【お仕事図鑑】Webディレクターはお客様とデザイナー・エンジニアの架け橋となる仕事

【お仕事図鑑】Webディレクターはお客様とデザイナー・エンジニアの架け橋となる仕事のイメージ

今何気なく見ているインターネット上のサイト、どのように作っているか意識したことはありますか? また、ポイントが貯まるサイトなどを普段から利用している方も多いかもしれません。
今回お話を聞いたのはこうしたポイントサイトなどを運営する、Webディレクターの仕事をしているGMOメディア株式会社の鈴木さん。Webディレクターとはどのような仕事なのでしょうか?

<Profile>

GMOメディア株式会社
メディア事業部コンサルティンググループ 
鈴木 杏(すずき・あん)さん

もともとパソコンに触るのが好きだったことから、大学では情報学部にてITと心理学の融合を研究。卒業後、2017年に新卒でGMOメディア株式会社に入社。1~2年目は広告営業を経験し、3年目からかねてより希望していたWebディレクターになった。

GMOメディア株式会社
GMOインターネットグループの企業としてメディア事業を行う会社。ゲームやアンケートへの回答によりポイントを貯めたり交換したりすることができる自社サービス「ポイントタウン byGMO」など、さまざまなWebコンテンツの制作・運営を行う。https://www.gmo.media/
 

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お客様は個人ではなくチームで担当、アイデアを出し合う

――GMOメディア株式会社でのWebディレクターの仕事内容について教えてください。

自社で運営しているWebサービス「ポイントタウン」のノウハウを生かし、クライアント様にもポイントを活用したWebサイトを展開する業務を行っています。

ポイントタウンというのは、ネットショッピングやさまざまなサービスへのアクションをポイントタウン経由にするだけでポイントが貯まったり、ゲームやアンケートに答えるとポイントがもらえたりするWebサイトです。サイト制作の中でも、ポイントを貯めたり、交換したりするサイトには特別なノウハウが必要とされます。その「ポイントタウン」のポイント付与やポイント交換の仕組みを基盤に、クライアント様のWebサイトの構築や運用を行うのが仕事です。

――具体的にはどういったことをしているんですか?

運営サイトの売上を伸ばすため、またユーザー様にとって使いやすいサイトになっているかを常に考え、チームで改善案を出し合い、クライアント様に提案をします。「それいいね!」と賛同いただければ、実際にサイトに反映して効果検証を行います。また、クライアント様から「Webサイトのここをこうしてほしい」といったデザイン面や開発面でのご要望や改善点をいただくこともあり、それを、社内に持ち帰ってエンジニアやデザイナーに反映してもらうんです。

その際、ただ「こういうご要望をもらいました」「こういうことがしたいです」と伝えるだけではなく、実施してどのくらい効果は上がるのか、どのくらい時間や費用がかかるのか、スケジュールや優先順位といったことなども加味しながら作業に落とし込んでいく必要があります。

クライアント様からのご要望はすべて「はい、わかりました」と答えるだけでなく、エンジニアとデザイナーから「このボタンはもっと上にあったほうが良いのでは」「この部分はもう少し大きくしたほうが見やすいのでは」といった提案があれば、クライアント様にお伝えすることもあります。こうした社内の意見と社外の意見の橋渡しをすることが一番の仕事といえるかもしれませんね。

現在はWebディレクターの私を含め、デザイナー4名、エンジニア3名、ディレクター2名のチームで常時4~5サイトほどを運営しています。

――鈴木さんの1日のタイムスケジュールを教えてください。

10時に出社したらまず、担当しているWebサイトを1ユーザーとして閲覧し、不具合が起きていないか、きちんと表示されているかなどを確認します。その後、担当のWebサイトの会員登録数などの数値確認、広告の売上状況や効果などを確認します。

午後は社内のチームミーティングに参加することが多いですね。1日2~3つくらいのミーティングに参加するのですが、そこでは担当するWebサイトの数値などの報告・共有を行います。メンバー同士でサイトの改善案を出し、スケジュール確認もしますね。Webディレクター同士のミーティングもあり、担当外のWebサイトの情報も共有し合い意見交換を行っています。そこで出た案をクライアント様に提案することもあります。

月末にはクライアント様に各Webサイトの数値などをまとめレポート報告をするので、そのための資料作成もしていますね。

――Webディレクターに必要なことは何だと思いますか?

Webディレクターの仕事は、社内の調整と社外の調整をどちらもしなければいけません。そのため、特に求められるのはコミュニケーション能力ですね。お客様にも、チームメンバーにもどのように伝えるのかを常に意識しています。

例えば、クライアント様から難しいアイデアやご要望をいただくこともあります。しかし、そこで「それはできないです」と答えてしまっては、ぶつかり合ってしまいますよね。なので、Webディレクターとしては、「それではテスト的にこのような形でやってみましょう」とまずは小規模で実施したり、いただいたご要望の背景にある課題を聞き出し、「それであればこうしてみるのはどうでしょうか」と別のアイデアで提案したりしています。円滑なコミュニケーションの中でいかに信頼していただくかが、Webディレクターの仕事で大切だと考えています。

――Webディレクターの仕事でやりがいを感じるのはどのようなときですか?

