営業職といえば、セールスで数字を出し会社に貢献する、花形のような印象があるでしょう。しかし、実際に営業に携わる人がどのような仕事をしているのか、全貌を把握することは難しい……。そこで、社会人へのリアルなインタビューを実施している「お仕事図鑑」では、営業職で活躍する亀井さんにお話を伺いました。
株式会社ナックのダスキン事業部でセールス業務に携わる亀井さん。果たして営業にはどのような仕事や必要なスキルがあるのでしょう。営業職を志す就活生の方は必読です!
<Profile>
株式会社ナック
ダスキン事業部 サテライト推進室 室長代理
亀井 雄平
「年齢関係なく数字・結果で評価する会社」を就活の軸に、2014年に株式会社ナックに営業として入社、現在6年目。入社2年目にしてダスキン事業部内のチームの班長、3年目はサテライト推進室のリーダーを務める。現在はサテライト推進室の室長代理として新卒メンバーの育成に携わっている。
家庭やオフィスの掃除用品を快適にする「ダスキン」、ミネラルウォーターの宅配を行う「クリクラ」など、毎日の暮らしに役立つサービスを提供。ほかにも、工務店コンサルティング業など「住まい」を提供する業界を下支えする事業も展開しており、“暮らしのお役立ち企業”を目指す。https://www.nacoo.com/
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飛び込み営業は、いかに短時間で距離を縮められるかが勝負
――亀井さんの仕事内容について教えてください。
私はダスキン事業部に新卒で入社し今年で6年目になるんですが、現在は基本的に自社サービスのセールス業務にサポート役として携わっています。ダスキンの訪問販売では、各家庭にモップやレンジフード、浄水器など自社製品のサンプルを配り、2週間ほど試してもらうんです。その後商品を気に入ってもらえて、契約に繋がれば定期的に配達に回るという流れですね。
訪問販売から契約、配達までを部署のチームで行います。ダスキン事業部では、新入社員が約20~30人いるんですが、訪問販売は3人1組のチームで行い、年間の売上を競うのが特徴です。今期は全国に9つのチームがあり、私は主に関東チームを担当。数字管理や支店でのアドバイス、営業指導など、チームを上手く回していくためのサポートを行っています。
――亀井さんの1日のタイムスケジュールを教えてください。
7時30分~8時30分くらいに支店に入り、そこで新卒社員の日報を確認します。日報には前日の実績や報告書が記載されているので、それを読んで数字の確認などを行います。あとは、日報を読んで社員の頑張り・良かったところをピックアップしメールを送ったり、朝のミーティングをしたり、ですね。
ミーティングでは、一人ひとりが前向きにセールスに向かっていけるよう、気持ちが上がる内容を伝えるように心掛けています。
その後、セールスから帰ってきた社員の報告書の確認と、チームでの振り返りをして1日を終えるというのが基本的な流れです。それとは別に本社で進捗状況などを共有する会議に参加することもありますね。
――現在のお仕事に就くにあたって必要な能力やスキルがあれば教えてください。
当たり前ですが、気遣いがしっかりできるというのは重要です。やはり、感謝の気持ちを伝えられる人は営業として伸びていくと思いますね。「体育会系の人が営業に向いている」といったイメージを持たれがちですが、実際には体育会系ではない社員が数字を取っていたりするので、あまり関係ないんじゃないかなと。
例えば「寒いなか玄関先まで出てきてくださりありがとうございます」と感謝を伝えるだけで、お客様の対応も変わってきますよね。「じゃあちょっと話を聞いてみようかな」と。
あとは、笑顔で誰とでも気軽に話せる人。自分でどんどん話を進めていける人は、営業として強いです。飛び込み営業は時間との勝負。初めて会ったお客様に、いかに自分を短時間で知ってもらうか、いかに安心感を与えられるかが契約への鍵なので、そこを意識する必要があります。
――仕事でやりがいを感じることは何ですか?
これは年次によって変わってきました。まず、1年目に入ったときは、私も新卒としてチームでセールスをしていたんですが、とにかく自分の数字・チームの数字で一番を目指したいという気持ちが強く、それがモチベーションになっていました。2年目になると、チームの班長を任せてもらえたので、自分のチームの数字を上げていくという目標があった。ある意味、1つの小さいお店を任せられるようなイメージで、それを入社2年目で経験できるというのは大きなやりがいでしたね。
3年目はサテライト推進室のリーダーという立ち位置で各事業所の新人の同行業務に携わり、新卒の社員たちが楽しく仕事ができ、数字も取れるという環境作りにやりがいを感じていました。4年目から現在までは新卒サテライトで室長代理をしていて、また今までとは違った視点での数字の管理やチームのサポートをしています。
今は、日々数字と向き合わなければいけない新卒社員のメンタル面の配慮もそうですし、自分自身も経験した「班長」の社員を育てる、ということには大きなモチベーションを感じますね。セールスはどうしても毎日同じ業務の繰り返しになってしまいますが、その年によってやりがいが変わりますし、繰り返しの日々の中でどうやって自分なりにやりがいを見つけていけるか、というのも大切なことだと思います。
――逆に、仕事での辛いこと・大変だと思うことを教えてください。
最近はオートロックの家や共働きの家庭も増えてきているので、在宅率が下がり、セールス自体が難しくなっているという印象は受けます。あとは天候の問題。特に去年は猛暑のなか家を回っていたので、体力的な消耗も激しかったです。
ただ、そういった状況でも一緒に売上を競っている部署内のライバルの存在は大きく、互いに切磋琢磨しながら乗り切っていけている部分は大きいと思います。ダスキン事業部は雰囲気がすごく良く、そういった職場環境が業務の大変さをカバーしていると感じますね。
――お仕事をする際に気をつけているポイントはありますか?
