ケース面接とは?回答の流れや対策ポイントについて解説

このページのまとめ

  • ケース面接とは、問いに対し仮説を立て論理的に答えを導き出す面接形式のこと
  • ケース面接は、外資系企業やコンサルティング会社などの選考時に実施される
  • ケース面接の応用としてフェルミ推定も学んでおこう
  • ケース面接では分析能力や論理的思考力、コミュニケーション能力などを磨いておこう
  • ケース面接のステップは、確認→現状の分析→課題の特定→解決策の提案という流れ

ケース面接とは?回答の流れや対策ポイントについて解説のイメージ

ケース面接について「聞いたことはあるけれど、なんだか難しそうで不安…」という就活生もいるでしょう。外資系企業やコンサルティング会社などの選考活動で実施されているケース面接。このコラムでは、ケース面接がどのような面接形式かをご紹介するほか、ポイントや鍛えておくべき能力などを幅広く解説します。ぜひ参考にしてみてください。

 

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ケース面接とは

ケース面接は、問いに対して仮説を立て、論理的に答えを導き出す面接形式のこと。外資系企業やコンサルティング会社などの選考時に実施されています。
ケース面接にはどのような特徴があるのか、下記で質問の例題を確認してみましょう。

・郊外に立地する業界4位のコンビニエンスストアの売上を上げるには
・日本の自動車の売上を5年で2倍にするには
・訪日観光客の消費額を上げるには
・都心部の駅前にある喫茶店の売上を2倍にするには

ケース面接を行う時間は通常20~40分程度で、質問が出題されてから個人で考える時間として5分程度を与えられるのが一般的です。5分の時間内でいかに問題の情報を分析し、導き出した答えを論理的に構造化して伝えられるかが重要でしょう。そのためにも、ケース面接の対策を行ううえで、あわせて必要となるのがフェルミ推定の知識です。

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ケース面接と関係の深い「フェルミ推定」とは

ケース面接の応用元といわれているのが、フェルミ推定です。ケース面接では課題に対して具体的な方策を提案するのに対し、フェルミ推定では数値の概算に留まるという点に違いがあります。
フェルミ推定とは、実際に調査するのが難しい数量について、手掛かりを基に論理的に推論、概算すること。フェルミ推定に関連した質問の例題は、下記のとおりです。

・日本で使われているパソコンは何台か
・日本に公衆電話は何台あるか
・今飛行機に乗っている人は何人いるか
・日本にコピー機は何台あるか
・日本にビルはいくつあるか
・日本にマンホールはいくつあるか
・今トイレにいる人は世界で何人いるか
・日本にはラーメン店が何店舗あるか

面接でフェルミ推定を行う場合は、解答だけでなく仮説の立て方や、論理的な説明といった結論を出すまでの過程も評価されているのを覚えておきましょう。

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ケース面接で鍛えておくべき4つの能力

ケース面接でスムーズに回答し、結果を残すためには分析能力や論理的思考力などの能力を前もって鍛えておくことが大切です。例題に対する答え方のトレーニングとあわせて、下記のような能力を磨いておきましょう。

1.分析能力

ケース面接での分析能力は、複数の情報を組み合わせて結論を導き出すスキルや、1つの情報を多面的に捉えるスキルを指します。課題を特定する際や解決策を考えるときに必要な能力です。
情報の必要可否から振り分ける力を鍛え、さらに結論へと構造的に組み立てられる力を身につけておきましょう。

2.論理的思考力

ケース面接では、論理建てて筋の通った思考を証明する論理的思考力が求められます。分析能力とも相通じ、多くの情報から必要な要素をくみ取ることが大切です。普段から物事を筋道立てて伝えることや回答を簡潔にまとめるといった練習を行っておくと良いでしょう。

3.思考の速さ

ケース面接では、「与えられた資料の内容を理解する」「情報を分析する」「結論を出す」といった作業をスピーディーに行う思考の速さが必要です。これらを効率的に進めるには、事前の対策が必須となります。制限時間を設けてスピードを意識し、問題を解くトレーニングを行いましょう。

4.コミュニケーション能力

面接官に質問や相談をすることが可能なケース面接では、スムーズな対話のやり取りができるコミュニケーション能力が重要です。課題に対し悩んでしまう場合は面接官へ積極的に質問し、助言を求めてみましょう。面接官から助言を受けた際にはしっかりと感謝の意を表します。会話のキャッチボールがスムーズに行える対話力は、ビジネスシーンでも役に立つスキルです。言葉遣いや振る舞いにも注意して、目上の人と話す練習を積んでおくと良いでしょう。

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ケース面接における5つのステップ

ケース面接は、確認→現状の分析→課題の特定→解決策の提案→解決策の評価という流れで行います。

ステップ1.確認

はじめにケース面接のお題を確認します。お題で使われている言葉の意味を自分で定義したり、面接官に確認したりする作業です。
最初に確認作業をすれば指針がはっきりするので、「途中で言葉の捉え方が誤っていることに気づき、はじめから考え直す必要が出た…」というようなトラブルを防ぐことができます。

