「広告営業」と聞いてどのようなイメージを持つでしょうか。就活生が詳しい業務内容を知る機会は意外とないもの。そこで、キャリアチケットの「お仕事図鑑」では、実際に会社で活躍している方へのインタビューを通じて、仕事に関するリアルな声をお伝えしていきます。
今回お話を聞いたのは、株式会社BitStarで広告営業として働く久保さん。業務内容ややりがいについて伺いました。
<Profile>
株式会社BitStar
広告ユニット 第3営業局
久保 菜摘(くぼ・なつみ)さん
美容専門学校を卒業し、美容師としてサロンに就職するも持病により退職。美容室予約サイトの運営会社にて営業を経験したのち、2019年1月に株式会社BitStarへ入社。美容化粧品メーカー・アパレルメーカーなど女性商材領域の営業を担当。
株式会社BitStar
「インフルエンサーが活躍できるインフラを創る」というビジョンのもと、広告、プロダクション、メディア制作の3領域×テクノロジーでインフルエンサーマーケティングのトータルソリューションを提供。https://corp.bitstar.tokyo/
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インフルエンサーとクライアントとをつなぐ架け橋として奔走
――久保さんの仕事内容について教えてください。
弊社はインフルエンサーマーケティングをはじめとした事業を多数展開している会社で、私は広告営業として働いています。仕事内容はざっくり言うと、クライアントの商品やサービスのイメージに合わせて、弊社所属のインフルエンサーをマッチングさせ、PRのお手伝いをするのが仕事ですね。クライアントに対して「このインフルエンサーを起用したらどうでしょう?」「この方だったらこんな企画ができますよ」といった提案をしています。
自身で新規開拓をし、営業に出向くこともありますし、「このYouTuberに商品のPRをしてもらいたい」といったお問い合わせをいただくこともあります。
――久保さんは主にどのようなジャンルを担当しているのでしょうか?
私はコスメやアパレルといった女性商材を扱うクライアントを中心に担当しています。商材によってターゲット層も異なるので、YouTubeやTwitter、InstagramといったSNSだけではなく、PLAZAやLOFTの店頭サイネージ(※)なども視野に入れて提案していますね。
※店頭サイネージ……店頭に置かれるディスプレイ型の広告のこと
――月にどれくらいの案件を抱えているんですか?
昨年12月は14件並行して進めていました。YouTubeの案件だと発注から動画公開まで約1ヶ月ほど、TwitterやInstagramの案件は2〜3週間程度とスピーディに進んでいくので、それくらいの件数を並行して動かしていくんです。
――久保さんの1日のスケジュールを教えてください。
午前中はクライアントからのメールや電話対応をしていることが多いですね。また、インフルエンサーが送ってきた動画を朝イチでチェックします。
午後はクライアント先を訪問したり、クライアント向けの提案資料を作成することが多いです。また、クライアントの公開後の動画チェックがあります。ひと通りチェックしたらクライアントに報告をし、1日の業務が終わります。
――どんなときにやりがいを感じますか?
携わった動画の再生数が伸びたり反響が良かったりすると、自分が手掛けたコンテンツかのように嬉しくなります。反響が良いことはインフルエンサーにとってもクライアントにとっても、そして弊社にとっても喜ばしいことなんです。その「三方良し」の状態を作れたときにやりがいを感じます。
これまで携わった仕事の中では、アパレルブランドとインフルエンサーがコラボして一緒に商品を作るという案件は一番やりがいを感じました。型や生地から細かくこだわって作っていったのでかなり時間がかかったのですが、発売後は商品が売り切れるくらい反響があり、かなり達成感がありましたね。
――逆に、大変なことはどんなことでしょうか?
広告営業として大切なのは「インフルエンサーとクライアントの間に立つこと」だと考えているのですが、これは最も難しいことだと思っています。インフルエンサーもクライアントも、自分の動画や商品に対してこだわりがあり、それを調整しなければいけない場面が多々あるんです。
例えば、動画チェックの際にクライアントから「商品の魅力をもっとこういう風に伝えてほしい」という要望が挙がることがあります。そんなときはクライアントの要望を叶えつつ、インフルエンサーの世界観を壊さないように、どのような動画に仕上げるか考えなければなりません。
両者の間に立ってお互いに良い動画になるよう調整するのが、大変でもあり楽しくもあり……という感じですね(笑)。
――広告営業の仕事をするのに必要なスキルがあれば教えてください。
弊社の広告営業でいうと、「トレンドに敏感かどうか」は大切です。「どういうインフルエンサーが伸びているのか」「どんなプラットフォーム、商品・サービスが注目されているのか」といった情報は、クライアントに営業する際に必要不可欠です。
また、クライアントに納得してもらえる提案をするには、比較対象となる他社の情報も必要です。SNSなどのリサーチが得意で、トレンドをキャッチする力があることが、広告営業をするために必要なスキルだと私は考えています。
――久保さんは普段どのようにリサーチしているのでしょうか?
所属YouTuberはもちろん、影響力が大きいYouTuberやインスタグラマーなどは漏れなくチェックしています。ただコンテンツを眺めるのではなく、「この方はこのメーカーさんとの相性が良さそうだな」と、営業視点で見ていますね。実は弊社の広告事業部はみんなYouTubeを観ながら仕事をしているんですよ(笑)。
あとは、YouTubeを始めたばかりの方の動画もチェックしていますね。弊社にはインフルエンサーのスカウト部門もあるので、今後伸びていきそうな人を見つけたときには情報共有し、連携をとっているんです。
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美容師からのキャリアチェンジ!YouTubeへの愛が仕事に
――久保さんは元々、広告営業職を目指されていたのですか?
実は私、美容専門学校を卒業して美容師になったので、広告営業にはまったく関わりがなかったんです。ただ、美容師として働き始めたものの1年もしないうちにヘルニアになり、ドクターストップがかかってしまって……。美容師を続けることは泣く泣く諦めたのですが、どうしても美容業界への憧れは諦められず、美容室の予約サイトを運営する企業に転職しました。そこで2年ほど営業として働いていたんです。
その当時、弊社の社長と会う機会がありまして。元々私はBitStar所属YouTuberの「足の裏」が好きで、ほかにもいろいろなYouTuberの動画を観ていたんです。社長から業界の話を聞いたことで、「面白そう!私もインフルエンサーマーケティングにチャレンジしてみたい!」と考えるようになりました。
社長に会う前は転職意欲はそこまで高くなかったのですが、BitStarの「インフルエンサーが活躍できるようなインフラを作る」というビジョンに共感したことと、大好きなYouTubeに関われるという好奇心から、転職を決意したんです。
――最後に、今の久保さんのように「広告営業職に就きたい!」と考える就活生に向けてメッセージをお願いします。
私は以前から美容系YouTuberを観るのが趣味で、今はそれが仕事になっているのがとてもありがたいことだと思っています。私の場合は美容業界への愛が今の仕事に繋がりましたが、美容ではなくてもゲームやエンタメなど、「好きなものの魅力をどのように言語化し伝えるか」を常日頃から考えてほしいですね。
広告営業の仕事は、「自分が好きなものを人に語ることが好きな人」が向いていると私は思っていて。私の場合は美容系YouTuberの動画を普段からたくさん観て情報をストックしつつ、「何が良いか」「どう活かせそうか」を普段から考えるようにしています。広告営業に興味がある方は、自分が好きなものについて、「こういう企画にしたら面白いよ」と周りに語れるようにしておくことをおすすめします。
取材・文/ameri
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