売り手市場の影響を受け、学生は複数社内定を得てから入社先を決める傾向にあります。そのため、企業は内定承諾後にも辞退を防止する工夫に迫られているでしょう。
キャリアチケットでは、学生の入社前の意向変化についてアンケートを実施し、企業が承諾後辞退を防ぐような内定者フォローを行えているかを調査しました。
本記事では、調査の概要と調査結果をご紹介します。
- 2024年入社予定者の内定承諾後の意向変化についての調査概要
- 本調査の質問項目
- 調査対象
- 2024年入社予定者の内定承諾後の意向変化についての調査:回答者の属性
- 性別
- 文理
- 2024年入社予定者の内定承諾後の意向変化についての調査:入社予定企業の業界・職種
- 入社予定企業の業界
- 入社予定企業での職種
- 2024年入社予定者の内定承諾後の意向変化についての調査:内定辞退の検討状況
- 内定承諾後の内定辞退検討有無
- 内定承諾後に内定辞退を検討したものの、入社を決めた理由
- 内定承諾後に内定辞退を検討した理由
- 2024年入社予定者の内定承諾後の意向変化についての調査:内定者フォローの状況
- 内定承諾後から入社までの間に入社前研修や既存社員との交流の有無
- 入社前イベント・研修による入社意欲の変化
- 入社前研修で最も満足度が高かったコンテンツ
- 入社前研修で最も満足度が低かったコンテンツ
2024年入社予定者の内定承諾後の意向変化についての調査概要
2024年入社予定者の内定承諾後の意向変化について、下記の内容で調査を行いました。
本調査の質問項目
本調査での質問項目は以下になります。
文系か理系か教えてください
4月以降に入社する企業は決まっていますか?
4月以降に入社する企業の業界を教えてください
4月以降に入社する企業での職種を教えてください
内定承諾後、内定の辞退を検討したことがありますか?
内定承諾後に一度は辞退を検討したものの、入社を決めた理由について教えてください。
内定承諾後にどのような理由で内定辞退しようと思いましたか?
内定承諾後から入社までの間に、入社前研修や既存社員との交流などの企業主催のイベントはありましたか?
入社前のイベント・研修によって入社意欲に変化はありましたか?
入社前研修でもっとも満足度が高かったコンテンツを教えてください
入社前研修でもっとも満足度が低かったコンテンツを教えてください
調査対象
本調査の調査対象、実施期間などは以下になります。
調査期間:2024年1月26日(金)~2024年2月16日(金)
調査方法:インターネットでのアンケート回答
有効回答数:131件
2024年入社予定者の内定承諾後の意向変化についての調査:回答者の属性
性別
文理
2024年入社予定者の内定承諾後の意向変化についての調査:入社予定企業の業界・職種
24卒学生の入社予定企業の業界・職種についての調査結果は以下になります。
入社予定企業の業界
入社予定企業での職種
2024年入社予定者の内定承諾後の意向変化についての調査:内定辞退の検討状況
24卒学生の入社予定企業の内定辞退・検討理由についての調査結果は以下になります。
内定承諾後の内定辞退検討有無
内定辞退を検討したことがない学生は約7割、検討したことがある学生は約3割で、実際に内定辞退をした/するつもりの学生は全体の1割になりました。
内定承諾後に内定辞退を検討したものの、入社を決めた理由
内定辞退を検討したことがある人に対して、「内定承諾後に内定辞退を検討したものの、入社を決めた理由はなにか」についての質問をしたところ、下記のような回答がありました。
「他の内定先と比較して、より自分にあっていると考えたから」
「入社してから転職するという手段もあるので、まずはここで一回頑張ろうと思ったから」
「他に内定をもらうことができなかったため」
会社そのものに魅力を感じたというポジティブな意見だけでなく、いずれ転職するという選択肢も視野に入れているから入社を決めた人、他に内定が出なかった人まで様々な人がいます。
内定承諾後に内定辞退を検討した理由
内定辞退を検討したことがある人に対して、「内定承諾後に内定辞退を検討した理由はなにか」についての質問をしたところ、一番多かった理由は「第1志望から内定が出た」、次点で「入社予定の会社の人事や先輩(上司)の対応がよくなかった」となっています。
複数内定を獲得し精神的に安心した状態で第1志望企業の選考を受けたい、という学生の心情は自然なことのように思えます。
ただ、「入社予定企業の人事や先輩の対応がよくなかった」という理由での内定辞退は防げるはずの事態でしょう。内定承諾をしてくれたからといってフォローを疎かにするのは学生にとっても企業にとっても望ましい結果になりません。
企業は、内定承諾後の学生に対しても適切なフォローを行い、内定辞退が発生しないように注力するべきでしょう。
2024年入社予定者の内定承諾後の意向変化についての調査:内定者フォローの状況
内定承諾後から入社までの間に入社前研修や既存社員との交流の有無
内定承諾後から入社までの間に、入社前研修や既存社員との交流などイベント・研修があった人は全体の約8割、なかった人は約2割でした。
内定承諾後の内定辞退を防ぐためにも、多くの企業が入社前イベント・研修を行っているようです。
入社前イベント・研修による入社意欲の変化
入社前イベント・研修に参加した人に、イベント・研修参加による入社意欲の変化について聞いたところ、約6割が入社意欲が上がったと回答しています。
入社意欲が変化しなかった人が約3割、入社意欲が下がった人が約1割なので、入社前イベントや研修による内定辞退防止効果は高いといえるでしょう。
入社前研修で最も満足度が高かったコンテンツ
入社前イベント・研修に参加した人に満足度が最も高かったコンテンツについて質問したところ、一番多かったのは「先輩社員との交流」、次点で「職業見学・現場見学」となりました。
実際に4月から働くことになる会社にいる人や職場の雰囲気がわかることで、自分が働くイメージが鮮明になり、入社意欲が上がった人が多いと思われます。
入社前研修で最も満足度が低かったコンテンツ
一方、満足度が最も低かったコンテンツは「先輩社員との交流」が一番多く、次点で「社会人としての心構え研修」となりました。
会社にいる人の雰囲気が選考中に聞いていたりしていたものと違った、などが想定されます。
選考中に学生を惹きつけるためといって、実態とは異なる雰囲気や文化などを伝えると内定承諾後に内定辞退を誘発する可能性もあります。伝え方は工夫しても、実態とは異なることを伝えるのは控えるべきでしょう。