「キャリアチケットカフェで読める就活生におすすめの本」の要約シリーズとして、今回取り上げるのは、『13歳からのアート思考』です。著者は、東京学芸大学個人研究員として美術教育に励むかたわら、自身も美術教師として教壇に立つ末永幸歩さん。
本書では、「アート思考とは何か」「アートを通じて何を得られるか」について述べられています。インターネット上にさまざまな情報が飛び交う現代。自分だけのものの見方や考え方を育む「アート思考」は、「就活」という答えなき問いに向き合う学生にとっても、役立つスキルのはずです。
著者:末永幸歩
出版社:ダイヤモンド社
定価:1,800円(税抜)
出版日:2020年2月20日
スタッフのおすすめ度:★★★★☆
本書の要点
- アート思考で「自分なりの答え」を見つけられる
- アートは「表現の花」「興味のタネ」「探究の根」の3要素から成る
- アーティストとは、「新たな問い」を生み出す人のこと
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「アート思考」で自分だけの視点をもつ
そもそも、「アート思考」とは何でしょうか。本書では、アート思考は、「自分だけの視点」で物事を見て、「自分なりの答え」を作り出す思考法であると定義しています。
「アート」と聞くと、絵画や美術品を思い浮かべる方が多いと思いますが、「アート思考」とは単なる絵画の鑑賞方法ではなく、アートの根本にある独創性や探求心によって自分なりに世界を捉えるスキルです。
学生までは、正解がある問題に取り組むことが多かったと思いますが、社会に出ると正解がない問いに対して自分なりの答えを出すことが求められます。
そのためにもアート思考を身に付ける必要がある、と本書では述べられています。
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アートは「表現の花」「興味のタネ」「探究の根」から成る
筆者はアートを植物に例えており、アートという植物は、「表現の花」「興味のタネ」「探究の根」の3つの要素からできていると説明しています。
アート思考でもっとも大切なのは美しくきれいな「表現の花」ではなく、一見私たちの目には見えない「探究の根」です。
美術館に行くと、目に見える「花(作品)」を見て、「すごくきれいだった」「よくわからなかった」などといった感想を抱くと思います。しかし、本当に大切な部分は「根」にあります。芸術家が表現したかったものは何だったのか、その作品から何を感じ取ったか、深く思考をめぐらすことが大切なのです。
アートを学ぶときも同様です。表層的なデザインや技法を身に付ける前に、アート的なものの考え方を習得する必要があります。アート的なものの考え方とは、自分なりの視点で思考を深め、物事を探究していくことを指します。
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アーティストとは、「新たな問い」を生み出す人のこと
「アート思考」とはその名のとおり、「アーティストにように考える」ということですが、ここでいうアーティストとは上手い絵を描けたり、名画に関する膨大な知識を持っている人のことではありません。
アーティストは、「自分だけのものの見方」で世界を見つめ、「自分なりの答え」を生み出し、それによって「新たな問い」を生み出す人を指します。
そして、アートを学ぶ必要があるのは、芸術やデザインに携わる人だけではありません。「アート思考」は誰もが使えるスキルであり、日常生活や就職活動においても大いに役立つスキルです。
アート作品は自分の思考を深める1つのきっかけになります。アートという「花」を見たときに、そこにどのような「根」があるのか想像力を働かせることで、「自分なりの考え方・ものの見方」が身に付くはずです。
「センスがないから」「デザイナーじゃないから」とアートを遠ざけてしまうのではなく、ぜひ、「作者は何を伝えたかったのか」「この作品をどのように捉えれば良いのか」と作品を鑑賞してみてください。深く思考することで、新たな発見や気づきが生まれるはずです!
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就活生おすすめ度:★★★★☆
本書は、「アート」を通して、自分だけの視点で世界を見つめ物事を追求していくことの大切さを教えてくれます。これからの時代に求められているのは、「正解を見つける力」ではなく、「自分なりのものの見方や答えを作り出す力」です。
本書は「美術に興味がないから」と、これまでアートを敬遠してきた方にも、ぜひ読んでみてほしい1冊です。就職活動を進めるうえで、「なぜこの企業なのか」と、自分なりの答えを出すヒントになるかもしれません。
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