あなたは自分のエントリーシート(ES)が書類選考を通過したら、どんな気持ちになりますか?
前向きで良い気持ちになりますよね。このあとに控える面接もすんなりと通過するかもしれない。ところがこの楽観的な思考が曲者です。
毎年、楽観的になりすぎて面接で失敗する就活生がたくさんいます。ESが通過したことについて学生と人事では実は大きな認識のずれが存在します。
「書類は通るのに面接は通らないのはなぜ?」と考えている学生は、ぜひこれを読んで対策をとってください。
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書類選考の通過を勘違いをする就活生
以前、就活生と次のような会話をしたことがあります。福島「もし必要ならESを添削しますが、どうですか?」
学生「いえ、私のESはほとんどの書類選考を通るので、いりません」
福島「あ、そうですか…」
私は内心「本当に大丈夫かな、心配だな」と思ったのですが、そんな失礼なことは言えませんでした。後日、この学生は第一志望群5社の選考にすべて落ちてしまいました。私はやはりきちんとアドバイスするべきだったと悔やんだことを覚えています。
では、ESは通ったのになぜこのようなことが起きたのでしょうか?
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油断からくる大きな落とし穴
この学生が第一志望群の選考に落ちてしまったのには、大きく2つの原因があります。1つは「環境的要因」です。「キャリタス就活2020 学生モニター調査」では、就活生に「既にエントリーした社数と今後エントリーする予定数」を聞いています(3月時点)。データを見ると年々、1人あたりのエントリー社数が減少していることがわかります。
18年卒は42.7社、19年卒は35.7社、20年卒は33.7社となっています。
就活生は年々、就活に対して楽観的になっているようにとらえられます。危機感が薄く、たくさんの企業を受けなくても何とかなると思っているのかもしれません。そして、周りの学生がそうであるために、自分もESが通過したら「もう大丈夫だ」と安心してしまう学生が多いのでしょう。
2つ目の理由は、人事が自分のESをどう判断したかを知らないからです。何しろ初めての就活ですし、社会人経験もありませんのでわからないのは当然かもしれません。
しかし、自分が「知らない」と客観視できる学生は、情報を集めることでそのハンデを克服しようとします。では人事と学生ではESの選考通過をどのようにとらえているのでしょうか? 次の表を見てください。
就活生の認識 | 人事の認識 | |
ES通過 | 優秀な学生と評価された!(添削不要だ) | 残念なESを排除しただけ。 優秀かどうかは不明 |
面接 | 面接ではESの内容を話せばいい(特に準備は不要だ) | 深掘り質問で、ESの内容が事実か確認する |
書類選考を通過したとき、この表のように 「自分のESはお墨付きをもらった。この自己PR、ガクチカ、志望動機は説得力がある。私は優秀だと判断されたのだ」と考える就活生は少なくありません。
こうした気持ちを抱くのもわからなくはありませんが、人事は「残念なESを排除しただけなので、ESの時点で優秀かどうかはまだわからない」と認識しています。
つまり人事は「書類選考通過=優秀」とは考えていないのです。大雑把に就活生を「優秀」「普通」「残念」という3グループに分けるとしましょう。書類選考では残念な学生を落としただけで、優秀か普通かを判断するために面接を実施しています。
面接でも学生と人事で認識のずれがあります。
「面接ではESに書いた自己PR・ガクチカ・志望動機を話せばいい。書類選考は通過しているということは、説得力があるということ。面接のために特に準備は必要ないだろう」
このように楽観的に考える学生が多いのですが、人事は 「ESの内容が事実かどうかを判断したい。そのため面接では深掘り質問をして確認していこう」と考えています。
つまり書類選考を通過したとしても、まだ事実は確認ができていません。そのため面接で「なぜ?」「具体的に説明してください」といった深掘り質問をして、丁寧に確認をしていきます。もし質問に上手く回答できなければ「事実かどうか不明」という評価になり、面接で落とされてしまうのです。
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深掘り質問を想定した対策が必要
つまり面接に向けて、深掘り質問を想定した対策が必要になります。特に面接時間が長くなる2次面接以降で重要性が増します。
そのため、ESを添削してもらうときは、書類選考だけでなく面接まで想定した長文の自己PR、ガクチカ、志望動機を作成しアドバイスをもらうとよいでしょう。
書類選考を通過したからと言って、そこで思考を停止してはいけません。引き続き準備が必要です。次回は「1次面接は通過するのに2次面接で落ちるのはなぜ?」というお話しをします。非常に効果的な対策法を説明しますので、皆さんお楽しみに。
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