モデルをはじめ、女優やタレント業、InstagramやYouTubeでの発信のほか、2018年には自身のアパレルブランド「N WITH.」を立ち上げるなど、活躍の場を広げています。
そんな彼女の"はたらく"上でのこだわりは、生い立ちや日々の発信方法から見えてきました。
好きなことを仕事にしている、まえのんの仕事哲学を紐解きます。聞き手は「キャリアチケット」を運営する、レバレジーズ株式会社 執行役員の間山 哲規です。
- とにかく目立つのが好きだった子供時代
- オーディションは「受かるための場」じゃなくて自分の成果を見てもらう場
- ファンの反応がとにかく嬉しい
- Twitterのリプ返、DM返しは苦にならない
- 正直本当に嫌だったYouTube。指摘コメントをひとつずつ返していったら、ファンが見てくれた
- ファンが喜ぶことと自分の喜ぶことは同じ
何年も前から「ブランドを立ち上げたい」と言い続けた
目標は確実に叶えるために、1年で1~2個にする
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とにかく目立つのが好きだった子供時代
――小学生の時に愛読していた雑誌の読者モデルに応募したことが、お仕事を始めたきっかけだそうですね。当時はどういった小学生だったんでしょうか。前田:小学生の時はとにかく目立つのが好きでした。クラスの委員長やクラブの部長を自ら立候補してなったり、放送委員会の委員長になったときにはテレビ放送に出たりもしていました。
おしゃれも小さい頃から好きで、「可愛い髪型じゃないと学校に行きたくない!」って母に言っていたみたいです(笑)
当時読んでいたファッション雑誌の好きだったモデルさんが載っているページを全部切り抜いてはアルバムに大切に入れて、「会いたいな、かわいいな」ってずっと思っていたのですが、ある時「私はこの子に会いたいんじゃなくて…この子みたいになりたいんだ!!」と気づきました。
当時習っていたバスケの卒団写真を撮り終わったとき、母に「この写真送ってみる?」と後押しをしてもらって、小学6年生の時にモデルオーディションに応募して5,000人の中から選んでいただきました。
その日からモデルのお仕事を13年間続けてきています。
――撮影のお仕事は、最初から緊張しなかったんですか?
前田 モデルを始めたばかりの頃はカメラの前で笑えず、撮影が本当に苦手でよく泣いていました。自分は撮影にあまり出られないのに、同期で入った子は人気が出ていたから「どうしよう」と悩んでいたんです。
カメラマンさんに相談したら面白い話をしてくれて、撮影中だと忘れるくらいすごく笑っちゃって。そしたら「今の顔だよ、本当に笑えるくらい楽しい顔が笑顔だよ」と言ってシャッターを切ってくれました。
口を真横に「にー」って開いて笑顔を作るんじゃない、カメラマンさんと会話をする感じで楽しく笑いながら撮るんだと気づいてからは撮影が楽しくなりました。
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オーディションは「受かるための場」じゃなくて自分の成果を見てもらう場
――最初は苦手だった撮影も克服された、と。12歳からモデルを始められたとのことですが、"仕事"として意識されたのはいつ頃からでしょうか。
前田 高校卒業前、オーディションに対する意識が変わった頃ですかね。
中学生のころは何度オーディションを受けても受かったし、深く考えずに「やってください」と言われた仕事をひたすらこなしていました。今よりポジティブで自信もあったから怖くなかったんです。
でも高校に入ってからは全然受からなくなって、「もう受けたくない」と思うくらいオーディションが嫌いになった時期もありました。
それでもめげずに「100回受けて1回受かればいいや」という気持ちでオーディションに臨み続けたら、過去にお仕事をした方から「前回よりよくなったね」と声をかけていただけたんです。
その言葉を聞いてから、オーディションを「受かるための場所」じゃなくて「自分の成長を見てもらうための場所」と考えるようにしたら、受け続ける意味があると思えてきた。
オーディションに対する見方が変わったことで、評価してもらうことの大切さに気づき、「仕事としてちゃんと成果を出せるようにしよう」って考えるようになりました。
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ファンの反応がとにかく嬉しい
――そうしてモデルの仕事を続けてこられて、今ではご自身で情報発信もされていますよね。
お仕事の中で「一番楽しい!」と思う瞬間はありますか?
