ベンチャー就活完全マニュアル

ベンチャー企業と聞くと、皆さんどんなイメージを持っていますか? 「若くして起業した社長がいる」「忙しいけど仕事はやりがいがありそう」など、さまざまなイメージがあると思います。

すでにベンチャー企業に絞って就職を考えている人はもちろん、興味はあるけど何から始めたらいいか分からない方も、就活が本格的に始まる前にベンチャー企業の就活のポイントを押さえておきましょう。
 

目 次
<基礎知識編>
  • 1. そもそもベンチャーって何?

  • ベンチャーにもいろいろなステージがある
  • 2. ベンチャー企業の特徴
  • ベンチャー企業と大手企業を比較してみると
  • ベンチャー企業のメリット・デメリット
  • 3. ベンチャー企業に向いている人は?
    4. ベンチャー企業の見極め方
    5. ベンチャー就活Q&A
     
  • <就活編>
  • 6. ベンチャー就活スケジュール
  • スケジュール攻略のポイント
  • 7. まずはインターンシップに参加しよう
  • インターン選考に臨む前に
  • 8. OB・OG訪問や説明会に行こう
  • OB・OG訪問で先輩社員に会うメリット
    説明会を有意義な時間にするために
  • 9.選考を突破するエントリーシートの書き方
  • 何よりも「主体性」が伝わる内容に
    アピールポイントは社風に合わせる
  • 10.面接を通過するポイントとは?

記事監修

曽和 利光(そわ・としみつ)

株式会社人材研究所・代表取締役社長。京都大学教育学部教育心理学科卒業後、新卒で入社した株式会社リクルートにて人事コンサルタント、採用グループのゼネラルマネージャーなどを経験。その後、ライフネット生命保険株式会社、株式会社オープンハウスなどで人事部門責任者を務める。2011年に人事・採用コンサルティングや教育研修などを手掛ける株式会社人材研究所を設立。採用や人事に関する著書多数、2019年2月24日に『コミュ障のための面接戦略』(星海社新書)を発売。

 

 

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1. そもそも「ベンチャー企業」とは?

元々「Venture(ベンチャー)」という言葉には「冒険・投機」といった意味があり、「ベンチャー企業」という言葉は日本人が作った造語です。ベンチャーという言葉の意味から転じて、新しい技術・新しいビジネスモデルを展開し成長する新興企業や中小企業のことを「ベンチャー企業」と呼ぶようになりました。

創業から◯年経っている会社、というような明確な定義づけはされていませんが、ベンチャー企業は「成長過程にある企業」とイメージすると良いでしょう。
 

ベンチャーにもいろいろなステージがある

「成長過程にある企業」といっても、その規模はさまざまです。起業したての会社もあれば、大企業に匹敵するような成長を遂げている会社もあります。

ベンチャー企業には主に4つの成長ステージに分けられ、それぞれ「シードステージ」「アーリーステージ」「ミドルステージ」「レイターステージ」と呼ばれています。
 

・シードステージ

起業の準備段階、もしくは創業1~2年の時期。設立して間もないため、確立した具体的な製品やサービスなどにはまだ落とし込めていない試行錯誤の段階。
日本の場合、受託開発などから始めて、ノウハウや資金の確保や組織づくりをしつつ、軸となるビジネスを探す会社も多い。

・アーリーステージ

創業からおよそ2~3年目。軸として定めた事業をようやく本格的に始めたばかりのため、事業運営も安定しておらず資金繰りが困難な時期でもある。
創業者のリーダーシップやメンバーのコミットメントをエネルギーとして、ハードワークをこなしながら事業推進をしている段階。

・ミドルステージ

事業が安定し収益化できつつあり、さらなる事業拡大を見込める段階。
資金力は大手には劣るものの、銀行からの融資やベンチャーキャピタル(※)などから巨額の投資を受けることができるようになって、新たな事業や人材への投資が可能となり、拡大がスピードアップする段階。

