28卒の就職活動に関する実態調査【前編】

このページのまとめ

  • 28卒の4割超が企業に接触済みで、就活の早期化は26卒の1.5倍
  • 就活性の6割が早期化を「ネガティブ」に感じており、学業を削る学生が増加
  • 28卒のサマーインターン参加意向は93%で、対面・タイパ志向が強まっている

近年、新卒の就活市場では、早期化が年を追うごとに急速に進んでいます。早期化により、就活生はより早い段階で内定を得る機会が増えるようになった一方で、学業やアルバイトを削って就活を優先するなど、負の側面も生じています。また、AIの台頭により、就活のあり方も変容しつつあり、就活生の動きに変化が現れています。

キャリアチケット就職では、2028年卒業予定の大学生を対象に、就職活動の実態調査を実施しました。本記事では、早期化する就活市場における「28卒就活の今」について、調査結果をもとに詳しくご紹介します。

目 次

28卒の4割以上がすでに企業と接触|早期化のペースは2年前の1.5倍

キャリアチケット就職が実施した調査によると、2028年卒の学生のうち、4割以上がすでに「イベントやインターンで企業と接触している(44.3%)」と回答しています。2年前の同時期に実施した26卒を対象にした調査「2026年入社予定学生の就活状況に関する調査」と比べ、約1.5倍のペースで増加していることが分かりました。

合同説明会や1日限定の業界研究セミナーなど、本選考前の初期接点も含まれますが、従来、就活の本格化は大学3年生の後半頃からが一般的でした。しかし今回の調査では、それより前の段階から学生が積極的に動き始めていることが示されています。

参照元
キャリアチケット就職
『2026年入社予定学生の就活状況に関する調査』

『2026年入社予定学生の就活状況に関する調査』の引用画像

業界選びについても、学生の動きは早まっています。28卒学生の6割以上が「すでに志望業界が決まっている(63.6%)」と回答しており、興味のある業界では「メーカー(44.3%)」がもっとも多い結果となりました。

就職活動が本格化する前から業界をある程度絞り込み、限られた時間の中で優先順位をつけながら活動している学生の姿がうかがえます。

従来の就活では、企業説明会などのイベントで多くの企業と接触した上で業界を絞り込む段階的な進め方が主流でした。しかし近年は、ある程度方向性を決めた状態から始めるケースも多いようです。

就活全体のスケジュールが前倒しになる中で、業界研究の開始時期も早まっていることが読み取れます。

『2026年入社予定学生の就活状況に関する調査』の引用画像

『2026年入社予定学生の就活状況に関する調査』の引用画像

28卒の約5人に1人が前倒しスタート|AIによる新卒厳選採用の報道で危機感受け

生成AIの普及によって業務の代替や効率化が進む中、一部企業では新卒採用数の抑制や厳選採用に踏み切る動きも報じられています。

こうした報道を受け、28卒の学生に就職活動にどのような影響を与えたかを尋ねたところ、約5人に1人が「想定していた就活スケジュールを前倒しした(22.9%)」と回答しました。

就活生が社会的動向を敏感に察知し、生成AIの普及によって採用枠が縮小する可能性を意識した結果、就職活動を前倒しする傾向が強まっていると考えられます。

今後、このような報道や企業側の採用方針の変化が増えるほど、学生の就活前倒し傾向はさらに強まっていく可能性があります。

一方で、「ニュースの内容に関わらず、当初の予定通りのペースで進める(17.9%)」の結果から、前倒しやエントリー社数を増やすなど具体的な行動変化には至っていない学生も一定数存在しています。

このことから、実際に就職活動の進め方を変えるかどうかは、学生ごとに判断が分かれますが、「不安は感じているがどうしたらいいか分からない」という学生がいることも考えられます。

『2026年入社予定学生の就活状況に関する調査』の引用画像

28卒の約6割が就活の早期化をネガティブに感じる

就活の早期化について、学生自身が感じていることの質問に対しては、約6割が「ネガティブ(59.2%)*1」と回答しました。

26卒を対象にした同時期の調査と比較すると、その割合は約10ポイント上昇しています。早期化を好意的に受け止めている学生は決して多くなく、半数以上にとって重荷になっているといえるでしょう。

*1「ネガティブ」「どちらかというとネガティブ」と回答した割合の合計

『2026年入社予定学生の就活状況に関する調査』の引用画像

また、早期化に伴って就活を優先するために学生生活の中で何を制限しようと考えているかを聞いたところ、もっとも多い回答は「アルバイト(66.4%)」で、約7割に達しました。次いで、「趣味・娯楽(39.3%)」、「学業(20.7%)」という結果になり、特に学業に関してはおよそ5人に1人が就活の影響を受けていることがわかります。

アルバイトは収入を得るだけでなく、学生にとっては自己PRやガクチカ(学生時代に力を入れた経験)として活用される場面も少なくありません。

近年は就活を意識してアルバイトを選ぶケースもある中で、今回の調査では学業よりもアルバイト時間を削る学生が多い結果となりました。就活の早期化が、学生生活全体の優先順位に影響を与えていることがわかります。

