音楽業界とは?ビジネスモデルや就活事情、向いている人の特徴を解説

このページのまとめ

  • 音楽業界の市場規模は縮小傾向にあるものの、ストリーミング配信は成長を続けている
  • 音楽業界は新卒採用枠が少ない傾向にあり、専門知識や技術を持つ人材が優遇されやすい
  • 音楽業界は携われる仕事の範囲が多岐にわたるため、興味関心を具体化させることが大切

音楽業界とは?ビジネスモデルや就活事情、向いている人の特徴を解説のイメージ

音楽業界は、音楽好きな人にとっては憧れの世界でしょう。一方で、求人が少なく、簡単に就ける業界ではありません。ビジネスモデルや今後の展望を理解し、自分との適性を判断して慎重に就活を進めることが大切です。

この記事では音楽業界の特徴やビジネスモデル、市場規模、就活事情をまとめました。向いてる人の特徴や内定獲得までの流れ、志望動機の例文も紹介しているので、音楽関連の仕事をしたい方は参考にしてください。

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目 次

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音楽業界とは?ビジネスモデルや仕事内容を解説

音楽業界への就職を希望するなら、まずは業界の特徴を把握しましょう。音楽業界も業務の範囲は多岐にわたるため、仕事内容を理解したうえで、どのように働いていきたいか具体化させることが大切です。

音楽業界のビジネスモデル

音楽業界のビジネスモデルの根本にあるのは、楽曲の使用権です。原盤権とも呼ばれますが、制作された楽曲の権利は、アーティスト自身や音楽プロダクション、レコード会社、音楽出版社が共同で持っていることが多いです。

従来であればCDの販売で多くの売上を確保できていましたが、スマホが普及して以降は音楽の楽しみ方が多様化したため、収益化の方法も増えています。

・グッズ販売
・ファンクラブの会費(サブスクモデル)
・コンサート・ライブの開催
・メディアへの出演料

CDが売れなくなった昨今では、音楽業界も生き残りをかけて新たなビジネスモデルの構築が求められているのです。

音楽業界の3つの構造

音楽業界は「音楽プロダクション」「レコード会社」「音楽出版社」の3つに分類できます。それぞれの主な業務内容と特徴は下表のとおりです。

音楽プロダクション ・アーティストや作詞家・作曲家などが所属
・アーティストの育成、プロモーション、ライブの企画、スケジュール管理などを担当
レコード会社 ・音楽コンテンツの制作や宣伝、製造、販売を担当
・ダウンロード配信も担当
音楽出版社 ・作詞家・作曲家から著作権の譲渡を受けて、楽曲を広めるためのプロモーションを担当
・音楽著作権の管理と使用料徴収なども担当

音楽プロダクションは「アーティスト(人)」、レコード会社は「音楽コンテンツ」、音楽出版社は「楽曲そのもの(音楽の使用権)」を扱うという違いがあります。

音楽業界の主な仕事内容

音楽業界の仕事内容は一般的に想像できる華やかな仕事だけでなく、裏側を支える仕事、音楽を扱う関連業務など、多岐にわたります。

・音楽制作に直接携わる仕事
・音楽を完成させる仕事
・ライブ会場で舞台演出を手がける仕事
・アーティストをマネジメントする仕事
・音楽を消費者に届ける仕事
・楽器を作る仕事
・楽器を販売する仕事
・音楽を教える仕事

たとえば、1つのCDを作るだけでも、アーティストやミュージシャン、作詞・作曲家、音楽プロデューサーなど、大勢のスタッフが協力しているのです。音楽業界といっても切り口はさまざまあるため、業界のどこに興味があるか明確にしましょう。

多くの職種はあるが求人数は比較的少ない

音楽業界では多くの職種が関わり合って仕事をしていますが、求人自体はほかの業界に比べて少ない傾向です。

一般的な大手就活サイトだけでは、音楽業界に関する求人情報が見つからない場合もあるでしょう。そのため、中小企業に特化した就活サイトや就活エージェントを活用するなどして、情報の集め方にも配慮する必要があります。

求人が出ていなくても、企業に直接問い合わせるのも一つの方法です。音楽業界に興味があるのなら、まずはどのような仕事があるのか調べることから始めましょう。業界研究の進め方は「業界研究、おすすめの方法は?これから就活を始める人へ」をご覧ください。

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音楽業界の市場規模と今後の展望

一般社団法人日本レコード協会の「生産実績・音楽配信売上実績 過去10年間 合計」によると、2023年における音楽CDやストリーミング再生などの売上合計は約3,372億円でした。

