公務員試験の自己PRはどう書く?10の例文や評価されるポイントを解説!

このページのまとめ

  • 公務員試験の面接で自己PRを聞く自治体が増えている
  • 公務員試験の自己PRでは、「協調性」「傾聴力」「責任感」などが評価される
  • 公務員の自己PRでは、仕事で求められる能力に合わせて内容を変えることが重要

公務員試験の自己PRはどう書く?10の例文や評価されるポイントを解説!のイメージ

「公務員の自己PRはどう作れば良い?」と悩んでいる就活生も多いでしょう。自己PRは、「結論・エピソード・仕事への活かし方」の順番で構成すると分かりやすくなります。

この記事では、公務員の自己PR作成のコツや、評価されやすい特徴・強みをまとめました。特徴別に自己PRの例文も紹介しているため、公務員の面接対策に不安がある方はぜひご覧ください。

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目 次

公務員試験で評価されるために自己PRが重要な理由

公務員試験でも自己PRが重要なのは、以前よりも面接での評価が内定に影響するからです。筆記試験を重視していた傾向から、面接での人柄を含めた採用に変わってきています。

ここでは、公務員試験で評価されるために、なぜ自己PRが重要なのかを解説します。

人柄が重視され始めているから

公務員試験で自己PRが重要になってきたのは、人柄を重視して採用を行う自治体が増加しているからです。面接や自己PRを通して、どのような就活生なのかを見極めています。

自己PRでは、「どのような強みを持っているのか」「過去にどのようなエピソードがあったのか」を採用担当者に伝えやすいのがポイント。エピソードを通して、就活生の考え方や行動パターンが見えてきます。

面接のように限られた時間で人柄をアピールするには、自己PRの内容を充実させ、自分がどのような人物なのかイメージしてもらうことが重要です。

面接の重要度が増しているから

公務員試験で面接の重要性が増している点も、自己PRが必要になる理由です。面接でアピールするには、自己PRで好印象を与え、選考を突破する必要があります。

以前の公務員試験では、数的処理や法律のように、学問的な知識を問う一次試験が重視されていました。面接を行う二次試験で不合格になるケースは少なく、面接に力を入れない就活生も多かったようです。

しかし、現在は面接が重視されており、対策していないと二次試験でも落ちてしまいます。自己PRが重要だと認識していない就活生もいるので、今から準備をしておけば差別化につながるでしょう。

公務員試験の面接カードにも必要だから

面接カードとは、公務員試験の面接にて使用する資料のことです。面接カードにて自己PRも聞かれるため、準備しておく必要があります。

公務員試験における面接カードは、民間企業のエントリーシートのようなもの。面接カードの内容がよければ評価が上がり、採用にも近づきます。

公務員を目指す就活生は、「公務員になるには試験がある!その難易度はどのくらい?」の記事を参考に公務員試験についても把握しておきましょう。自己PRと合わせて対策しておくと、内定獲得の力になるはずです。

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公務員と民間企業での自己PRの違い

公務員と民間企業の自己PRでは、求められる内容が異なります。公務員は公共の利益を追及する一方で、民間企業は自社の利益追及や売上拡大が目的になるからです。

公務員の仕事には根拠が必要であり、法律や規程に基づいて、的確で統一的な仕事が求められます。一方で、民間企業は結果を求められ、企業が提供するサービスや職種によって求められるスキルも異なります。

そのため、公務員になるには、正確に仕事を行える能力や責任感の強さ、冷静な対応力など、あらゆる仕事に求められる内容をアピールするのがポイントです。民間企業に求められるクリエイティブなスキルやデザインスキルなど、個性的で差別化を図るような自己PRはあまり求められません。

人事院の「人材確保に向けた国家公務員採用試験の課題と今後の施策」によると、2021年度の内定者には、公務員と民間企業両方で内定を獲得している学生が36.5%いました。公務員と民間企業を両方志望しても問題ありませんが、就活を成功させるためにはそれぞれの違いを理解し、対策が必要なことを意識しておいてください。

