金融業界の志望動機の書き方は?例文や面接で伝えるコツも解説

このページのまとめ

  • 金融業界の志望動機を考える前に、業界研究や企業研究が大事
  • 金融業界の志望動機では、「なぜその企業なのか」を明確に伝える
  • 金融業界の志望動機に多い「経済を動かしたい」は、ほかの業界でもできるので注意

「金融業界の志望動機はどのように書くの?」「どんな内容を書けば選考を通過できる?」などと悩む就活生もいるでしょう。金融業界には、「銀行」や「証券会社」、「保険」など複数の業種があるので、まずはそれぞれの違いを理解することが大切です。

この記事では、金融業界の志望動機の書き方や構成、例文を解説します。最後まで読めば、選考を通過できる志望動機を作れるようになるはずです。

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目 次

志望動機作成前に覚えておきたい金融業界の特徴

志望動機を作成する前に、金融業界の特徴を知っておきましょう。ここでは、金融業界に属する企業の種類を紹介します。

銀行

銀行は、顧客から預かったお金を資金にして、別の顧客に貸し出す事業を行っています。顧客に貸し出す際の金利で、利益を得るビジネスモデルです。

銀行にも種類があり、次の4つに分類できます。

・メガバンク(都市銀行)
・地方銀行
・信託銀行
・信用金庫

それぞれ規模や地域での立ち位置が異なるので、志望動機を考える前に違いを把握しておきましょう。

メガバンク(都市銀行)

メガバンクは規模が大きく、全国展開を行う企業も多い銀行です。資金力が大きく、大企業や上場企業への融資も事業として行っています。

知名度も高く、就活生からも人気を集める傾向にあるのが特徴。選考で求められるレベルも高いので、企業研究を入念に行い、独自性のある志望動機を考えるのがポイントです。

地方銀行

地方銀行は、地域に根差したサービスや営業を行う銀行を指します。地方の企業や不動産などと連携し、地域経済を支えています。

業務内容は、都市銀行との大きな違いはありません。対象が大企業ではなく、地域の企業や個人事業主などになる点を意識しておきましょう。

地方銀行の志望動機では、「なぜこの地域なのか」「地域をどのように支えていきたいのか」などを伝えるのがポイントです。

信託銀行

信託銀行は通常の銀行業務に加えて、「信託業務」と「併営業務」を行う銀行です。

信託業務:個人や企業の財産を管理し、資産運用を行う業務
併営業務:相続関連や証券代行、不動産売買の仲介などを行う業務

特に、相続関連などを行う併営業務は信託銀行のみに認められた業務です。併営業務に興味がある場合は、信託銀行を志望するとよいでしょう。

信用金庫

信用金庫は、地域の人々が会員となり、地域の繁栄を目的にする協同組織です。主な取引先は、地域の中小企業や個人。

銀行と違う点は、非営利法人であり、信用金庫の利益ではなく地域経済の利益が優先される点です。営業地域も限定されており、預かった資金はその地域の発展のために使われる点も特徴といえます。

信用金庫と銀行の違いについては「信用金庫と銀行の違いとは?共通点や事業規模をご紹介」の記事で詳しく解説しているので、あわせて参考にしてみてください。

保険会社

保険会社は、人に対する損失を補償する「生命保険」と、物に対する損失を補償する損害保険に分けられます。どちらも保険料から利益を得るビジネスモデルです。

保険会社を志望する場合は、「なぜ生命保険なのか」「なぜ損害保険なのか」がポイント。それぞれの特徴を知り、選んだ理由を具体的に説明できるように準備しておきましょう。

証券会社

証券会社は、株式売買の仲介を行う企業です。株式を発行する企業と、株式を売買する投資家の仲介を行い、その手数料で利益を得るビジネスモデルを行っています。

証券会社については、「証券会社に就職したい方必見!仕事内容や内定をもらうためのコツをご紹介」も参考にしてください。

クレジットカード会社

買い物で使えるクレジットカードを扱う会社も、金融業界に含まれます。経済産業省の「2022年のキャッシュレス決済比率を算出しました」によると、2022年度のクレジットカードの利用額は93.8兆円。2010年度から2022年度まで、右肩上がりで成長しています。

我が国のキャッシュレス決済額及び比率の推移(2022年)のイメージ

引用:「2022年のキャッシュレス決済比率を算出しました

キャッシュレス決済が普及し始めていることもあり、クレジットカード業界の成長は今後も期待されます。志望動機では、業界の動向も含めて、自分がどのように貢献できるかをアピールするのがポイントになるでしょう。