生産実績・音楽配信売上実績 過去10年間 合計のイメージ

引用元:一般社団法人日本レコード協会「生産実績・音楽配信売上実績 過去10年間 合計

2020年には少し売上を下げましたが、2023年にかけて持ち直している状況です。

個別の売り上げに注目してみると、オーディオレコード(CD)の売上が減少傾向にあり、2014年には1,864億円あった売上が2023年には1,462億円に減少しています。

その一方で、ストリーミングの売上は着々と増えている状況で、2014年には7億円だった売上が、2023年には1,056億円まで伸びています。人々の音楽に対するライフスタイルがCDからストリーミングに移行した状況を反映しているといえるでしょう。

参照元
一般社団法人日本レコード協会
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市場規模は縮小傾向にありつつ復活の見込みあり

日本の音楽業界は直近10年で見ると、市場規模が縮小傾向にありつつ復活の兆しもあるような状況です。

さらに遡ると、日本は1990年代半ば、音楽ブームに湧いていました。有名プロデューサーによる楽曲が次々とヒットし、カリスマ性の強いアーティストが登場します。

当時は業界全体が盛り上がっていましたが、2000年代に入って無料の動画共有サービスや音楽ダウンロードサービスなどがスタートしました。そのタイミングで音楽業界の在り方に転機が訪れます。

・インターネットの普及によって娯楽の幅が広がった
・音楽への依存度や優先度が下がった
・デジタル音楽サービスの配信によってCDの売上が落ちた

現在は月額1,000円ほどで無数の楽曲を自由に聞けたり、無料アプリでも十分楽しめたりするため、時代の流れに合わせたサービス展開が求められています。

今後は「アイドルビジネス」の時代

現在の音楽業界で主流になっているのは、いわゆる「アイドルビジネス」と呼ばれる新たなビジネスモデルです。

近年ではストリーミング限定で楽曲を提供するケースも増えており、そもそもCDを制作しないこともあります。CDを制作したとしても、「この音楽が聴きたい」という理由だけで購入するのはごく稀ではないでしょうか。

そこで、音楽業界では楽曲提供に「推し活グッズ」としての付加価値をつけて新たな活路を見出しているのです。

・自分の好きなアーティストを応援するために購入する
・自分の好きなアイドルに関するグッズが欲しい
・イベントに参加するために購入する
・限定パッケージを集めたい

実際、音楽を視聴するだけなら無料でもできます。そのうえで、音楽以外の目的や動機を持たせたアイドルビジネスによって収益が支えられているのです。音楽業界はこれからも、アイドルビジネスのような時代のニーズに対応した戦略が求められるでしょう。

全方位に向けた事業の多角化が今後の課題

これからの音楽業界では、全方位に向けた事業活動で収益を上げていくビジネスが求められています。

・オフラインのライブ・コンサート事業
・オンラインライブの実施
・映像や動画配信による収益化
・各種グッズ販売
・ファンサイトの運営 など

アイドルビジネスは各種グッズ販売に注力したビジネスモデルといえますが、上記のように、より広範囲で多角的な事業展開ができると、業界全体のさらなる発展が期待できるでしょう。

一方で、音楽性や歌唱力に強みがある歌手やバンドなどは、ビジネスとして展開しづらくなったのは否めません。ほかにも、一部の超人気アーティストに売上を依存する収益構造になりがちな点も、企業側の課題として挙げられるでしょう。

音楽業界の状況やトレンドを知るためには、業界研究を行うことが大切です。業界研究をどのように進めるか知りたい方は、「業界研究のやり方とポイントを詳しく解説!自分に合った仕事を見つけよう」の記事をぜひご相談ください。

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音楽業界に就職するには?内定までの流れを解説

音楽業界に就職するまでの流れとポイントを解説します。憧れだけで就職できるほど音楽業界は甘いものではないので、一つずつ確認していきましょう。

1.音楽業界について研究する

音楽業界に就職したいのであれば、業界について深く研究して全体像を理解することが大切です。どのような仕事や職種があり、それぞれどのように関わりがあるか把握できると、音楽業界でのキャリアを描きやすくなるでしょう。