公務員の仕事内容については、「公務員の仕事内容とは?種類と職種別でご紹介!」の記事で詳しく解説しています。仕事によっても活かせる強みが変わるので、自己PR作成に向けて確認しておきましょう。

参照元
人事院
人材確保に向けた国家公務員採用試験の課題と今後の施策

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公務員試験の自己PRで評価されやすい性格や特徴10選

公務員試験の自己PRでは、「協調性」や「打たれ強さ」などが評価される傾向にあります。

ここでは、特にアピールしやすい10の性格や特徴をまとめました。自分の性格にあてはまる特徴があれば、自己PRに有効活用しましょう。

1.協調性

公務員の業務では、協調性が求められる傾向にあります。同僚と協力して仕事を進めたり、市民の声に耳を傾けたりするためです。
公務員試験は、民間企業と比べて個性のアピールが評価されにくい点もポイント。周囲に合わせて、落ち着いて行動できる人材が好まれます。

協調性のアピールを考えている場合は、「協調性を自己PRでアピールする効果的な方法は?例文付きで解説!」も合わせて参考にしてください。

2.打たれ強さ

窓口業務ではクレームを受けることもあり、打たれ強さも必要です。打たれ強い性格であれば、クレームを受けても気にせず次の対応に移れるため、面接のアピールポイントになるでしょう。

「メンタルの強さ」や「切り替えの早さ」と言い換えてアピールするのもおすすめです。

3.冷静さ

公正な判断や規程にのっとった行動ができる冷静さも重要です。特に、市民と対応する機会の多い職種で評価されます。

たとえば、市民のクレームに対してすぐに怒ってしまう職員には窓口対応を任せられないでしょう。まずは自分が冷静になって話し合い、相手を落ち着かせる対応が必要です。トラブルが起きる場合もあるため、どのような状況でも慌てずに行動できる冷静さはアピールになります。

自己PRで冷静さをアピールするコツは、「自己PRで冷静さは強みになる?面接対策に悩める新卒向けに書き方をご紹介」の記事を参考にしてください。

4.継続力

業務を覚えるために勉強を続けたり、結果を出すために努力を続けたりする継続力も大切です。継続力をアピールすれば、公務員で大切なまじめさも同時にアピールできるでしょう。部活動やサークルの練習、日々の習慣など、長く続けていることのエピソードを伝えてみてください。

継続力のアピール方法については、「『継続力』はアピール材料になる?上手な自己PR方法」の記事で詳しく解説しています。

5.責任感

公務員の仕事では、ときには人権を制約するような責任を伴う場合もあります。配属された部署で、与えられた業務に対して責任をもってやり遂げる力はアピールにつながるでしょう。

また、公務員は、個人情報などの機密性が高い情報を取り扱います。責任感を持って業務に取り組める人は、採用担当者の高評価を得られるでしょう。

責任感をアピールするコツは、「自己PRで責任感の強さをアピールするときのポイントを例文とともにご紹介」の記事を参考にしてください。例文もあるので、どのように伝えれば良いかが分かるはずです。

6.傾聴力

窓口業務や市民対応の仕事もあり、傾聴力も求められます。自治体に支援を求める方もいれば、行政サービスに対する不満を抱えて来る人もおり、相手の話をしっかりと聞く必要があるからです。

提供する業務は、法律に基づき統一的な内容が求められるため、来庁者の声に耳を傾け適切な対応ができる人は、公務員として活躍できるでしょう。アルバイトやボランティアなどのエピソードを交えることで、傾聴力をアピールするのもおすすめです。

傾聴力をアピールするコツは、「自己PRで傾聴力をアピールするには?エピソードのポイントや例文を紹介」の記事で解説しています。

7.調整力

公務員の業務は、他部署や他省庁との連絡調整が欠かせません。部署や省庁を横断した取り組みも多く、スケジュールや内容の調整をする機会が多いのも公務員ならではといえます。

