調査サマリ
- 約6割の企業が内定者フォロー施策を実施
- 企業が最も効果を感じる内定者フォロー施策は、「学生へのこまめな連絡」
- 半数以上が内定者フォローの「内容」と「頻度」に課題感を持っている
- 次年度の内定者フォロー、約6割の企業がオンラインと対面のハイブリッドで実施予定
-
1.約6割の企業が内定者フォロー施策を実施
新卒採用を行う企業のうち、内定者フォローを行っている企業は6割以上という結果になりました。これは、売り手市場により複数社から内定を得る学生もいるため、企業側が内定者フォローを採用活動の一貫として実施しているといえます。
内定者フォローは、対面とオンラインの双方を使用して、行っている企業が半数以上となります。新型コロナウイルス感染拡大の影響でオンライン選考が採用のスタンダードになっていましたが、内定者フォローの場合は、対面とオンラインを組み合わせて実施する企業が多いことがわかりました。フォロー施策は、オンライン上でできるものも多いですが、今回の結果から、企業側は、コロナ禍の現在でも学生と対面でコミュニケーションを取る必要性を感じているといえます。
2021年卒と比較し、2022卒の内定辞退者数は「変化なし」と回答した企業が6割以上
内定者フォローを実施している企業のうち、2022年卒学生の内定辞退者数は2021年卒と比べて「変わらない」と回答した企業が56.0%となりました。2020年は、コロナ禍で企業の業績変動やオンライン選考への移行といった変化があったものの、今年は新たな状況変化が少なく済んだことが影響していると読み取れます。一方で、大半の企業で内定者フォローは実施しているものの、前年度よりも内定辞退者数を下げるにまで効果が及んでいないこともわかります。
2.企業がもっとも効果を感じる内定者フォローは、学生へのこまめな連絡
内定者フォローの施策内容でもっとも多く取り組まれていたのは「人事がこまめに連絡をとること(59.0%)」となり、「内定出しから内定式まで」と、「内定式から入社式まで」の期間で、大きな変化は見られませんでした。
効果を感じた内定者フォロー施策についても、時期関係なく、「こまめな連絡(30.7%)」がトップとなりました。企業は、学生の入社意向の変化にいち早く気づき、対策を打つためにも、こまめに連絡を取り合うことを重要視していることがわかります。
3.半数以上が「内定者フォローの内容」と「頻度」に課題感を持っている
2022卒学生への内定者フォロー施策を振り返り、約2割の企業が「改善の必要はない」と回答しました。2021年卒と比較したとき、内定辞退率に変化は見られないため、施策内容に関しては、課題感を持っていない企業が多いことが読み取れます。
一方で、改善が必要な内定者フォロー施策としては、「人事からのこまめな連絡(16.4%)」「内定者と社員の懇親会(11.8%)」「内定者同士の懇親会(11.1%)」が上位にあがりました。改善が必要と感じた理由には、「内容(36.1%)」と「実施頻度(22.6%)」が全体の半数以上を占める結果となりました。
効果が出ている施策は、改善が必要な施策としてもあげられています。そのため、内容や実施頻度の2つは効果を左右させる要因とも考えられます。施策内容や頻度は、内定者の属性によって変わる部分でもあるので、自社に適切な方法を見極める必要があります。
4.次年度の内定者フォロー、6割の企業がオンラインと対面で実施予定
次年度で実施予定の内定者フォロー施策では、2022年卒で実施している施策とそこまで変わりは見られません。一方、「内定者と経営陣トップの懇親会(+6.4%増)」「社内イベントの招待(+6.0%増)」「内定者インターンの実施(+5.3%増)」はやや上昇しており、企業内部の人との接点を増やす施策を検討していることがわかります。
2022年卒の内定者フォローは「すべてオンライン実施」と回答した企業は25.1%となりましたが、2023年卒に関しては「すべてオンライン」と回答した企業は11.7%と減少し、「対面・オンライン」と「すべて対面」が微増。すべてオンラインで実施していた企業が、次年度では対面でのフォローを検討していることがわかります。今年度はオンラインで実施せざるを得なかった企業も、今後は新型コロナウイルス感染拡大の収束を見込み、少しずつ対面での内定者フォローの機会を増やすことが予測されそうです。
次年度の内定者フォローはオンライン・対面実施を予定する企業が微増
<調査概要>
オンライン選考の普及により学生が選考に応募しやすくなった今、企業が最終的に採用を成功させるには、内定出しをしたあとでも学生へのフォローが重要です。もっとも効果を感じ、取り組みやすいのは、人事が学生に対し密にコミュニケーションをとることですが、企業によってはその部分に時間をかけるのが難しい場合もあるでしょう。自社でできる適切なフォロー方法は何か、どれくらいの頻度が望ましいのかを見極めたうえで、内定者フォローを実施していく必要があります。
調査対象:新卒採用を実施している企業の人事
調査時期:2021年11月18日~11月23日
調査方法:インターネット調査
調査会社:楽天インサイト株式会社
回答者数:300人(※スクリーニング対象者5136人)
引用・転載時のクレジット表記:「キャリアチケット調査」
「career ticket」について( https://careerticket.jp/partner/concept/)
これまでの就活支援実績は10,000名以上、就活生の4人に1人が登録している新卒紹介エージェントです。企業の知名度や先入観などの固定観念にとらわれない、学生と企業の価値観による「量より質」の高品質なマッチングを重視し、学生の母集団形成から入社までをサポート。採りたい学生や採用形態に合わせて、「就活カフェ」「スカウト」「マッチングイベント」など、複数の採用手法を提案し、従来出会うことができなかった学生とのマッチングを低コストで実現します。