このページのまとめ
- 国産メーカーは中価格帯化粧品が、外資メーカーはブランドとしての高級機能性化粧品が主流
- 業界の売上高はスキンケア商品を中心に堅調に推移しており、今後も化粧品需要は続く見込み
- 今後は外国人観光客層の獲得や海外販路の展開がカギ
- 国際的な視点や発想や言語力を持つグローバル人材が必要とされる
「化粧品」と聞くと女性向けの製品のイメージがありますが、実はメークアップ製品だけではなく、スキンケア製品やヘアケア製品も「化粧品」として扱われます。 今日では化粧品の機能や対象・用途も多岐にわたり、私たちの生活に非常に身近な製品となっています。今回は、そのような化粧品を製造・販売する、化粧品業界について紹介します。
本記事の執筆者
エリーのりこ
フランス国家資格セラピスト。パリで仏系化粧品ブランドに勤務後、ゲラン化粧品日本法人に勤務。輸入化粧品の商社で営業やマーケティングを経験し、独立。フランスの相貌心理学と東洋の顔相を融合した顔相メソッド®を考案。独自の手技で顔立ちを整えるセラピーをスパ「エリオゼン」にて提供している。
https://elieno.com
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化粧品業界における業態
化粧品業界における業態は、その販売ターゲットによって大きく以下の2つに分けられます。リテール
百貨店、ドラッグストア、セレクトショップなどの小売店、およびウェブショップなどの、一般消費者向けの業態プロフェッショナル
サロン専売商品などの業務用化粧品を扱う、美容室やエステサロンなど法人向けの業態ドラッグストアについては「ドラッグストア業界の現状と今後の動向について」も参考にしてください。
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化粧品事業の販路の利益構造
化粧品事業の利益構造は、販路によって利益構造が異なります。複数存在します。リテール業態
・メーカーから直接消費者に販売する・百貨店やドラッグストアなどの外部店舗に卸す
上記2つの販路があります。直接消費者に販売する場合、メーカー直営の店舗で販売するため、仲介手数料が発生せず高利益率となります。一方、外部店舗に卸す場合は卸価格での販売となり、店舗側が独自に販売を行います。
プロフェッショナル業態
卸価格にて美容ディーラーに販売し、ディーラーが美容室やエステサロンなどの各店舗に販売することが一般的です。また、ディーラーを介さず店舗に直接販売するメーカーも存在します。大手化粧品会社
大手化粧品会社は、独自の製造工場・製造ラインを持ち、自社ラボと自社工場で製品の開発・製造を一貫して行います。 新製品の開発は、主にマーケティング部門と製造部門で連携します。製品ローンチのスケジュールに合わせて、マーケティング部門がPRや発表のタイミング、CM撮影・広告などの制作のタイミングを図り、最終的な発売までの一連のプロジェクトをマネージャーの指揮の下で進めていきます。発売と同時に、大手化粧品会社は卸し先や直営店舗での製品の販売を開始します。製品の販売は営業部門で統括し、在庫や売上の管理などを行います。化粧品はローンチまでの過程、発売後の売上、および消費者動向を分析することが重要です。その分析を元に、新製品の開発や今後のマーケティングの戦略を立てていきます。
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国産と外資化粧品メーカーの違い
化粧品業界は、主に国産化粧品メーカーと外資化粧品メーカーに分けられます。国産は中価格帯化粧品が主流、外資はブランドとしての高級機能性化粧品が主流です。
国産、外資ともに、化粧品を販売するまでのマーケティング力、宣伝力も収益に大きく影響します。外資メーカーの中には日本国内に製造ラインを持つ企業もありますが、主に外国から輸入した商品を国内で販売します。
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化粧品業界の現状
化粧品業界の売上高は2017年度2兆5,450億円で、前年度比103.0%とスキンケア商品を中心として堅調に売り上げを伸ばしています。出所:株式会社矢野経済研究所 - 化粧品市場に関する調査(2018年)
化粧品業界は昔から不況に強いと言われており、今後も化粧品への需要は続くと見込まれますが、国内の人口減少が懸念されます。
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機能・時短化粧品が好調、海外戦略が今後のカギ
機能性高級化粧品や、オールインワン等の時短商品が売り上げを牽引している傾向も見られます。これまで化粧品は内需で十分に売り上げが獲得できていました。しかし、 国内の人口減少が続く今後は、外国人観光客層の獲得や海外販路の展開などの海外戦略が重要となるでしょう。
国内メーカーはこぞって海外に販路を広げていますが、国内の売上程まだ多くの販路を獲得しきれていないのが現状です。日本の自動車産業を参考にして、各国のニーズをもっと掘り下げて分析し、製品化していくことが必要でしょう。
今後の化粧品業界には、複数の言語を理解できる・国際的な視点や発想を持つなどといったような、グローバル人材が必要とされるでしょう。
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化粧品業界の課題:化粧品による環境問題への対応
環境問題は、化粧品業界において重要視されている課題の1つです。パッケージやボトルなどのプラスチックゴミや、一部の化粧品成分による海洋汚染など、化粧品業界を取り巻く環境問題は少なくありません。これらの問題に対していかに取り組むか、今後は環境に配慮した製造工程・製品づくりが課題となりそうです。自分の価値観とあった企業に出会える!25卒のスカウト登録はこちら
本記事の監修者
淺田真奈(あさだまな)
大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。