友人との旅行や部活動の合宿など、調整力が発揮されたエピソードがあれば積極的にアピールしましょう。調整力をアピールする際は、「自己PRで『調整力』をアピールする大事なポイント・例文紹介」の記事を読んでおくのがおすすめです。

8.コミュニケーション能力

公務員の業務においても、コミュニケーション能力が求められます。同僚をはじめとする社内はもちろん、社外の方と関わる機会も多いからです。たとえば、来庁する市民とのやりとりはもちろん、他庁との連絡調整を行う場合もあります。状況に応じて適切な対応ができるコミュニケーション能力があれば、高い評価を得られるでしょう。

コミュニケーション能力の魅力的な伝え方は、「コミュニケーション能力をアピール!面接での伝え方とは」で解説しているので、ぜひご一読ください。

9.論理的思考

公務員の仕事は、法律や規程など難しい内容への理解が欠かせません。根拠に基づく業務遂行が公務員の特徴であるため、法律を読み解く論理的思考力も求められます。

公務員試験によっては小論文が出題されることもあり、論理的思考力が備わっているかは一次試験から判断されます。論理的思考力をアピールできるエピソードがある人は、自己PRで盛り込むと良いでしょう。

論理的思考を鍛えるためには、ロジカルシンキングが効果的です。詳しくは、「ロジカルシンキングとは?就活に役立つ効果的なトレーニング方法」の記事も参考にしてください。

10.事務処理能力

膨大な業務量を抱える役所も多く、事務処理能力も重宝されます。要領良くテキパキと仕事ができる人は評価されるでしょう。

事務処理能力をアピールする場合、正確性や計画性、効率の良さなども合わせてアピールするのがおすすめです。「正確性を発揮して事務処理が行える」「計画的に仕事をこなし、効率良く業務を行えるようにサポートする」などと伝えられるでしょう。

もし、事務のアルバイトを行っていたエピソードがあれば、自己PRで伝えるのがおすすめです。

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公務員試験の自己PRで伝える強みの見つけ方

自己PRに使える強みを見つけるためには、過去のエピソードから探してみましょう。また、見つけた強みのなかから、どの企業が企業に評価されそうか考えることもポイントです。

ここでは、自己PRでアピールする強みの探し方をご紹介します。

過去のエピソードを振り返る

まずは、強みを探すために、これまでで印象に残っているエピソードを書き出します。エピソードは、思いつくものをとにかく書き出してください。

さかのぼる期間に決まりはありませんが、可能であれば幼少期から考えるのがおすすめです。「小学校」「中学校」「高校」「大学」と、時期に分けてエピソードを思い出してみましょう。

書き出した出来事から強みを探す

次に、書き出したエピソードを振り返り、それぞれのエピソードで発揮した強みを探します。「コミュニケーション能力を発揮した」「協調性を学んだ」などのように、特徴やスキルを書き出してください。

強みを書き出したら、同じ強みや似た強みをグループにしてまとめてみます。特定のスキルや強みが多ければ、再現性のある強みとしてアピールできるでしょう。

志望する自治体や省庁の求める人物像を確認する

自己PRでアピールする強みは、志望する自治体で活かせるかどうかも重要です。自治体や省庁の求める人物像を確認しておきましょう。

求める人物像は、採用ページやWebサイトに記載されていることがあります。また、「事務職であれば、正確性が求められそう」「窓口業務はコミュニケーション能力が必要になる」などのように、職種や仕事内容から求められそうな強みをイメージするのもおすすめです。

求める人物像の探し方は、「企業研究とは?目的や手順を解説!ポイントを押さえて就職成功を目指そう!」の記事で解説しています。民間企業同様に自治体も調べられるので、入念に研究してみてください。

求める人物像に合う強みを選ぶ

最後に、自分の強みのなかから、自治体が求める人物像に合うものを探してみましょう。素晴らしい強みがあっても、必要とされなかったり、仕事に関係なかったりすれば評価につながりません。

