【お仕事図鑑】知識はあとからついてくる。SEとして大切なのは「説明力」を養うこと

自分の志望職種について、どのくらい理解していますか? 仕事内容の正しい理解は、選考を有利に進めるにあたりとても重要な要素です。
キャリアチケットの「お仕事図鑑」では、会社で活躍する社会人へのインタビューを通し、普段は知ることのできないリアルな仕事内容や裏側をお届けします。

今回は、さまざまなソフトウェアを提供するサイバーコム株式会社のシステムエンジニア(SE)・Kさんにお話を伺いました。Webサイトや説明会だけではわからない、SEという仕事の本質に迫ります。SEに興味のある就活生の方は、これを機に仕事の理解を深めましょう!
 

サイバーコム株式会社
ソフトウェア開発を主力事業として展開。通信ソフトウェア開発、制御ソフトウェア開発、業務ソフトウェア開発など、さまざまな分野においてシステム開発の実現を図る。ほかにも、業務効率化を図るプロダクトや、IT業務改善サービスを提供している。https://www.cy-com.co.jp/

 

25卒の就活について相談したい

 

案件の始めにきっちり要件定義することで、ミスなくスムーズに進行できる

――Kさんのお仕事内容について教えてください。

現在はAndroid OSを搭載した車のナビの開発をしています。SEは基本的には、お客様から要件を聞き、それをもとに設計を行い、テストを繰り返しリリースする流れなのですが、私は設計からテストまでの段階を担当しています。また、チームのタスクを管理するリーダーの役割も担っていますね。

――1つの案件を請けたら、どのような工程でリリースまで進んでいくのでしょうか?

まず最初にクライアントから案件をいただきます。「こういう製品を作りたい」「こういう機能を追加したい」というような要望をお聞きし、それをもとに仕様を決めていきます。大まかな機能や性能はもちろんですが、「この操作をしたら、こういう画面を表示する」というところも具体的に詰め、設計に入ります。仕様に基づいて、どうしたらその仕様を実現できるのか、どういった機能を持たせれば良いのか細かく決めていくのです。仕様書作りで大枠を決め、設計はより細かい機能を決めるというイメージですね。

その後は製造してテストを繰り返し、すべてのテスト項目をクリアしたらリリースする、という流れになります。

――要件が決まってからリリースに至るまで、どれぐらい時間がかかるのでしょうか。

規模によって異なりますが、私が現在参加しているプロジェクトですと、だいたい1年~1年半かかります。小規模なアプリケーション開発ですと、2~3カ月で終わる場合もありますね。

 

――Kさんの1日のタイムスケジュールを教えてください。

基本的に、「毎日この時間にこれをやります」というのは決まっていないんですが、出社後はメンバーとのミーティングで情報共有や現状報告を行います。あとは、チームメンバーの作業に対するレビューであったり、自分自身の製造テストを行ったりと、その日にすべきことを流動的にやっていく感じですね。

――レビューというのは……?

例えばプログラムのレビューであったら、「ここの仕様が抜けている」とか「こことここのプログラムは動作が重複していて冗長だから、このコード1つでまとめられるよね」という感じですね。抜け漏れがなく、スッキリしたコードになるようチェックしています。

――仕事で気をつけていることはありますか?

ミスをすると品質の低下に直結するため、ミスがないか何度も確認することは徹底しています。チームで動いているときは私が最終チェックを務めるので、レビューするときにしっかりと確認し、指摘する箇所がなくなるまで確認を続けます。さらに、テスト段階ではチェック項目がたくさんあるので、それを1つ1つ潰していき、完璧な状態に仕上げていきます。

――やりがいを感じるときや、大変だと思うときはどんなときですか?

やはり、スムーズな進行でプロジェクトが終えられたときはやりがいを感じますね。決められたスケジュールの中で進行できたときは一番達成感が得られます。スムーズに終えるためには、最初が肝心です。後々の作業で「この設計ではダメだ」と発覚したら、また最初からやり直しになってしまうので、基本工程は気が抜けません。
また、一番大変だと感じるのはテスト作業ですね。重要な作業ではありますが、かなり単調な作業になるので根気がいるのです。そして、リーダーとして大変なことを挙げるとすると、チームメンバーの教育ですね。一人ひとり個性があり、人によって教え方を変えなければならないので。一から十まで教えたほうが本人の成長に繋がる場合もあれば、少し教えてあとは任せたほうが良いという場合もあります。一人ひとりの状況に合わせて接し方を変えるのは、やりがいでもあり大変なことでもありますね。

