「困難を乗り越えた経験」の書き方とは?回答のポイントを例文つきで解説

このページのまとめ

  • 「困難を乗り越えた経験」から、目標に向かって努力できるか分かる
  • 「困難を乗り越えた経験」は、人となりや思考プロセスの判断材料になる
  • 「困難を乗り越えた経験」といっても、特別な体験である必要はない
  • 「熱中した体験」から「困難を乗り越えた経験」が見つかる可能性が高い
  • 身内の不幸など自分の能力に関わらない困難は、書かないほうが無難

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ESで、「困難を乗り越えた経験」を聞かれた就活生は多いのではないでしょうか?
困難のレベルが分からなかったり、思い当たる経験がなかったりすると、どう答えて良いか困りますよね。
企業側は、質問に対する答えから、就活生の人となりを判断します。単なる苦労話ではマイナスイメージなので、書き方を工夫して好印象を与えましょう。
このコラムでは、質問の意図や回答のポイントを例文つきで解説するので、ご参考ください。

 

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企業側が「困難を乗り越えた経験」を聞く意図

企業側は、就活生を深く理解するため、「困難を乗り越えた経験」を聞いています。
下記で、質問の意図を確認しておきましょう。

目標に向かって努力できるか知るため

企業側は、「困難を乗り越えた経験」から、目標に向かって努力できる人間か確認しています。
目標を掲げ努力する姿勢は、業種や職種を問わず、多くの職場で求められます。
主体的にチャレンジした経験を伝えれば、採用担当者から高評価を貰えるでしょう。

困難にぶつかったときの対処法を確認するため

企業側は、「困難を乗り越えた経験」から、就活生の人となりや思考プロセスを確認しています。
問題にぶつかったときの対処法は、逃避するか、立ち向かうか人それぞれです。
企業側は、困難の乗り越え方を通して、組織の中でどのように考え動ける人物なのか、チェックしているといえるでしょう。

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「困難を乗り越えた経験」は特別な体験でなくても良い

困難はエピソードの珍しさよりも、「どう取り組んだか」が大事なので、特別な経験を書く必要はありません。
すごさや珍しさにこだわるとエピソード自体が見つからないので、先入観を捨てて過去を振り返りましょう。過去に落ち込んだことや、モチベーションが下がったことに注目するのがおすすめ。
落ち込んだときにどういう行動をしたか、結果としてどうなったのか洗い出し、自分ならではのエピソードを見つけてください。

 

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「熱中したこと」を振り返るのもおすすめ

「困難を乗り越えた経験」がない人は、「挫折体験」ではなく「熱中したこと」に注目するのもおすすめ。
そもそも困難とは、達成したい目的があるとき、目標に向かう過程で起きるもの。なにかに熱中した経験や努力した体験を振り返ると、エピソードが見つかりやすくなります。
成功体験の裏にも、失敗や困難はあったはず。
時系列で振り返り、ひとつ1つのエピソードを丁寧にピックアップしましょう。

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「困難を乗り越えた経験」の基本的な書き方

どんなに素敵なエピソードでも、相手に伝わるような構成でなければ、高評価にはつながりません。
順序立てて分かりやすく伝えられることは、ロジカルな思考力や表現力のアピールにもなります。
下記で、基本的な書き方を確認しておきましょう。

1.エピソードの概要

はじめに、どのような体験かを端的に書きます。
「サッカー部で県大会を控えていたが、ケガで出場できなくなったこと」のように書き出すと、
話の要点が分かりやすくなります。

2.状況と起きた問題

どのような状況下で起きた問題なのか、具体的に説明します。
困難な状況をどう受け止め、気持ちを切り替えたかを書くのがポイントです。

3.困難克服のための行動と結果

現状を打開するためにとった行動を説明します。
抽象的な表現は避け、具体的な説明を心がけるのが重要。努力の成果が数字で分かるときは積極的に使い、説得力をもたせましょう。

4.経験から学んだこと

困難を通して何を学び、どう成長したか結果を書きます。
困難を乗り越えた経験は、自分の強みにつながる要素の1つです。学んだことをどう仕事に活かすか意気込みを書き、仕事への熱意を伝えましょう。
単なる不幸話に終わらせず、ポジティブに締めるのがポイントです。

 

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避けたほうが良い「困難を乗り越えた経験」

「困難を乗り越えた経験」は、エピソードによってはマイナスイメージになるので注意が必要です。
下記で、避けた方が良いエピソードを確認しておきましょう。

身内の不幸話

採用担当者が反応に困るので、身内の不幸話を書くのは避けたほうが無難です。
「困難にぶつかった経験」は、「自分の能力不足が招いた事態」を書きましょう。家族の不幸は自分の能力とは無関係で、コントロールできません。
自分が遭った困難をもう一度洗い出し、的確なエピソードを見つけてください。