たとえば、窓口業務の多い自治体で「一人でコツコツ努力するのが得意です」とアピールしても、窓口業務は来客対応が基本であり、一人でコツコツと活躍できるイメージは湧きません。「接客業で身についた傾聴力を武器に、市民の方の話を聞きます」とアピールしたほうが、評価は高くなるでしょう。

自己PRでは、「仕事で活躍できそう」と面接官にイメージしてもらうことが大切です。志望する仕事や職種内容をもとに、アピールする強みを選びましょう。

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公務員志望者が自己PRを作る際の3つのコツ

公務員試験でも民間企業でも、自己PRの基本は変わりません。分かりやすく簡潔に伝えることが大切です。

ここでは、自己PRを作成する際のコツを3つ解説します。紹介するコツを踏まえて、自己PRを完成させましょう。

1.自己PRは「結論・エピソード・仕事への活かし方」の順番で構成する

自己PRの書き方の基本は、「結論」「エピソード」「仕事への活かし方」の順番です。公務員の自己PRも、民間企業の自己PRと構成は変わりません。

結論から伝えるのは、そのあとに伝えるエピソードの内容を分かりやすくするためです。いきなりエピソードから伝えてしまうと、何について話しているのかが分かりづらくなります。また、どのような強みをアピールしたいのかも伝わりません。

加えて、強みが仕事にどう活かせるかも伝えてください。ただ強みをアピールするのではなく、強みを活かして仕事で成果を出せる人材だと伝えるのがコツです。

2.エピソードは具体的に説明する

エピソードは過程を重視し、具体的に伝えましょう。期間や順位など、数字を使って具体性を増すのもおすすめです。

たとえば、「継続力」をアピールする場合、「部活でレギュラーをとるために練習を続けた」よりも、「部活でレギュラーをとるために、1日2時間の自主練を1年間毎日続けた」のほうが具体的に伝わります。また、結果を出すために行った努力の量も明確に伝えられるでしょう。

「いろいろ」「さまざま」のような表現は、抽象的になるのでできるだけ避けてください。「1日」「100人」「2時間」のように、数字を使って具体的に表せば、説得力が増します。

3.強みをどのように仕事に活かせるか伝える

自己PRの最後では、自分の強みを業務でどのように活かせるかを伝えましょう。採用担当者は、就活生が業務内容を理解し、業務に合う強みをアピールできるかを見ています。

たとえば、「継続力を活かして頑張ります」だけでは、入社後に何を頑張るのかが分かりません。「強みである継続力を活かして、来庁者に質の高い行政サービスを提供できるように勉強を続けます」と説明できれば、強みの活かし方まで伝わるでしょう。

自己PRの作り方は、「自己PRの書き方例を紹介!アピールポイント別の例文つき」の記事でも解説しています。作り方のコツを理解できれば、より質の高い自己PRが完成するでしょう。

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公務員試験の自己PRを魅力的に仕上げるポイント

公務員試験の自己PRでは、地方公務員と国家公務員のように、受ける種類や職種によってアピールを変えるのが効果的です。ここでは、公務員ならではのポイントを紹介するので、自己PRをより魅力的な内容に仕上げるために活用してください。

公務員に求められるスキルや特徴をアピールする

公務員試験の自己PRでは、公務員に求められるスキルや特徴をアピールすることが重要です。業務に関係ないスキルをアピールしても、あまり評価されないため気をつけましょう。

公務員には、周囲と協力しながら仕事を行う協調性・調整力や、仕事をやり遂げる責任感・誠実さなどが評価されます。また、事務処理能力も評価されるため、それぞれを発揮したエピソードがあれば積極的にアピールしましょう。

ただし、配属先によって求められるスキルは異なるので、どのようなスキルが必要かあらかじめ確認してください。

強みをキャッチフレーズで表してみる

自己PRで印象を残すために、強みをキャッチフレーズで表すのもポイントです。

公務員の業務でアピールする性格や強みは「協調性がある」「まじめ」などが多く、そのまま表記すると周りの就活生に埋もれてしまい、アピール力に欠ける可能性があります。

そのため、キャッチフレーズだけではなく、強みを別の言葉に言い換えてみるのがおすすめです。ほかの就活生と違った表現でアピールできれば、採用担当者の目にも留まりやすいでしょう。