まずは音楽業界全体の構造や動向を把握して、より詳しい現状や課題、今後の展望・可能性を調べることが重要です。

・音楽業界内の各企業の違い
・企業相互の資本・提携関係
・業界内での業績推移
・業界全体の成長の見込み

上記などを調べたうえで、志望業界や志望企業を絞り込みましょう。

2.どのような仕事をしたいか考える

音楽業界について研究ができたら、どのような仕事がしたいのか見極めましょう。漠然と「音楽業界で働きたい」という願望だけでは、とるべきアプローチも見えてきません。

たとえば、レコーディングエンジニア・ミキサーやサウンドクリエイターとして音楽制作に直接関わりたいのなら、専門技術を磨く必要があります。プロモーターなど裏方で縁の下の力持ちとして働きたい場合は、今後の音楽業界をどう盛り上げていくかを考える力が求められます。

音楽業界の場合は職種によって求められるスキルが全く異なるため、進みたい方向性を明確にしたうえで、経験やスキルを積み上げていきましょう。

3.アルバイトで経験を積む

音楽業界で働きたい場合は、ライブハウスやライブイベントの会場スタッフをしたり、CDショップや楽器店でアルバイトをしたりして、音楽に関する経験を積むのがおすすめです。多少なりとも音楽業界に関わった経験があれば、採用選考時のアピールポイントになります。

また、音楽業界はさまざまな人と関わることが多いため、アルバイト経験を通じてコミュニケーション能力を身につけておきましょう。

4.インターンに参加する

音楽業界に進みたい場合は、インターンに参加するといいでしょう。実際に働くイメージも湧きやすく、就業形態も身をもって体験できる場合があります。

また、インターンでは、働いている社員から就活や業務内容のアドバイスがもらえるケースも。自分に合う職場か否かの判断材料の1つとしてインターンを有効活用しましょう。

5.選考に進む

アルバイトやインターンで経験を積んだあとは、選考に進みましょう。音楽業界の就職活動は、他の業界と同じく、一次面接から最終面接まで段階を踏んで進むケースが多いです。筆記試験や適性検査も実施している場合もあるため、試験の対策をしてしっかりと準備しましょう。

また、英語力や音感のスキルを持つ人材を求めている企業もあります。会社説明会や企業のHPで「企業が求める人物像」を調査し、自分に当てはまる部分を探してみましょう。面接の採用基準については、「面接での採用基準とは?チェックされているポイントを解説」も参考にしてください。

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音楽業界の就活事情

音楽業界の就活事情を解説します。音楽業界を就職先として目指す人は多いものの、求人数は比較的少ないため、どのようにして内定を獲得していくか戦略を練って就活に臨むことが大切です。

音楽業界に入る3つの方法

音楽業界に入るには、大きく分けて以下の3つの方法があります。

・音楽関係の企業や事務所に新卒採用される
・音楽関係の店や企業にアルバイトで採用してもらい、経験を積んで正社員もしくは転職を目指す
・一度ほかの業界に就職し、経験・スキルを積んでから音楽業界の企業に転職する

音楽業界で働く方法はほかにもありますが、一般的にはこの3つの方法のうちいずれかのルートをたどって就職することが多いでしょう。なお、新卒採用は採用枠が少ない傾向にあり、志望度の高いライバルが多いことも相まって狭き門といえます。

音楽業界に求められる人材

音楽業界では、即戦力として活躍できる経験や才能が求められる傾向にあります。学歴については、あまり重視されません。

採用されれば音楽関係の知識や経験・スキルを一から身につけられますが、現場では即戦力となる人材を優遇する傾向にあります。

そのため、音楽系の専門学校などで基本的な知識と技術を学び、実践的な現場実習を経験している人のほうが、採用が有利になるようです。音楽業界で働きたいのであれば、アルバイトで経験を積むことから始めてもよいでしょう。

音楽業界に効果的なアピール方法

音楽業界への就職を目指すなら、自身の人柄や個性・熱意をアピールしてください。スキルや経験があるなら、自身の強みとしてアピールしましょう。

経験が乏しい場合は、音楽業界や企業の課題感や今後の発展に必要なものはなにか、自分なりに問題意識を持って考えながら動けることを伝えるのがポイントです。

自己PRの方法は「自己PRと強みの違いは何?長所やスキルなどとの違いや答え方も解説」をご覧ください。

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音楽業界の主な就職先

音楽業界の主な就職先を紹介します。音楽業界に興味がある人は、以下で紹介するなかで特に希望する就職先がどこか考えながら読み進めてみてください。

音楽プロダクション

音楽プロダクションは、音楽業界への就職を希望する人のなかで特に人気を集めています。

所属するアーティストやバンドのマネージメントを行うのが業務の一つで、いかにして所属アーティストを世の中に売り出していくかを考えるのが仕事です。

・メディアや業界関係者にアーティストを売り込む
・方向性や売り出す方法を考える
・アーティストのスケジュールを管理する
・各方面への連絡調整
・所属アーティストのプロフィールや資料の作成

