就職活動初心者向け書籍『業界地図』の読み方

こんにちは。エフです。
また大学生の新卒就職活動に役立ちそうな書籍を紹介しようと思います。
(前回記事→就活のよくある質問は『就職四季報』で解決できる。悩み別見るべきポイントを紹介

今回紹介する書籍は、東洋経済新報社が毎年発刊している『業界地図』です。

「どのような業界があるのかよく知らない」だけでなく、

「各業界の細かい区分をあまり知らない」

「各企業の業界地位、シェアのイメージがつかない」

などといった状態の学生(大学1~3年生)には、とりあえずお勧めしておきたい一冊です。
4年生になってもそんな状態の学生は、ちょっと危機感持ったほうがいいと思います。
 

本記事の執筆者

エフ

キャリアコンサルタントYouTuberです。主にYouTube、ニコニコ動画、Twitterで活動しています。一応キャリアコンサルタントの国家資格を持ってますが、学生の皆さんからすると「だから何?」って感じでしょうし、僕も同感です。
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25卒の就活について相談したい

 

はじめに:業界地図ってどんな本?なぜ読む必要がある?


『業界地図』は、端的に言えば、100以上ある業界の

・概要・概況
・各業界の主要企業
・売上高・利益
・各企業の業界内での地位、シェア


等が図解されている書籍です。
 

出典: https://str.toyokeizai.net/magazine/gyoukai/

最新の2019年版には166業界の情報が掲載されています。

毎年この書籍で各業界の勢力状況を確認するのは、僕の趣味でもあります。

ところで、大学生の皆さんが「業界」や「業界の主要企業」、「業界内の勢力状況」などを“網羅的に把握”するのって、いつ頃なんでしょうね。

インターンシップの募集や、採用選考が始まる大学3~4年生頃でしょうか?
僕は、それだと少し遅いんじゃないかと思うんですね。

ご存じの通り、大学3年生の夏~冬インターンシップ(中・長期)は事実上の選考です。
一応、企業側は「選考ではない」と言ってますが、それが建前であることは就活生の常識ですね。

こういった早期選考に参加したい学生は、少なくとも大学3年生時点で、志望業界・企業をある程度絞っておく必要があります。
100以上存在する業界の中からですよ。

では、世の中にはどのような業界が存在して、それら業界に属するのはどのような企業で、業界内の勢力状況はどうなっているのか……どうやって調べますか?

まあ今時インターネットもありますから、各業界を1つ1つ調べていけばある程度までは分かるとは思います。

ですが、「一覧性」という点で業界地図に敵うものは、僕が知る限りないんですよね。(あったら本当に教えてください)

業界地図を読んでみれば分かりますが、やっぱり図解は分かりやすいですよ。

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その疑問、『業界地図』を読めば解決できるかもしれません


さて以下では、僕のところによく届く就職相談のうち、「まず業界地図を読んで欲しいなぁ……」と思う内容を紹介していきます。

Q1.就職活動の準備をしたいのですが、何から始めればいいですか?SPI?ES?


多くの場合筆記試験やエントリーシート対策は必要ですが、どの業界・企業・職種を志望するかで、準備の内容と優先度が変わります。

例えば総合商社。総合商社の筆記試験はハードルが高いことで有名ですね。他業界よりも入念な筆記対策が必要になるでしょう。

また、出版社・マスコミを志望するなら作文対策、外資系コンサルティング企業を志望するならフェルミ推定対策が必要になることもあるでしょう。

エントリーシートの通過率も、業界や企業によって差があります。一部企業は『就職四季報総合版』で情報公開していますが、例えば食品メーカーはES通過率が低い傾向にあり、他業界ではES通過率が90~100%の企業もあります。

つまり、『業界地図』を読む等して志望業界・企業を絞っている学生さんは、就職活動対策を効率的に行えるんです。

これはアドバンテージになると思います。

もちろん就職活動対策の手順は1つじゃないですが、志望業界が全く定まっていないという学生さんは、漠然と動くより前に業界地図を一読してみてはどうでしょう。

自分が何から手をつけるべきか、見えてくるかもしれません。

Q2.「○○業界」に就職したいです!(例:金融業界)