どのようなキャッチフレーズを作るか迷う就活生は、「就活に必要なキャッチフレーズを作るときのポイントは?」の記事も参考にしてください。自己PRだけではなく、自己紹介や面接などでも使えるのでおすすめです。

何度も添削する

自己PRは、何度も添削してアップデートを重ねることが重要です。何度も作り直せば、最初よりも分かりやすく伝わる自己PRになります。

また、自分だけで考えずに、家族や友人にアドバイスをもらうのもおすすめです。客観的なアドバイスをもらえれば、新しい発見も生まれるでしょう。大学のキャリアセンターや就活エージェントなど、就活のプロに任せる方法もあります。

自己PRの添削サービスに関しては、「自己PRの添削は誰に頼む?選び方と注意点・セルフチェックのコツも解説」で詳しく解説しています。

志望動機と関連性を持たせる

自己PRと志望動機には、関連性を持たせることが大切です。全く同じ内容は避けるべきですが、似た強みやスキルがアピールできるように準備しておきましょう。

面接官は、書類全体の内容を踏まえて応募者の人柄や適性を判断します。そのため、履歴書全体で関連性があれば、一貫性があると評価してもらえるでしょう。

就活では自己PRのクオリティだけを上げるのではなく、質問される内容すべてで強みをアピールするのがポイントです。

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公務員の種類別!自己PRで意識すべきポイント

公務員は、地方公務員と国家公務員の大きく2つに分けられ、仕事内容や求められるスキルが異なります。ここでは、それぞれに求められるスキルと自己PRで意識すべきポイントについて解説します。

地方公務員の場合

地方公務員はその自治体や都道府県の職員として働くため、地域性を絡めたアピールが欠かせません。特に、地元の市町村や都道府県以外の職員を志望する際は、志望動機との関連性、その自治体で実現したい事柄などのアピールが重要です。

また、市役所職員の場合はその自治体で勤務し続けるため、スペシャリストとして業務を遂行する特徴があります。都道府県職員の場合は、市町村の取りまとめや国と自治体との連絡調整、よりマクロな視点の業務遂行など、ゼネラリストとして活躍する傾向です。

それぞれの業務内容の違いを踏まえて、アピールする強みをチューニングしましょう。

国家公務員の場合

国家公務員の場合は、国の出先機関に勤務するのが一般的で、法務局や税関、検察庁、国税庁などの縦割りで組織運営されています。そのため、地域性というよりも、各省庁で扱う業務への理解とその業務を適切に遂行するためのスキルをアピールすることが大切です。

民間企業を選ぶ感覚に近いといえるかもしれませんが、国家公務員の場合は省庁によって扱う業務や働き方が異なるので、それぞれに適した自己PRが欠かせません。

公務員の職種については、「国家と地方で違う?公務員の職種について解説します!」で詳しく解説しています。

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公務員の自己PRをまとめる際の注意点

公務員の自己PRを考える際は、志望する役所の特徴を意識するのがポイントです。民間企業同様に、その地域や役所ならではの内容を盛り込みましょう。

ここでは、公務員の自己PRをまとめる際に意識したいポイントを2つご紹介します。

志望する役所や省庁の特色を盛り込む

どの役所や省庁にもあてはまりそうな、汎用的な内容は避けましょう。「まじめ」「努力家」などの特徴をアピールする就活生は多く、面接官の目に留まらないかもしれません。

また、広く公務員に共通する強みの場合、志望する役所や省庁を選んだ理由が弱くなります。企業研究をしっかりと行っていないと思われる場合もあるでしょう。

地方公務員と国家公務員でも、求められる素質は異なります。それぞれの特徴を理解し、求められる強みやスキルをアピールしてください。

公務員の仕事で重視されにくい強みを選ばない

公務員の業務に関係ない強みをアピールしても、なかなか評価されません。アピールする強みを発揮して、仕事でどのように活躍できるかを考えましょう。

たとえば、「デザイン能力があります」とアピールしても、窓口対応や事務作業では活かす場面がありません。また、「マーケティングスキル」なども公務員で発揮するのは難しいでしょう。

