OA機器業界の現状・今後の動向について

このページのまとめ

  • OA機器業界の収益モデルは、ランニングモデルやMPSがメイン
  • OA機器業界の市場規模は、ペーパーレス化により年々減少傾向にある
  • ビジネスモデルの変革や新しいアイディアが求められている

OA機器業界と聞いて、あまり馴染みがない方が多いかと思います。OAとは、Office Automation(オフィスオートメーション)の略称。オフィスでの作業の自動化・効率化を目的につくられた機器のことを指します。

代表的なのは、コピー・プリンタ・FAX・スキャナーの機能を備えた「複合機」やポスターを印刷するための「業務用大判プリンター」、家庭用の「インクジェットプリンター」など。もしかすると、テレビCMなどで見かけたことがある方もいるかもしれませんね。

OA機器業界の主な役割は、これらの製造・販売やリース(※1)、保守サービス。企業が円滑に仕事を進めるために欠かせません。今回は、そんなOA機器業界の特徴と就活をするうえでのポイントをご紹介しましょう。

(※1)…OA機器などを中長期的に賃貸する(借りる)取引のこと。

本記事の執筆者

川崎響子

株式会社ファースト・イノベーテック・代表取締役。大学を卒業後、日本企業、外資企業において LSI 開発、OA機器向けの組み込みシステム開発、戦略に従事する。キャリアの大半を新規事業の立ち上げや新商品の開発に従事する。現在、新規事業・商品開発に関するコンサルティング、研修を行う。

 

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OA機器業界の主要メーカーと収益モデル

まずは、OA機器業界の業界大手をご紹介します。複合機の業界大手は「ゼロックス」「リコー」「キヤノン」、インクジェットプリンターは「セイコーエプソン」「HP」「キヤノン」。名前だけでも聞いたことがあるメーカーがあるのではないでしょうか。

家庭用機器を除いて、ほぼ全ての製品の顧客対象は企業です。複合機の場合は、代理店やメーカー直売による販売やリースが主要。インクジェットプリンターは、家電量販店やホームセンターでの販売やメーカーが運営するWebサイトで直売されています。

収益モデルは、両者とも「印刷量」に基づいた課金や「紙・インク・トナー」によるランニング収益ビジネスモデルがあります。複合機については、サービス担当者による保守・メンテナンスサービスの提供やMPS(※2)による一括管理サービスに力を入れています。

(※2)…マネージド・プリント・サービスの略称。企業の経営課題である「コストの削減と生産性の向上」の実現するために、OA機器の出力環境の改善と運用管理をトータルでサポートするサービスのこと。

     

 

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OA機器本体は頭打ち、新たなサービス展開が急務

OA機器業界の現状について確認してみましょう。IT専門調査会社「IDC Japan株式会社」の調査によると、2017年における事務機器(国内レーザーMFP/プリンター)の総出荷台数は1,40万9千台。前年比2.0%減であり、年々減少傾向にあります。
     
また、国内・先進国市場における事務機器の出荷予想を見てみると、若干は増えることが期待できるものの、今後は緩やかに推移していくと予想されています。中国をはじめとした新興国市場を地道に獲得しながら、MPSなどのITサービスの拡販が必要となるでしょう。

国内・先進国を中心にペーパーレス化が進んでいるため、OA機器本体の販売は頭打ち状態に近づいています。今後はMPSなどのオフィス一括管理やITを駆使したサービスのほか、新たなオフィス機器の事業拡大や連携が期待されています。

 

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現状脱却からの革新と新たな価値創造が求められる

業界全体の動向をみると、OA機器本体の低迷は避けられないかもしれません。しかし、現状のビジネスモデルから脱却し、オフィス環境に関わる全ての課題解決に向けた新商品・サービスの展開が期待されます。

また、日本企業の成長を長年支えてきたのはOA機器業界。主要メーカーが持つ精密機器の開発・設計・生産の高い技術力や強い営業力、顧客満足度を追求した製造販売方針などが魅力です。

古き良きを守りつつ、現状脱却からの革新が急がれているOA機器業界。若い人材の発想力やアイデアが求められています。各メーカーが培ってきたノウハウをしっかりと受け継ぎながら、新た価値を追求したモノ・コトづくりにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

 

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本記事の監修者

淺田真奈(あさだまな)

大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。

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