住宅業界の現況・今後の動向について

このページのまとめ

  • 住宅業界はハウスメーカーや工務店など6つの業態に分類される
  • 同業界では、設計、施工管理、積算、営業などの職種で活躍できる
  • 「公共事業」と「民間事業」から主に収益を得ている
  • 今後の動向として、新築住宅の減少、リフォーム市場の横ばいが予測される
  • 住宅のニーズを増やすためには、多様化と差別化がキーポイントとなる
 

本記事の執筆者

斉藤 進一(さいとう・しんいち)

やすらぎ介護福祉設計・代表。大手ゼネコンで施工管理を経験し、ハウスメーカー系工務店で設計・施工を経験する。高齢者・障害者のバリアフリー住宅の専門家が当時居なかったことから2004年に「やすらぎ介護福祉設計」を創業する。

 住宅業界とは?

私たちにとって、生活の基本になる場所は住宅です。戸建て住宅から大規模な集合住宅まで、また日本家屋から洋風建築まで、さまざまな住宅があります。また「住宅は一生で1番大きな買い物である」という人も多いでしょう。住宅を建設、供給する住宅業界は、いわば社会の基礎を作っているともいえます。

 住宅業界の業態

住宅業界の業態には次のようなものがあります。

ハウスメーカー

住宅を建設し、販売する一般的な業態です。全国展開している企業も多く、コマーシャルなどで目に触れる機会も多いでしょう。それぞれに独自のメーカー基準があり、品質に均一性があります。

工務店

ハウスメーカーよりも規模が小さい企業が多いですが、地域密着型の柔軟な対応が期待できます。また、ハウスメーカーやデベロッパー、建築設計事務所などが受注した住宅の施工を請け負うこともあります。

不動産/デベロッパー

開発業者とも呼ばれます。大規模な宅地開発なども手掛け、建売住宅の販売などの企画力に優れています。

ゼネコン/総合建設業

公共施設や大規模な開発など、高い技術力で大きな建築物を建設します。住宅に関しては、規模の大きなマンションなどを手がけます。

建築設計事務所

主に住宅の設計をします。家屋のデザインや仕様など、個々に応じて、柔軟にオーダーに対応します。施工は提携している工務店などが行うことが多いです。

 住宅業界の職種

住宅業界の職種としては、以下のように分別できます。

設計

建築士の資格を持った者

施工管理

現場監督など、施工の管理をする者

積算

工事見積もりの専門家

営業

住宅の販売をする者

 住宅業界における収益の考え方

住宅業界の収益には、大きく分けて2つの仕組みがあります。

公共事業

発注者が国や県、市町村などの公共団体である事業です。一般的に、競争入札で請負業者が決定します。

民間事業

発注者が企業や一般の個人などである事業です。特命工事や紹介による受注と、相見積もりによる受注があります。

 住宅業界の現状と課題

住宅業界の現状

売上高が良いハウスメーカーに共通しているのは「スマートハウス」への参入をしていることです。 また、幅広く認知・施工されている耐震・バリアフリー住宅に加え、ハウスメーカーはそれぞれ製品の差別化を図りさらなる付加価値を提供できる住宅を供給しています。例えば、木造にこだわり施工する企業(例:住友林業)は、より「木材」を究め耐火性に、幅広い構造体を施工できる企業(例:大和ハウス工業)はデザインのバリエーションの豊富さで他社との違いを出しています。

(※)スマートハウス…ITを使い家庭のエネルギー消費をコントロールする省エネ住宅のこと。

新設住宅市場は減少傾向に

人口の減少に伴って、今後も新設住宅の着工件数は減少していく見込みです。また、空き家の戸数も増加していくと思われます。

出所:国土交通省 - 建築着工統計調査報告(平成28年計)

この先も引き続き都市部への人口の集中が予想され、地方ではますます過疎化が進むとの予測もあります。空き家対策だけでなく、商店街のシャッター通り化対策などが必要です。さらに都市集中の緩和、地方回帰を進めるためにも、UターンやIターン希望者の掘り起こしとサポートなども含めた、官民一体でのまちづくりを行っていくことが重要でしょう。

リフォーム市場は横ばい

現在ある住宅は築年数に応じて老朽化するので、リフォーム市場は横ばいで推移すると思われます。

株式会社野村総合研究所 - リフォーム市場規模(広義・狭義)の実績と予測結果

新築住宅の着工が減少していく中、各業態がリフォームの仕事を取り合っているような状況に見えるかもしれません。

 住宅の多様化と環境問題対策

一方で、ここ数年は日本国内のあちらこちらで、異常気象や地震などの災害によって多くの命が失われています。人にとって「住宅」とは、危険から「守られる場所」であるべきなので、各業態はそれぞれが、安心して暮らせる住宅を提供できるように、日本の気候や自然の変化に対応していかなければなりません。

そして今後は単に家を建てる、売るだけではなく、付加価値をつけることで、業態ごとの差別化を図ることが重要になるでしょう。 今後はオーダーメイドの洋服のように、千差万別な個々のニーズに応えた住宅が増えていくと思われます。

また、2020年には省エネ基準義務化(改正省エネ基準)が中規模建築物において始まります。太陽光エネルギーなどを利用したZEH(ゼッチ)の住宅を中心に、HEMS(ホームエネルギーマネージメントシステム)を採用した住宅が増えることも予想されます。

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