一方、本来学生生活の中心となるのは講義や研究活動ですが、就活の早期化により、優先順位の見直しを迫られるケースも多く見られます。

学業にあてる時間を減らすことは、学びの質や卒業要件にも関わるため、就活の早期化が進む上で今後も注視すべき課題といえるでしょう。

『2026年入社予定学生の就活状況に関する調査』の引用画像

28卒のサマーインターン参加意向は93%超

28卒の学生に、今夏のサマーインターンシップへの参加意向を聞いたところ、92.8%が「参加意向あり」と回答しました。そのうち「すでに参加したい企業が決まっている」と答えた割合は45.7%で、26卒を対象にした調査「2026年入社予定学生の就活状況に関する調査」と比較すると、約1.7倍に増加しています。

2年前と比べて大学3年生の春時点で就活を意識している方が増えていることが推察されます。このことから、28卒でも引き続き就活の早期化が進んでいると考えられます。

参照元
キャリアチケット就職
『2026年入社予定学生の就活状況に関する調査』

『2026年入社予定学生の就活状況に関する調査』の引用画像

インターン選びの基準はその後の選考にメリットがあるかどうか

インターンシップを選ぶ際に重視するポイントについては、以下の回答が上位に挙がりました。

・就職を希望する業界であること(62.3%)
・就職先として本命の企業であること(51.5%)
・本選考の優遇が期待できること(34.6%)
・実践的な仕事を体験できること(22.3%)

これらの結果から見えてくるのは、インターンが単なる企業見学や情報収集の場ではなく、「本選考の優遇」や「内定への近道」といった、その後の選考に直結する具体的なメリットを意識した上で、参加するインターン先を選ぶ学生が多いことが分かります。

サマーインターンそのものが、本選考に向けた重要な接点として位置づけられ始めていることがわかります。

『2026年入社予定学生の就活状況に関する調査』の引用画像

「対面」を望む声が9割|ただし日数と社数には「タイパ」志向も

参加形式については、全体の約9割が「対面形式(88.4%)*2」を希望していると回答しています。理由として最も多かったのは「社風を肌で感じられるから(64.3%)」でした。

オンラインの利便性よりも、実際の職場環境や雰囲気を直接体感したいという意向が、学生側にも根強くあることがわかります。

給与や勤務条件といった数値化できる情報は、求人サイトや募集要項からもある程度把握できますが、社内の雰囲気や現場のリアルなコミュニケーションは、実際にその場に身を置かなければ得にくいものです。

88.4%という対面希望の高さは、こうした言葉や数字だけでは伝わりにくい情報への学生のニーズの強さを反映していると考えられます。入社後のミスマッチのリスクを減らすためにも、学生・企業側の双方にとって重要なポイントです。

*2 「対面がよい」「どちらかというと対面がよい」と回答した割合の合計

『2026年入社予定学生の就活状況に関する調査』の引用画像

『2026年入社予定学生の就活状況に関する調査』の引用画像

一方で、希望する参加社数は「5社以上」の回答*3がもっとも多い47.7%となり、希望参加日数については、以下のような結果となりました。

<参加日数>

・半日:2.3%
・1日:23.8%
・2~4:54.6%

*3 「5〜7社」,「8〜10社」,「11社以上」と回答した割合の合計

参加日数の内訳からは、半日と1日を合わせても3割に届かず、半数以上の学生が2〜4日という複数日のプログラムを希望していることがわかります。1社あたりにある程度の時間をかけながら、実際の業務や社風を深く知りたいという意向がうかがえます。

一方で、参加社数については約半数が5社以上を希望しています。このことから、1社あたりは2〜4日というまとまった時間をかけながらも、トータルでは複数社を比較検討したいという参加計画を望む学生が多いことが見えてきました。

1社あたりの体験の質は落とさず、参加する企業数や日数についてはできるだけ効率的に動きたいという「タイパ(タイムパフォーマンス)」志向が、表れています。

『2026年入社予定学生の就活状況に関する調査』の引用画像

『2026年入社予定学生の就活状況に関する調査』の引用画像

まとめ

今回の調査からは、就活の早期化が学生にとって単なる「早く始まる」という変化ではなく、学業やアルバイトとの時間配分の見直しを迫る、生活全体に関わる変化が生じているという実態が見えてきました。

28卒の4割以上がすでに企業と接触しており、早期化のペースは2年前の26卒と比べて約1.5倍。一方で、早期化を「ネガティブ」に感じる学生は約6割に上り、アルバイトや学業を削って就活を優先する学生が増えています。AIによる新卒厳選採用の報道が学生の危機感を高め、5人に1人がスケジュールを前倒しした点も、今年ならではの動向といえます。

サマーインターンについては参加意向が93%超に達し、「本選考の優遇が期待できる」企業を狙い打ちにする傾向が鮮明になっています。参加形式は9割が対面を希望する一方、1社あたり2〜4日・複数社を比較するタイパ志向も見られました。

一方で、インターン選びや参加形式の希望からは、限られた時間の中でも納得感のある選択をしたいという学生の姿勢もうかがえます。

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