公務員には、公務員ならではの重視される強みがあります。どのような種類や仕事があるか分からない場合は、「公務員の種類とは?主な職種や試験の難易度を一覧で分かりやすく解説」も参考にしてみてください。

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公務員試験の自己PRの参考例文7選

公務員試験の自己PRを作る際の参考になる例文を7つ紹介します。評価されやすい特徴ごとに紹介しているので、自己PRを完成させる際に活用してください。

「打たれ強さ」の例文

私の強みは、打たれ強さです。小学生のころは小柄でからかわれることもあり、自分を変えたいと中学では練習が厳しい野球部に入りました。

朝や放課後の練習では常に走り回り、1年生は自身の練習のほかに、先輩のサポートも行います。休む暇もない練習量に、次第に辞めていく部員が出てきました。

しかし、私は諦めずに練習に取り組み、自宅でもトレーニングをして体力づくりを行いました。そのおかげで、日々の練習メニューも余裕をもってこなせるようになり、3年生ではレギュラーとして大会に参加できるまで成長しています。

この経験を通して、辛いことも乗り越えれば自身の力になることを学びました。貴市役所でも打たれ強く、諦めない心で業務に貢献したいです。

「継続力」の例文

私の強みは、継続して努力できる点です。

大学で所属していたサークルの部室は共同部室だったため、汚れていることが多々ありました。そこで私は、1年生の春から引退するまで、部室を使用する日は毎回掃除しゴミを捨てて帰るようにしました。

私が掃除するようになってから部室は汚れにくくなり、管理者の先生からもお褒めの言葉をいただきました。貴庁でも毎日コツコツと努力し、縁の下の力持ちとして業務に貢献したいと考えています。

「責任感」の例文

私の強みは、仕事を最後までやり遂げる責任感です。

私は学生時代にポスティングのアルバイトをしていました。初めのころは該当の地区を回るのに予定の2時間もかかる状況で、先輩にカバーしてもらっていました。そこで私は、該当エリアの回り方を工夫したり、移動する自転車の停める位置の最適化を考えたりして、時間に余裕を持ってポスティングを終えられるようになりました。

時間というコストを意識して、与えられた業務を遂行するのはもちろん、部署の課題などに関しても責任を持って対応していきたいと考えています。

「傾聴力」の例文

私の強みは、さまざまな意見を聞いて共感する傾聴力です。

私は大学時代にバドミントン部の副部長を任され、部長のバックアップや部員のフォローなどに奔走した経験があります。30名ほどの部員がいたため、部内で意見が割れ雰囲気が悪くなってしまうこともあり、その時々に応じて部員に直接声をかけ、不満に感じていていることなどに耳を傾けました。

部員から直接聞いた声をもとに部長と話し合い、練習の進め方を改善した結果、部全体の雰囲気が明るくなり、練習の参加率も上がりました。

自身の傾聴力を活かし、市民の方の声を丁寧に聞き、適切な行政サービスを提供できるよう努力いたします。

「調整力」の例文

私の強みは、現状を踏まえて行動を適切にコントロールできるところです。

所属していたダンスサークルでは、新歓の参加者を50人集めるという目標が設定されたものの、目標達成に向けたアクションプランは何もない状況でした。そこで私はメンバーを集め、目標達成に必要なステップを洗い出しました。

ビラの完成時期と配布目標、配布期限の設定、SNSアカウントの開設、運用担当者の割り振りや投稿頻度の指定など、すべて逆算して行動を具体化し、分担して作業を進めました。