就職相談を受けていると、志望業界が定まっているようで定まっていない学生さんをよく見かけます。

例えば、「金融業界を志望しています」「メーカーを志望している」「ITに行きたいです」という学生さん。

これでは区分が大きすぎて、志望業界がほとんど定まっていないようなものです。
業界研究では、より深く志望業界を絞り込んでいく必要があります。

金融業界を例に説明してみます。

「金融業界」と言っても、その中には、「銀行」、「証券」、「生命保険」、「損害保険」、「リース」、「クレジットカード」等々、さまざまな業界があって、それぞれ事業内容も全く違います。

そのため、同じ「金融業界の営業職」だとしても、取り扱う商材やお客さんが大きく変わってきます。
ですから、「金融業界志望」というのはまだ漠然としているんです。

業界地図は、金融業界を「メガバンク」、「地方銀行」、「信用金庫・信用組合」、「クレジットカード・信販」、「投資ファンド」、「証券・ネット証券」、「グローバル金融」、「取引所」、「生命保険」、「損害保険」、「リース」、「消費者向け金融」と区分し、それぞれの業界情報を紹介しています。

金融業界を志望するからには最低でもこれくらい把握していてもらいたいな、と元業界人としては思いますね。

Q3.「○○業界」の中の「○○会社」に就職したいです!(例:証券会社)


志望業界が多少明確になっても、まだ勉強が必要です。

例えば金融業界の中の「証券会社」に志望先を絞ったとしましょう。

実は証券会社の中にも細かい区分があるんです。
業界地図の「証券・ネット証券」のページをご覧ください。
 

出典:『会社四季報 業界地図 2019年版』(東洋経済新報社)P.146~147「証券・ネット証券」

「独立系大手」、「メガバンク系大手」、「ネット証券」、「中堅」の4つに区分されています。
これがどういうことなのか説明しますね。

まずこのうち、「独立系大手」、「メガバンク系大手」、「中堅」は、店舗を持つ証券会社(店舗型証券)です。

店舗型証券は各地に店舗を持ち、基本的には対面で証券業を営んでいます。


一方で「ネット証券」は店舗を持っていません。ネット上に株式等の取引プラットフォームを持ち、基本的に非対面で証券業を営んでいます。

(補足:店舗型証券もネット上に取引プラットフォームを持っていることが多いですが、中核事業ではありません)

業界分析が浅いと、面接でも初歩的なミスをしがち


つまり、店舗型証券とネット型証券では、同じ「証券会社」であるものの業態が全く違う。当然この違いは、志望動機や自己PRにも影響するでしょう。

面接において、「なぜ弊社を志望したのですか?」、「他社ではダメなんですか?」などといった質問は超頻出です。

こういった質問に対し論理的に回答するためには、志望先企業のことだけでなく、同業他社の事業領域や業態などを把握しておくことが必要です。

例えば、

「私のコミュニケーション能力を活かし、お客様にフェイストゥフェイスで有価証券を提案したい」

なんてことをネット証券の面接で言ってしまったら、これは業態を勘違いしていると思われても仕方ありません。

業界について勉強不足な学生さんは、こういう基本的なミスをやりがちです。

また、店舗型証券の中でも、独立系とメガバンク(銀行)系では強み・弱みが異なりますし、大手証券と中堅証券でも事業領域が一部異なります。

もし証券会社を志望するならば、これらの違いをよく理解して、志望動機や自己PRを用意するのが無難です。
(そこまでやらなくても内定を得られる学生はいますが、今度は就職後のミスマッチが心配です)

証券以外の業界も同様で、同じ業界内でも、事業領域や業態、強み・弱みが異なるケースは珍しくありません。

業界地図は業界内の細かい区分も図解してくれているので、業界研究の取っ掛かりとして大変便利です。
そういう意味で、面接にも役立つ書籍だと僕は思います。

以上です。

業界地図は、就職活動初心者向けの書籍だと思います。

ですから例えば、大学生活の中で自然と志望業界が定まり、業界知識も十分といった学生さんにとってはあまり必要のない物かもしれません。

一方、就職活動の準備で「何から手をつけていいか分からない」、「業界知識が何もない」という学生さんも大勢いるでしょう。

そういう方々は、とりあえず業界地図で全体を俯瞰し、段々と掘り下げていってはどうでしょうか。
基本的には図解ですし、娯楽としても楽しめる内容なので、少ない負荷で学べると思いますよ。

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