留年したら就職できない?不利にならない対策や面接での理由の答え方を解説

このページのまとめ

  • 留年すると就職活動でネガティブな印象を受けやすく、厳しいといわれることが多い
  • 留年して就職活動をするメリットは、新卒枠での採用を獲得できて再挑戦できる点
  • 留年して就活をしている理由の答え方、正直かつポジティブな内容を伝えるとよい

留年したら就職できない?不利にならない対策や面接での理由の答え方を解説のイメージ

「留年したら就職できない?」「卒業せずに就職活動をするとどうなる?」と疑問に思う学生も多いでしょう。留年すると就活で不利になる可能性もありますが、正直かつポジティブに伝えると逆に強みになりえます。

この記事では、留年が就職活動に与える影響や不利にならない対策、状況別の答え方、事前準備を徹底解説します。厳しいといわれる理由も紹介しているので、留年して就職活動をする予定の学生は、参考にしてください。

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目 次

留年すると就職活動において不利な状況になりやすい?

ここでは、留年して就職活動をするとどのような状況になりやすいのかをご紹介します。

マイナスの印象になりやすい

留年して就職活動を行う場合、理由によっては、企業にマイナスの印象を与えてしまう可能性があります。

たとえば、「単位を落とした」「勉強をさぼっていた」など、自分の惰性が理由の場合、企業からの評価は下がるだけでなく、採用に影響が出る可能性も考えられます。

ただし、留年の理由が、家庭の事情や自分の成長に関係することだった場合は、マイナスの印象を避けられるでしょう。やむおえない理由での留年が就職活動に与える影響については、「病気で留年すると就活はどうなる?留年したときの対処法を解説」の記事でも紹介しているので、参考にしてください。

面接で留年について聞かれやすい

就職活動の面接では、留年について必ずと言っていいほど聞かれるでしょう。答え方によっては評価を下げてしまうこともあるので、留年していない人と比べて対策や準備が必要になります。

面接で留年について聞かれた場合、留年を経て学んだ内容や経験を伝えるのが大切です。たとえ単位を落として留年した場合でも、反省して努力したエピソードがあれば、プラスの評価へと変えることは十分に可能です。

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留年して就職活動を行う理由

留年して就職活動を行う理由として考えられるものをご紹介します。面接でどのようにアピールすれば良いかのポイントもまとめているので、参考にしてみてください。

卒業までの単位が足りなかった

単位が足りず卒業できなかった、という理由で留年する学生も少なくないでしょう。面接で伝えるとネガティブな印象になりやすいため、就活が厳しくなる留年理由の1つと言えます。

ネガティブな印象を回避するためには、留年してからどのような取り組みを行ってきたかを伝えることが大切です。自分の怠った点を反省し、失敗の経験を今後どう活かすのかをアピールするため、改善した経験など事前に回答を準備しておきましょう。

就職先が決まらなかった

「第一志望の企業から内定がもらえなかった」「そもそも内定がもらえなかった」などの理由から、就職留年を選ぶケースもあるでしょう。就職先が決まらなかった場合は、なぜ就活を続けているのか、その理由を伝えることが大切です。

病気や経済的事情で卒業できなかった

病気や経済的な事情で、卒業できなかった場合もあるでしょう。このような場合は、理由を伝えてもネガティブにはなりません。

部活や留学などに力を入れていた

部活や留学に力を入れ、留年するケースもあります。この場合では、部活や留学を経て得た強みやスキル、何を学んだかなどを伝えるようにしましょう。また、得たものを企業の仕事でどう活かすかをアピールすれば、企業の採用担当者のプラス評価につながります。

部活経験のアピール方法については、「どうするのが効果的?自己PRで部活経験をアピールする方法」の記事でも紹介しているので、参考にしてください。

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留年して就職活動を行うメリット

留年して就職活動を行う場合、いくつかのメリットもあります。具体的にどのようなメリットがあるのか解説するので、参考にしてください。

新卒枠で選考に参加できる

留年という選択をして就職活動を続けるメリットは、留年することで再度「新卒カード」を使って就職活動できる点です。職歴がなくとも、ポテンシャル重視の評価で採用されるのは、新卒枠ならではの醍醐味と言えるでしょう。

卒業すると、多くの場合は既卒として中途採用枠を利用した就職活動となります。中途採用では経験者が評価されやすく、仕事経験のない既卒では内定獲得が厳しくなる傾向にあります。また、中途採用では難しい企業も、新卒なら入社できる場合があります。