その結果、新歓当日には70人もの参加者を集めることができ、多くのメンバーがサークルに加入してくれました。

自身の調整力を、貴庁の業務の確実な遂行や他庁との連絡調整などに活かし、一職員として貢献いたします。

「コミュニケーション能力」の例文

私の強みは、誰とでもすぐに仲良くなれるコミュニケーション能力です。

私は一人旅が好きで、宿泊先はゲストハウスを利用するようにしています。さまざまな境遇・環境を過ごした方と出会えるゲストハウスは、その旅でしか出会えない貴重なもので、さまざまな価値観に触れられる機会だとも思っています。

初対面でも物怖じせず、相手に興味を持って質問しながら会話を楽しむと、10分もすれば仲良くなれるのが私の強みです。

自身のコミュニケーション能力を活かし、来庁者さまに質の高い行政サービスを提供するのはもちろん、職場内のスムーズな業務遂行に役立てたいと考えています。

「協調性」の例文

私の強みは、仲間と協力して物事を進められる協調性です。アパレル店のアルバイトでは同僚の仕事を支えることで、チーム全体の目標達成に貢献しました。

私が働いているアルバイト先では、毎月の売上目標が決まっています。店舗全体での目標であり、スタッフ全員が一丸となって協力することが欠かせません。

ある月、月末まで1週間の状況で、売上目標の5割までしか達成できていない月がありました。このままではいけないと思い、売上を出すのに苦戦しているメンバーの販売をサポートしたり、時間があるときには接客の練習に付き合うなどを行いました。

周囲のサポートを行った結果、残りの1週間で売上目標の40%を達成。月間目標には10%届きませんでしたが、目標に向かって店舗全体で協力する働きかけができました。

貴社のプロジェクトでも強みである協調性を活かして、チーム全体で協力して成果を出せるように貢献してまいります。

なお、自己PRを伝える際は長所と区別する必要があります。自己PRと長所は何が違う?アピール時のコツや伝え方を例文含めて解説」で両者の違いを解説しているので、合わせてご覧ください。

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公務員試験の自己PRのNG例文3選

ここでは、公務員試験の自己PRのNGな例文を3種類紹介します。NG例を避けることで、自己PRを精度高く完成形に近づけられるはずです。

公務員の仕事で重視されにくい強みをアピールした例文

私は幼少期から絵を描くことが好きで、独創性やアート感覚に優れている点が強みです。

小学生のころから図工・美術の授業が大好きで、中学からは美術部で毎日絵を書いていました。高校生のころには美術コンクールで入賞することもでき、今でも時間の許す限りアートに触れています。絵を書いている時間はすべてを忘れられ、制作に没頭できるのも魅力の一つです。

今まで培った独創性やアート感覚を活かし、都市計画や市の広報などで貢献したいと考えています。

解説

公務員の業務で「美的センス」はあまり求められていません。業務で重視されにくい部分をアピールしても、入社後の活躍イメージがしづらいため、採用を見送られてしまう可能性があります。

また、公務員は配属先が多く、希望の仕事が行えるとは限りません。特定の仕事ばかりアピールしていると、ほかの業務を任せてもモチベーションがないと思われ、採用されない場合もあるので気を付けてください。

公務員の仕事を下に見るような例文

私の強みは、リーダーシップ能力に優れているところです。

メンバーを巻き込んで結果を求めるのが好きで、大学生になってからは学祭の実行委員に所属し、3年生の時には実行委員長を担いました。当時の学祭は今までにやったことのないことをしたいと思い、有名人の招待や他大学との連携などを推進し、学祭の来場者数は過去最高を記録しました。

企画の立案から作業の割り振り、スケジュールの調整など、学祭の準備と当日の進行が滞りなく進むよう手配することができ、大きな達成感を得られました。

私のリーダーシップ能力であれば、日々の事務処理や窓口対応でも、なんでも対応できる自信があります。

解説

どのような業務にも対応できる自信があるのは良いことですが、公務員の業務を下に見るような書き方はやめましょう。「〜でも」という言葉は印象が良くないので、避けたほうが無難です。

