コンサルティング業界について研究しよう!仕事内容や働く魅力を解説

このページのまとめ

  • コンサルティングとは、企業が抱えている問題に対して解決策を提案し支援する仕事
  • コンサルティング業界は欧米を中心に発展し、日本では1960年代から広まった
  • コンサルティング業界の企業には、戦略系やIT系などいくつかの分類がある
  • 日系企業と外資系企業では、案件の受け方や組織風土が異なる
  • コンサルティング業界で働く魅力は、成長できる環境や実力主義の評価制度など

コンサルティング業界について研究しよう!仕事内容や働く魅力を解説のイメージ

コンサルティング業界は、グローバルで高収入という華やかなイメージから、就活生に人気がある業種の一つです。しかし、コンサルタントの仕事内容を詳しく知っている人は少ないのではないでしょうか。
このコラムでは、コンサルティング業界の概要や企業の種類、役職などについて解説。「日系企業と外資系企業の違いは?」「コンサルティング業界の魅力は?」などの疑問にもお答えしています。業界研究の参考にしてください。

 

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コンサルティング業界とは

コンサルティングとは、企業が抱えている経営上の問題に対して中立的な立場から解決策を提案し、支援する仕事のことです。企業の情報を分析し、人事や会計、社内システムなどの多角的な面からクライアントの発展のために改正案を提示します。
事業内容は事業戦略の立案やM&A、業務オペレーションの改善など多岐にわたるのが特徴です。支援対象も経営戦略や財務会計、システム、人材などさまざま。上流領域から下流領域まで総合的に支援し、クライアントの収益増加に取り組んでいます。

コンサルティング業界の歴史

コンサルティングはアメリカから始まり、欧米を中心に発展してきたビジネスです。
日本企業は元来コンサルタントに積極的にアドバイスを求めるような習慣はありませんでしたが、1960年代から外資系企業が次第に国内に進出したことで、少しずつコンサルティングビジネスが広がり始めました。
そして日本企業の海外進出が増えるにつれ、欧米の産業事情に詳しい外資系コンサルティングファームの需要は増加。外資系が活躍する一方で、国内にも、特定分野に強みを持つファームや中小企業を対象にした独自のビジネスを展開するファームなど、さまざまなニーズに対応する特化型コンサルティングファームが次々に誕生しました。

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コンサルティングファームの種類

この項目では、コンサルティングファームをサービス領域別に分類し、各ファームの特徴を解説します。
コンサルティング業界と一口にいっても、企業の得意領域によってサービス内容は異なりますので、それぞれの違いを確認して業界研究に活かしましょう。

総合系コンサルティングファーム

経営戦略からIT、オペレーションまでの幅広いサービスを総合的に提供している大規模なファーム。
クライアントの事業戦略立案やシステム化構想策定といった上流フェーズから、システムインテグレーションやシステムアウトソーシングといった業務に直接関わるフェーズまで、企業全体に関わるあらゆるコンサルティングサービスを提供するファームです。
数百~数千名もの社員を抱える大規模企業が多く、クライアントにも大手企業が多いという特徴があります。

戦略系コンサルティングファーム

クライアントの経営課題を発見し、解決するための戦略を策定するファーム。
企業やグループの経営戦略や中長期の成長戦略、事業統合のサポートなど、戦略立案に特化したコンサルティングを行っています。
ヨーロッパやアメリカを拠点とした企業が多く、グローバルに展開しているのが大きな特徴。現在は各ファームの局在化が進み、欧米の経営知識を導入するだけではなく、より日本国内のクライアントが抱える問題に密着した経営コンサルティングを手がけています。
以前は「大企業の経営者に対して分析を元にした提案をする」という華やかなイメージがありました。近年は、依頼主と同じ視点を持ち、顧客に近い存在として戦略の実行をサポートする側面が大きいようです。

シンクタンク系コンサルティングファーム

官公庁に対してのリサーチや、経営・ITコンサルティングを提供しているファーム。
大手金融機関や証券会社を母体とする企業が多く、経営基盤が安定しているという特徴があります。
シンクタンクが行っている主なサービスは大きく分けて2種類。1つ目は、地方自治体や省庁などを相手に情報を収集し、調査したデータ結果をベースに政策提言を行うこと。専門性の高い調査と分析を実施し、その結果を提示します。2つ目は、官公庁や企業にシステムを導入し、抱えている課題を解決することです。
元々は官公庁向けに調査・研究・分析を行う機関でしたが、近年は民間企業を対象としたコンサル部門に力を入れているファームが増加しています。