※ベンチャーキャピタル…成長が見込まれる未上場のベンチャー企業に対して出資する機関

・レイターステージ

事業が軌道に乗り、安定した収益を得られるように。中長期的成長が期待でき、「ベンチャー企業」から脱却しつつある段階。
人事制度が整備されたり、社会的影響力の増大によりコンプライアンスを強化したりと、企業としての体制を整備する段階。

また、レイターステージを抜けて上場を果たしたり、さらに大規模な組織へと発展した企業は「メガベンチャー」と呼ばれています。この段階になると「ベンチャー」とは呼ばれていても、実際には新進大手企業と呼ぶほうが実態を表しているかもしれません。

ただ、大規模な組織になっても「成長志向」は企業文化として残っているため、その点は安定した伝統的な大企業と異なっています。

 

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2. ベンチャー企業の特徴

では、ベンチャー企業にはどのような特徴があるのでしょうか? 就活をするうえで、ベンチャー企業ではどんな働き方ができるのか、大企業と比べると何が違うのかを知っておきましょう。

ベンチャー企業と大手企業を比較してみると

成長過程にあるベンチャー企業と、成熟した大企業とではどのような違いがあるのでしょうか。ベンチャー企業の規模感にもよりますが、「教育体制」「裁量権」「ネームバリュー」といった3つのポイントに絞って大手企業と比較して見てみましょう。
 

ほとんどの大手企業には、入社後は細かな研修期間が設けられています。研修後も業務をひと通りこなせるようになるまで、先輩社員が手厚くサポートしてくれるような教育体制が整っています。

ベンチャー企業では研修体系が整ってはいない会社も多く、研修という形で能力はつきにくいかもしれません。しかし入社後はすぐに仕事を任されることも多いため、実践でのトライ&エラーを経て、自分自身で成長していくことができます。

 

大手企業の場合は業務の規模こそ大きいものの、関わる人も多いため仕事が細分化されています。そのため、ポジションによっては自分の仕事の結果が見えづらくやりがいを感じづらい可能性があります。

ベンチャー企業では早いうちから新規事業に関わることができたり、責任ある仕事を任せてもらえたりする可能性が高くあります。そのため、早期にスキルアップが叶う環境があると言えるでしょう。
 

大手企業とベンチャー企業を比べたときに決定的に違うのが、ネームバリューです。大手企業のように名前が知られていることで、社外でのコミュニケーションがスムーズに運ぶことも多いでしょう。

ベンチャー企業は大手に比べると知名度は低いですが、企業は知名度だけで仕事を任せるわけではないため、価値ある仕事をしていれば、それほど気にならないとも言えます。
 

ベンチャー企業のメリットとデメリット

ベンチャー企業と大手企業を比べてみると、働き方や体制面においてかなり違いがあることが分かりました。
では、ベンチャー企業に就職すると、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか? まずはメリットから見ていきましょう。

 

1. 若いうちから仕事を任せられる

ベンチャー企業では任される仕事が多く仕事の幅も広いため、若いうちからさまざまなスキルや経験を得ることができるでしょう。

年齢に関係なく裁量の大きな仕事を任せてもらえて成長できる場があります。きっかけさえあれば、入社から3年経たないうちにリーダーとして活躍する人もいます。

2. 仕事の成果が会社の成長に直結している

大企業では人が多い分、自分の仕事がどのように会社の成長に繋がっているのか感じづらいことがあります。

一方、ベンチャー企業では、新卒でも責任ある仕事を任されることが多く、自分の仕事の成果は企業の成長に繋がっています。その分、やりがいも感じられるでしょう。

3 .チャレンジできる社風

ベンチャー企業はまだ事業の勝ちパターンが決まっていないことも多く、一人ひとりの社員が自分の仕事において、試行錯誤しながらチャレンジすることが求められます。

また、ベンチャー企業は若い社員が多く従業員数も少ないため、上司や先輩社員との距離が近いことが魅力です。社内の風通しが良いことで、新卒でもアイディアを提案したり意見できる環境があるでしょう。 やりたいと思った仕事は手を挙げれば挑戦させてもらえるのというのは、ベンチャー企業ならではです。

では反対にデメリットはどのような点が挙げられるでしょうか?
 