民間企業との違いを意識できていない例文

私の強みは積極性です。誰よりも行動し、成果を出せる自信があります。

大学では柔道部に所属し、誰よりも練習をしていました。「やろうと決めたらすぐにやる」をモットーに、試合や練習でうまくいかないことは、すぐに改善に向けて挑戦するようにしています。

貴庁でも積極性を活かして行動し、同期でトップの成績を残して業務に貢献したいと思います。

解説

公務員は民間企業とは異なり、利益の追求は求められません。あくまでも、公共性を意識した仕事であることを意識しましょう。

「一番を目指す」のような考え方をしていると、自分の利益を優先していると考えられてしまいます。公務員と民間企業の立ち位置を整理し、どのような役割が求められているかを考えるのが大切です。

自己PRでは良い事例だけではなく、悪い事例から学ぶことも大切です。「自己PRのダメな例は?悪い例文から考える就活で失敗しないアピール方法」では、採用担当者に響きづらい自己PRの例を紹介しているので、合わせて参考にしてみてください。

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公務員試験の面接で自己PRを伝える際のポイント

自己PRで評価されるためには、面接での伝え方も重要です。面接を重視する自治体や役所も増えているので、対策をしておきましょう。

ここでは、自己PRを面接で伝える場合に意識したい、3つのポイントを解説します。

ゆっくりと抑揚をつけて話す

面接で質問に答えるときは、ゆっくりと抑揚を意識して話しましょう。早口になってしまうと聞き取りにくく、せっかくのアピールが伝わりません。

また、抑揚がないとやる気が伝わらず、印象が悪くなる場合もあります。重要な部分が伝わるように、強弱も意識してください。

面接本番になると緊張してうまく話せないかもしれません。模擬面接を行い、本番を意識した練習をしておきましょう。
模擬面接でのチェックポイントや申し込む場所は、「就活生は模擬面接セミナーを活用しよう!内容や参加時の注意点を紹介」の記事で解説しています。キャリアチケットでも面接対策をサポートしているので、面接が不安な場合はぜひ相談してください。

明るく元気に話す

面接では印象を良くするために、明るく元気に話すことが大切です。話し方はもちろん、表情も意識して面接に臨んでください。

表情や声のトーンが暗いと、自信のない印象を与えてしまいます。一緒に働きたいと思ってもらうためにも、明るさで印象を良くしましょう。

深掘りに対応できるように準備する

面接官からの深掘りに対応できるように、回答を準備しておきましょう。自己PRの内容に対して、「なぜそう思うのか」を考えておくのがポイントです。

深掘りされて答えられない場合、「自己分析が甘い」「本当のことなのか分からない」などとマイナスイメージを与えることに。説得力が増すように、深掘りされそうな質問と回答を考えてみてください。

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公務員試験で自己PRを評価されて内定を獲得したいあなたへ

公務員試験では、自己PRの重要度が増しています。人柄を見る自治体も多くなってきており、学問的な試験を突破するだけでは評価されないようになってきました。

面接への準備をあまりしておらず、不安な就活生もいるでしょう。自己PRでアピールするためには、自分の強みを理解し、面接官に分かりやすく伝えることが大切です。まずは自己分析を行い、強みをアピールできるエピソードを探してみましょう。

自己PRで悩む場合は、就活エージェントの活用もおすすめです。客観的なアドバイスをもらうことで、自己PRをさらにレベルアップさせられます。ほかの就活生と差別化をするためにも、プロの意見をもらいましょう。

キャリアチケットでも、公務員志望者の自己PR作成をサポートしています。面接対策や履歴書の書き方指導など、公務員試験全体のアドバイスも実施しているので、内定獲得を目指す就活生はぜひご相談ください。

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本記事の監修者

淺田真奈(あさだまな)

大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。

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キャリアチケットは、就活生の最高のキャリアスタートを支援するサービスです。