表向きは華やかそうな仕事ですが、上記のような事務作業も行うため、フットワークの軽さが重要といえます。また、一時的に売れるだけでは意味がないため、常にアーティストのプロモーション活動を継続し続けるのが特徴です。

レコード会社

レコード会社は、アーティストと契約を行い、CDやDVDといった音源を製作販売する会社です。音楽プロダクションはアーティストと直接関わる一方で、レコード会社の場合は音楽コンテンツを扱う点に違いがあります。

レコード会社は、音楽をCDなどの媒体に録音、製品化したうえで販売店を経由し、世の中に流通させています。近年のインターネットの発達により、デジタル配信を行っているレコード会社も増えてきているようです。

また、一部のレコード会社ではCDの制作だけでなく、ライブの企画や運営を行っていたり、芸能事務所のような業務を行っていたりするところもあります。

音楽出版社

音楽出版社は、アーティストやレコード会社と契約して楽曲の著作権を管理する企業です。
「出版」という言葉から書籍に関する企業と考える方もいると思いますが、以下のような幅広い業務を行っています。

・テレビやWebなどの各メディアに対するプロモーション活動
・CD制作
・TV番組などメディアとのタイアップを取得

レコード会社はCDという商品の宣伝を行っているのに対して、音楽出版社は曲そのものの宣伝を行っています。

イベント会社

イベント会社は、ライブやコンサート、音楽フェスの企画や運営を行う会社です。音楽を扱うという点は特徴の一つですが、一般的なイベントの企画運営とイメージは近いといえます。

・イベントの企画
・ミュージシャンのキャスティング
・協賛スポンサーへのセールス
・マーケティング・集客
・会場設営
・当日の運営

音楽イベントは日本音楽市場の売り上げを支えており、華やかなイメージがあるため、特に若い世代から人気があります。しかし、華やかなイメージとは裏腹に非常にハードな仕事であり、体力が求められる仕事といえるでしょう。

著作権管理会社

著作権管理会社とは、作詞・作曲家または音楽出版社・法人から委託を受けて著作権を管理する企業です。

著作権とは、創作物を作成した時点で作者である作詞家や作曲家、または音楽出版社や法人などに自動的に発生する権利を指します。

著作権は、個人で管理するのに手間がかかるものです。著作権の管理に時間がかかったり、おろそかにしたりしていると創作活動に影響が出たりする可能性があるため、作詞家や作曲家の代わりに、著作権管理会社が著作物の著作権を管理します。

ときには、音楽クリエイターや制作会社と音楽を楽しむ方の橋渡しをすることもあるようです。

楽器メーカー

音楽業界を広く捉えると、楽器の制作を手がけるメーカーも就職先として考えられるでしょう。

楽器メーカーの業務内容は大きく製造と販売に分けられ、販売のなかに企画部や営業部があるもので、一般的なメーカーと特段変わりません。ただし、大手楽器メーカーは音楽プロダクションやレコード会社と同様に人気が高く、競争も激しい状況です。

音楽業界と派生して考えられるのが、ラジオ業界です。「ラジオ業界は厳しい?現状とデジタル化による今後の動向について」で業界について詳しく解説しているので、あわせて参考にしてみてください。

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音楽業界の主な職種

音楽業界の就職先は上記のように分類できますが、職種も多岐にわたるため、それぞれについて理解を深めることが大切です。音楽業界の主な職種について、「制作に直接携わる仕事」「音楽の完成に携わる仕事」「その他の仕事」の順番で解説します。

アーティスト

音楽業界の仕事として真っ先に思い浮かぶのが、歌手やミュージシャン、バンドマン、DJといったアーティストです。

アーティストになる方法はさまざまあり、地道にバンド活動を続けたり、レコード会社のオーディションを受けたりするのが一般的といえます。動画配信サービスやSNS投稿がきっかけで、業界関係者から声をかけられるケースもあるようです。

スタジオミュージシャン

スタジオミュージシャンは、レコーディングやライブの演奏面でサポートスタッフとして仕事をします。楽器を演奏できれば誰でも目指すことができ、特別な経歴や学歴、資格などは求められません。ただし、高度な演奏能力が必要です。