ステップ2.現状の分析

お題の確認後は、問題の現状を分析する流れに続きます。
たとえば、「郊外に立地する業界4位のコンビニエンスストアの売上総利益(粗利)を上げるには」というお題の場合、粗利を向上させるための要因を考えることが必要です。
要因に挙げられるのは、「購入単価」「買い上げ点数」「来店頻度」「来店人数」「変動費」「固定費」など。それぞれ条件を仮定して課題を分析していきます。

ステップ3.課題の特定

課題を特定する際は、効果や課題解決できる可能性が高いものを選ぶのが基本です。
買い上げ点数の場合、POP広告の作成や商品の配置などから、「ついでに買っておこう」と思うような効果が得られると期待できます。工夫方法の選択肢が多いほか、店舗ごとに取り組めるため、一つの課題として捉えられるでしょう。
そのほか、来店頻度を上げることも売上アップにつながると考えられます。「また行きたい」と思わせるような店舗づくりや、サービスの質の向上などさまざまな方法があるので、こちらも課題として考えることが可能です。

ステップ4.解決策の提案

最終段階では、コンビニエンスストアでの特定した課題に対する解決策の提案です。
面接官から得た情報や自分の知識などを基に、戦略の立案を考案します。
ここでは論理的に解決策を述べることも大切ですが、アニメとのコラボ企画やプレゼントキャンペーンなど、斬新なアイデアを提案できれば、ほかの応募者と差をつけられて選考突破の可能性が高まるでしょう。

ステップ5.解決策への評価

得られる効果や実現の可能性を基に、複数ある課題に順位をつけます。
たとえば買い上げ点数の場合、「カテゴリー別に毎週おすすめ商品を紹介する」という方法が例として挙げられるでしょう。宅配便やATMなどを目的として来店した人に対しても、商品を熟知した店員がおすすめの商品を紹介することで、衝動買いを促進するという試みです。
おすすめ商品を紹介する際は、店員の意見を基にPOP広告を作成する、店内を装飾するといった方法があります。これらのコストはあまりかからず、実現しやすいといえるでしょう。また、このような取り組みを行っているコンビニエンスストアは少ないことから、一定の効果も期待できます。

来店頻度については、「常連客におすすめの商品を提案する」という方法があるでしょう。顧客の好みに合う新商品やおすすめの商品を提案することで、店舗への愛着を高めるという試みです。
常連客への商品の提案は、特別感を演出できて効果があると考えられます。ただし、常連客の嗜好を一人ひとり把握し、その人に合う商品を選ぶ際は手間がかかると予測できるので、コストの面では評価が下がるでしょう。

上記のように、ケース面接で解決策を出すには段階を踏む必要があります。
ケース面接で落ち着いて回答するには、問題集などを活用して例題を何度も練習することが大切。練習を通してより多くの回答パターンを身につければ、面接の際もスムーズに解決策を提案できると考えられます。

 

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回答の際の3つのポイント

回答の場面では、結論が裏付けられる数字を入れることや、分かりやすくまとめたプロセスを伝えるなど、押さえておくべきポイントがあります。

1.数字やデータを活用して裏付けをする

ケース面接では結論に数字やデータを含めて裏付けを行うことが重要です。

・悪い例「1日の来店者数が増え、売上も上がります」
・良い例「1日の来店者数が約◯◯人増え、売上が〇〇%上がる見込みです」

悪い例に対し、良い例では平均来店者数や固定費など、コンビニエンスストアを多面的な角度から分析した結果が表れています。現状分析の算出結果から導き出した数字を入れることで、信憑性が高くなり、根拠のある具体的な提案として面接官に伝えられるでしょう。

2.結論までの思考過程を伝える

ケース面接で大切なのは、結論をただ述べるのではなく、論理的に思考過程を伝えること。
なぜなら面接官は、応募者が分析を行い戦略を考えた結果の数字が正しいか否かよりも、思考過程の部分をより重視しているからです。回答の場面では、仮説を持って考えを構造化する力や思考過程を論理建てて伝える力が必要となります。そのため、問題提起から結論を出すまでのプロセスは詳細に伝えられるようにしておきましょう。
これから社会人として歩むうえでも、論理的思考力は身につけておくことをおすすめします。

3.課題へ取り組む前向きな姿勢を見せる

課題と向き合う際、眉間にシワを寄せて考え込むのではなく、前向きな姿勢で取り組むことを意識しましょう。緊張のなか、難題に取り組むのは容易なことではありません。しかし、いきいきとした表情で問題を楽しむ姿は、「仕事に対し、前向きに取り組んでくれそう」という印象につながります。分からない部分や不安な部分は面接官を交えて「私はこのように考えますが、この問題に対してはいかがでしょうか」と意見交換を行っても良いでしょう。
注意したい点として、ケース面接は面接官とのディスカッションの場と捉え、一方的に話す、自分の回答に固執するといった言動は避けてください。「人の話が聞けない」「協調性がない」というマイナス評価につながる可能性があります。

周りにケース面接を受ける人がいる場合は、一緒に対策すると良いでしょう。異なる考え方を知る良い機会なので、積極的に意見交換してみてください。

 

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本記事の監修者

淺田真奈(あさだまな)

大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。

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