2. 福利厚生が整っていない場合も

スタートアップ(※)などの創業間もないベンチャー企業では専門のスタッフがおらず、まだまだ制度が整っていない場合があります。 ただ、採用強化のためにさまざまな制度を取り入れ、福利厚生の充実度をアピールする会社も多く見られます。待遇面を重視する人は事前によくチェックすると良いでしょう。

※スタートアップ…一般的に創業から2~3年程度の企業のこと

3. 1人の仕事量が多い

成長できるチャンスが多い反面、仕事をいくつも掛け持ちしなければならない場合があります。そのため、新卒のうちは慣れない仕事でいっぱいいっぱいになってしまうかもしれません。

ただ、短期間でいろいろな経験を積めることにやりがいを感じられる人は向いていると言えるでしょう。

こういったメリットやデメリットは、もちろん企業によって差があります。 自分が興味のある企業ではどのような働き方ができるのか、企業説明会やOB・OG訪問などを通して知っておくとよいでしょう。

ただし、創業間もないベンチャー企業では、業務の兼ね合いで社員が時間を割けないこともあるため、その場合は社長に直接声を掛けてもよいかもしれません。

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3.ベンチャー企業に向いている人は?

ここまでで、ベンチャー企業で働くことはメリットもあればデメリットもあることが分かりました。

では、ベンチャー企業に向いているのはどのような人なのでしょうか? ここではその向いている人の5つの特徴を紹介します。
 

1. 好奇心旺盛で挑戦することが好き

ベンチャー企業は新規事業や新しい商品企画を立ち上げることも多く、社員のチャレンジ精神なくして企業の成長は見込めません。

そのため、普段からアンテナを張ってさまざまな情報や知識をキャッチしている人や、新しいものに惹かれる人、興味のあることに対して「とりあえずやってみよう」と思える人は、新たなモノやサービスを生み出すベンチャー企業で活躍できるはすです。

2. 行動力や実行力がある

とりあえずやってみないと分からないことが多いベンチャー企業の環境においては、行動力や実行力がある人は向いていると言えます。

ベンチャー企業では自分の頭で考え、自分で業務を遂行することが求められます。分からないことは周りに聞きつつ、自らも課題解決に向けて行動できる人はチームにとって心強い存在になります。

3. 心身ともにタフである

ベンチャー企業ではさまざまな仕事をこなさなければならないため、1つの仕事にじっくり取り組みたいと思うタイプの人は向いていないかもしれません。

どんなに忙しくても多くの仕事をこなせるタフな人や、新しいことに挑戦する精神力のある人は歓迎されるでしょう。

4. 変化に敏感で、柔軟に対応できる

ベンチャー企業は業務や意思決定にスピード感があるがゆえに、一度決まった方針がすぐに覆ることや、急な業務が発生することがあります。

そのため、そういった変化も受け入れられる柔軟さがあると働きやすいかもしれません。

5. 主体性がある

自分で課題を見つけて成長できる人や、積極的に行動できる人はベンチャー企業で活躍できるでしょう。

逆に、与えられた仕事を黙々とこなしたい人や、指示がないと動けないという人は、あまり向いていないかもしれません。

必ずしもここに挙げた5つの項目に、今の段階ですべて当てはまっている必要はありません。

むしろ入社してから備わっていくことも多いでしょう。ベンチャー企業ならではのマインドを理解し、少しでも当てはまる部分があれば選考に挑戦してみましょう。

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4. ベンチャー企業の見極め方

「ベンチャー企業に行きたい!」と思ったとき、どのような点に注目し企業選びをすればよいのでしょうか? 