組織人事系コンサルティングファーム

人事制度や人材開発に関する課題に対して、コンサルティングを行うファーム。
人事の業務の中でも、組織構築や人事戦略立案といった上流領域への支援を得意とするのが特徴です。
さらに、事業戦略の立案やシステムインテグレーションといった幅広いサービスを手掛け、依頼主の多様なニーズに対応するファームも多く存在します。

IT系コンサルティングファーム

クライアントの業務課題を見つけ、課題解決につながるシステムを設計するファーム。
財務や人事、顧客管理、生産管理といった各業務を効率化するプランの作成や、システムの導入支援を行っています。近年は、システム開発や業務改善プランの提案だけではなく、クライアントのニーズに沿ってプロジェクトの管理やシステム構築・保守を行うことも。
上流領域への支援が中心の総合・戦略コンサルティングファームと比べ、ITを活用して社内のミクロな課題に向き合うことが多いファームです。

国内独立系コンサルティングファーム

主に中小企業を対象に多様なコンサルティングを手掛ける、日本で独自に生まれて発展したファーム。
実践的なコンサルティングを主軸に、経営や物流、製造、品質管理など、現場に入り込んで幅広いコンサルティングを行うファームが多いという特徴があります。ときには管理者や経営者に対する人材育成を行うことからも、コンサルティング領域の幅広さがうかがえるでしょう。
近年ではグローバル展開が進み、日本企業が海外へ進出するための支援を手掛けるファームも見かけるようになりました。

 

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コンサルティング業界の主な4つの役職

コンサルタントの主な役職は、大きく分けて以下の4種類です。
新卒者の多くはアナリストからキャリアが始まり、実務経験を積みながらコンサルタントやマネージャー、パートナーへとキャリアアップしていきます。なお、正式な役職名は企業によって異なる場合があるようです。
役職によって求められるスキルや役割は異なるので、キャリアプランを考える際の参考にしてください。

1.アナリスト

新卒者の多くが最初に就く役職で、情報収集や分析、資料作成などが主な業務です。IT企業の場合はプログラムのコーディングを担うこともあります。
現場に一番近い存在として情報収集や分析、会議の議事録作成などの業務を担い、コンサルタントとしての基礎能力を養う時期です。

2.コンサルタント

アナリストとして2、3年経験を積んだ後は、コンサルタントとして業務を遂行します。資料やスライドの作成だけではなく、自らの判断で仮説の構築や検証、提案資料作成などの業務を行う役職です。
基本的なコンサルティング能力を持っていることが前提となるため、依頼主と強いつながりを築きながらディスカッションをすることが求められます。

3.マネージャー

プロジェクトの管理者として、プロジェクト管理や予算管理、顧客との交渉を担当する役職です。
具体的な仕事内容は、プロジェクトメンバーへの仕事の割り振りや、クライアントとのやり取り、担当コンサルタントの変更など。プロジェクトが期限内に完了するよう、スムーズに業務を遂行する役割があります。
マネージャー職は、特定の分野のスペシャリストとして専門スキルを身につけていることが一般的です。

4.パートナー

顧客開拓やプロジェクトの獲得、コンサルティングファームの経営などを行う役職です。
パートナーの大きな特徴は、「ファームの共同経営者として事業を行い、利益と損失を分け合う」という点。そのため、事業戦略の立案や人材育成、オフィスマネジメントなど幅広い業務に携わり、経営に責任を持つという大きな役割を担います。

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日系企業と外資系企業の違い

日系のコンサルティング業界には、リサーチ部門を持つ金融機関がコンサルティング事業に進出し、さらに中小企業を対象にしたファームが発展してきたという背景があります。
一方、外資系はアメリカで主流になっていた「経営戦略を委託する」という考え方を持ち込み、コンサルティングを日本に浸透させてきました。戦略系コンサルティングは元々アメリカ発祥であり、日本国内に展開したのもアメリカの外資系ファームです。
このように、日系企業と外資系企業とでは、コンサルティングファームの発展してきた背景が異なります。両者の社風やコンサルティングスタイルの違いについて知り、企業選びや業界研究の参考にしましょう。

