人材業界とは?ビジネスモデルや将来性・向いている人の特徴・魅力を解説

このページのまとめ

  • 人材業界とは、求人募集を行う企業と勤め先を探す求職者をつなぐ業界のこと
  • 人材業界の市場規模は拡大しており、転職の一般化などから今後も需要が増える見込み
  • 人材業界に向いている人の特徴は「人と関わるのが好き」「情報収集が得意」など

人材業界とは?ビジネスモデルや将来性・向いている人の特徴・魅力を解説のイメージ

就活生のなかには、就活サイトを運営する企業が属する人材業界に興味を持つ人も少なくないでしょう。業界研究の一環として、人材業界について詳しく知りたいと考える人も多いはずです。

この記事では、人材業界の概要やビジネスモデル、市場規模、今後の課題や将来性をまとめました。

人材業界が向いている人の特徴や仕事のやりがい・魅力、キャリアプランも解説しているので、ぜひ参考にしてください。

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目 次

人材業界とは?企業と求職者をつなげる仕事

そもそも人材業界とは、求人募集を行う企業と勤め先を探す求職者をつなぐ業界を指します。
ほかにも人材派遣や求人広告など、一口に「人材業界」と言っても、その実態や仕事内容は多岐にわたります。そのため、人材業界を志望する際は、業界だけでなく、業種やビジネスモデルへの理解も欠かせず、それぞれの違いを踏まえた上で適性を判断することが重要です。

人材業界の主な職種

人材業界の主な職種として以下が挙げられます。

・営業
・キャリアアドバイザーやコーディネーター
・企画
・マーケティング
・広告制作
・総務

これらは業界内の仕事内容を一般化した大まかな分類ですが、「企業と求職者をつなぐ人材紹介」にまつわる仕事はイメージしやすいでしょう。

企業をより魅力的に発信するための企画やマーケティングを練る仕事もある一方で、広告制作ではキャッチコピーの作成や、ある程度のデザインスキルも求められます。

企業内でも配属先によって仕事内容は異なるため、「人材業界の仕事内容=営業やキャリアアドバイザー」とはならない点は覚えておきましょう。

就活前に知っておきたい!業種ごとの仕事内容」では、業種ごとの仕事内容をより深掘りしているので、併せてご覧ください。

「人材業界はやめとけ」と言われる理由

業界研究をしてきた就活生のなかには、「人材業界はやめとけ」などと聞いたことがあるかもしれません。

人材業界の実態として、ノルマがきつい傾向にあったり、一人ひとりが請け負う業務量が多くてハードワークを求められたりします。このような背景から「人材業界はやめとけ」と言われるようです。

ほかにも、各方面と適切にコミュニケーションを取る必要がある上、人材業界特有の「ノリのよさ」が合わない人もいます。

そもそも、人には向き不向きがあるため、同じ状況に直面しても、感じ方は人それぞれです。イメージや人から得た情報を信じるのではなく、自分で情報を取りに行き、業界の実情を判断するようにしましょう。

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人材業界における4つのビジネスモデル

ここでは、人材業界の主な事業形態として4つのビジネスモデルを解説します。人材業界の全体像を把握するためにも、一つずつ読み進めて就活に役立つ知識を深めていきましょう。

人材紹介

人材業界のなかで最も一般的でイメージしやすいビジネスモデルが、人材紹介です。人材紹介は、自社が運営する転職支援サービスや求人サイトを通じて企業に人材を紹介し、働き手がほしい企業と求職者を結びつけること(仲介)を目的としています。

なかでも、ここ数年では転職支援が急成長しており、人材業界側が契約企業の求める人材像を直接聞き取りしてから、人材を紹介する形が主流です。

書類からは得られないクライアント企業や求職者の情報を把握したうえで紹介するため、両者のマッチ度が高いという特徴があります。

人材紹介は、紹介サービスのマッチングが成立した場合に、仲介料として契約企業から報酬を獲得するビジネスモデルであると覚えておきましょう。

人材派遣

人材紹介と同様にイメージしやすいのが、人材派遣です。人材派遣は、仕事を紹介してもらうために登録している求職者に対して、働き手を欲する企業を紹介して派遣する事業です。