新卒カードのメリットやデメリットについては、「新卒カードとは?使用するメリット・デメリットと就活成功のポイントを解説」の記事でも紹介しているので読んでみてください。

就活経験を活かして再チャレンジできる

就職留年して再度就職活動をする場合は、経験を活かせる点もメリットです。一度就活を経験しているため、効率的に進められるでしょう。

たとえば、「面接では△△が評価されやすい」「この時期から就職活動を始めれば十分に準備が間に合う」など、前回の就職活動で学ぶこともできます。はじめての就職活動で混乱する就活生と比べ、余裕を持って就職活動を進めることもできるでしょう。

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留年して就職するのが厳しい業界と寛容な業界

留年した場合、就職するのが厳しくなる業界と寛容な業界もあります。業界の傾向を紹介するので、参考にしてください。

留年に厳しい業界

「金融」「商社」「インフラ」などの業種は特に留年に厳しい傾向があります。特に、金融業界は金銭を扱うので、「勉強をしていない」「遊んでいて卒業単位が足りなかった」などの理由で留年した場合は「入社後も同じ失敗をするのでは」という。

また、安定性の高い商社は人気があり、高いポテンシャルを持つ学生も多く集まります。留年したから採用されないわけではありませんが、留年せずに卒業できる就活生と比較される可能性については、意識する必要があります。

留年していても金融業界や商社などへの就職を検討する場合は、業界研究を行い、準備を入念にするのが大切です。金融業界については、「10分で分かる金融業界(銀行編):3大メガバンクの特徴を徹底解説」を参考にしてください。

留年に寛容な業界

IT企業や公務員は、留年に比較的寛容な業界と言えるでしょう。IT業界は実力主義の風土を持つ企業も多く、能力があれば留年しているかどうかはあまり気にされません。

また、公務員は留年していても応募資格を満たせるケースが多い職業です。公務員試験合格のために留年を選ぶケースも中にはあるので、留年の影響はあまりないといえるでしょう。

さらに、ベンチャー企業や外資系企業なども、留年に対して寛容な傾向があります。チャレンジ精神や実力を優先するため、留年中に取り組んだ内容を適切にアピールすれば、高評価につながる可能性があります。

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就職活動で留年理由を伝える際のポイント

就職活動において、留年理由を伝える場合に押さえるべきポイントをご紹介します。

理由は正直に伝える

留年の理由は、ウソをついたりせず正直に伝えましょう。留年理由をごまかそうとしても、うまく伝えられなかったり、矛盾が発生したりしてバレてしまうケースもあります。ごまかしてしまうと印象が悪くなるので、理由は正直に伝えることが大前提です。

留年の理由はポジティブにアピールする

留年を経験して得たもの、学んだことを伝えることが大切です。「失敗を成長の糧にし、前向きに切り替えられる人材」という評価にもつながります。

たとえば、勉強に打ち込んで留年したのであれば、「勉強を通して継続力や忍耐力を得た」といったようにアピールできるでしょう。起きてしまったことを引きずるのではなく、ポジティブに考えていく旨を伝えることで、面接官に好印象を与えられます。

留年したことを他責しない

留年した理由を他人のせいにするような表現は避けましょう。

たとえば、「店長にバイトのシフトを増やされた」や「学校の授業が忙しかった」のように留年理由を伝えてしまうと、「入社しても、自分のミスを他人のせいにするのでは」という懸念を企業に抱かせてしまいます。

どのような事情であっても、留年という結果に至ったのは自分に責任があると受け止め、他責しないようにしましょう。

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留年した理由の例文

留年した理由について答える際の例文をご紹介します。2つのパターンを紹介するので、書類上や面接での回答の参考にしてください。

単位不足で留年した場合の例文

1年生のときにサークル活動に打ち込んだ結果、単位を落とし、留年してしまいました。留年により両親には学費の負担を強いてしまい、自分の行動が及ぼした影響の大きさに深く反省しております。

翌年からは意識を改善し、学業とのバランスを見直しました。サークル活動への参加を月に1回と決め、急な誘いに応じることをやめた結果、自己管理能力が高まったと実感しています。この反省と学びを忘れずに、仕事でもプライベートとの両立を目指して業務に取り組みます。

別のことに取り組んで留年した場合の例文

私は大学2年生のときにゲーム開発に取り組んだ結果、学業との両立が難しくなり、留年してしまいました。途中で諦めたくない思いが強く、発売まで行った結果、本来は勉強に割くべき時間を使ってしまったことを反省しております。