――SEの仕事をするにあたって必要なスキルや資格があれば教えてください。

まず一番大切だと考えているのは、コミュニケーション能力です。自分が作った物を人に説明しないといけないですし、逆に自分がレビューする際は、何を問題視しているのかを相手に伝えなければならないので。レビューする側と受ける側で認識のずれが起きてしまうと、後々のミスに繋がってしまいます。そのため、コミュニケーション能力というか相手に説明する力や言葉を読み取る力は必要な能力なのかな、と。プログラミングの知識など技術的なことは、あとからいくらでも身につくものなので。

 ――学生のうちに取っておいたほうが良い資格はありますか?

「基本情報技術者試験」は取っておいて損はないです。作るものによって、C言語だったりJavaだったり使用する言語は違うのですが、この資格は基礎部分を押さえているので、どの現場に入っても対応できる知識が満載です。
あとは……そうですね、SEといっても内容はさまざまで、自分のやりたいことに合った資格を取るのが良いと思いますね。個人的には「Python(パイソン)」の資格がおすすめです。初心者でも学びやすい言語ですが、本格的な業務アプリや最近話題のAIアプリケーションにも対応できます。なので、Pythonが認定するエンジニア試験「Python3エンジニア認定試験」は受けてみると良いと思います。 ただ、先程もお話したようにSEの知識は現場で仕事をしていくうちに覚えていくものです。なので、学生のうちに無理に取ろうとしなくても良いと思います。

――文系の方には難しい仕事でしょうか?

それは全くないですね。私ももともと文系でした。ただ、センター試験で評論が得意だった方は向いていると思いますね。というのも、SEは基本的に論理的な思考が求められるので。Aという事象があったときに、Bという要素を加えると、Cになります、というように思考し説明する能力が必要なので、評論に近いものがあるのではと思います。
 

実はインタビューはこたつがある社内のリフレッシュスペースで行っていました。

 

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幅広い開発案件と成長性が会社の魅力


――Kさんの経歴をお伺いしてもよろしいでしょうか。

私は第二新卒として弊社に入社し、今年で5年目になります。当時はエンジニアについて、ほとんど何も知らずに入りました。もともと職業訓練校に通っており、当時からカメラやスマートフォン・家電などを制御する「組み込みソフトウェア」について学んでいて。家電やパソコンを触るのも好きだったので、SEの仕事についてある程度想像はついていたのですが、具体的にどんなことをするのかというのはわかっていなかったですね。

――なぜSEになろうと考えたんですか?

その当時勉強していた組み込み系のプログラムは、結果が現れるんですよ。プログラムを動かせば電源がつく、というように、自分の作業結果が目に見えるというのが面白くて。そうやって何か1つのモノを作るエンジニアの仕事は、楽しみながら働けそうだと思ったのです。
いろいろな会社があるなかでサイバーコムに入社したのは、幅広い事業を展開しており、受託案件も豊富で成長性を感じたからですね。現在は1000人規模の会社になり、一部上場もしています。あとは、「これがやりたい」という意見が採用されやすい風土も魅力に感じました。

――SEとして入社したあと、最初はどのような仕事を任されるのでしょうか?

配属される部署によって変わってくると思いますが、私はまずプログラムのテストを行うところから始まりました。恐らくSEとして入社された方のほとんどが、最初はテスト段階から経験するのではないでしょうか。テストの作業は知識が少なくても、項目に沿って手順通りに実施すればできる内容ですし、システムの仕様を自然と覚えられます。
ある程度基礎を学んだら、段々と上流工程に関われるようになっていき、1人で設計ができるようになればSEとして一人前と言えるかなと思います。

――Kさんのキャリア展望をお聞かせください。

 入社5年でリーダーに上がれたので、次はあと5年のうちに主任になりたいと考えています。 主任になると、チームの管理だけでなく、銀行システムの開発や自販機の開発など、関われるプロジェクトの範囲も広くなります。幅広いジャンルの案件に関われるのは弊社の強みでもあるので、いろいろな開発経験を積んでいきたいですね。

――Kさんのように、SE職に就きたいと考える就活生にメッセージをお願いします。

やはり、その会社のことだけでなく、業界全体について知識を持ったうえで会社選びをすることをおすすめします。IT業界の中には、将来性のある分野に強い企業もあれば、弱い企業もあります。自分が将来どんなSEになりたいか、会社にはその環境が整っているか、きちんと見極めて入社してほしいと思いますね。
 

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