「話す」だけがコミュニケーションじゃない。自分の強みが伝わる自己PRを作ろう

自己PRで多いのが「コミュニケーション力があります」というフレーズです。コミュニケーション力があるというアピールは悪くはないのですが、コミュニケーションという範囲が広すぎて少し漠然としてしまいます。


せっかくのアピールならば、コミュニケーションでも特にどんな力があるのか、ぜひ具体的に表現してみましょう。
 
この記事の執筆者
松岡 澄江(まつおか・すみえ)

キャリアコンサルタント。株式会社キャリアポート代表取締役。のべ2000人以上の就活生の相談や就活実践講座、キャリアデザイン講座などを実施しながら就活を支援してきた。就活生から働くひとまで、キャリアカウンセリングや授業・研修を通して自分らしい人生のためのキャリアを考える機会を提供している。著書『自分らしい人生のための働き方・生き方』(セルバ出版)。
 

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コミュニケーションって何だろう?


学生の多くは、友達と仲良くできることをコミュニケーション力(コミュ力)が高いと言っているケースがとても多いです。

デジタル大辞泉によれば、「コミュニケーション」とは、「社会生活を営む人間が互いに意思や感情、思考を伝達し合うこと。言語・文字・身振りなどを媒介として行われる」とあります。

コミュニケーションは自分以外の他者に対して気持ちや自分の考えを伝えることなので、必ず相手がいます。言葉や文字だけでなく、身体全体でも思いを伝えあうとなると、とても範囲が広いですよね。

さらに、同じ年代でコミュニケーションをとれることが、仕事の上でも有効だとは言いがたいというのが大人の見方。自分なりのコミュニケーションを具体的に伝えていかないと、本当の意味での強みとは受け取ってもらえない可能性があります。
 

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伝えることがうまいのか?受け取ることがうまいのか?


一口に「コミュニケーション力が高い」といっても、いろんなタイプがいます。そのためコミュニケーションを強みにするなら、どんなことが得意なのかを考えてみましょう。

たとえば、ある学生はプレゼンテーションの場で何かを伝えるときにコミュニケーション力を発揮しているといいます。その学生は、表情や言葉の強弱の付け方など「伝え方」に強みがあるといえます。

また「友達からよく相談を受ける」という学生は、コミュニケーションの中でも聴く力があるといえるでしょう。あまり多く語るタイプでもないけど常に笑顔で雰囲気がやわらかく、人と壁をつくらないことで他者とのいい関係をつくっている、という学生もいるのです。

「コミュニケーション力の中でも、〇〇に自信があります」といった表現で自己PRを書いてみると、その後に続くエピソードにつながりやすくなりますね。
 

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強みを裏付けるエピソードはより具体的に


そしてその強みは、どんなシーンで発揮しているのか?が分かるエピソードをより具体的に表現してみてください。

「具体的に」というと、一生懸命そのエピソードの背景を語る人がいますが、正直いうと背景はあまり必要ありません。

私がよく学生に伝えるのは、「あなたの経験したことを面接官が聞いたとき、そのシーンが思い浮かぶぐらいの具体性が大切」ということです。

たとえば、部活でチームのためにコミュニケーション力を発揮したエピソードを例に考えてみましょう。以下のAとBはどちらも同じ部活の話ですが、どちらがイメージしやすいですか?

A「創部から25年も続く伝統のあるテニス部では200人の部員がいて、その中でも一番テニス経験が多い学生が中心となって運営しています。初心者は部員の60%にも昇るため、初心者でも参加しやすい雰囲気づくりを心がけ、コミュニケーション力を発揮しています」

B「所属しているテニス部では初心者も多いため、参加しやすいように私たち上級生や経験者から積極的に声をかけています。練習のときには『OK』『いいね』など、私たちから声をかけること、できたら褒めることで自信にもつながり普段のコミュニケーション量が増え、良い雰囲気づくりにつながっています。」

Aのように細かく背景を伝えるより、実際にコミュニケーションしているシーンを切り取ってエピソードとして語っているBの方が、相手への説得力になります。
 

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仕事の上でのコミュニケーション力とは


学生のときは、同年代の学生、アルバイト先の先輩や社員といった比較的限られた範囲でのコミュニケーションだったと思います。しかし、社会人となり働き始めると、大学生時代とは違うコミュニケーションが発生します。

会社の中には20代~60代まで幅広い年代の社員がいます。一般社員から管理職、役員まで役職や立場も違う人たちが、企業の目的・目標に向かって仕事をしているのです。

年代による価値観の違いや学歴や生育環境による違いもあります。さらに顧客となればもっと関係性は複雑になっていくのです。

自分の強みであるコミュニケーション力が、仕事上でどう活かせるのか? そこをイメージして具体的なエピソードも添えて、相手に伝わる自己PRにしてほしいと思います。

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