優良ベンチャー企業を見極めるために、チェックしておきたいポイントを5つお伝えします。
 

1. 成長する市場かどうか

今後その会社の業界は伸びる可能性があるかどうかをチェックしましょう。例えば、現在の成長産業はIT業界やネット広告業界、観光業界などが挙げられます。

伸び悩んでいる業界であれば、大手に比べて資金力の劣るベンチャー企業は倒産リスクが高まります。 そのため、まずは『業界地図』などで業界の動向をチェックすることが重要です。

2. ビジネスモデル

会社のビジネスモデルを分析してみましょう。企業の根幹となるビジネスモデルがオリジナリティが乏しく、競合企業がたくさんあるような状態だと淘汰される恐れがあるからです。

長期に渡って利益を出し続けられるものなのか、それとも短期的なものなのかチェックしておくことが大切です。ビジネスモデルの検証には、次の3つの観点で考えるとよいでしょう。
 

ビジネスモデルを見極めるポイントはさまざまで、こういった観点はベンチャー企業以外の企業研究にも応用できます。

興味のある会社のビジネスモデルを深掘りし、将来を予測してみることで新たな発見があるかもしれません。

3. 経営者の人柄や理念

企業のホームページや新卒採用ページに、社長の挨拶が載っていたらチェックしましょう。そこには創業時の熱意や、今後の展望などが書かれているはずです。
まず社長の考え方に共感できるかどうかというのも、自分に合っている会社かどうか見極める大切な要素になります。

また、ベンチャー企業の経営陣はSNSなどで発信をしていることも多いので、それらも重要な情報源になります。

4. 社員はどのような人がいるか

ホームページに社員のコメントやインタビューがあれば、じっくり読んでおきましょう。職場にどんな人がいるのか知ることで社内の雰囲気を掴むことができ、自分がその会社で働くイメージも湧いてくるはずです。

また、もしOB・OG訪問やインターンシップへの参加が可能ならぜひ社員に会う機会を作りましょう。

5. ベンチャーキャピタルからの投資の有無

ベンチャーキャピタルとは、「成長が見込まれる未上場のベンチャー企業に対して出資する機関」のことです。上場後に株式などを売却することで、キャピタルゲイン(出資額と売却額との差額)を得ることを目的としています。

つまり、ベンチャーキャピタルから投資を受けている企業は、専門家から「見込みがある」という評価を受けていることになり、企業の将来性を図る基準となるのです。

ベンチャーキャピタルの投資先を調べてみるとたくさん出てくるので、新しいベンチャー企業を発見することもできるでしょう。

以上の5つの基準で魅力的なベンチャー企業を探してみてください。

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5. ベンチャー就活Q&A

ベンチャー企業についてもっとよく知るために、よくある疑問・質問を紹介します。

Q. 将来起業するなら大手よりベンチャーが良い?

A. 大手には大手の良さがあり、ベンチャーにはベンチャーの良さがあります。将来起業するなら絶対にベンチャー企業に就職したほうが良いというわけではありません。

ただ、ベンチャー企業で得られる経験やそこで身につくスピード感を考えると、若いうちに起業したいという気持ちがある人にとっては良い環境があると言えるでしょう。逆に、じっくり学んで専門性を身につけたいという人はベンチャー企業にこだわる必要はありません。

Q. 出世は早いの?

A. ベンチャー企業は裁量が大きいため、手を挙げればどんどん仕事を任せてもらえます。仕事に対して主体的に行動する姿勢が認められれば、リーダーなど責任ある立場に抜擢されることもあるでしょう。

大手企業に比べるとチャンスは多いですが、あくまでも成長できるかどうかは自分次第です。

Q. 服装は自由なの?

A. ラフな服装を認めている会社が多い傾向にあります。ただ、社外で人に会う機会のある営業職はスーツを着るなど、職種によって異なる可能性があります。

また、社外の打ち合わせがある日はジャケットを着たり、TPOに合わせて服装を選ぶこともあるでしょう。自分が行きたい会社ではどのような規定があるのか、説明会などで質問してみたり、実際に社員に会って聞いてみてください。