人材派遣を提供する企業は、派遣した人材が働いた時間に応じた金額を派遣先企業から報酬として受け取ります。

なお、派遣社員の給与は、人材派遣を提供する企業から支払われる仕組みです。

求人広告

人材のマッチングではなく、求人の広告掲載を販売するビジネスモデルが求人広告です。広告掲載を依頼した企業から報酬を得て広告を制作し、求人を募集する企業と仕事を求める人材をつなぎます。

広告ツールや掲載先としては、従来から存在する新聞や情報誌に加えて、Webサイトでのシェアも拡大傾向にあります。

正社員やパート、アルバイトなど、さまざまな求人募集の広告を売るのが、求人広告のビジネスモデルです。

人材コンサルティング

採用に直結するピンポイントなビジネス以外にも、より広域で幅広く企業を支援・サポートする、人材コンサルティングを手がける企業も多数存在します。

人材コンサルティングは、企業の人事に関する業務を多方面から支えるのが仕事です。効率的な採用方法や人材を育てる体制作りなど、人事における必要な施策を練り、現状をよりよくするためのサポートをします。

これら4つのうち、人材派遣を専門とする企業もあれば、すべてのサービスを展開する企業もあります。また、特定の地域や業界のみを取り扱い、専門性の高い人材サービスを提供している企業も少なくありません。

各ビジネスモデルのなかでも競合と差別化を図るために各種工夫を凝らしているため、このような違いを細かくリサーチしていくと、人材業界の全貌をよりはっきりと捉えられるでしょう。

人材業界の現状・今後の動向について」では、人材業界についてより詳しく解説しています。

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人材業界で働く3つの魅力ややりがい

人材業界で働く魅力は、人との出会いが多く自信の価値観や知見を広げる機会が多いこと。また、求職者の人生に関わるサポートを行えるのは、大きなやりがいとなるでしょう。

人との出会いが多い

人材業界は、サービスの利用者や人材を募集するクライアント企業の社員など、ほかの業界に比べて人との出会いが多いです。

仕事を通じてさまざまな人と関われるため、自身の知識や価値観、人脈などを広げられる点が魅力といえるでしょう。

利用者のキャリア形成の一助になれる

人材業界は、求職者の就職や転職をバックアップし、人生における大切なキャリアを築くサポートができるのも魅力の一つです。

利用者の適性や要望を汲み取り、より満足度の高い就職を後押しすることは、仕事のやりがいにつながるでしょう。

利用者を継続的にサポートできる

人材派遣なら、長く利用してくれる登録者に対して、継続的な就職のフォローに携われます。

登録者との結びつきを深めて、その人の長所やスキルを理解したうえで適切なサポートを行えることがやりがいになることもあるでしょう。

サービス利用者やクライアント企業への関わり方として、コンサルティング業務と近しいものがあります。「コンサルティング業界の現況・今後について」ではコンサルティング業界を詳しく解説しているので、人材業界とセットで理解を深めておくのがおすすめです。

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人材業界に求められる3つのスキル

人材業界で活躍するにあたって求められるのはコミュニケーションスキル。そのほか、営業スキルや情報収集能力も必要です。

コミュニケーションスキル

人材業界は、円滑なコミュニケーションを必要とする機会がほかの業界に比べて多い印象です。そのため、状況や接する人に合わせた柔軟なコミュニケーションスキルが求められます。

・求職者との面談
・クライアント企業への営業
・派遣先との求人に関する相談

企業と求職者を仲介する仕事の性質上、コミュニケーションを円滑にとれる人材は評価されるでしょう。

営業・プレゼンテーションスキル

先ほども解説したように、人と接する機会の多い人材業界の仕事においては、営業やプレゼンテーションスキルも欠かせません。

特に、人材紹介や人材派遣においては、クライアントの獲得や好条件で交渉をまとめる必要があることから、コミュニケーション能力とは異なり交渉に特化したスキルが求められます。

