「キャリアチケットカフェで読める就活生におすすめの本」の要約シリーズ第3弾として、今回取り上げるのは田口力さんの『世界最高のリーダー育成機関で幹部候補だけに教えられているプレゼンの基本』です。
田口さんは、世界最高のリーダー育成機関として知られるGE(ゼネラル・エレクトリック)で、日本人で唯一リーダーシップ研修を任されています。組織の意思決定のスピードを上げるため、会議で用いられる分厚い資料を廃止し、プレゼンテーションで決裁するGE。そんな、世界一のプレゼンテーションノウハウを惜しみなく紹介する本書は、就活生の皆さんにとっても自分をアピールする際の手助けになること間違いなしです。
著者:田口 力
出版社:KADOKAWA
定価:1400円(税抜)
出版日:2017年7月13日
スタッフのおすすめ度:★★★★☆
本書の要点
- プレゼンテーション作成のプロセスは「ABCDストラクチャー」に沿うことが大切
- プレゼンテーションでは自分が言いたいことを伝えるのではなく、聞き手が聞きたいことを、聞き手に受け入れられるように伝える
- 「構造がシンプルな話」は聞き手の記憶に残りやすく、心を動かす
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「ABCDストラクチャー」によって心を動かすプレゼンテーションができる
プレゼンテーションは就活や仕事、そしてプライベートでも必要に迫られることがあります。この記事を読む人のほとんどが、プレゼンテーションを行ったり、受けたりしたことがあるはずです。
そして、自分が聞き手側のとき、「この人は何が言いたいの?」と感じたことがあるのではないでしょうか? 自分が今まで何となく行っていたプレゼンテーションも、もしかしたら相手に伝わっていないかもしれません。
今回は誰にでも実践できるプレゼンテーションの方法として、「ABCDストラクチャー」を紹介します。ABCDストラクチャーとは本書の著者の田口さんが提唱したプレゼンテーションの構成方法です。
ABCDは、「Analyze(分析)」「Build(構築)」「Construct(構成)」「Deliver(伝える)」の4つの頭文字から取っています。これらに沿ってプレゼンテーションすることで、最終的に聞き手の「Engagement(堅い約束)」を得ることができます。
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Analyze:優れた人は相手を知ろうとする
まずはAnalyze(分析・聞き手はどういう人か)についてです。
著者は例として、とあるプロジェクトのプレゼンテーションを任されたAさんを挙げています。Aさんは上司からプレゼンテーションを任され、専門知識をたくさん盛り込んだスライドを作成しました。プレゼンテーションの聞き手は他部門の部長。Aさんのプレゼンテーションは専門的であったため、部長陣に伝わらず大失敗に終わりました。
この例でわかるように、プレゼンテーションを行うときは、聞き手がどういう人か細かい分析をしないと話が上手く伝わりません。
プレゼンテーションは自分の言いたいことを自分が思うとおりに伝えるのではなく、「聞き手が聞きたいこと」を「聞き手に受け入れられるように伝えること」が大切です。プレゼンテーションの前に、次の5つについて考えておきましょう。
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Build・Construct・Deliver:「構造がシンプルな話」は人を動かす
次にBuild(構築・メッセージをどう組み立てるか)・Construct(構成・簡潔なスライド資料をいかに作るか)・Deliver(伝える・わかりやすく伝えるにはどうするか)について述べていきます。
この3つに共通して言えることは、「簡潔さ」を追及することです。
Build
プレゼンテーションは、自分は理解しているのに相手には十分伝わっていない場合が多くあります。まずはプレゼンテーションの目的を明確にすることが大切です。プレゼンテーションでは主に「説得すること」「情報を伝えること」が目的となるため、まずはこのどちらかを意識しましょう。そして、「説得すること」が目的の場合、聞き手にその後取ってほしい行動をきちんと要求する必要があります。具体的なリクエスト内容が曖昧であると、相手には伝わりません。
おすすめなのは、最初に結論を述べてしまうことです。結論を最初に持ってくることで、何を伝えたいのか明確になり、その後の話も伝わりやすくなります。
Construct
プレゼンテーションはスライドに頼らないことが大切です。スライドは文字・画像の動きや色などを細かく設定できるため、スライド作りに時間をかけてしまいがちです。しかし、それによりコア・メッセージがわかりにくくなることがあります。GEでは、30分のプレゼンテーションで使用したスライドがたった1枚だったこともあります。スライドの出来栄えのみに一喜一憂せず、しっかりとコア・メッセージを伝えられるように整理しましょう。
スライドを作ったら、プレゼンテーションのコア・メッセージを改めて30文字でまとめてみてください。作成したスライドとコア・メッセージが一致するか確認してみると良いでしょう。
Deliver
プレゼンテーションでは、「アテンション・カーブ」を意識することも重要です。アテンション・カーブとは、聞き手の注意力が時間経過とともにどう変化するか表したものです。これによると、人間の注意力は最初と最後に高まることがわかります。つまり、伝えたいコア・メッセージは先延ばしにせず、初めと終わりに話すのがもっとも効率的なのです。
そして、結論を述べる前は「結論を申し上げます」といった前置きを入れると、聞き手の注意を引き付けることができるでしょう。
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本書のおすすめポイント
就活生の多くは企業の方との面接を経て内定へたどり着きます。そのため、就職活動における面接の重要度はとても高く、対策は必須です。しかし、本当に自分の魅力を最大限に伝えられているか、自信のない人もいると思います。そのような人に本書をおすすめします。
面接もいわばプレゼンテーションです。自分の魅力や経験をいかに伝え、理解してもらうのか。その手法は会社でのプレゼンテーションでも、就職活動の面接でも変わりません。聞き手を納得させ、一緒に働きたいと思わせるプレゼンテーションを身に付け、内定への道を歩みましょう!
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