自分にどんな仕事に向いているかは、そもそも仕事内容を知らなければわかりません。キャリアチケットの「お仕事図鑑」では、色んな職種の方にインタビューし、その仕事内容についてお伝えしていきます。
今回お話を聞いたのは、株式会社ボールドで人事として働く酒巻さん。就活中に皆さんが最も多く接するであろう「人事」のお仕事ですが、どのような苦労ややりがいがあるのでしょうか。
<Profile>
株式会社ボールド
経営戦略本部 人事グループ サブマネージャー
酒巻 諒(さかまき・りょう)さん
株式会社ボールドの新卒1期生として入社し、現在6年目。5年以上営業として活躍したのち、現在は人事グループにて採用や評価などに携わっている。就活中は紹介会社から株式会社ボールドを紹介されたことをきっかけに選考を受け、最終面接で社長が真剣に向き合って話を聞いてくれたことに惹かれ入社を決めた。
IT人材のクライアント企業への派遣およびシステム開発のアウトソーシングを行う。「人間力」を重視しており、社員への教育や社員間の交流を深めるためのイベントが豊富なのが特徴。コミュニケーションスキルも高いエンジニア集団として、最上級のサービスカンパニーを目指している。https://www.bold.ne.jp/
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面接後は音源を聴き直し、改善点を見つけることが習慣
――酒巻さんの仕事内容について教えてください。
私は主に中途採用をメインで担当しています。近年、IT人材は不足しており、エンジニアのような技術職はIT企業間で取り合いになっています。なので、優秀な人材をどれだけ採用できるかが勝負なんです。
毎日のように中途採用の面接を行っていて、多い日は1日で8~9人と面接をすることもあります。1人あたり1時間は面接するので、面接だけで1日が終わってしまうこともありますね。
あとは、弊社の採用戦略も考えています。どういったことを打ち出していけば自社に魅力を感じてもらえるのか。例えば、新しいことへのチャレンジしたいと考えるエンジニアの方が多いので、弊社では「AI・IoTにチャレンジできる環境があります」といったアピールをするんです。業界の動向を見ながら、「弊社ならこんなキャリアステップができますよ」と具体的に示すようにしていますね。 ――酒巻さんの1日のスケジュールについて教えてください。
午前中は会議と面接の準備を行うことが多いです。面接前はその人のこれまでの経歴や嗜好性などを確認しています。なぜ転職したいと考えているのか、今後どのようなキャリアを歩みたいと考えているのか、その希望は弊社でかなえられるものなのか……といった深いところまでを考えるんです。とはいえ、そのときの自分の考えにとらわれすぎないように、実際に会って感じたことも大切にしています。
13時頃からはひたすら面接をしていますね。面接では基本的な志望理由や転職理由などをお聞きしつつ、弊社では「人間力」を大切にしているという話もしています。会話のような感覚で進め、その人の潜在的な部分もきちんとチェックするようにしているんです。
――人事の仕事でやりがいを感じるのはどのようなことでしょうか?
入社以前の姿と入社後の成長する姿を見比べることができるのというのは魅力ですね。例えば、以前面接をしたエンジニアの方、「これまでの仕事ではやりがいを感じられずモチベーションが上がらなかった」と話していて。でも、その後弊社に入社したことで資格取得に励むようになったり、お客様先で主体的に動くようになったり、様子がガラッと変わったんです。そういう姿を見ると「入社してもらって良かった!」と嬉しくなりますね。
――逆に大変だと思うことはどのようなことですか?
基本的に私は大変なことも楽しめるタイプなのですが……面接で応募者の方と全力で向き合ったにもかかわらず、その方が別の会社を選んだときは悔しい気持ちになりますね。
特に、紹介会社の方に「(他社の人事の)対応が良かった」と話していたと聞くと、自分が「一番良い」と思ってもらえなかったことに悔しさを感じます。
――それは確かに悔しいですね……。
そういったことが起きないように、私はできるだけ毎日その日の面接を録音して全部聴き直すようにしているんです。「今日の自分の話し方は客観的にどう聞こえるか」「相手の反応はどうだったか」をその日のうちに確認してするようにしています。人事部内でも「こういう人にはこう話したほうが良い」と共有し、面接のロープレもたくさんしますね。
1日8時間分の面接をすべて録音で聴き直すのは正直大変です。自分の話している声を聴くのは恥ずかしいですし(笑)。それでも次の面接に反省を生かすためにも欠かさないようにしています。
――人事の仕事を行うにあたって、必要なスキルや求められる能力は何でしょうか?
以前は「話す力」が大事だと思っていたのですが、最近は「聞く力」が大切だと考えています。特に、面接の場合はどれだけ相手の思いを引き出せるかという「傾聴力」が求められるんです。そのためには質問に対しての回答をそのままとらえるのではなく、改めて違う角度から質問したり、さらに深堀りしたりして、その人の本質を見極めるように気をつけています。
あとは、他の人がその人と接したときにどう思ったのかも聞くようにしていますね。「この人はお客様先ではどう思われるだろうか」「上司ならどのように見るだろう?」と常に別の人の立場で見ることも意識しています。
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就活生は「なりたい自分」を定め、そこに向かって努力してほしい
――酒巻さんは学生の頃はどんな就活をしていたんでしょうか?
就活中は大手企業よりも、ベンチャー企業に行きたいという気持ちが強かったんです。大手だと同期や先輩が多く競争が激しいイメージがあり、小さな規模の会社でいろいろなことにチャレンジしたいと思いました。当時は興味を持った企業に直接電話を掛けて、「偉い人に会わせてほしい」と直談判したりしていましたね(笑)。会ってもらえることもあれば、断られることもありました。ボールドは紹介会社に紹介されて興味を持ったんです。
ボールドの最終面接は社長と1対1で行うのですが、かなり長い時間、とにかく真剣に熱く自分に向き合って話を聞いてくれたのが嬉しかったんです。そして、初対面にもかかわらず、社長が私の甘さや弱さについてズバズバと指摘してくれて……。この人の会社で働けば自分は成長できる、と確信し入社を決めました。
――人事としての今後の目標を教えてください!
ゆくゆくはこの会社で役員になりたいと思っています。まずは人事部門の課題を改善していくこと、そして人事だけではなく経営戦略本部を全体的に強化していきたいですね。
私の理想は「全員が自走できる組織」を作ることなんです。「全員が自走できる」とは一人ひとりが自ら考え、自分の担当外の仕事でも「組織を良くするため」と考えて動けること。そうした社員の集合体を作り、会社全体を良くしていきたいと思っています。
――最後に就活生に向けてアドバイスをお願いします。
「なりたい自分」に対して期限を決めて目標を設定し、そのために日々何をどう努力すればいいのかをとことん考えてほしいですね。何となく毎日を漠然と過ごすのではなく、今できることをちゃんとやっていくと、なりたい自分になれるはずです。そういったことを就活中も考えながら動いてほしい。
私が先輩から言われて印象に残っているのは、「他人目線で自分を見るように」ということです。あるとき先輩から、「自分がアニメの主人公だったとしたら、来週もそのアニメ見たいか?」と聞かれてハッとしました。つまらない日常を送るのではなく、日々何かに努力をすること。皆さんも「自分が物語の主人公だったとしたら」という視点で、自分自身を客観視してみてください!
取材・文/松本果歩
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