プレゼンテーションスキルに自信がない就活生は、ゼミや講義での発表機会を積極的に利用して、思いを込めて話を伝える練習を積むとよいでしょう。

情報収集スキル

人材業界で扱う情報は多岐にわたり、クライアント企業が属する業界の知識を中心に、その時々に必要な情報を素早く集めるスキルも重要です。

求職者のヒアリングを踏まえて的確に求人を紹介したり、さまざまな業界に属する企業に対し、人材紹介に必要な情報を集めて提供したりする必要があります。

求職者と企業が求める情報を常に意識して、先回りできるような行動力もあると、より重宝されるでしょう。

なお、自分のアピールポイントがまだ不明確な就活生は、自己分析を入念に行うことをおすすめします。「【就活生向け】自己分析のやり方を解説!内定に近づく活用方法とは」で自己分析の方法を詳しく解説しているので、参考にしてください。

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人材業界に向いている人の特徴5選

人材業界に求められるスキルを理解できると、向いている人の特徴もイメージしやすいでしょう。ここでは、人材業界に向いている人の特徴を5つ紹介します。

志望先として人材業界に適性がありそうか、以下の内容を踏まえて検討してみてください。

人と関わるのが好き

人材業界で働く魅力や求められるスキルでも解説したように、人材サービスの仕事に就けば多くの人と出会うため、人材業界は人と関わることが好きな就活生におすすめです。

求職者に対する求人紹介はもちろん、さまざまなクライアント企業の担当者との折衝など、あらゆる場面で人と接して仕事を進めます。

仕事を通じてさまざまな人と関わりながら関係性を構築したいと考える就活生は、人材業界が向いているでしょう。

情報収集が得意

クライアントや求職者の要望に合わせて、必要な情報をその都度提示できる情報収集力だけでなく、集めた情報を整理して伝えるのが得意な人も、人材業界は向いているといえます。

クライアント企業の概要や応募要件はもちろん、扱う業界の情勢や就職事情にも精通しておくと、スムーズに業務を進められます。

クライアント企業によっては業界に馴染みがないこともあり、専門的な知識を求められることもあるでしょう。このような場合も、知的好奇心を持ってリサーチできる人は、人材業界が特に向いているといえます。

こまめな連絡が苦にならない

人材業界は、クライアント企業やサービス利用者との密なやりとりも求められるため、こまめな連絡ができる人ほど向いている仕事です。

こまめな連絡がとれるほど、利用者の満足度向上にもつながるでしょう。当然、クライアントに対する素早いレスポンスも、互いの信頼関係構築に欠かせないだけでなく、継続的な契約の獲得につながる理由になり得ます。

友人との日常的なやり取りでもすぐに返信するタイプの就活生は、人材業界に向いているといえそうです。

成長意欲や向上心が強い

人材業界全体の傾向として、営業担当には厳しいノルマが課されることも多く、困難な状況に打ち勝つ向上心や精神的な強さが欠かせません。

また、クライアント企業を獲得し続けるためには、自身の営業スキルを磨くだけでなく、さまざまな情報を仕入れて、クライアントにサービスを利用するメリットなどを効果的に伝える必要があります。

現状に満足せず、常に成長し続ける意欲のある人は、人材業界で活躍していけるでしょう。同時に、サービス利用者である求職者の成長の力になりたいと思える人は、人材業界は特におすすめです。

行動力が高い

人材業界では行動力の高さも求められます。

失敗をおそれないメンタルの強さとも言い換えられますが、営業担当の場合は新規クライアント獲得のために奔走することも多いため、目標達成に向けたひたむきな努力が欠かせません。

人材紹介業においても、クライアント企業が求める人物を素早く見つけ出し、採用につながるように業務を進める必要があります。

クライアント企業やサービスを利用する求職者一人ひとりによってニーズは当然異なるため、それぞれを的確に見極めて果敢に行動できる人は、人材業界に向いているでしょう。

仕事選びで後悔しないために|就活生が心得るべきポイントと対策」では、就活で企業や仕事を選ぶ際のポイントをまとめているので、この内容も参考にしながら自身の適性を判断してみてください。