Q. ベンチャー企業はブラック企業が多いって本当?

A. 中にはブラック企業と呼ばれる会社もあるかもしれませんが、それはベンチャー企業に限った話ではありません。大手企業や中小企業でも残業が多かったり休日出勤をする企業はあるため、「ベンチャー企業はブラック企業が多い」という認識は間違いです。

むしろ、採用力で大手に劣るベンチャー企業は、働きやすさや良い社風などで勝負をしようとしているところも多々あります。そうでなければ人が採れないからです。

また、ブラック企業と言っても何をもってブラック企業なのかというのは、個人の基準によって変わってきます。

「3、ベンチャー企業に向いている人は?」で紹介した、優良ベンチャー企業を選ぶポイントを頭に入れて企業を絞り込むとよいでしょう。

Q. ベンチャー企業の働き方に興味はあるけど、探し方が分かりません。

A. ベンチャー企業と言っても、IT業界やエンタメ業界、建築業界など、さまざまな業界にベンチャー企業があります。まずは自分がどのような業界に興味があるのかを明確にしましょう。

ベンチャー企業のみを集めた合同説明会に参加してみたり、ベンチャー企業を紹介するWebメディアもあるので、ナビサイト以外でも探してみると新たな企業に出会えるかもしれません。
 

 

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6. ベンチャー就活スケジュール

べンチャー企業への就職を考えている人は、いつから就職活動を始めればいいかしっかりと把握しておきましょう。経連団の「3月に採用情報公開し、6月からエントリー開始」という指針はあくまでも目安。すべての企業がこの指針に則って採用活動を行っているわけではありません。

ベンチャー企業の選考は企業によってさまざまですが、大手企業と比べて早い傾向にあります。
また、企業によっては通年採用をしているところも。

では、どのような流れなのかスケジュールを見てみましょう。

<2021卒の就活カレンダー>

スケジュール攻略のポイント

企業によっても差がありますが、ベンチャー企業の選考は大手企業などに比べて早く行われるケースが多いです。

特に、大手企業に負けず劣らないレベルの優秀な人材を確保しようとしているベンチャー企業ほど、採用時期は早期化する傾向があります。

興味のある企業の選考がすでに終わっていた、ということがないように、次のポイントに注意して準備をしましょう。


1. スケジュールが早いということは準備も早めに

カレンダーを見ると分かる通り、経連団が推奨しているスケジュールよりもかなり早い傾向にあります。

夏のインターンシップは8月、9月頃に実施されることが最も多く、参加を考えている人はその選考に向けて大学3年生の4~5月頃から自己分析などの準備を始め、5~6月頃から実際にインターンシップ参加のための選考を受ける必要があります。

2. インターンシップに参加して早期内定を

インターンシップへの参加が本選考の加点材料になったり、本選考に直結している企業もあります。

また、最近では本選考前にインターン参加を必須とする企業もあるので、行きたい企業がある人は事前によく調べておきましょう。

ベンチャー企業のインターンシップでは、実際に長期にわたって本格的な業務を体験できる場合も多いため、その後の選考を有利にするためにも参加することをオススメします。

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7. まずはインターンシップに参加しよう

大学3年生の5~6月頃から夏のインターンシップの選考が始まります。ベンチャー企業のインターンは、1dayのような短期インターン、3ヶ月~半年かけて行う長期インターン、そのどちらも用意されていることが多いです。

短期インターンはベンチャーに関心の薄い層の参加を促し企業の知名度を高めたり、志望度を高めてもらう目的があります。一方、長期インターンは「試用期間」の意味合いが強く、インターンが内定につながるケースも多くあります。

では、短期・長期インターンには、それぞれどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか? 次の表を見てみましょう。

 

インターンに参加する学生は、夏休みや春休みなど長期休暇を利用して参加しています。

短期・長期、それぞれ良し悪しがありますが、すでに「ここに入社したい」と考えている企業があれば長期インターンに、「興味があって話を少し聞いてみたい」くらいの企業であれば気軽に参加できる短期インターン に参加してみたり、自分の志望度によって選択すると良いかもしれません。
 

