こんにちは。キャリアチケットのキャリアアドバイザー・樋口です。
先輩就活生が実際に書いたESを添削し、書くうえでのポイントをお伝えするES書き方講座、今回で8回目です。
選考解禁6月を目前に控え、いよいよ就活が本格化してきましたね。新型コロナウイルス感染症の拡大はいったん落ち着いてきましたが、その影響を受けて、選考フローや方法に変更のある企業が出てきています。
前例のない手探りの就活に不安な方も多いかと思いますが、まずはご自身の健康を守りながら、ESの見直しや面接で話す内容の整理、受けている企業・業界の研究を深めるなど、自宅でできる選考の準備を進めていきましょう。
今回添削するESは、学生時代にゼミ活動に注力されたDさんの自己PRです。これからESを作成する方はぜひ参考にしてみてください。すでに自己PRが完成している人も、ポイントがきちんと押さえられているか、再確認してみましょう。
キャリアアドバイザー
樋口 美和子(ひぐち・みわこ)
大学在学中にインターンシップの斡旋団体に所属。卒業後にレバレジーズ株式会社へ入社。入社後はキャリアチケットの立ち上げメンバーとしてキャリアカウンセリングを担当。一人ひとりの気持ちに寄り添い本人の価値観に合った学生のキャリア支援をしています。
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① 「状況判断力」ってどんな力? ESのキモになる言葉は強みを的確な言葉選びをしよう
まず1つ目のポイント、ESのキモになる言葉は強みを的確に伝えられる言葉選びを心がけましょう。自己PRでキモになる言葉は、自分の強みを表現する言葉です。Dさんはご自身の強みを「状況判断力」という言葉でアピールしていますね。「◯◯力」とひと言で自身の強みをまとめられているのはシンプルでわかりやすく、良いポイントです。一方で「状況判断力」がどんな力なのか、十分に説明・定義されずにそのまま最後まで書き進めてしまっています。このままだと、自身が伝えたい強みと、選考官が読んだ際に受ける印象が一致せず、きちんと伝わらない可能性が高まってしまうので改善していきましょう。
Dさんがアピールしている「状況を判断できる力」は、「どういう視点や考えで状況を判断しているのか」という具体的な部分を説明した方が、自身の強みが相手により伝わりやすくなります。例えば、「相手の立場に立って判断をすることができる」や「あらゆるリスクを見据えて判断することができる」「目標や目的を常に意識して何をするべきか判断することができる」などです。
強みを表現する際には言葉に対しての定義付けを行うようにして、アピールしたいことを的確に表現するようにしましょう。
これは、自己PR以外のESでも大切なポイントです。ESに書いた言葉が自身と選考官で解釈が異なると、本当に伝えたいことを伝えられず書類選考で落とされてしまったり、面接の際に認識のすり合わせで時間を取られてしまう可能性が高くなります。
初めて読む人でも一読で自分の伝えたい内容を伝えられるESになるように、ES内で使っている言葉は適切な言葉になっているか入念に確認するようにしましょう。
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② エピソードの内容が強みを証明するものになっているか確認しよう
2つ目のポイントですが、エピソードの内容が強みを証明するものになっているか確認するようにしましょう。DさんのESの要素を分解してみます。
・ ゼミのグループワークで適性を見てグループ分けを行うマネジメントや、プロジェクトの進行管理など責任ある作業を行った
・ トラブルなくできた
・ 次の機会につなげることができた(結果を残せた)
また、今回の場合は、そもそも「状況判断力」があいまいな言葉なので、強みの部分もエピソードをもとに再考してみます。
エピソードを踏まえると、アピールするのは状況判断力ではなく、「現状を把握したうえで、最適な解決策を導き出せる力」などにしたほうが、適切に強みを表現できて、読み手にも伝わりやすくなります。
強みとエピソードに一貫性がある自己PRを作るために、今回の記事で紹介したポイント①と②はセットで留意するようにしましょう。
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③自己PRでは、志望する会社で求められる・活かせる強みをアピールしよう
自己PRを書く際に心がけてほしいのが、志望する会社で求められる強みをアピールするということです。志望する会社の社員に求められる強みや、その会社で仕事をするうえで活かせる能力を自分は持っているということをアピールしましょう。Dさんは営業職を志望している学生さんでした。営業職で活躍する人材の特徴の1つに、「目標を高く設定し、達成するために主体性を持って自ら能動的に動ける」という点が挙げられます。ESに書いてあるゼミ活動でのエピソードを踏まえると、「目標を達成するために周囲を巻き込んでプロジェクトを推進できる」などが自分の強みを表す1つの軸として使えるかと思います。
このように自己PRを考える際は、志望する会社で求められる・活かせる強みをアピールできるものになるように考えるようにしましょう。
就活で行うべき自己分析は、就活の進捗段階別に2種類あります。
第1ステップが、モチベーショングラフを書くなどをして、自分の価値観や性格など自分自身に徹底的に向き合う自己分析。この自己分析は就活の初期に行い、自分自身を理解することで、自分に合う業種や働き方などを明確にする役割があります。
ある程度自分と向き合う自己分析ができたら、第2ステップの自己分析に入ります。第2ステップの自己分析では、企業が求めている人物像や職種ごとで必要とされる能力と、照らし合わせながら、自分のアピールポイントを志望する企業に合わせてカスタマイズしていきましょう。
ESを書くタイミングは、第2ステップの自己分析も完了したあとです。
第1ステップの自己分析をせずに、第2ステップの自己分析に取り組んでしまうと、自分自身のことを言語化できないままESを作成してしまうことになるため、内容が浅くなってしまいます。アピールする内容が薄くなってしまう要因になるので要注意です。
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プロが教えるポイントを意識して、修正してみると……?
今回ご紹介した3つのポイントを踏まえて、修正をしたESがこちらです。
まず構成ですが、この講座ではおなじみの「結論→背景→エピソード→結果」という流れで構成しています。大きく修正したのはエピソード部分。ゼミ生の適性を判断しながら、適切な人数配分でグループ分けを行なった部分について深掘りしました。
強みについても、「目標を達成するために、現状を把握したうえで最適な解決策を導き出せる力」に変更したことで、エピソードが強みを証明するものになり、全体に一貫性が生まれたと思います。
本日紹介した「段階によって変わる2種類の自己分析」など、記事内で紹介しきれていない就活ノウハウがまだまだあります。もちろんES添削も行っておりますので、就活でお困りの方はいつでもキャリアチケットへご連絡ください。就職活動を全力でサポートいたします。
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