案件の受け方

日系ファームは、元々はシンクタンク系の調査や分析に特化していたことから、リサーチとその結果をベースにしたコンサルティングを得意としています。中小企業に対しては、顧問契約をしたクライアントの経営相談に乗るというコンサルティングスタイルが一般的。コンサルタント自身で企業に営業を掛けて仕事を獲得するため、基本的には1人で複数のクライアントを担当しています。
一方、外資系ファームはパートナーが案件を受注した後、案件が完了するまで数名のコンサルタントでプロジェクトを組むのが一般的です。1人のコンサルタントが複数のプロジェクトを掛け持ちすることは少ないでしょう。

必要な能力

日系ファームは1人で複数のプロジェクトを持つことがあるため、各々の場所で自身の役割を考え、スムーズに仕事を進める「柔軟性」や「協調性」が必要です。また、ファームによっては現場に入り込む業務もあるので、多くの人と円滑にコミュニケーションが取れるスキルも重視されます。
一方外資系ファームは、周囲のサポートを受けながら自身の判断で仕事を進めるという体制が一般的です。そのため、業務に対する責任感や積極性、高い判断力が求められます。

組織風土

日系ファームは、成果重視型の評価制度を採用しながらも、外資系ファームと比べて年功序列の特色を持つ企業が多い印象です。そのため離職率は低く、特定の分野を得意とする社員が長く勤められるという特徴があります。
一方、外資系ファームには「成長第一主義」という企業文化が根付いており、「一定期間で成果を出せない場合は退職」という風土のファームも多いようです。厳しい風土であるようにも感じますが、コンサルタント一人ひとりの実力が評価されやすく、年齢に関係なく成果を出せば昇進する可能性が高いという特徴があります。

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コンサルティング業界で働く5つの魅力

「企業が抱える課題の解決」というやりがいあふれる仕事そのものへの魅力や、成長できる環境、評価制度、収入面など、コンサルティング業界の魅力はさまざまです。
以下、コンサルティング業界で働く魅力についてまとめました。

1.経営に関わる仕事ができる

若いうちから企業経営に関する業務に携われるので、仕事に大きなやりがいを感じる人は多いようです。また、将来的に起業や独立を考えている人にとっては、経営に関する知識を身につけるチャンスともいえるでしょう。

2.スキルアップ・キャリアアップが目指せる

論理的思考力や分析力など、フィールドを問わず通用する汎用性の高いスキルが身につくのも、コンサルティング業界で働くメリット。優秀なメンバーと切磋琢磨しながら成長できる環境なので、成長意欲が高い人に向いています。
また、年齢に関係なく、実力さえあればどんどんキャリアアップしていける風土に魅力を感じる人も多いようです。

3.大きな充実感が得られる

「大規模プロジェクトを成功させると達成感がある」「クライアントから感謝の言葉がもらえる」など、仕事で大きな充実感が得られるのも魅力の一つ。社内のプロジェクトチームや取引先と連携しながら進める仕事なので、仲間と一緒に最適な方法を導き出す過程に楽しさを感じる人もいるようです。

4.グローバルな環境で働ける

外資系ファームでは、海外プロジェクトに携わったり、海外拠点のメンバーとやり取りをしたり、多国籍チームを組んでプロジェクトを遂行したりするなど、国籍や文化の異なる相手とコミュニケーションを取る機会が豊富です。英語力やコミュニケーションスキル、広い視野や知見など、総合的な能力が身につくのは、グローバルな環境に身を置きやすい外資系ファームならではのメリットだといえます。

5.高収入が期待できる

コンサルティングファームの多くは成果主義のため、結果を出せば早いうちから年収アップやキャリアアップが目指せます。コンサルティング業界の年収が比較的高い水準にあるのはそのためです。
自身の頑張りが収入に反映されるので、モチベーションを高く保って働けるでしょう。

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コンサルティング業界の動向

ビジネスのグローバル化やテクノロジーの進化が著しい昨今、企業経営に関する課題はより複雑なものへと変化しています。加えて、2019年の働き方改革では労働環境の見直しにともなう業務の効率化が、2020年の新型コロナウイルス拡大においてはテレワークの推進や業務プロセスのIT化が求められるようになりました。
多くの企業がデジタル戦略導入の必要性を感じ始めているため、コンサルティングファームの中には、クライアントのニーズに合わせてデジタル関連領域に注力している企業も増えているようです。コンサルティング業界の需要は、今後もさらなる増加が期待できるでしょう。

 

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本記事の監修者

淺田真奈(あさだまな)

大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。

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