レベルが低い困難

困難のレベルが低いエピソードは、就活で使うのはおすすめできません。
「アルバイトの仕事が覚えられず店長に怒られた」「朝が苦手で大事なゼミの発表に遅刻した」
といった困難は、そもそもの能力の低さを感じさせます。
かえって印象を下げる恐れがあるので、熱心に取り組んで失敗した経験がないか考えましょう。

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体験別!「困難を乗り越えた経験」6つの例文

困難を乗り越えた経験は、アルバイトやサークル、ゼミなど人によってさまざまでしょう。
下記で体験別の例文を確認し、ES作成時の参考にしてください。

1.アルバイト編

飲食店のアルバイトで、新人スタッフの教育を任されたことです。
業務を早く覚えてもらいたいと焦るあまり、厳しく指導してしまい、2名のスタッフが早期退職してしまいました。
一方的に説明し、事務的な対応をしていた自分を深く反省しました。
厳しいだけではモチベーションは上がらないと思い、業務の説明だけでなく、楽しさも伝わるよう心がけました。初めての新人教育で緊張していることも正直に伝え、心を開いたコミュニケーションを意識しました。
結果、職場の雰囲気は明るくなり、7人の新人スタッフを一人前になるまで担当できました。
貴社でも、心が通じるコミュニケーションを心がけ、お客様との信頼関係を築いていきたいです。

2.部活編

全国大会出場を目指していた野球部で、スタメンに入れなかったことです。
大会を目指して練習してきましたが、ほかの部員に実力が叶いませんでした。
当時は劣等感に打ちひしがれ、スタメン入りした部員を素直に祝福できませんでした。
しかし、大会に出場できないなら、選手を支える裏方として活躍しようと決意。
調子の悪い部員の話を聞き、原因を考え、新しいメニューを考案してサポートに努めました。
結果、チームは準優勝という成果を出せました。
この経験から、視点を変えて目標を目指し、努力する重要さを学びました。
貴社でも、社員が力を発揮できるようサポートに努め、人事として活躍していきたいです。

3.サークル編

学生生活最大の困難は、ダンスサークルにメンバーが集まらず、廃部の危機にあったことです。
新規のメンバーを集めるには、ダンスサークルの存在を知ってもらう必要があると考えました。
そこで、学内で毎日ダンスを披露したり、地域のイベントに参加したりして、見てもらう機会を増やしました。
結果として、イベントを観た学生が7人入部し、廃部の危機は回避できました。
この経験から、積極的に行動を起こせば壁も乗り越えられると学びました。
貴社に入社した暁には、魅力的なサービスを広く知ってもらえるよう、広報として発信していきたいです。

4.留学編

英語力が足りず、大学1年次の交換留学選考に落選したことです。
悔しく思いましたが、日本にいながらでも英語力は磨けると思い勉強を決意。
平日の夜間は語学学校に通い、休日は外国人観光客が多い飲食店でアルバイトし、英語漬けの日々を送りました。
学内の留学生との交流イベントに参加し、ネイティブの学生と交流したことも英語力アップにつながりました。
結果として、1年次には600点だったTOEICが890点に達し、日常会話を英語で話せるようになりました。
この経験から、手段に拘らず、柔軟に取り組む大切さを学びました。
貴社でも、王道の旅行プランに捉われず、日本の魅力を伝えるためにフレキシブルな提案をしていきたいです。

5.ゼミ編

社会学のゼミで課題が見つからず、苦労したことです。
ゼミでは、自分で課題を見つけ1年かけて調査し、答えを発表する必要がありました。
ほかの学生が高度な課題を見つけるなか、何も見つからない自分を恥ずかしく思いました。
そんなとき、無理に難しく考えず、純粋に知りたいことを調べようと考えました。
私は「理系学生と文系学生の恋愛の違い」を課題とし、学生を対象にフィールドワークを実施しました。
足を使って聞き取りに回り、500人を越える学生から解答を得られました。
結果として、新規性が高いと評価され、その年のゼミの発表で1位を受賞しました。
貴社でも、既存の枠に捉われず柔軟に発想し、新しいサービスの開発に貢献したいです。

6.大学受験編

大学の推薦入試で不合格だったことです。
自分は受かると慢心していたため、これからどうすれば良いか分からず途方にくれました。
同級生は受験勉強に邁進し、学力の差は開くばかりでした。
努力して追いつくと決め、同級生より遅れて高校3年の11月から受験勉強をスタートしました。
休日は12時間、平日は5時間勉強し、苦手な分野を重点的に解くことに努めました。模試を受けたらその日のうちに解きなおし、間違えた場所の解答プロセスを学ぶことで、苦手分野を克服できました。
結果として、推薦入試で落ちた〇〇大学に、一般入試で合格できました。
貴社でも、他力本願ではなく自分の力を信じ、問題解決のために努力していきたいです。

 

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本記事の監修者

淺田真奈(あさだまな)

大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。

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