前田 Twitterで「おはよう」と言ったら、「おはよう」と返してくれるファンの方々が全国にいてくれること。この仕事をしていなかったら絶対にファンの人たちとは出会えなかったと思うし、励みになります。
「今日こういうお仕事なんだ」とつぶやいたら「頑張ってね!」とたくさんメッセージが届いたり、地方のイベントに行くときに「まえのんに会うために頑張るね」とか「今日は◯◯があったんだ」って報告してくれるのがすごく嬉しくて。
定期的に開いているイベントは、ファンのみなさんが喜んでくれるから開催したいという気持ちが大きいです。
Twitterのリプ返、DM返しは苦にならない
――リアルイベントだけでなくTwitterでも「リプ返」をされていますが、大変だとは感じませんか?
前田 大変だと感じたことはないですね。常にファンの方々と繋がっていたいから、仕事の帰り道や「お話したいな」と思ったときにつぶやいたりリプ返したりしています。
リプ返タイム。よーいぴー。 pic.twitter.com/N8mnZI6A7K
— 前田希美 (@Maeda_Nozomi) 2019年3月2日
ファンの子からの相談DMもよく返しています。たとえば好きな人とのデートで着ていく服に悩んでいる子にコーディネートの写真を送ってもらってから「私だったらスニーカーを合わせるなぁ」と返したら、「今日おすすめしてもらった組み合わせでデートしたら好きな人と付き合えるようになった」と来て、すごく嬉しくなって。
誰かにやって、と言われてやっているわけではないし、逆に「やらないで」と言われたらすごく嫌ですね。もし事務所の人にストップと言われたら、仕事のモチベーションが下がってしまうくらい嫌です。
なので自分のモチベーションを上げるためにもやっていますね。楽しいので。
――Instagramは28万ものフォロワーがいるんですね。
前田 インスタはお仕事関係の方も見てくださっているSNSなので、どう発信すればいいかなと悩みながら続けていました。
色々悩んだ結果、ありのままの自分を出すことがファンの方に応援してもらえる要素だと思いました。
なので「SNSにこういう情報を発信したいから、おすすめのものを買っていこう」とか、買ったあとも「この写真を載せてみんなに共有したいな」とかお仕事帰りに考えたりしてます。
1人で楽しむだけじゃつまらないし、いいものはみんなに知ってほしいから、好きで勝手にやっているだけです。でも、自分にしかできない仕事だとも思います。
仕事の空き時間も常にSNSに何を投稿するか考えてたりしていて。今日アップする写真や、数日先に載せる写真を選びながら「何時ころにアップしたら見てくれるかな」とか。
だから今は自分の好きなことや、今後こうなっていきたいというイメージも残しつつ、画像を投稿しています。
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正直本当に嫌だったYouTube。指摘コメントをひとつずつ返していったら、ファンが見てくれた
――YouTubeでも発信されていますよね。新しい取り組みをするときに、不安はなかったのでしょうか。
前田 YouTube、最初は正直本当に嫌でした。コスメや自分の好きなことについては喋れるんですけど、自分をアピールするのがすごく苦手で。
動画を投稿しても否定的なコメントが多く「やる意味ないじゃん」と思いました、最初は。始めたばかりの頃に投稿した動画には、今でもコメントが残っているんですよ。
でも発信続けなきゃ、と思い、コメントでいただいた指摘を1個1個全部直すことにしたんです。「画面が明るすぎて色味が見えない、暗くして」というコメントが来たら、きちんと色味が分かるくらいに照明を調整したりした。
1つ1つコメントをもとに改善していったら、指摘コメントが来なくなったんです。
逆に以前指摘コメントを投稿された方から「久しぶりに動画を見たら直っていてチャンネル登録しました。頑張ってください」とコメントが来ていて、それが嬉しくて。
コメントがきっかけでこだわりを持って撮影するようになりましたし、動画チェックしながら「この部分はカットした方がいいな」とか気づけるようになりました。
――辛辣なコメントや、まわりの批判的な声も全部自分の糧にできるのはすごいことだと思います。
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ファンが喜ぶことと自分の喜ぶことは同じ
――前田さんと同じように自分で色々発信されているモデルの方もいらっしゃると思うのですが、そのような方と差別化するための考えはありますか?
前田 私はファッションやメイクがすごく好きで、お仕事はなるべく自前メイクで臨んでいるんです。テレビやイベントに出る時に服も自分で選んで、コーディネートするくらい好き。休みの日でもメイクしたりヘアセットしたり。
前日に明日着ていくコーディネートを並べて、「これを着よう」とか「今日はこの人に会うからこういう格好をしよう」とか、スケジュールを考えたうえでコーディネートを組んでいるので、そこが他の子と違う、自分なりのこだわりだと思います。
YouTubeでも、自分が本当に好きなものやいいなと思ったものをアップするようにしています。
――自分が好きなものと実際にファンから人気が出るものが、違ったりすることはあるのでしょうか?
