【守破離で勝ち取る内定術 #1】 適性検査、何から対策すればいいかわからない人へ

師の教えを「守り」、その基礎を少しずつ「破って」独自の方法を試す。そして型から「離れ」、進化させる――“守破離”。

これは古くから武道や芸能などで用いられている、修業のプロセスを表す言葉です。

「就活」においてもノウハウを鵜呑みにせず、自分のやり方を見出すことが大切。この連載では、就活生の皆さんが自分の型を作るうえで役立つ就活法をお伝えしていきます。第1回は「適正検査」についてお話ししましょう。

就活の初期に「適性検査を受けてください」と案内される機会は多いでしょう。
リクルートが開発する「SPI3」のように、能力検査(言語・数的問題)と適性検査がセットになっているケースも多いです。

例えばSPI3は年間1万1000社以上が利用しているため、就活を通じて一度くらいは受験する機会があるのではないでしょうか。意外に思われるかもしれませんが、形式として最も多いのは紙に書くタイプです。Webテスト形式、紙形式いずれでも解けるように対策しておきましょう。
 

本記事の執筆者
酒井 一樹(さかい・かずき)

慶應義塾大学在学中、世界初の就活SNS「Dachinco!」の代表に就任。国内最大の就活SNSへと成長させた後に大学を卒業し、エグゼクティブサーチを行う人材ベンチャーに入社。役員・事業責任者などの幹部人材の採用支援に携わる。2009年に株式会社エイリストを設立し「自分の頭で考え、行動する人材を増やすこと」を命題として、就職情報サイト「就活SWOT( https://swot.jp )」を開設。
 

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適性検査は何のためにあるのか?

適性検査はエントリーシート提出と同時期に実施されることが多く、その結果は書類選考時や面接実施時に参考情報とされたりします。

適性検査やエントリーシートがここまで普及する前は、企業は履歴書の学校名などで学生を絞って面接に呼ぶしかないという状況でした。
しかし現在は企業側も「学歴」以外で学生のことを事前に把握しておきたいと考えているので、効率よく学生のデータを集めるために検査を実施するようになったのです。

適性検査では「積極性」「社交性」「慎重さ」「意欲」「持続力」といったさまざまな要素を見極めようとしています。
そして多くの場合、企業では「どのような特性を持つ社員が活躍しているか」を明らかにし、それに近い特性を持つ学生を採用したいと考えています。

導入するテストの種類にもよりますが、適性検査を行うために企業は1人あたり数千円のコストをかけています。受験者数が多ければそれなりに大きな支出ですね。
それだけのコストをかけてやるのは、適性検査が選考時に参考になる部分が大きいということを意味します。

逆に言えば、就活生目線でも適性検査の結果を活かした対策を考えれば選考を円滑に進めていくことが可能です。
 

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一貫性を持って適性検査に回答する

適性検査というのは、同じ内容について複数の質問をしてくることがよくあります。解いていて「さっき似たような質問なかったっけ?」と感じた経験をお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんね。

これは、もちろんわざと繰り返し聞いています。矛盾した回答をしていると、適性検査の結果自体に疑問符を付けられてしまいます。

そうならないためには、「類似した質問に対して、回答を統一する」ということがポイントになります。そうしなければ「考えがブレている」と判断されてしまうからです。

適性検査も時代とともに進化しており、回答を統計的に処理して精度の高い結果を得られるようになってきています。下手に対策しようとすると、逆効果になってしまうこともあるのです。
 

 

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非現実的な回答はしない

「必ず〜している」「〜したことがない」など断定的な言い回しで、現実的には考えられないことを質問される場合があります。有名なのが「今まで一度も嘘をついたことがない」という設問です。

こうしたときに「自分を良く見せたい」と思って「はい」と回答してしまう方もいらっしゃいますが、これは虚偽判定質問であり「ライスケール」とも呼ばれています。この判定に引っかかると「嘘をつくことが多い人物」という評価が出てしまいます。

…と解説している就活サイトが、今までは多かったんではないでしょうか。
それも間違いではないのですが、実は最近はさらに複雑です。

ここ数年でライスケールの話が有名になりすぎたため、最近の適性検査は違った傾向で就活生を見極めようとしています。

つまり、「ライスケール設問だけに気を付けていても、それだけで信頼係数を上げることはできない」ということになります。
結局のところ、他人になりきって回答しようとするのではなく、本来の自分の回答をしていくしかないのです。

結論としては必要以上に自分を良く見せようとはせず、良いところも悪いところも実態に近い選択肢で回答するようにしましょう。
正直に答えた結果落ちるのであれば、そもそも自分とその企業の相性が良くなかったと考えることもできます。

例えばマスコミ志望だった就活生が、銀行の一般職の適性検査で落ちたというような話もあります。当の本人は「落ちるような成績ではなかったのに」と驚いたようですが、それも本人の特性を考えれば妥当な結果であると言えるでしょう。
 

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今から対策を始めるならどうする?

適性検査の場合、解答の暗記や時事問題の対策は不要です。語彙力や読解力、統計や数字の見方を養っておくことが大事なので、付け焼き刃の対策では対応しきれません。

しかし問題の形式や回答方法に慣れておくことは無駄ではないでしょう。パソコンで受験する形式の場合、各種ナビサイトで試すことができる適性診断ツールで慣れておけば本番も安心です。

適性検査も年々進化しており、付け焼き刃の対策でできることは減ってきています。

適性検査自体の対策をするよりは、「適性検査の結果を踏まえてのそのあとの面接でどう振る舞うか」を考える方が建設的かもしれません。
ポイントは「あらかじめ適性検査で自分が企業に示す“性格”を把握しておく」ということです。

まず適性診断ツールを自分が使ったときにどのような結果が出るのか把握し、「このような診断結果を企業が見たらどんな質問をしてくるか?」「今の自己PR内容とこの診断結果は一致しているか」などを考えてみましょう。

適性検査とその後の面接での自分で一貫した筋を通せるかどうか、よく検討してもらえればと思います。

 

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