参照元
経済産業省
2023年度4月一覧

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金融業界の志望動機を書く際の構成

金融業界の志望動機を考える際は、「志望理由」「企業を選んだ理由」「貢献方法」の3つが大切です。ここでは、志望動機の構成について解説します。

1.金融業界を志望する理由

まずはなぜ金融業界を選んだのか、志望理由から伝えましょう。結論から伝えることで、志望理由が分かりやすく伝わります。

たとえば、「私は△△の理由で金融業界を志望しています」のように伝えましょう。また、金融業界には複数の業界があるなかで、なぜ志望業界なのかも伝えてください。「△△を実現したいので、銀行を志望しています」のように伝えてみましょう。

2.金融業界のなかでも志望企業を選んだ理由

次に、金融業界には多くの企業があるなかで、なぜ志望企業なのかを伝えます。同業他社との比較を行い、違いを伝えるようにしましょう。

たとえば、「銀行業界のなかでも、△△に取り組んでいるのは貴社だけだったので志望しました」と伝えれば、企業研究を行っていることがよく分かります。どの企業でも実現できる内容では、印象に残らない志望動機になるので気をつけてください。

3.志望企業で自分がどのように活躍できるか

最後に、志望企業で自分が将来どのように活躍できるか、具体的なビジョンを示しましょう。面接官は、就活生の意欲だけではなく、「入社した場合に活躍できるのか」を考えているからです。

ビジョンを示す際も、志望企業で実現できる内容を考えましょう。志望企業の方針に沿ったビジョンを伝えれば、自社で活躍できそうだと評価してもらえます。

志望動機の構成については、「志望動機を履歴書(新卒用)に書く方法!魅力の伝え方も例文つきで紹介」の記事も参考にしてください。志望動機を分かりやすく伝えるための書き方はどの業界でも変わらないので、基本をしっかりと学んでおきましょう。

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金融業界の志望動機で求められる人材

金融業界の志望動機では、コミュニケーション能力や正確性などが評価されます。どのような強みが評価されるかを知り、志望動機や自己PRに交えてアピールしましょう。

ここでは、金融業界の志望動機で求められる人材の例を4つ紹介します。

コミュニケーション能力が高い

お金を扱う仕事であるため、お客さまの信頼を得られるコミュニケーション能力が必要です。信頼を得られなければ、お金を預かることや、商品を利用してもらうことはできません。

また、お客さまのニーズを理解し、最適な提案をするためにもコミュニケーション能力が求められます。話す能力はもちろん、聞く能力も含めて強みを持つことをアピールしましょう。

コミュニケーション能力をアピールするコツについては、「「話す」だけがコミュニケーションじゃない。自分の強みが伝わる自己PRを作ろう」の記事も参考にしてください。

真面目で正確性がある

金融業界は金額のミスが許されない仕事を行う場面が多く、真面目さや正確さが評価されます。お金の計算はもちろん、契約書や請求書の作成、お客さまへの送金など、一つひとつの業務で正確性が大事です。

また、間違いやミスを起こさないためには、真面目さもポイントに。忙しいときや疲れたときでも手を抜かず、お客さまのために仕事を行う姿勢が評価されるのです。

論理的思考ができる

ミスや間違いを防ぐために、論理的思考で考えられる能力も求められます。感情で動くのではなく、論理的に判断することで失敗を防げるケースもあるからです。

また、お客さまにサービスや商品を利用してもらうために、論理的な説明が必要になる場合もあります。筋道を立てて分かりやすく説明できる、論理的思考が大切です。

情報収集力が高い

経済や社会の動向など、新しい情報を自分から入手できる能力も必要です。情報が古いことで適切な説明ができなかったり、資産運用で失敗してしまったりするケースも考えられます。

誰かに教えてもらうのではなく、自分から積極的に行動できる姿勢をアピールしましょう。情報収集力はもちろん、積極性や行動力もあわせて伝えられます。

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金融業界の志望動機で避けたい内容

金融業界の志望動機では、待遇面を理由にするのは避けましょう。志望意欲が感じられず、マイナスに評価される可能性もあります。

ここでは、金融業界の志望動機で避けたい内容を3つまとめました。

給与や福利厚生が良いから

給与や福利厚生など、待遇面を志望動機にするのはやめましょう。「仕事への意欲が低い」「条件面しか見ていない」などと思われてしまうからです。

仕事への意欲が低い就活生とは、「一緒に働きたい」とは思ってもらえないでしょう。また、「採用しても、条件がよい別の企業に行くかもしれない」とマイナスイメージにもなるので、条件面を理由にするのは避けることをおすすめします。