前田 最近はファンの方々に喜んでもらうためにやっていることが、自分の楽しみになっています。ファンの方々の支持を受けるものと自分のやりたいことは全部同じ。もはやファンの方々の声が、本当の自分の姿になっているように思います。
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何年も前から「ブランドを立ち上げたい」と言い続けた
――SNSの発信も含め、一番気持ちが入っているお仕事はなんですか?
前田 自分のアパレルブランドN WITH.です。小さい頃からの一番の夢だったので、「ブランドが決まった」と聞いた瞬間はすごくうれしくて震えました。
出典:N WITH.
モデルやタレント業のように自分が表に出るんじゃなくて、裏で打ち合わせをする機会が増えて、すごく貴重だなぁと思いながら楽しんでいます。まだ実感がわかないくらい夢みたいな時間です。
――震えるほど、だなんて本当に嬉しかったんですね。作る側になったきっかけはあったのでしょうか。
前田 特別なきっかけというのはありませんが、ずっと言い続けていましたね。いろんな取材で「夢はなんですか?」と聞かれるたびに、「自分のブランドを出すことです」と叶いもしないのに答えてました。「今年には」「今年には」とずっと言っていて何年も経っていき、昨年やっと叶えられたんです。
ブランドが決まる1年くらい前に自分でセレクトショップを始めたのもいい経験になっています。お洋服を買い付けて、コーディネートを組んで……というのが未知の世界だったので、すごく大変でした。
最初は自分の好きな服だけ買っていたんですが、続けていくうちに「こういう色が人気なんだ」とか「私のファンの子はスカートが好きなんだ」ってことがだんだん分かってきて。
自分の好きな服だけ買っていたのを、どんどんみんなの目にとまるような洋服を買いつけるようにして、自分なりにコーディネートを組む、というのがすごく楽しかったです。
――思っているものと実際に売れるものや人気の商品はズレがどこかにあるんですよね。
自然と数字を見て、何が本当に求められているか考えて、形にしていかれているのだと思いますが、前田さんのように「好き」と言える仕事に就くための秘訣はありますか?
前田 同じ趣味、同じ夢を持っている人を見つけることはすごく大きいと思います。意見交換ができる場所ができたり、協力しあえるというのもありますが、一人で喜びを感じるより、夢を持っている子達の姿を見てやる気が出たり「私も頑張ろう」と思えたりします。
今のアパレルのお仕事では、事務所の先輩のくみっきーちゃん(舟山久美子さん)。私のやりたいことを全部やって叶えている方なので、仕事のアドバイスをもらったり、ブランドを立ち上げるときに何から始めたらいいのかなど相談に乗ってもらいました。
――相談できる人が身近にいるというのはすごく貴重ですね。
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目標は確実に叶えるために、1年で1~2個にする
――最後に、目標を立てるときに前田さんが心がけていることを教えてください。
前田 事務所の方と相談しつつ、自分の中で「◯月頃にこういう風になっていたい」というのは考えています。逆に叶わなかったり理想の自分になれていなかったら焦りを感じます。
私はそこまで器用ではないので、多くの目標を立てていません。いくつも目標を立てるというよりは、1つ1つ確実に叶えたいなという。
今年の目標はN WITH.のブランド力を高めること。流行にも今まで以上に敏感になって、自分で得たものを発信するのではなく、得るために自ら進んで色んなことに目を向けていきたい!
もっともっとN WITH.のことをたくさんの方に知っていただき、「N WITH.って間違いないよね」って言っていただけるようなブランドにできたらと思います。
1993年6月16日生まれ。AB型。
2006年、雑誌「ピチレモン」第14回読者モデルオーディョンで準グランプリ、新設された「プリウリ賞」を受賞。同年6月号より専属モデルとして活動。
2007年1月、WEBシネマ「リアルシスター」で女優デビュー。
同年4月から「おはスタ」(テレビ東京)で「おはガール」として出演。
2010年、雑誌「ピチレモン」10月号で5年務めたピチレモン専属モデルを卒業。
2011年、雑誌「Popteen」5月号から専属モデルとして活動し、2017年12月1日発売の1月号で卒業。
2018年、アパレルブランド「N WITH.」を立ち上げ、モデルとしてはもちろん、女優・タレント、アパレルプロデューサーと幅広いジャンルでマルチに活動中。
撮影:渡辺 健一郎
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