「キャリアチケットカフェで読める就活生におすすめの本」の要約シリーズとして、今回取り上げるのは大手コンサルティング会社、マッキンゼー・アンド・カンパニーの採用マネージャーを12年間務めた伊賀泰代さんの『採用基準』です。
本書では、今後のグローバルビジネスで必要とされる人材や、マッキンゼー流リーダーシップについてわかりやすく書かれています。
コンサル業界を目指す就活生はもちろん、コンサル以外の業界を目指す就活生も、現代の日本社会で求められている人材について知る良いきっかけになるはずです。
本書を読んで、どのような人材が求められているのか、グローバル人材になるためにはどんな能力が必要なのか改めて考えていきましょう!
著者:伊賀泰代
出版社:ダイヤモンド社
定価:1,500円(税抜)
出版日:2012年11月9日
スタッフのオススメ度:★★★★☆
本書の要点
- 優秀なリーダーが不足していることが日本の最大の課題
- リーダーシップは訓練を積めば誰でも学べるスキルである
- 自分の人生をより良くするためにリーダーシップを習得することが大切
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リーダーシップは必要?
就活時では、ことあるごとに「リーダーシップをとった経験」について聞かれます。リーダーシップとはどのような力で、なぜ必要とされるのでしょうか。そして、リーダーシップはどのように身につけられるのでしょうか。
近年、グローバル化やビジネスの多角化に伴い、働き方やキャリアに関して幅広い選択肢が存在します。
そんななか、自分が望む人生を歩むために必要な能力とは一体何なのか、疑問を抱く人も多いのではないでしょうか。この問いに対して、筆者は「世間の評価に流されず、自分自身の生き方を追求するために不可欠なものが、リーダーシップだ」と述べています。
そもそもリーダーの役割は、「①目標を掲げる」「②先頭を走る」「③決める」「④伝える」ということです。これらの行動がリーダーの存在価値であり、必要な能力です。
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リーダーシップを身につけるための行動
では、そのような能力を培うにはどうすれば良いのでしょうか。リーダーシップを身につけるために、次の4つの行動を意識してください。
①バリューを出すこと
まず1つ目は「バリューを出す」こと。例えば、会議で発言をしないことはバリューがない、ゼロと同じことです。たとえ発言内容がずれていたり間違っていたりしても、バリューを出すことが大切であり、マッキンゼーでは「バリューゼロ」はもっとも恥ずべきこととされています。
②ポジションをとること
2つ目は、「ポジションをとる」こと。ポジションをとることは、物事に対して何かしらの自分の意見(自分の立場)を持つことです。スタンスをとるとも言いますね。そのためには、「自分が意思決定者だとしたら、どう決断するのか」をつねに考える必要があります。
③「自分の仕事のリーダーは自分」という意識を持つこと
3つ目は、「自分の仕事のリーダーは自分」という意識を持つこと。関係者を巻き込んで、「いかに成果を上げられるか」を考えるのがあなたの仕事です。そして、成果を上げるためには、場合によっては上司をどのように巻き込むかということも考えるべきとされます。
④ホワイトボードの前に立つこと
4つ目は、「ホワイトボードの前に立つ」こと。議論のリーダーシップをとることで会議の全体像を把握することができ、論点を明確にできます。若手のうちから訓練を積み、自分のリーダーシップ・スタイルを見つけることが大切です。
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必要とされる能力
そのほかに必要とされる能力は具体的にどのようなものなのでしょうか。
能力の中でも重要視されている要素の1つは、「思考力」です。
「思考スキル」と「思考力」を同じと捉えている人は多いですが、それだけでは足りません。
高い思考力には「思考スキル」のほかに、「思考意欲」と「思考体力」の2つの要素が必要です。これらの能力は一朝一夕で身につくものではありません。ロジックツリー(※1)やMECE(※2)といった思考スキルは後から身につけられるのに対し、思考力を鍛えるには高いレベルの気力と体力が必要になります。
※1……あらゆる切り口から問題を「ツリー状」に分解するフレームワーク
※2……「漏れなく・ダブりなく」網羅的に検討すること
また、平均的な能力を持ついわゆる「バランス型人材」よりも、何かに突出した能力を持つ「スパイク型人材」のほうが、これからの社会には必要だと筆者は述べています。
今の日本社会では、何でもそつなくこなす「優等生」が良いとされる傾向にありますが、1つの分野に特化した尖った者同士で、互いに弱い部分を補い合ったほうが、結果として高い成果が上げられます。
また、リーダーは困難にぶつかったとき、どのように乗り切るかが問われます。そんなとき、「スパイク型人材」であれば、たとえ困難な状況に陥ったとしても、突出した能力で状況を打破できるはずです。
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リーダーシップは誰でも身につけられる
日本における最大の問題は「優秀な人材は存在しているのに、優秀なリーダーが存在していない」ということです。
本書においてリーダーシップは、すべての人が日常的に使えるスキルであり、訓練を積めば誰でも学べるスキルであると言われています。
世の中は「誰か」が上手く場をまとめるのではなく、一人ひとりが力を発揮し合って上手く仕事を回していくものです。「リーダー経験がないから」「リーダーの素質がないから」と諦めず、自分の人生をより良くするためにリーダーシップについて学んでみるのも1つの手かもしれません。
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就活生おすすめ度:★★★★☆
本書では、これからのビジネスパーソンにとって必要な「リーダーシップ」をどのように身に付け、どのように発揮するべきなのかについてわかりやすく説明されています。
今後の自分の人生をより良くするためにも、リーダーシップは必要な能力です。普段なかなかリーダーの役割を担うことが少ない方も、これを機にリーダーシップを習得してみてはいかがでしょうか? 就活だけでなく、今後の人生で役立つスキルになるはずですよ!
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