【企業研究】5分でわかる!IRから読み解く日本生命

就活で「どのように企業研究を進めれば良いかわからない」「効率の良い企業研究の方法が知りたい」と考えたことはありませんか? そんなときは、企業の「IR情報」をチェックしてみましょう。IR(Investor Relations)情報とは、企業が株主や投資家向けに経営や財務状況など投資の判断に必要な情報をまとめたものです。本企画では、就活生向けにIR情報を抜粋し、わかりやすく解説します。

今回取り上げるのは、日本生命相互会社。これを読んで、ぜひ企業研究に役立ててみてください!
 

目 次
  • 1.日本生命相互会社ってどんな会社?
  • 日本生命相互会社の「強み」と「弱み」
  • 売上高・営業利益推移
  • 社員の平均年齢・男女比
  • 2.日本生命相互会社の動向と今後
  • 3.日本生命相互会社が求める人物
 

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日本生命相互会社ってどんな会社?


「日本生命」は医療保険や学資保険、個人年金保険など幅広いラインナップを揃えており、国内では圧倒的シェアを誇っております。近年は新しいチャネルを開拓するため、ニトリやNTTドコモと提携して店内に保険代理店を設置するなど、幅広い事業展開をしているのが特徴です。
 
 創業   1889年
 設立   1889年7月4日
 代表者   代表取締役社長 清水 博
 拠点数    支社等108/営業部1,536/海外事務所4/代理店16,536
 資本金   1兆2500億円(基金総額、2012年8月3日)

日本生命は「個人保険」「企業保険」「資産運用」といった事業をメインで行っています。
 

【1】個人保険

日本生命では生命保険以外にも医療保険や介護保険など、さまざまなリスクに備えた保険があります。
また、「認知症サポート」の保険は、人口減少や高齢化の進展などから、サービス展開から1年もたたずに契約者が5万人にまで伸びています。

【2】企業保険

企業向けや経営者向けの保険だけでなく、加入契約内容や保険料などの経理処理情報の照会、契約貸付金の借入れといった資金取引サービスなど、幅広いサービスを展開しています。
具体的には「ニッセイ法人インターネットサービス」や「法人ずっともっとサービス」など、企業のさまざまなニーズに合わせてサービスを提供しています。

【3】資産運用

年金問題などにより、老後の資金調達のための資産形成に興味を持つ人が増えていることから、外国債券やクレジット、成長・新規領域への投融資を継続し、長期・安定的な運用利回りの実現に向けてマーケットを広げています。
 

日本生命の「強み」と「弱み」

日本生命の強みは、なんといっても売上・純資産が保険業界No.1であることです。「生保のガリバー」の異名を持つ日本生命は、旧公社のかんぽ生命を除けば、業界トップの企業です。日本生命がトップであり続けられる要因としては国内外での「M&Aの成功」が挙げられます。

2016年3月に三井生命(現:大樹生命)とMLCライフインシュアランスを、2018年5月にはアメリカのマスミューチュアル生命保険(現:ニッセイ・ウェルス生命保険)を買収しました。このように積極的に海外の保険会社の買収を行うことで、圧倒的な市場・顧客の拡大に成功しています。

一方で、弱みは「営業方法の主軸が対面」であり、営業方法の幅が狭いことです。日本生命は全国99カ所に5万人もの営業職員がおり、生保レディなどが営業販売を行っています。しかし、そのほとんどが対面での営業であり、コロナの影響で対面での販売活動が制限される今、新規顧客の獲得に苦戦を強いられています。
 

売上高・営業利益推移

コロナの影響を受け「新契約価値」は56%まで下がっており、新規顧客や契約獲得に苦戦していることがわかります。2020年6月から再度訪問営業を再開したものの、コロナ第三波により、今後も新規契約価値は下がる見込みとなっています。
 

・国内保険事業の場合

国内保険事業では、新規契約の減少だけでなく銀行窓口販売の減少で保険料の収益が減少しています。また、コロナの影響による企業の業績悪化から、国内株の配当金も減少し利益が下がっており、全体的に利益が減少していることがわかります。

 

社員の平均年齢や男女比

日本生命の平均年齢は、「エリア総合職」が38歳、エリア業務職が40歳となっています。また、男女比はと8:2と女性が少なく、2020年代には女性管理職の割合を30%まで増やしてくことを目標に掲げ、育児との両立ができるような制度を推進しています。
 

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日本生命の動向と今後


日本生命の中長期計画「全・進-next stage-」によると、今後は「収益力の強化」「業務と事業の変革」「グループ経営の推進」の3つに注力する戦略を掲げています。
 

【1】収益力の強化

顧客を増やし、マーケットでのシェア拡大を目指すために、日本生命の最大の強みであり、販売チャネルの中核である営業職員チャネルの強化を図っていきます。また、コロナの影響で対面での営業が難しいため、オンライン営業など多様な顧客ニーズに対応するチャネル展開にも力を入れていくようです。
 

【2】業務と事業の変革

近年、IT・デジタル技術が発展したことから、今後は保険×ITの領域での事業展開に、より力を入れていくようです。デジタル化と先端IT活用への取り組みを加速させるため、2019年度からデジタル5カ年計画「Next Value プロジェクト」をスタートし、業務の効率化、顧客の利便性の向上、営業職員などの生産性アップ、事業の拡大や新規事業の立ち上げを推進しています。
 

【3】グループ経営の推進

国内の生命保険事業は、さまざまなチャネルを活かし、より多くの顧客への保険契約の営業拡大や、ニーズに沿った商品ラインナップの展開に注力するようです。また「アセットマネジメント事業」では国内のニッセイアセットマネジメント、海外の米アセットマネジメント会社であるTCWとの協業を通じて、運用力の向上を目指しています。

また、海外保険事業は7カ国で保険関連事業を、4カ国で資産運用関連事業を展開しており、今後は地域や国の特性を生かしたリスク管理運用を行っていく方針です。

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企業が求める人物とは?


日本生命が求める人物像として、公式ホームページによると「自らの可能性を信じ、努力し、夢を実現しようとしている人」「生命保険事業の根幹である相互扶助に共感し、世の中に尽くそうという志を持つ人」「ハートフルな人」の3点が挙げられています。
保険業界では、お客様のライフプランに寄り添った提案や行動が必要になるため、「お客様第一」で行動できる利他性や情熱を持った人が求められています。

さて、今回は日本生命のIR情報や企業ホームページをから、企業研究に役立つ情報を抜粋してまとめました。ここで紹介した情報はほんの一部なので、「もっと詳しく知りたい!」という人はぜひ企業ホームページからチェックしてみてください。
   

この記事を書いたキャリアアドバイザー

開 菜々子(ひらき・ななこ)

大学時代はダンスサークルに所属しながら、商品開発の学生団体や広告代理店の長期インターンを経験。卒業後はレバレジーズ株式会社へ入社し、現在はキャリアチケットのアドバイザーとして学生のキャリア支援をしている。

 

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