やはり、自分のアイデアがWebサイト上で形になったときはうれしいですね。私の頭の中で「こういうページを作りたい」と思い描いたものをエンジニア・デザイナーさんが形にしてくれたとき、そして実際にページが公開されてユーザー様に届いたとき、クライアント様やユーザーから「面白い!」とリアクションがあったとき、それぞれとてもうれしい瞬間です。

一番心に残っているのは、初めて新規のWebサイトの立ち上げを担当したときですね。最初は右も左もわからない状態で、契約書の作成から苦労の連続でした。いつまでに何をやるのか、機能はどのようなものが必要か、予算内で実施できるのか……。すべて手探りだったので、Webサイトが完成したときはまるで自分の子供が産まれたような感覚で、Webサイト上の会員が増えたり、多くの方に利用されたりしているのを見ていると、我が子の成長を見守っているような気持ちになりましたね。

――逆に、Webディレクターの仕事で大変だなと思うことはどのようなことですか?

担当しているWebサイトがたくさんあるので、頭を切り替えることが一番大変かもしれません。AというWebサイトは「主婦の方もメインで利用いただいている」、BというWebサイトは「年齢層が高い」などと、各サイトで利用ユーザーが異なるので、施策を実施するサイトごとに脳を切り替えてアイデアを出したり施策を考えています。WebサイトAの数値確認をしているときでも、WebサイトBのクライアント様から連絡がきたらすぐに切り替えなければいけないのはなかなか難しくて。ミスをしないために、数値の報告レポートなどはすべてそれぞれのサイトカラーを設定し、背景の色を変えることで視覚的にわかりやすくしています。これはチームでも統一ルールとし、全員で共有するようにしています。

また、デザイナーやエンジニアとはコミュニケーション不足にならないように、チャットだけではなく直接会話をしたり、ミーティングをこまめに行ったりするようにしています。「あれ、認識にズレがあるかな?」と思ったら、「このあと30分だけ時間ください!」なんて直接話しに行くこともあります。どうしてもチャットの文面だけだと伝わりにくいことがあるのですが、対面で話すことで表情も見えるので意図が伝わりやすく、気持ちよく仕事ができるようになるんです。

 

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いつかは幅広いジャンルのWebサイト制作に関わりたい

――GMOメディアにはどのような経緯で入社されたのでしょうか?

就活では、当初自分が興味のある「美容系」「旅行系」「IT系」の3軸で探していました。しかし、いくつかの企業を見ていくうちに、IT系の会社の雰囲気が自分には一番合っていそうだな、と感じるようになっていって。加えて「これから可能性が広がっていきそうな業界だな」と思ったこともあり、徐々にIT系の会社に絞って選考を受けることにしました。

GMOインターネットグループはたくさんCMも流していて知名度が高いですし、ネット業界でのさまざまな「No,1」を獲得しています。従業員数は6,000人以上と規模も大きい会社。しかし、グループ企業のそれぞれはベンチャー企業のような雰囲気なんです。GMOメディアはパートナー(※)の数が150人くらいなのですが、1年目からやりたいと手を挙げればどんどん挑戦させてくれる社風でした。そんな、大企業とベンチャーの「良いとこ取り」な点も魅力に感じ、入社を決めたんです。

※GMOインターネットグループでは、社員のことを「パートナー」と呼んでいます。

――実際に入社してみてギャップを感じたことはありましたか?

良いギャップとしては、すごくラフな会社だなと驚きました。良い意味であまり上下関係がはっきりしておらず、新卒1年目から部長に「私はこう思います!」「私のこのやり方でやっていいですか?」と躊躇なく言える環境でした。また静かに机と向き合って作業を淡々とする、というよりはコミュニケーションが活発で、仕事中でも笑い声が聞こえるような雰囲気なんです。性別、年齢、役職の壁があまりない社風がとても良いギャップでした。

――今後の目標はありますか?

現在デザイナー、エンジニアと合わせて10名ほどのチームで働いています。今はクライアント様からご依頼をいただくポイントサイトの制作が中心ではありますが、いつかこのチームで、ポイントサイト以外のサイトも立ち上げてみたいです。

また、一緒に働いているディレクターの上司が、とても尊敬できるキャリアウーマンで、自分もそんな働き方ができるようになりたいと憧れています。口で言うだけではなく自分の背中で見せてくれるところも、「私もやらなきゃ」という気持ちにさせてもらっています。そんな上司と共に「あのコンビいいよね!」と社内で言われる存在になりたいですね。

――最後に就活生へのメッセージをお願いします!

Webディレクターを目指している就活生の方は、普段使っているサイト、Webサービス、アプリなどに対して「これってどういう仕組みになっているんだろう」と考える習慣をつけてほしいです。私は常に「ここは広告なのかな?」「これはどうやって収益化しているのかな?」など自然と気になってしまいますし、メモして社内共有することをしています。そうしたことを普段から意識していると、仕事にも活かされますし、情報を持っていることは信頼にも繋がると思いますよ!
 

取材・文/松本果歩

 

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