インターン選考に臨む前に

ベンチャー企業ではES提出→書類選考→面接→インターン参加の流れが多いですが、中には面接選考のみの場合もあります。自分が参加したい企業のインターンにどのような選考があるのか、事前によく調べておきましょう。

また、インターンはただやみくもに参加するだけでは意味がありません。インターンは企業について知る機会であり、実際の仕事を体験する機会です。

インターンに参加する際は、本選考を受けようと考えている業界や会社で必要とされる能力やスキルを身につけることを目標にするのもよいかもしれません。自分がインターンを通して何を得たいのか目的意識を持って選考に臨みましょう。

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8. OB・OG訪問や説明会に行こう

「長期のインターンシップへの参加は難しい」「行きたい企業があったのに見逃してしまった…」という人もいるかもしれません。そんなときは説明会やOB・OG訪問に参加しましょう。
 
OB・OG訪問をするとき、研究室・ゼミ、サークルの先輩から訪問先を探す人もいますが、自分の志望業界の企業に入った先輩が見つからない人も多いと思います。その場合は、大学のキャリアセンターに相談してみてください。

キャリアセンターでは、自分が訪問したい企業に就職した先輩が検索できるので、上手く活用すると良いでしょう。
 

OB・OG訪問で先輩社員に会うメリット

OB・OG訪問は実際に社員がどんな働き方をしているかを詳しく知る良い機会です。企業研究を進めるうちに気になったことや、説明会では聞けなかったことなどを社員の方にざっくばらんに質問してみましょう。

その際は、事前に質問内容を整理しておくことが重要です。どんな質問をすればいいか分からない人は、次のような項目を参考に考えてみてください。
 

OB・OBに会うときは、仕事内容や会社の基本的な情報などは事前にしっかり調べておき、調べても分からなかったことを聞くようにしましょう。ホームページに書いてあるようなことを質問してしまうと、がっかりされてしまうかもしれません。

また、志望動機や自己PRなどが準備できていたら添削してもらうのもオススメです。

 

説明会を有意義な時間にするために

説明会は「なんとなく行っておこうかな」という受け身な気持ちで参加しがちです。これはベンチャー企業に限った話ではありませんが、適当な気持ちで説明会に参加してもあまり意味がありません。

参加が目的になってしまうと、企業研究に必要な情報が得られず後々の選考で苦労してしまう可能性があります。自分なりにその企業に対する仮説を立てておき、それを確かめに行くつもりで説明会に臨めば、自ずと得られる情報も変わります。

説明会に参加する前に事前にその会社のホームページなどをチェックしておくことはもちろん、参加後は情報をまとめておくと、志望動機や自己PRを考える際に役立ちます。

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9. 選考を突破するエントリーシートの書き方

自律性や主体性を求めるベンチャー企業では、エントリーシートで「学生が自ら意欲的に働いてくれるかどうか」「すぐに動けるフットワークの軽い人なのかどうか」ということをチェックしています。

だからこそ、エントリーシートを書く際は、志望動機や自己PRで「自発的な行動力」が伝わるように心がけましょう。また、次の2点にも気をつけてください。

何よりも「主体性」が伝わる内容に

志望動機や自己PR、学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)などを通して、自分が入社してから何がやりたいのか、仕事に対する意欲の強さやモチベーションがどこにあるのかが強く伝わるように書きましょう。

ベンチャー企業では自分で考えて行動することが求められます。そのため、自己PRやガクチカは、学生時代に主体的に行った経験や工夫などのエピソードから、自分がその会社で活かせる強みやチャレンジしたいことを書くと印象が良いでしょう。

また、 「学生時代に成し遂げたこと」を聞かれることが多くあります。自分がどんな課題をどのように解決し、どんな苦労を乗り越えて成し遂げたのかについて、具体的に数字や固有名詞などを挙げて、難易度も分かるように詳しく書く準備しておきましょう。

アピールポイントは社風に合わせる

企業によって採りたい人物像は異なります。そのため、自分が志望する企業ではどのような学生を採りたいのか、きちんとリサーチしておくことが重要です。

例えば、採用HPから「チャレンジ精神のある人」を採りたいということが伝わってきたら、自己PRではこれまで挑戦したことや・その経験を通して学んだことなどをエピソードとして取り入れてみるとよいでしょう。

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10. 面接を通過するポイントとは?