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人材業界で想定される3つのキャリアパス

人材業界に就職した後のキャリアパスについて、比較的想定される3つのパターンを紹介します。

これまで紹介した人材業界の仕事内容や向いている人の特徴、以下で紹介するキャリアパスを踏まえて、自身が働く姿をイメージしてみてください。

マネジメント職として組織を管理する

人材業界の中で経験を積み、社内のマネジメント職として組織を管理するキャリアは、比較的王道と言えます。

そもそもマネジメント職とは、組織のなかで陣頭指揮をとり、部下の指導や組織・チームの運営に対して責任を持つ重要なポスト・役職のことです。

人材紹介や人材派遣などの業界を問わず、現場で培った経験を踏まえて、広い視野を持って社内の効率的な組織運営に携わるのがマネジメント職の特徴です。

仕事の価値を提供するのが対クライアント企業ではなく自社や社内の環境構築になるため、マネジメント職として活躍する際はコミュニケーションをとる相手も変化します。

また、サービス利用者の成長に貢献するという視点から、部下の成長を見守り、育てることにやりがいや魅力を見出せるようになるのも、マネジメント職ならではです。

コンサルタントとして専門性を磨く

人材業界で働いた際のキャリアパスには、コンサルタントとして専門性を磨いていくパターンも比較的多い傾向です。

クライアント企業と求職者の双方に対してコンサルティングできるため、自身の適性を踏まえて専門性を特化してもよいでしょう。もちろん、状況に応じて双方に対するコンサルティングを担うことも可能です。

人材業界では、「コンサルタント」よりも「キャリアアドバイザー」などの通称で呼ばれることも多く、キャリアチケットにおいても、キャリアアドバイザーが就活生に対して幅広いサポートを提供しています。

独立してサービスを提供する

人材業界で培った経験やスキルをもとに独立して、人材紹介やコンサルティングサービスを提供することも可能です。

法人営業を長年行ってきたのであれば、個人事業主として営業代行を仕事にすることもできるでしょう。人材業界は業務量が多くてハードな印象があるかもしれませんが、その分、ビジネスパーソンとして活躍できるさまざまなスキルを身につけられます。

独立には当然リスクもありますが、働き方が多様化する昨今においては、選択肢の一つとして視野に入れられるでしょう。

就活の面接では、入社後のキャリアに関しても問われます。「就活のビジョンはどう答える?企業が質問する意図やおすすめの考え方を解説」では、企業側がキャリアについて質問する意図も含めて詳しく解説しているので、併せて参考にしてみてください。

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人材業界向けの志望動機の例文

最後に、人材業界を志望する就活生に向けて、志望動機の例文を紹介します。

私は、働き手と企業の双方にとって満足できる人材サービスを提供し、企業の発展や人々の豊かな暮らしの一助を担いたいと考えております。

御社(貴社)はさまざまな業界の紹介案件を抱えているため、利用者に対してより多くの可能性を掲示できる点が魅力です。「利用者に正確な情報を届ける」をモットーに、定期的な企業への聞き取り調査を実施している点にも共感し志望いたしました。

アルバイトでテレアポの仕事をしているため、相手のニーズを汲み取るヒアリング力には自信があります。

御社(貴社)におきましても、このスキルを活かして利用者の潜在的なニーズの把握に努め、顧客の満足度が高いサービスを提供して会社の利益最大化に貢献したいです。

上記はあくまで参考にして、自身のエピソードを交えたオリジナリティのある志望動機を作成しましょう。

志望動機をまとめる際のポイント

採用担当者の心に響く志望動機にするには、上記のとおり「志望した理由→その企業へのこだわり→エピソード→自身を採用するメリット→貢献意欲や抱負」の構成で作成するのがおすすめです。

人材業界を志望する理由や応募先企業を受けた理由を最初に述べて要点を明らかにし、根拠となるエピソードを添えて話の説得力を増しましょう。

また、就活の志望動機で効果的なアピールをするには、業界や企業研究が欠かせません。

なぜ人材業界を志望するのか、なぜその企業なのかを明確に伝えて、志望度の高さや入社意欲を示せる志望動機を作成しましょう。

志望動機の作り方に関してもっと知りたい人は、「就活の志望理由にもう困らない!基本的な作り方や伝え方を例文つきで解説」をご覧ください。

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本記事の監修者

淺田真奈(あさだまな)

大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。

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