インターネット・動画配信(メディア)業界の現状・今後の動向について

このページのまとめ

  • 動画配信業界は「無料 or 有料」「UGC or プロコンテンツ」で大別される
  • 動画の市場規模は拡大し続け2024年には5000億円近くに達する見通し
  • どのサービスでも、課題は新規ユーザーの獲得

インターネットの高速化、スマートフォン・タブレット端末の普及、若者のテレビ離れなどが進んでいる現代。YouTubeをはじめとした動画共有サイト、各テレビ局が運営する動画配信サイトなどが登場し、インターネットを介した動画視聴はますますの広がりをみせています。ひとりの視聴者としてサービスを利用しているうちに、サービスを提供する、新たな価値を生み出す側に夢を膨らませている方も多いのではないでしょうか。今回は、インターネット・動画配信(メディア)業界の現状や就活する上でのポイントをご紹介します。

本記事の執筆者

山本隆之(やまもと・たかゆき)

GYAO!アニメプロデューサー。Web系広告代理店を経てヤフー株式会社に入社、2011年より株式会社GYAOへ出向。営業戦略、広告営業を経て現職。GYAO!「あだち充特集」などプロデュース。(Twitter:@yamamo69)

 

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インターネット・動画配信業界の業態と収益の仕組み

インターネット・動画配信業界は、収益方法(横軸)とコンテンツ提供元(縦軸)によって、以下のように大別されます。

収益方法は、「無料サービス」「有料サービス」があります。無料サービスの収益源は企業からの広告出稿。無料視聴でユーザーを集め、テレビCMと同じように動画番組を視聴する前後や途中に動画告を配信したり、配信サイトにバナー広告を設置したりします。一方、有料サービスでは、1作品単位、または月額単位でユーザーから直接収益を得ます。

無料サービスでは「GYAO!」や「AbemaTV」、「LINE LIVE」など。有料サービスでは「GYAO!ストア」や「Hulu」、「Netflix」、「Amazonプライムビデオ」など。日常的に使用しているサービス、利用を検討したことがあるサービスがきっとあると思います。

コンテンツ提供元は、「プロコンテンツ」「UGC」に大別されます。プロコンテンツとは、企業によって制作されたコンテンツのこと。映画作品やお笑い番組などが挙げられます。また、UGCとは、「User Generated Contents」の略。企業ではなく、一般ユーザーによって制作されたコンテンツで、InstagramやFacebookなどの「LIVE配信機能」を活用した動画が挙げられます。

 

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インターネット・動画配信業界の主な職種

インターネット・動画配信業界の職種は企業によって異なります。しかし、基本的には以下のように大別されるでしょう。

・サービスをつくる
ユーザーに提供するサービスを企画・制作する職種。配信する動画コンテンツを考えたり、配信するサイトの仕組みを構築したり。肩書きとしては、「ディレクター」「デザイナー」「エンジニア」が当てはまります。

・コンテンツを集める
どの作品を、いつ配信するのかを考える「編成スタッフ」とコンテンツ提供元に交渉する「調達スタッフ」の2つがあります。配信する動画を決定するので、とても大事な仕事です。

・ユーザーを集める
動画を配信しても、観てくれる人がいなければ意味がありません。そこで、広告などを活用して、自社サービスを知ってもらい、集客する「宣伝スタッフ」がいます。ユーザーを増やすだけでなく、ユーザーを留めることも大事な役割です。

・お金を集める
先述したとおり、無料で動画を配信する場合、収益源は企業からの広告出稿となります。そのため、広告主を獲得するための「営業スタッフ」は欠かせません。自社サービスを利用する主なユーザーの性別や年齢、趣味・趣向を把握し、同じようなユーザーに商品を販売したい企業に向けて広告出稿を提案します。

これらの職種は、すべてが相互に作用しています。「編成スタッフ」がコンテンツを集めなければ、「ディレクター」は面白い企画を考えられません。また、「宣伝スタッフ」がユーザーを集客することで、「営業スタッフ」は企業に対して広告出稿を提案できます。それぞれの職種が連携しあうことで、インターネット・動画配信サービスは成り立っているのです。

 

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競争が激化する成長産業

サイバーエージェントオンライン総研の調査によると、若者のテレビ離れが表れているというアンケート結果が出ています。

1.「ノンテレ」 :テレビを持っていない、または1ヵ月以内に視聴なし
2.「超ローテレ」:平日30分未満、かつ休日1時間以下
3.「ローテレ」 :平日1時間以下、かつ休日2時間以下
4.「ミドルテレ」:平日2時間以上、または休日3時間以上
5.「ハイテレ」 :平日3時間以上、かつ休日3時間以上
6.「超ハイテレ」:平日5時間以上、かつ休日5時間以上

出所:サイバーエージェント


また、冒頭でもお伝えした通り、無料・有料問わず、インターネットを通じて動画を楽しむ人は急速に増えています。無料サービスモデルの収益源である動画広告は2018年で1843億円(前年比134%)、2024年には4957億円(2018年比269%)と高い成長が見込まれます。

出所:サイバーエージェント

インターネットの通信環境はさらに高速化し、ユーザーの動画視聴環境は改善され、動画コンテンツはますます拡大されると予想されます。一方で、人気の市場だからこそ、企業間の競争は激化。実際、有料サービスは既に30以上のサービスが展開されており、生き残りをかけて淘汰が始まるでしょう。しかし、成長著しいからこそ、挑戦のしがいがある業界であることは間違いありません。

 

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エンターテイメントを世界に配信しよう!

インターネット・動画配信業界で働く一番の魅力は、インターネットを通じて、エンターテイメントを日本全国や世界に発信できること。また、企業規模や経歴などにあまり左右されず、アイデア次第でユーザーに喜ばれる企画を実現するチャンスもあります。

私自身、アニメプロデュース部門へ異動後、「ヤフー」の検索データなどを活用し、仮設したユーザーニーズをもとに企画提案。インターネットで初めて映像解禁される案件に携わりました。

就職活動をする際には、事前に業界・企業分析を丁寧におこないましょう。インターネット・動画配信業界と一言でいっても、サービスによって収益構造やコンテンツの種類もさまざまです。また、新規ユーザーの獲得は、各サービス共通の課題。ユーザーの視点で喜ばれるサービスを考えて、自分ならではのアイデアを持てば、ほかの学生よりも一歩リードできるかもしれません。

 

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本記事の監修者

淺田真奈(あさだまな)

大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。

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