スタジオミュージシャンの多くは芸能プロダクションやレコード会社に所属して活動しています。実力がある方はフリーランスとしても活躍しているようです。

作詞・作曲家

作曲家は依頼されたコンセプトに沿った曲を作るのが仕事で、作詞家は作曲家の作った曲に合わせて言葉をあてていく仕事をします。

作曲家を目指す場合、ギターやキーボードなどの楽器を弾けるのはもちろん、コードに関する知識が欠かせません。また、自身のスキルやセンス、音楽に対する知識の深さも必要です。

作詞家を目指す場合は、言葉選びのセンスや流行への感度などが求められます。いずれも簡単に目指せるものではないでしょう。

サウンドクリエイター

サウンドクリエイターは作曲家に近い職種ですが、映画やドラマなどの背景に流すBGM、ゲームの効果音なども作ります。

サウンドクリエイターを目指すには、音楽学科のある学校や専門学校に進学し、ゲーム会社やサウンドの制作会社に就職するのが一般的です。
しかし、専門学校に通っていなくても、作曲に関する知識やセンス、実力があれば学歴を問わずサウンドクリエイターになれるでしょう。サウンドクリエイターまでの職種が、音楽の制作に直接携わる仕事です。

音楽プロデューサー

音楽プロデューサーは、レコード会社やレーベル制作会社などでアーティストの売り出し方や楽曲のコンセプトを決定する、音楽制作全般の最高責任者です。

音楽プロデューサーになるのは簡単ではなく、圧倒的な実績が求められます。実際、音楽プロデューサーとして有名な方々は、ミュージシャンやバンドマン、作曲家、作詞家などを経ていることが多いため、目指すというより結果的になれるものといえるでしょう。

ディレクター

ディレクターは、音楽プロデューサーの指示を受けて現場を仕切ったり、アーティストのケアをしたりするほか、新人アーティストの発掘や育成など、仕事内容が多岐にわたるのが特徴です。

一般的に、レコード会社の社員がディレクターを務め、最初はアシスタントから仕事を始めます。
なかには、プロダクションや音楽出版社に所属するディレクターもいるようです。レコーディングでは現場スタッフを指揮し、音楽制作がスムーズに行えるように指揮します。

レコーディングエンジニア・ミキサー

レコーディングエンジニアおよびミキサーは、音楽を録音する際にマイクをセットしたり、ミキサー卓で音のバランスをとったりするなどしてイラコライジングを施すのが仕事です。

音楽制作の基礎となる音源を作る非常に奥深く繊細な仕事で、アーティストやディレクターの理想とする音源をいかにして作れるかが求められます。

レコーディングエンジニア・ミキサーには特殊な技術が必要で、多くの方は音響関係の技術を扱う専門学校を卒業してからレコード会社やスタジオに就職するようです。

音楽プロデューサーからレコーディングエンジニア・ミキサーまでが、音楽の完成に携わる仕事です。

コンサートプロモーター

コンサートプロモーターは、コンサートのすべてを取り仕切るプロデューサーのことで、イベンターとも呼ばれています。コンサートを開催するにあたって下記を任される、近年注目度が上がっている人気の職種です。

・クライアントやアーティストとの交渉
・コンサートの宣伝
・チケットの販売促進などのプロモーション活動
・企画・運営

コンサートプロモーターになるには、音楽関係やイベント関係の学科がある専門学校や大学卒業後、イベント会社に就職するのが一般的です。

PAエンジニア

PAエンジニアは、コンサートの音響を操る技術者のことです。PAとは「Public Address」の略で「拡声装置」を意味します。コンサート会場の裏で機械を調整し、アーティストの歌や演奏を客席に最高の状態で届けるのが仕事です。

PAエンジニアになるには、音楽の専門学校や音響・電子工学科のある大学で音響に関する知識や技術を身につけ、卒業後に音響企業やコンサート制作企業などに就職するのが一般的です。

最初はアシスタントとして経験を積み、メインエンジニアになるには最短でも3年はかかるといわれています。

照明スタッフ

照明スタッフは、コンサートを最大限演出するために照明器具を操る技術者のことです。単純に客席や舞台を照らすだけでなく、曲調や演出したい雰囲気に合わせて配色や照明の当て方を考えるなど、会場の空気感を大きく左右する責任のある仕事です。

照明スタッフになるには、大学や専門学校で舞台演出や音楽にまつわる知識を学び、照明会社やライブハウスなどに就職するのが一般的といえます。

レコード会社のスタッフ

レコード会社のスタッフは、部署によって仕事内容が異なります。

・制作部:CDやDVDといった商品を制作
・宣伝部:自社のCDやDVDなどの広告・宣伝
・営業部:CDやDVDなどの商品を販売店で取り扱ってもらうための営業活動

レコード会社スタッフになるには、高校や大学卒業後にレコード会社に就職するのが一般的です。新卒中途を問わず人材を幅広く募集しているようですが、大手レコード会社は新卒採用が多い傾向にあります。

