音楽業界の現状・今後の動向について

このページのまとめ

  • CDの売上低迷により市場規模は右肩下がり
  • 音楽配信の拡大により、市場規模が回復しつつある

本記事の執筆者

UTA UTAI BIG ENTERTAINMENT
音楽プロデューサー ニシオカナヲト

神戸市出身。日本音楽著作権協会信託契約作家。東京音楽大学作曲指揮専攻中退、報徳学園高等学校卒業。1990年テイチクレコードより矢沢永吉のヒット曲「時間よ止まれ」でメジャーデビュー。現在はプロデュース事務所UTA UTAI代表として歌手プロデュースを手掛けシンガーソングライターとしても活動中。

 

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音楽業界とは?

音楽業界にはさまざまな業種が存在します。

レコード会社

「音楽関係の仕事」といって最もイメージされやすいのは「レコード会社」ではないでしょうか?歌手と契約を結びCDをリリースし、店頭に商品として並ぶまでを担います。CD制作だけでなくアーティストの宣伝活動やリリースイベントを組んだり、アーティストマネージャーも担当するなど、歌手をトータルサポートする業務になります。

プロダクション(事務所)

アーティストが所属しライブなどの企画・運営を行います。アーティストをマネジメントし、アーティストはプロダクションからお給料が支払われます。事務所によってはアーティストを教育・支援をします。アーティストによってはプロダクションを介さず、レコード会社に所属する場合もあります。

音楽出版会社

作詞家・作曲家と契約を結んで、販売する楽曲の印税分配や著作権管理、楽曲の宣伝(プロモーション)、CDの元になるマスター音源(原盤)を作るなど幅広い仕事を手がけています。レコード会社のプロモーションとの違いは、レコード会社は発売時にプロモーションをかけるのに比べ、音楽出版会社は権利を持っていて埋もれてしまっている曲を世に広める役割があります。

 

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音楽業界の職種は?

音楽業界にはさまざまな職種があります。
アーティスト以外の職業を紹介します。

音楽プロデューサー

音楽業界で憧れの職種が「音楽プロデューサー」です。音楽に関する商品の企画、制作、販売まで全体的に関わる仕事で、なかでも一番大切な仕事は予算の管理です。レコーディングやステージ演奏でミュージシャンに支払う報酬、ライブハウス会場の使用料など、楽曲以外の、音楽制作にかかわるすべての予算管理を担当します。

音楽プロデューサーは「音楽業界のなんでも屋」ともいえ、音楽センスと経験がないとなれない職種です。音楽プロデューサーの収入は、基本はアーティスト事務所から支払われます。インディーズだとアーティスト本人から支払われます。

音楽プロデューサーになるには、多くの現場経験を経て人脈や実績を積み上げる必要があります。現在活躍しているほとんどの音楽プロデューサーは、はじめからプロデューサーを目指すというより、レコード会社などで音楽業界での経験を積み、トレンドや市況を意識的に把握していくうちに「いつの間にかプロデューサーになっていた」という人が多いように感じます。

レコーディング・エンジニア

ミュージシャンたちが演奏した音のバランスを「聴きやすい」ように整えるのがレコーディング・エンジニアです。

歌手の楽曲が仕上がると、スタジオでミュージシャンたちがディレクターの指示に従い、演奏をして録音作業をしていきます。レコーディング・エンジニアはその時に録音した「音」のバランスをデジタルミキサーという機材で調節していきます。

皆さんが聴くほとんどのCDは、すべてレコーディング・エンジニアの方のミキシングにより完成した自信作なのです。

コンサート舞台スタッフ

ホールなどでコンサートをする時に、コンサートを演出していくのが舞台スタッフです。

大きく分けて「音響スタッフ」「照明スタッフ」「舞台スタッフ」の3セクションがあり、音楽プロデューサーや歌手との入念な打ち合わせのもと、素晴らしい舞台効果を生み出すクリエイティブな職人といった感じです。

ここまで紹介した仕事以外にも、音楽雑誌の編集者、音楽教室講師、楽器店、ライブハウススタッフ、A&R(アーティストの発掘・育成)などがあります。

 

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音楽業界の収益構造

職種によって収益構造も異なります。

レコード会社の収益の仕組み

CD・音楽配信の売り上げ、コンサートを企画した場合の動員&グッズ売り上げ、楽曲の著作権使用料の売り上げ、CD制作料の4つが主な収入源です。

プロダクション(事務所)の収益の仕組み

レコード会社と同様、CD・音楽配信の売り上げ、コンサートを企画した場合の動員&グッズ売り上げが主な収益です。

音楽出版会社の収益の仕組み

一番の収入源は楽曲の「著作権使用料」です。

たとえば、コンサートや放送などで「A」という曲が使用された時、「著作権使用料」が発生し、コンサート主催会社や放送局がJASRAC(日本音楽著作権協会)などに「著作権使用料」を支払うことになります。そしてJASRACから「A」という曲の権利を持つ音楽出版会社に「著作権使用料」が送金される仕組みになっています。

音楽プロデューサーの収益の仕組み

収入源はコンサート動員、CD・音楽配信の売り上げ、カラオケなど「音楽使用料分配金」です。

レコーディング・エンジニアの収益の仕組み

レコーディングする際にかかるスタジオ使用料の収益が主になります。ほか、録音した音を調節する際にかかる時間やエンジニアの経験により報酬が変わります。

音楽業界の今後

CDが売れなくなったと叫ばれて久しいですが、実は音楽業界全体の売上は回復しつつあります。なかでも音楽配信の売上はここ5年以上成長を続けています。世界に比べると日本のCD離れは遅行しており、今後も日本におけるサブスクリプションモデルの音楽事業は拡大を続けると考えられます。

出所:日本レコード協会

音楽業界の現状と課題

CDが年々売れない状況になってきていることは、ネットやテレビの情報からもご存知だと思います。

「ヒット曲」や人気のある「歌手・アーティスト」がいないことに加え、SNSやYouTubeなどインターネットで音楽を楽しむことが主流になっていることもCDが売れない要因だといわれています。

今までのように広告費をかけてたくさん放送やコンサートなどで歌い認知されるという概念をすべて削除し、その時代に合う音楽の楽しみ方を作っていくことが、まさに、その時代の「音楽」なんだと思います。

昭和の時代は、「家族みんなで一緒にテレビをみながら楽しむ音楽」でした。現在の平成、そして新しい時代は「ひとりで楽しむ音楽」へと変わってしまいました。「ひとりカラオケ」というお店も流行しています。

この「ひとり」というワードに対応するのが「ヒット」の鍵なのかもしれません。時代の流れをおさえつつ、ヒット曲や人気のある歌手を生み出すことが大切です。

また、僕が音楽プロデューサーをしていて感じることは、「人」に鍵があるのではないかということです。
新人歌手も「絶対に売れてやる!」というハングリー精神が少ないように感じるのです。いつも冷めていて、かつての新人歌手にあったような情熱が感じにくくなっています。

歌は時代を作ります。「クール」な人が増えれば情熱やモチベーションが下がり、メロディーや歌詞も「クール」になるので、人々が共感してくれません。

一方、韓国のアーティストが日本でも大人気。ダンスも歌も日本よりハイレベルで、見ていてアーティストの魂を熱く感じるのは僕だけでしょうか?今後の日本の音楽業界は歌う人の「心」に未来がかかっていると僕は感じます。

未来の音楽業界は、音楽に携わる人が「ワクワク」できることが「鍵」です。

 

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