面接でよく聞かれるのは、エントリーシート同様に「これまでやり遂げたこと」や「将来やりたいこと」について。

自分にはどんな強みがあり、その会社で何ができるのか、そして何をしたいのかをきちんと答えられるように準備しておきましょう。また、しっかり企業研究をしたうえで次の3つのポイントに注意して面接に臨んでください。
 

1、論理的かつ具体的に話そう

エントリーシートに書いた内容は、 論理的かつ事実ベースで話せるように準備しておきましょう。

ベンチャー企業では、少数精鋭で仕事を進めることが多いため、学生が自立的に仕事ができるかどうかを見ています。そのため、採用担当者は学生のエントリーシートを見て、「なぜそう思ったのか」「なぜこのときこういう行動をしたのか」を質問をし、入社後に成果を上げるためのプロセスを踏んで仕事をしてくれるどうかをチェックしているのです。

ただのエピソード紹介にならないように、自分の中で徹底的に深掘りし、振り返っておくことが必要です。

2、「自発性」や「主体性」を示そう

論理的かつ事実ベースで話せることはもちろんですが、エントリーシートと同様に面接ではあなたの「自発性」や「主体性」を見ています。

ベンチャー企業において仕事を達成するために欠かせないのは、成果を上げるためのモチベーションの高さと、それを維持できるかどうか。

体系だった仕事ではないため、どんな困難な仕事でも自立的に取り組み、自分で何をすればよいかを考えて、問題を乗り越えられる人物かを判断されます。

そのため、面接では「苦労を乗り越えた経験があるかどうか、またそれをどう乗り越えたか」について聞かれる場合が多くあります。これを上手く伝えることができれば、入社後も多少の困難があっても十分活躍してくれると判断され、内定にグッと近づくことができるでしょう。

3、元気よく話そう

自発性や主体性を示すにも、元気のない様子では伝わりません。面接官の質問に対してできるだけ元気よく話すことで、「エネルギーあふれる若者だな」と印象づけられるはずです。

そのためにも、 自分が話したいこと、アピールしたいポイントをしっかり掘り下げておき、自信を持って面接に臨むようにしましょう。
もし不安であれば、家族や友人に協力してもらい、面接練習を行ってください。

ベンチャー企業の面接は専門の採用担当者がいないことも多く、経営者や現場のリーダー自らが面接官になることもあります。それは、会社の実態や仕事内容についてよく分かるという意味では素晴らしい機会ではありますが、面接のプロではない分、学生側がきちんと話をまとめて、プレゼンテーションできるようにしておくことがより求められます。

よく「面接はキャッチボール」だと言いますが、それは手慣れたプロ面接官の場合であって、あまり面接に慣れていないベンチャーの経営陣に対しては、質問されたこと「だけ」に答えるのではなく、相手が聞きたいことを推察して、自分から積極的に話していくことも重要です。


ここまででベンチャー企業について基本的な情報や、選考の傾向について解説してきました。「ベンチャー企業」とひと口に言っても、企業によって選考の傾向はさまざまです。

もし、ベンチャー企業で働いてみたいと興味を持っている人や、すでにある程度行きたいベンチャー企業が絞られている人は、ぜひ一度企業の方に会って話を聞いてみてください。

「どういったマインドで働いているのか?」「どんな人に入って欲しいと思っているのか?」「実際はどんな仕事内容なのか?」といった生の声を得ることが、内定への近道になるはずです。

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