コンサートスタッフ

コンサートスタッフは、コンサートやライブに訪れたお客さんの案内や誘導、ホール業務などが仕事です。コンサートスタッフは派遣のアルバイトで募集されていることも多く、サポートスタッフの経験をしたことがある人もいるのではないでしょうか。

イベント会社やコンサートホール・ライブハウスが正社員採用を行っていれば、大学や専門学校を卒業して新卒入社することもできます。

アーティストマネージャー

アーティストマネージャーはその名の通り、音楽プロダクションや芸能プロダクションに所属するアーティストの活動をマネジメントする仕事です。

アーティストの宣伝活動やライブのセッティングなど、「いかにして売り出すか」という点にフォーカスして各種の連絡調整や仕事をしています。担当するアーティストと二人三脚になり、アーティストを支える裏方として行動するのが特徴です。

音楽業界のどのような職種につきたいかわからない人は「将来の夢がない人へ!おすすめの職種や自己PRの作り方を例文付きで紹介」をご覧ください。

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音楽業界の働き方

ここでは、音楽業界の働き方について解説します。音楽業界は華やかなイメージがある業界ですが、実際に働く際の環境はどのようなものか確認していきましょう。

音楽業界の給与

音楽業界のなかでも、アーティストや音楽プロデューサー、作詞・作曲家などのスキルが試される仕事の給与は想像のとおり千差万別です。大きな成功を収めて平均を大きく上回る収入を得る人もいれば、アルバイトを掛け持ちしてなんとか生活する人もいるでしょう。

なお、音楽の完成に携わる制作部門の各種業務においては、年収に大きな幅はありません。厚生労働省の「職業情報提供サイト(日本版O-NET)」によると、舞台照明スタッフの平均年収は489万円、録音エンジニアの平均年収は449万円でした。

平均すると450〜500万円前後になり、経験年数を重ねてスキルを高めることで年収アップも期待できるでしょう。

参照元
厚生労働省
職業情報提供サイト(日本版O-NET))

音楽業界の残業や休日

音楽業界は勤務時間がかなり流動的な業界です。イベントや撮影、収録などの場合は早朝出勤や深夜勤務、休日出勤も頻繁にあります。土日休みで残業も少ない働き方を希望する場合は、別の業界を検討したほうがよいかもしれません。

ほかの業界に比べて労働環境は過酷であるケースが多いので、企業や職種についてしっかりと調べておく必要があります。

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音楽業界に入る前に知っておきたい業界用語一覧

音楽業界では、次のような業界用語が使われます。

・トラ:ミュージシャンの代役
・押す:予定よりも時間が長引いている状態
・巻く:予定時間を早めること
・上手(かみて):観客からみて舞台の右側にいる人
・下手(しもて):観客からみて舞台の左側にいる人
・ローディー:ミュージシャンのサポートをする人
・箱:ライブハウス
・尺:時間
・BPM:テンポ
・皿:CD
・PA:放送装置や音響担当者

実際には入社後に言葉を覚えるケースが多いですが、知っておくと就職してから役に立つかもしれません。ただし、ここで紹介する業界用語を面接や選考段階で使うことは避けましょう。略語や隠語ではなく、正式名称を使ってコミュニケーションを取ることが大切です。

就活で気を付けたい言葉遣いについては、「エントリーシートや履歴書のNGワードは?就活で気を付けたい言葉を解説」も参考にしてください。

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音楽業界はやめとけ?向いていない人に多い特徴

ここでは、音楽業界に向いていない人の特徴を紹介します。

ライフワークバランスを重視したい人

ワークライフバランスを重視したい人や、土日などの休みをしっかり取りたい人は音楽業界に向かない可能性があります。激務になることも多く、プライベートの時間をとれない可能性が高いからです。

たとえば、イベントに参加する場合、土日祝日などに行われる傾向にあります。また、イベントは日本全国で行われるため、移動に時間を使うことにもなるでしょう。

「平日勤務、9時から18時」のように決まった時間に仕事をするわけではないので、ワークライフバランスを確保できない可能性があります。

ゼネラリストを望んでいる人

さまざまな業務を担当するゼネラリストを目指す場合も、音楽業界は向いていません。音楽業界は経験を積み、一つの分野のプロフェッショナルが求められる傾向にあるからです。