しかし、ゲームの発売によって200万円ほど利益を得ました。学生の時期に、自分で開発したゲームで売上を出すのは貴重な経験です。ただし、これは学生だからこそできた経験であるのを忘れず、社会人になった際には優先順位を見極めながら、計画性を持って業務に取り組みたいと思います。

留年した理由も含め、就職面接で聞かれやすい質問については、「面接でよくある質問とは?企業の目的や回答例を解説!」の記事でも紹介しています。

留年して就職する時のキャリアアドバイザーのアドバイス

面接で留年したことに関して聞かれた際は、留年してしまった理由と反省点について伝えることが大切です。加えて、留年から得たものや学んだこと、改善したことを伝えると高評価が期待できます。

また、留年中にどのように過ごしたかも、企業が気にする点です。取り組んだことや努力したこと、それらから得た成果や結果がある場合は積極的にアピールしましょう。

たとえば、留年中の時間を使って資格を獲得するのも1つの方法です。業務に関係ある資格であれば、熱意も伝わるでしょう。

留年をしていても、ポジティブに伝えることで、面接官に好印象を与えられる可能性は十分にあります。

留年中の過ごし方については、「留年したら就職できないって本当?内定獲得に向けた対策や注意点を解説」で紹介しているので、参考にしてください。

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留年期間に就職に向けて取り組めること

ここでは、留年期間中にできる、おすすめの取り組みを紹介するので参考にしてください。

海外に留学する

留年期間中、長期間の海外留学に行く学生もいるようです。留年の理由としてもポジティブな印象であるとともに、留学では語学力や行動力などが得られるので、今後の就職活動でもアピールできるでしょう。

留学する際は、目標を明確にしておきましょう。ただ海外生活を楽しんだ、という結果にならないよう、「語学の向上」「主体性を身につける」など、将来のキャリアも見据えて自分のゴールを設定することが大切です。

長期のインターンシップに参加する

留年中は、長期のインターンシップに参加することもおすすめです。就業体験やビジネスマナーも身につけられるインターンシップ経験は、自己PRや志望動機、就職面接でもアピールできるからです。

就活が忙しくなるとなかなか時間が作れないことも多いので、留年期間を利用すると良いでしょう。志望業界や企業が決まっていれば、その企業が実施するインターンシップに参加するのがおすすめです。

インターンシップについては、「インターンシップとは何か?特徴や選び方などをご紹介!」で紹介しています。また、インターンシップの申し込み方法については、「インターンシップの申し込み方法6選!応募の流れやメールの送り方も解説」の記事でも紹介しています。

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留年して就職するのは厳しいと考えるあなたへ

留年すると就職に厳しくなると考える人もいるでしょう。留年してしまった場合には、どのように企業担当者にアピールするかが重要になります。就活エージェントのキャリアチケットと一緒に、どのようにアピールするか考えてみましょう。

キャリアチケットでは、面接対策やエントリーシート添削など、就活のサポートを実施しています。就職活動に不安がある場合、1人で悩まずに、アドバイスをもらうようにしましょう。

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留年して就職するのが厳しいかどうか悩む人からよくある質問

ここでは、留年して就職をするのが厳しいかどうか悩む人から、よくある質問について回答します。

Q.留年は就職に不利になる?

A.留年しただけでは、就職が不利になるとは限りません。留年の理由や、企業の担当者への伝え方で変わります。

たとえば、留学で留年していた場合は、就職に不利になるケースは少ないでしょう。ただし、遊んでいて単位を落としたのであれば、印象が悪くなるかもしれません。

もし、遊んでいて単位を落としてしまった場合でも、反省してどのように行動したかをアピールできれば、好意的に受け止めてもらえる場合もあります。

Q.就活で留年について聞かれる?

A.就活では、留年について聞かれる場合があります。留年理由と、留年期間に何を得たかは答えられるようにしておきましょう。

Q.就職留年と就職浪人はどっちがいい?

A.就職留年と就職浪人では、新卒枠で採用してもらえる就職留年の方が就活しやすくなります。ただし、留年するので学費が必要な点は注意しましょう。

就職浪人は卒業して就活を行うので、既卒枠の採用になります。ポテンシャルではなく経験が求められやすい点は、注意してください。

就職浪人については、「就活浪人とは?就職で不利になるのかメリット・デメリットと判断基準を解説」でご紹介しています。メリットデメリットを知り、どのような選択がいいか考えてみましょう。

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本記事の監修者

淺田真奈(あさだまな)

大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。

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