数字への強さを活かせるから

計算など数字への強さをアピールしても、評価されない場合があります。実際の計算はパソコンなどの機械を使う場合が多く、計算ができるだけでは評価されません。

もし、数字への強さをアピールしたいのであれば、財務諸表の分析のように実務的な内容が必要です。「計算が早い」「データや表を読める」だけでは、志望動機として厳しいので気をつけてください。

経済を動かしたいから

「経済を動かしたい」だけでは、ほかの業界でもできると思われるので避けたほうがよいでしょう。経済活動に関連するのは金融業界だけではありません。

たとえば、億単位の商談を扱う商社でも経済を動かしているといえます。経済を動かしたいとアピールするのであれば、「どの業務で」「どのように」経済を動かしたいのか、金融業界ならではの理由付けが必要です。

志望動機でNGの内容については、「志望動機のNGワード使っていない?ダメな例文と改善例を解説」の記事でも解説しています。評価を下げないように、志望動機の作成前に確認しておきましょう。

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金融業界の志望動機の例文

ここでは、金融業界の具体的な志望動機を紹介します。業界ごとに3つのパターンを紹介しているので、志望する業界にあわせて参考にしてください。

銀行の志望動機の例文

私は経済的な面から企業を支援することで、地域経済を活性化させたいと考え銀行を志望いたしました。

銀行のなかでも貴社に魅力を感じたのは、融資のスピードです。貴社は金融ニーズへの素早い対応を経営のモットーとされており、そのスピード感が顧客との信頼関係にもつながっています。

顧客第一のサービスで企業との強い関係性を築き、地域経済の活性化に貢献できるのは貴社だからこそと考え、志望させていただきました。

生命保険会社の志望動機の例文

私が貴社を志望したのは、保険を通して人々の安心できる暮らしを守りたいと思ったからです。

私が中学生のころに父が前立腺がんを患い、病気が発覚した当時は大変不安に感じました。しかし、保険に入っていたためにお金の心配をせずに治療を受けられ、退院後は少しずつ日常生活に戻ることができました。私はその経験から、保険は家族を守るものと強く実感しています。

生命保険会社のなかでも貴社を志望したのは、貴社が多種多用な商品を展開し、多くのお客さまのニーズに応えているからです。また、お客さまを第一に考えるという理念に共感し、私も誰かの安心を支えたいと考え貴社を志望いたしました。

生命保険会社の志望動機については、「生命保険会社の志望動機を作るにはどうする?ポイントや例文を解説!」の記事も参考にしてください。

証券会社の志望動機の例文

私が証券会社を志望するのは、お客さまと一から関係を築き、信頼をベースに形のない商品を提案する営業に憧れたからです。また、その結果が数字で現れることにも魅了を感じました。

数ある証券会社のなかでも貴社を志望したのは、説明会で社員の方々の業務に対する姿勢や今後の目標をお聞きし、高い志に刺激を受けたためです。

私は小学校からサッカー部に所属し憧れの先輩を目指しながら練習を続けていたため、向上心あふれる先輩方に囲まれた環境こそが、自分が一番成長できる場所であると考えています。

また、貴社には海外研修の公募制度をはじめとするさまざまなチャンスがあるため、若手のうちから実力を発揮できると感じた点も志望理由の一つです。

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金融業界の志望動機のNG例文

ここでは、金融業界の志望動機のNG例文を紹介します。3つのNG理由をもとに紹介しているので、参考にしてみてください。

ほかの業界でも使える内容

私はお客さまと接する仕事がしたいと思い、貴社を志望しました。窓口業務では毎日さまざまなお客さまが来店し、対応することができます。お客さまのニーズにあわせて商品紹介を行いたいと思います。

ほかの業界でも実現できる内容は、志望動機で評価されません。金融業界だけではなく、どの業界でもよいと判断されるからです。
たとえば、「お客さまと接する仕事」ができるのは、金融業界だけではありません。接客業であればどの企業でもできてしまうので、志望動機としては評価されにくくなります。