活躍するためには、自分の特性を理解し、活躍できる職種を選ぶ必要があります。自己分析を行い、どのような職種が自分に合いそうか、考えてみましょう。

自己分析の方法については、「自己分析とは?おすすめのやり方と8つの注意点を解説」の記事で解説しているので、こちらを参考にしてください。

コミュニケーションが苦手な人

音楽業界の業務は一人で完結するものが少なく、ほかのスタッフとのコミュニケーションが必要になります。コミュニケーションをとるのが苦手な場合、業務がスムーズに進められない可能性があるでしょう。

たとえば、イベントに参加する場合、ミュージシャンだけでは実現できません。音響を調整するPAエンジニア、照明器具を扱う照明スタッフ、イベントを企画するプロモーターなど、複数の人々がいることで成り立っています。

作詞や作曲をする場合も、さまざまな人が関わってきます。実際に歌うミュージシャンはもちろん、楽曲を販売するとなればプロデューサーも必要でしょう。一人だけで行える業務は少ないので、コミュニケーションが苦手な場合は難しいといえます。

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音楽業界に向いている人に多い特徴

ここからは、音楽業界に向いている人に多い特徴を紹介します。

音楽への熱意を持っている人

音楽業界に向いている人の特徴は、大前提として音楽が好きであることです。音楽への情熱や関心は、音楽業界で働くためには欠かせません。

クリエイティブな思考を持っている人

音楽業界は新しいものを次々と生み出す業界であり、クリエイティブな思考も欠かせません。変化の激しい社会のニーズに応じて、評価される新しい作品が必要です。

また、自分本位の作品ではなく、人々を楽しませるための作品も求められます。クリエイティブな思考を発揮し、人々を喜ばせたり、感動させたりできる人が音楽業界には向いているでしょう。

変化に伴い柔軟に物事を考えられる人

音楽業界は新しいトレンドやテクノロジーの登場、市場の変動など、状況が急速に変化する業界です。急速な変化にも対応できる柔軟性と適応力を持っている人も、音楽業界に向いているでしょう。

なお、自身の適性を見極めるには就活の軸を定める必要があります。「​​就活の軸とは?探し方のコツや具体的な方法を例文付きで解説」で就活の軸の見つけ方を解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

トレンドを追いかけるのが好きな人

トレンドを自分から意識的に追いかけている人も、音楽業界に向いています。音楽を流行させるため、知ってもらうために、トレンドをおさえてプロモーションを行うことが重要だからです。

たとえば、「どのような音楽が流行っているか」「どのような媒体に注目が集まっているか」などを知っておけば、的確なプロモーションを実施できるでしょう。トレンドを無視してプロモーションを行おうとしても、なかなかうまくいきません。

トレンドについて詳しく、「これが流行っている」「これなら流行りそうだ」とイメージできる人は、音楽業界に向いているでしょう。

チームで物事を進めるのが好きな人

チームで協力できる人も、音楽業界に向いています。楽曲制作やプロモーション、ライブ活動など、音楽活動は一人ではできないからです。

たとえば、楽曲をリリースするために動くのは歌手だけではありません。作詞家や作曲家、レコーディングや販売会社など多くの人と協力します。曲をリリースするにもイベントを行うにも、多くの人の協力が欠かせません。目標に向かって一丸と取り組める人であれば、音楽業界に向いているでしょう。

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音楽業界への就職で評価されやすいスキル

音楽業界に就職する場合、語学力や積極性などが評価される傾向にあります。ここでは、音楽業界で評価されやすいスキルを4つ紹介するので、参考にしてください。

語学力

近年は海外進出を目指すアーティストも多く、語学力が重宝されます。たとえば、あなたがアーティストを担当するプロデューサーの場合、語学力があることでオファーに対応でき、海外進出のきっかけを掴めるかもしれません。

また、イベントも国内だけではなく、海外で行われる場合もあります。裏方のスタッフであっても、現地の言葉を知っている方が仕事も進めやすいでしょう。

就活で評価される英語力については、「就活に必要な英語レベルは?評価される職種やアピールのコツを解説!」の記事で紹介しています。どの程度の語学力が必要か、チェックしておきましょう。