基本的に私たちが行っているセールスの商品は、家庭用なんです。そうなると奥様を相手にお話しすることが多いので、「言葉遣いに気を付けよう」「失礼な言動がないようにしよう」と変に固くなってしまう人も多いんです。
ただ、意外とフランクに接したほうが喜ばれることもあって。セールスは、コンビニみたいに欲しい人が気軽に買いに来てくれる商売じゃなく、飛び込みなので「いらない」が当たり前なんです。難しい状況で、短時間のうちに距離を縮める必要があるので、言葉遣いには気をつけつつも適度なフランクさで接するよう意識しています。
――新人社員のセールスに同行する際、気をつけていることはありますか?
緊張で思うようにセールスできていなかったら、「一生懸命頑張っているのでお願いします」とさりげなくフォローしたり、お客様からの質問に困っていたら助け舟を出すようにしています。そのあと、お客様との対応が終わったあとに「もう少しこうしたほうが良かったね」とアドバイスをするようにしていますね。
指摘するポイントは人によって異なりますが、慣れないうちは笑顔や声のトーンなど、当たり前だけど難しいことが多いです。インターホンの場合、特に声のトーンは大事ですね。いきなり知らない人が訪ねて来て、玄関先で暗いトーンで話されたら、お客様も出て来づらいじゃないですか。自分のセールスにしても、同行にしても、お客様視点に立った行動を心がけることに変わりはありません。
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年齢関係なく、数字で判断してくれる会社で働きたかった
――亀井さんの就活時の「軸」を聞かせてください。
人と話すのが得意だとは思っていなかったんですが、自分の実績がわかりやすく数字に表れ、早めに会社に貢献できるようなところを探していました。「年齢関係なく営業の数字・結果で見てくれる会社」というのが企業選びの軸ですね。
――現在の会社がそういう自分の理想に合致していたと……?
まさにそうでしたね。ナックの営業は「自分の実績がすぐに結果として表れ、会社に貢献できる」ので、自分が望む働き方とマッチしていたんです。あとは、懇親会や内定者の集まりなどでも、先輩社員の方が話しやすくて、風通しが良い会社だなと感じたので。
――営業といってもさまざまなスタイルがあると思いますが、特にこだわりはなかったんでしょうか?
特にはなかったですね。不動産の営業なども見ましたが、休みは土日がよかったので、基準としてはその程度です。成果が目に見えて分かり、早くから実績を積めるなら、どのような営業形態でも構わないかなと。ただ、やはりダスキンは知名度があったので、その分売りやすいかなという考えはありました。なので、入社当初からダスキンでセールスしたいという気持ちはありましたね。
――亀井さんのキャリアビジョンを教えてください。
現在私は、サテライト推進室の室長代理という肩書きなのですが、そこの室長になることが今一番の目標ですね。今年で28歳ですが、だいたい30歳……2年後には室長になっていたいです。室長になると、チームをサポートしている現在よりもさらに全体を見渡せるポジションになります。
逆に言えば、チームの状況や全体感の把握が求められるので、部長など上の方々との会議が増え、同行業務がなくなる分、どういうところで新卒との距離を縮めたらいいかが難しいポイントです。ただ、現在携わっている新卒の育成という仕事がとても楽しいので、どうせならその部署でのトップになりたいと思っています。
――亀井さんのように、営業職に携わりたいと考えている就活生にメッセージをお願いします。
面接のとき、志望動機や自己PRの内容をすごくしっかり考えて臨む人が多いと思うんです。もちろん事前の準備や対策は大切ですが、一番重要なのはその言葉に気持ちが乗っているかということ。
実際の営業では、インターホンを押してお客様が出てくるまで、その人がどういう人なのかわからない。お客様によってアプローチ方法も変わってきます。ですから、営業を志すならば、多少のアドリブ力を磨いておく必要があるのかなと。面接中に予期せぬ質問が来たとき、一瞬止まってしまい、もともと考えてきた内容に無理やりシフトしようとすると見破られてしまうと思うんです。「用意した内容を話してるな」と。それよりも採用担当者は、その人の心を知りたいはずなんです。
例えば、「私は開発に携わり会社を良くしたい」と話しても、それは会社に入ってある程度経験を積んだからこそ自分の言葉として伝えられることですよね。そういう形式的な回答よりも、「今は明確な目標はないけど、ガツガツ営業したい」といった熱意を伝えてほしいですね。そういった子のほうが、「営業に向いているな」と採用されることが多いと思うので。
――就活生に、営業職で働くにあたって知っておいてほしいことはありますか?
営業にかかわらずどんな仕事にも言えることですが、初めは「基本」からスタートします。日々、基本をいかに忠実にこなしているかが大切です。もちろん、「会社を良くしていきたい」「もっと大きな規模で仕事に携わって貢献したい」という気持ちも分かります。
ただ、その会社で働き、さまざまな経験を積んできた人こそが会社の仕組みや展望を考えるものだと思うので、いきなり大きなことに携われるかと言われたら、それは難しい。まずは、自分に与えられた仕事をコツコツやる。誠実に日々、基本をこなしていくというのが、キャリアを積むうえで大切なことだと思います。
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