評価されるためには、ほかの業界ではできないことを考え志望動機に盛り込むことが大切です。

ほかの企業にもあてはまる内容

私は融資を行うことで企業の経営を支えたいと思い、貴社を志望いたしました。持ち前のコミュニケーション能力を発揮して、企業にごとにあわせた提案を行いたいと思います。

同業他社と比較し、ほかの企業ではできない志望動機になっているか見直してみましょう。たとえば、「融資で企業の経営を支えたい」であれば、都市銀行でも地方銀行でも実現できてしまいます。

志望動機で評価されたいのであれば、「ほかの企業ではなく、志望企業を選んだ理由」を明確にすることが大切です。企業研究を行い、同業他社との違いを見つけてから志望動機を考えましょう。

給与や福利厚生などの待遇に関する内容

私が貴社を志望するのは、他社よりも給与が良かったからです。給与が高ければモチベーションも上がると思い、貴社を選びました。また、福利厚生も充実しているので、安心して勤務できると感じています。

待遇面を志望動機にしてしまうと、仕事への意欲が感じられません。面接官からすると、採用するメリットが思いつかないので気をつけましょう。

志望動機では、「採用したい」と思われるように、入社意欲や活躍できるビジョンを伝えるのがポイントです。

志望動機で給料などの待遇に触れるのが良くない理由は「志望動機で給料に触れるのはNG?伝え方のコツや例文を解説」の記事で解説しているので、あわせて参考にしてください。

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金融業界の志望動機を面接で伝える場合のコツ

志望動機は書類選考だけではなく、面接でも伝えます。履歴書やエントリーシートの文章をそのまま読むだけでは、評価につながりにくいでしょう。

ここでは、志望動機を面接で伝える際のコツを解説します。

結論から簡潔に答える

面接で質問に答えるときは、結論から伝えましょう。どのような内容について話すのかを先に伝えると、そのあとの内容を理解してもらいやすくなるからです。

結論が後回しになると、伝えたい内容が分かりにくくなってしまいます。「結論」「理由」の順番で伝えたほうがよいのは面接でも書類でも同じなので、覚えておきましょう。

表情や動作で熱意を示す

表情や動作などを使い、熱意を伝えるのもポイントです。どの部分を印象に残すべきか考え、伝え方を練習しておきましょう。

たとえば、より伝えたい内容は声を少し大きくしたり、身振り手振りで伝えたりするのがポイントです。履歴書の内容を暗記して読んでいるだけでは、入社したい熱意は伝わらないので気をつけてください。

ゆっくりと大きな声で話す

内容が伝わるように、ゆっくりと大きな声で話すことも大切です。面接では緊張してしまい、早口になってしまうことがよくあります。

自分が思っている以上にゆっくりと話し、内容が伝わるように工夫してみてください。また、大きな声のほうが思いや熱意が伝わりやすいので、普段話すよりも大きめにするのがおすすめです。

質問を受けそうな内容を想定しておく

志望動機の深掘りに対応できるように、質問を受けそうな箇所を考えておきましょう。質問に対して答えられないと、「うわべだけの志望動機になっている」「企業研究をしていない」などと思われる可能性があります。

たとえば、「志望理由は△△とおっしゃっていましたが、なぜそのように感じたのですか」のように深掘りされることを想定して、回答を作っておきましょう。

面接で志望動機を伝えるコツには、「志望動機を面接でうまく伝えたい!ポイントを例文付きで解説」の記事で詳しく解説しています。

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金融業界の志望動機をどのように作るか悩んでいるあなたへ

金融業界の志望動機の書き方や内容など、何を書けばよいか迷う就活生も多いでしょう。志望動機を書く際は業界研究や企業研究を行い、「なぜ志望企業を選んだのか」を明確にすることが大切です。

もし、「考えてみたけど志望動機が思いつかない」「うまく文章にできない」などと悩む場合は、キャリアチケットに相談してください。就活エージェントのキャリアチケットでは、就活生一人ひとりの悩みにあわせて、マンツーマンでサポートを実施しています。

志望動機の書き方はもちろん、自己分析や企業研究など志望動機作成の準備からサポート。すでに志望動機を作った方に向けて、添削も行っています。

就活生に人気のある金融業界の選考で評価されるには、ほかの就活生よりも目立ったアピールが大切です。就活のプロであるキャリアチケットと一緒に、内定獲得を目指しましょう。

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本記事の監修者

淺田真奈(あさだまな)

大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。

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