【お仕事図鑑】人事・採用の仕事は経営に近いところで働けることがやりがい

採用担当というと、就活生が初めて出会う、いわば「会社の顔」です。ですが、実際どのような業務をしているのかは知らないところ。キャリアチケットの「お仕事図鑑」では、会社で活躍している方へのインタビューを通じて、仕事に関するリアルな声をお伝えしていきます。

今回お話を聞いたのは、株式会社メトロ アド エージェンシーで人事として働く竹山さん。業務内容ややりがいについて伺いました。
 

<Profile>

株式会社メトロ アド エージェンシー
経営企画本部 総務局 人事部
竹山 智哉(たけやま・ともや)さん

2010年に筑波大学を卒業し、新卒で株式会社メトロ アド エージェンシーに入社。入社後5年間営業局に所属。外資系ファッションブランド、航空会社を担当。その後、異動した営業企画局ではコミュニケーションプランニングやメディアプランニングを担当。経営戦略局にて中期経営計画策定PJに従事し、現在人事部にて採用・研修教育・人事制度改定を担当。

株式会社メトロ アド エージェンシー
2007年に東京メトロの広告媒体管理業務と株式会社メトロコマースの広告代理業務を一元化し、広告事業を一貫して行うことを目的として設立された、東京メトロ100%出資のコミュニケーションプロデュースカンパニー。東京メトロ100%出資の「総合広告会社」であり、東京メトログループのマーケティング・コミュニケーションを支援する「ハウスエージェンシー」であり、東京メトロの交通メディアを扱う「媒体社」。https://www.metro-ad.co.jp/
 

25卒の就活について相談したい

 

採用・研修教育・人事制度改定の3つを担当


――竹山さんの現在の仕事内容について教えてください。

現在は人事として主に、「採用」「研修・教育」「人事制度改定」の3つの業務を担当しています。

採用は新卒・中途・派遣すべてを担当しており、その年の採用計画を立てたり、面接を行ったりしています。研修・教育の業務は、どのような社員研修やセミナーが必要かプランを考え、実施します。それに伴う資料作成や社内の合意形成も人事の1つです。

人事制度の改定は毎年あるわけではないのですが、世の中の流れを踏まえて必要なときに制度改定に取り組んでいます。現在は数年後の改定に向け、コンサルタントの方の力を借りつつ改定案を検討しているところです。
 

――ちなみに、採用を担当しているのは何名なんでしょうか?

人事部では私と部長の2人だけですが、現場社員にも協力してもらいながら、選考を実施しています。ただ、それでも新卒採用の時期になると、1日が面接だけで終わるときもあります。今はインターンシップの準備に追われており、3月以降は学生のエントリーシートのチェックや会社説明会の準備・実施、4月から選考スタートと、段々と忙しさが増してきています。

――人事の仕事でやりがいを感じることは?

自分が「会社の成長に関わっている」「会社を動かしている」と実感できる点ですね。人事・採用はかなり経営に近い仕事です。企業にとって社員は資本であり、どのような人材を採るか、どのように社員を育成するかというのは、「会社の成長」に直結していきます。事業をどう成長させていくか、という話を経営陣とできるのもこの仕事の魅力だと思います。

――逆に、大変なことはあるのでしょうか?

仕事上、社員とのコミュニケーションに時間を割くので、それ以外の時間で自分の業務を進めなくてはいけないのは大変な点ですね。

私の上司は「人に寄り添う人事」をポリシーに掲げており、私もそれにならって社員の声を大切にしようと考えているんです。というのも、人事部は採用の際に現場で働く社員に面接に協力してもらうこともありますし、何かとコミュニケーションを取る場面が多いんです。「どういう人を採用するか」に関しても、現場で働く社員の声は必須になります。

また、個別研修やキャリアなどの社員の相談を受けるのも人事の仕事の1つです。「忙しいからまたあとで」は絶対にしないと決めているので、どうしても自分の作業は後回しになってしまうんですよ。

――人事・採用の仕事をする際に必要なスキルや知識があれば教えてください。

これは人事に限った話ではありませんが、課題を見つけ、施策に落とし込む力は必要だと思います。新卒採用においても「当事者意識」や「課題を見抜く力」「論理的思考力」は重視して見ていますね。

