っています。

悪い例は、地元で働くこと自体が志望動機になっていて、「なぜこの企業で働きたいのか」をしっかりと説明できていません。

Uターン就活の場合であっても、「どのような事業に取り組みたいのか」「自分はどのように企業に貢献できるのか」を志望動機でしっかりと明示する必要があります。

志望動機を添削するポイントについては、「志望動機の添削は誰に依頼する?自分でチェックする際のポイントも解説!」を参考にしてください。

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Uターン就活をしたいけれど、「遠方からどのように就活を進めればよいのか」と大変そうなイメージを持っている就活生も多いのではないでしょうか。最近では、Uターン採用枠を設ける企業も増え、オンラインでの説明会や面接も積極的に行われています。

地方は都会と比べて企業数が少ないため、Uターン就活を成功させるためには事前準備が欠かせません。Uターン就活にあたって、一人でうまくスケジュールを立てたり情報収集したりするのが不安な場合には、就活エージェントへの相談もおすすめです。

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本記事の監修者

淺田真奈(あさだまな)

大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。

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