PCスキル

楽曲の編集にパソコンを使うケースも多く、PCスキルも評価されるポイントです。動画編集、関係者とのやり取りなどにも、パソコンを使えた方が便利でしょう。

WordやExcelなどに加えて、音楽編集ソフトや動画編集ソフトが使えると、仕事で活かせる機会も多くなります。

積極性

自分から行動を起こす積極性も、評価されやすいポイントです。先輩に自分から質問したり、技術を目で見て盗んだりと、積極的に動くことで成長につながります。

アーティストの場合も、待っているだけではなかなかチャンスは訪れません。自分から行動を起こし、オーディションやイベントへの出場を勝ち取ることが求められます。

職種に応じたスキル

音楽業界は専門的なスキルが求められる場合が多いため、職種に応じたスキルは評価されます。たとえば、PAエンジニアであれば、音響を扱うための機械操作を覚えている場合、即戦力として評価されるでしょう。

また、ディレクターやプロモーターを目指すのであれば、マーケティング能力や企画力などが必要です。職種に応じて必要なスキルを理解し、勉強しておくとよいでしょう。

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音楽業界の志望動機づくりのポイント

音楽業界における志望動機の考え方やポイントを解説します。例文も紹介しているのでぜひ参考にしてください。

「音楽が好きだから」だけでは足りない

音楽業界を志望する人のほとんどが「音楽が好き」という気持ちを持っています。しかし、好きという理由だけでは採用されにくいため、採用担当者を納得させられるようなエピソードや経験が必要不可欠です。

志望動機では、就職してからどのようなことを成し遂げたいのかを明確にアピールしましょう。

また、独創的で発想力が豊かなアーティストと仕事をするためには、柔軟な考え方も求められます。枠にとらわれない思考力を持って、常に新しいことを取り入れられる柔軟性もアピールできるとよいでしょう。

音楽業界を目指す場合は、「音楽が好き」という気持ちだけでなく、活躍を期待できる人材であることを効果的に押し出すことが大切です。

オリジナリティをアピールする

音楽業界における就活も他業界と基本的には同じで、いかにして差別化してオリジナリティをアピールできるかが重要です。

・なぜ音楽業界を志望したのか
・その職種を希望する理由は何か
・ほかの音楽プロダクションではなくその企業である理由
・ほかの学生にはない経験やスキル・強み
・音楽業界で実現したい夢

音楽業界は、学歴よりもスキルや経験を重視する傾向があります。音楽業界にあるさまざまな企業のなかで、その企業でしか実現できないことに焦点を当てて、個性をアピールしましょう。

志望動機を考える際のポイントは、「志望動機の書き方は?新卒向けのコツや注意点を例文と合わせて紹介」も参考にしてください。

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音楽業界の志望動機の例文

音楽業界を目指す際の志望動機の例文は以下のとおりです。

私は幼少期から音楽が好きで、中学校では吹奏楽部に所属し、高校・大学と現在に至るまで活動を続けています。大学生になってからは楽器の販売店でアルバイトをしたり、イベントスタッフとしてライブのグッズ販売や客席への誘導などを経験したりしました。

演奏自体が好きなのはもちろんですが、楽器の販売店に訪れるお客様のご要望をお伺いしておすすめの商品を紹介し、音楽に触れようとする人と関われることに大きな喜びを感じました。音楽には人の心を動かす力があり、大学を卒業してからも音楽の魅力をたくさんの人に届けたいと強く思うようになりました。

自身の音楽経験と販売店で培ったコミュニケーション能力を活かし、御社の一員として人の心を動かせる音楽を届けることに邁進したいと考えています。

志望動機は履歴書やエントリーシートだけではなく、面接でも求められます。面接で志望動機を伝える際のコツは、「志望動機を面接でうまく伝えたい!ポイントを例文付きで解説」の記事で紹介しているので参考にしてください。

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音楽業界に就職できるか自信が持てないあなたへ

音楽業界は職種の数は多いですが、新卒の採用枠が少ない傾向にあります。音楽が好きで、「音楽業界で働きたい」と考えている就活生は、自分の強みと企業が求める人物像を照らし合わせてアピールしましょう。

まずは自分がどのような職種で働きたいのかはっきりとさせる必要があります。音楽業界といっても職種はさまざまで、 自分は何に興味があり、何ができて何をやりたいのか適性を知ることが大切です。

一方で、「音楽業界に入れるか不安」「どのように就活を進めていけばいいかわからない」といった不安が残る就活生も多いでしょう。そのような方は、キャリアチケット就職エージェントにご相談ください。

キャリアチケットでは、音楽業界の企業からの内定を獲得するために自分の強みを見つける「自己分析」のお手伝いや、応募書類の添削などを行います。無料で登録できますので、お気軽にご相談ください。

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キャリアチケットについて

キャリアチケットは、就活生の最高のキャリアスタートを支援するサービスです。