また、知識面でいうと、人事部の中でも担当業務によって異なりますが専門知識は必要です。

私は採用・研修・制度の部分を担当していますが、同じ人事部でも隣の席の方は労務や給与計算、人事評価などを担当しています。労務の場合は、社会保険や福利厚生、法律の知識が必要ですよね。また、世の中の流れが今後どうなっていくかも随時チェックしなければいけません。給与計算に関しては、この業務が滞ると社員に給与が支払えなくなりますので、非常に大事な業務です。

一方で採用・研修は経営戦略に近い部分であり、事業をどう成長させていくかに関わってきます。将来的に人事のキャリアで進んでいきたい場合は、労務の知識も持っておいたほうがいいと思います。とはいえ、学生のうちに習得するのは難しいですし、人事の仕事がしたいと考えている学生は、実務を通して知識を身に付けていけば良いと思いますよ。

 

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社会人になったら“環境をつくる”人間になりたい。会社の規模感にこだわった就職活動

――竹山さんのご経歴について教えてください。

2010年に大学を卒業し、新卒で株式会社メトロ アド エージェンシーに入社しました。現在9年目ですね。入社5年目までは営業局にて外資系ファッションブランド、航空会社を担当していました。営業企画局にてメディアの広告枠の買い付けなどを担当し、その後は経営戦略局で中期経営計画策定プロジェクトに従事しました。昨年の4月から人事部に配属されています。

――就活ではもともと広告業界に絞って考えていたんでしょうか?

ほかの業界も視野には入れてはいましたが、広告業界中心で見ていましたね。当時放送していた『恋ノチカラ』というドラマが、広告代理店で働く人たちを描いていて。その影響から広告業界に憧れを持つようになったんです。

あと、会社規模もチェックしていました。大きな会社に入ると「イチ社員」になってしまうので、自分で“環境をつくる”人間になるためにも中規模の会社で1番を目指そうと決めていたんです。

というのも、私が大学時代に所属していた筑波大学蹴球部は、日本サッカー界を盛り上げるためにOBの方々がご尽力されたという歴史があります。当時その中で自分はOBを含む諸先輩方の想いもつゆ知らず、単に所属しているだけで、何も貢献できていないし何もなし得ていないなと感じていて。なので、「社会人になったら仕事で何かしら“環境をつくる”人間になりたい」と就活していましたね。

――今の会社を選んだのはどのような理由があったんでしょうか。

東京メトロは東京の沿線を網羅しており、そのグループ会社であるメトロ アド エージェンシーではできることがたくさんありそうだなと感じたんです。あとは、私は東京で働くことへの憧れが強く、転勤によるキャリアアップにも興味がなかったので東京にアイデンティティを持つ企業というのも魅力でした。

また、大企業のように何百人を一括で採用するスタイルではなく、数人を採用してきちんと育て上げていく少数精鋭な体制も、自分の価値観に合っていると感じました。

――入社前と入社後で何かギャップはありましたか?

社内の人が思っていたより優しかったです(笑)。僕は田舎から出てきて、東京の人、特に広告業界の人は冷たいんだろうな……と勝手なイメージがあったんです。でも、仕事のことも東京のことも先輩方がとても丁寧に教えてくれて本当にありがたかったですね。

――竹山さんは今後のご自身のキャリアついてどうお考えですか?

この会社で経営者になりたいと考えています。経営陣も含めて社内にはすでにこの志は伝えていますが、目標をかなえるために、まずは数年以内にMBAを取りたいと思っています。人事戦略は、経営戦略から落とし込まれたものであり、経営戦略から採用方針や人事制度を作っていくので、経営の知識や視点も持っていなければならないんです。

また、今は人事部ですが、何年かかけて弊社が展開するすべての事業にひととおり携わり、知見を得たうえで経営側に戻りたいと考えています。

――最後に、今の竹山さんのように「人事・採用の仕事に興味がある」と考える就活生に向けてメッセージをお願いします。

就活生の皆さんには、ぜひ「当事者意識」を持つようにしていただきたいです。「受け身」では、新しい挑戦は生まれません。「自分が会社を動かしていくぞ」という心意気と行動力が人事には特に必要ですし、学生のうちから視座を高く持ち「この会社をこうしていきたい」と考えられるようになってほしいと思います。

 

取材・文/ameri

 

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