今すぐ実行できる!自分を深く知るための自己分析法

就活に取り組むにはまず自己分析をした方が良いとは分かっているけど、どうやったら良いのかが分からない方はたくさんいるでしょう。Web上の自己分析ツールを活用している人もいると思いますが、それでも結果を有効に使えていない人も。今回は就活で役立つ具体的な自己分析法をお伝えします。まずは就活用のノート1冊と筆記用具を用意してください。

 
この記事の執筆者
松岡 澄江(まつおか・すみえ)
キャリアコンサルタント。株式会社キャリアポート代表取締役。のべ2000人以上の就活生の相談や就活実践講座、キャリアデザイン講座などを実施しながら就活を支援してきた。就活生から働くひとまで、キャリアカウンセリングや授業・研修を通して自分らしい人生のためのキャリアを考える機会を提供している。著書『自分らしい人生のための働き方・生き方』(セルバ出版)。
 

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自分史を作ってみよう


最初に取り組んでもらいたいことは、自分史づくりです。なぜ自分史をつくるのか?というと、就活では面接などの質問で「これまでの人生」を聞かれることが多いからです。

面接で自分の過去を語れるように約20年の人生を棚卸します。できる限り詳細に思い出してもらいたいので、以下の項目について家族に聞いたりしながら埋めていってください。

1.出来事(経験)
2.当時の年齢(学校)
3.そのときの気持ち(または学んだこと・得たこと)

運動会や修学旅行といった大きなイベントだけでなく、日常的な出来事でも思い出せるだけ思い出しましょう。

ある就活生は、自分史の作成中に母親に「小学生のときどんなことがあった?」と聞いたところ、「小学4年生のときに、水族館のイラストコンテストでチンアナゴを描いて『ユーモア賞』をもらったよね、普通の子ならイルカとかアシカとか人気者を描くのに昔から変わった視点を持っていたね」と教えてもらったそうです。その後彼は、このエピソードを活かして「人と違う視点を持つことができる」という強みをアピールして内定に結び付けていきました。

子どものころの出来事には忘れていることもたくさんあると思います。しかし、自分の強みはこれまで生きてきた中にしかありません。できるだけ詳細な自分史を作ってみましょう! 選考では「これまでの人生で一番感動したことは?」「一番印象に残っている出来事は?」などの質問が飛んできます。過去を棚卸ししていくことで質問に対応できるエピソードをしっかり伝えられるようになりますよ。
 

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好きなこと・嫌いなことを書き出そう




次に取り組んでもらいたいのが、「好きなこと・嫌いなこと」「得意なこと・苦手なこと」です。とにかくキーワードでいいのでたくさん書き出しましょう。食べ物、マンガ、音楽、洋服、文房具、靴、スポーツ、遊びなどなど、ジャンルはなんでもOKです。

好きなこと(嫌いなこと)が書き出せたら、キーワードの横に、その理由(なぜ好きなのか、もしくは嫌いなのか)を書き添えていきます。理由は全部埋まらなくてもOKですが、なるべく考えて書いてみてください。

学生にどうして好きなの?と聞くと「なんとなく」という言葉が返ってくることが多いのですが、その「なんとなく」が言語化できると自分の興味関心の傾向が見えてきます。ここが企業を選ぶ際の軸になっていくこともあります。

ある学生はアイスクリームがとにかく好き!ということで、徹底的にアイスのメーカーを受けていました。その次は車、その次は……と、自分が好きなものに関われる企業を探していき、結果自動車部品メーカーに就職していきました。

インテリアが大好きだった学生は、最初はインテリアショップを運営する会社からエントリーし、最後は不動産会社の賃貸営業に就職しました。インテリアも好きだけど、なにより間取り図を見るのが好きだと気づいたのだそうです。

スポーツ経験が長かった学生は、とにかくじっとしているのは嫌いだと言いました。「常に動きのある仕事って何なんだろう?」と、一緒に企業を考えたこともあります。早起きが得意だという学生は、市場関係の仕事にエントリーしていました。

好きなこと、得意なこと、できることがわかってくると、自分の就活の方向性を考えていくことができます。就職してからも、その興味関心は仕事を助けてくれると思いますよ。
 

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Web上の自己分析ツールを深く掘り下げる


自己分析のために就活サイトなどにある自己分析ツールや適性検査を受ける人も多いと思いますが、受けて終わりになっていませんか? 「適性検査で〇〇が強みだと出たのでそれで自己PRを書きます」という学生もいますが、なかなかうまく書けないのが実情です。こういったツールや検査で出た結果は、自分でさらに深く掘り下げてみましょう。

たとえば、「主体性がある」「論理的な思考ができる」「社交的である」などの結果がでたのであれば、自分史で棚卸ししたエピソードからその結果に結びついた理由を深掘りしてみましょう。就活ではエントリーシートや面接で「具体的なエピソード」を求められます。強みにつながる自分のエピソードを語ることが、相手に納得感を与える唯一の方法です。
 

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何のために働くのか?を考えてみよう


就活を前に考えておきたいのが「何のために働くのか?」です。就活生の多くは「お金のため」と答えます。もちろん社会人となり自立した生活をするためには収入が必要です。ただ、お金のためだけならば、仕事を選ばず高給が得られる職につくことでその目的は満たされるはずです。

そこで、一度お金以外で「働く目的」を考えてみてください。

「自分の成長のため」
「人の役に立ちたいから」
「誰かを笑顔にしたいから」
「有名になりたいから」
「世界を旅したいから」

一人ひとり聞いていくと、いろんな「働く目的」が出てきます。そこにも個性が現れてきます。今の時点で自分が思う「働く目的」を書き出してみましょう。

自己分析は一度やればそれで終わりというものではありません。就活中に何度もこの自己分析ノートを見返したり、書き加えたりしながらどんどん分析を深めて、企業と自分のマッチングを探っていきましょう。

 

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