就活生の皆さんにとって、企業の人事は特に身近な仕事なのではないでしょうか。しかし、面接や企業説明会の実施だけが人事の仕事ではありません。キャリアチケットの「お仕事図鑑」では、活躍する社会人の方へのインタビューを通じ、さまざな職種のやりがいや普段は見ることのできない裏側の部分をお届けします。
今回お話を聞いたのは、三菱ふそうトラック・バス株式会社で人事をしているハッマル・イーダさん。スウェーデン出身のハッマルさんが日本で人事をしている経緯や、人事という仕事の魅力について迫りました。
<Profile>
三菱ふそうトラック・バス株式会社
ハッマル・イーダ
2015年、スウェーデンから交換留学のため来日。その後日本で就活を行い、長期インターンとして入った三菱ふそうトラック・バスに新卒入社。入社後は1年ほど秘書として働き、2018年より人事本部に配属、現在は採用業務に従事。
世界最大の商用車メーカーであるダイムラー・グループに属し、トラック・バス、産業エンジンなどの開発や設計、製造を行い、世界170カ国に向けて高品質なトラック・バスを輸出している。また、社員の20%が外国人で52カ国籍の社員が所属するグローバル企業。https://www.mitsubishi-fuso.com/ja/
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採用の仕事は、各部署の仕事を知ることが大切に
――まず、ハッマルさんの仕事内容について教えてください。
私は人事本部でHRビジネスパートナー(※)の仕事をしています。主に海外販売部門の人事担当なのですが、日本と東南アジアの子会社にも人事として関わっています。人材開発全般のサポートや、人事・採用業務、社内の問い合わせ対応など、非常に幅広い仕事内容です。 また、評価時期には各部署の社員の人事評価を集計する仕事もしています。
※HRビジネスパートナー……経営者や事業部門の責任者に対し、ビジネスパートナーとして人と組織の面からサポートする、事業の成長を支える人事のプロフェッショナル。
――社内の問い合わせの内容というのはどのようなものでしょうか?
例えば会社の制度についての質問ですね。「この制度の詳細を教えてほしい」「この制度を利用したいけど、どうすればいいのか」といった問い合わせです。あとは、「社内で新たに事業を始める際に人員を確保できるか」といった採用の依頼もあります。管理職の方からの問い合わせの場合は、社員の異動や人員拡充の相談などが多いですね。
――採用のお仕事についても教えてください。
私は主に海外販売担当の中途採用面接を行っています。その人が弊社のカルチャーに合うかどうか、また、そのチームの構成に合うかどうかという部分をヒアリングしながら見極めています。あとは、希望年収や入社できるタイミングなど、会社の条件に沿っているかどうか、ということも重要ですね。
また、弊社の場合は外国籍の社員が多く、面接は英語で行っています。場合によっては日本語で行うこともありますが、マネージャー陣は外国の方もいて、社内では基本的には英語を使うため面接も英語で話していますね。
――ハッマルさんの1日のタイムスケジュールを教えてください。
出社後はまずはメールの確認や返信をします。あとは、部門間の会議を行っていることが多いですね。会議では、たとえば「どういう人が欲しいか」「このポジションが空いているから人を増やしたい」といったことを話しています。あとは、採用した方へ契約内容の説明をしたり、新しい人事・労務制度を導入する際の諸説明を責任者の方々にしたりしています。1日の3~4割を会議に割いており、そのほかの時間は、資料や契約書の作成など事務的な業務にあてています。
――仕事をするうえで心がけていることはありますか?
柔軟に対応することですね。人事の仕事は突発的なものが多く、毎日何が起こるかわからないんです。業務は常に流動的なので、スピード感を持って、かつ柔軟に対応していけるように心掛けています。急に問い合わせが入ることもあるので、後回しにせずにその都度対応するようにしています。
あとは、各部署の仕事内容や課題を常に把握するようにしていますね。それらを知らないと、採用する際にどんな人が適しているのかわからないですし、採用した方に仕事の説明もできないですよね。なので、普段からいろいろな部署の方とコミュニケーションを取り、情報をキャッチするようにしています。
――人事のお仕事でやりがいを感じることや、大変だと思うことを教えてください。
やはり毎日が違う仕事ができることですね。人事と聞くと事務作業が多いイメージがあるかもしれませんが、実はたくさんの人と関わる仕事であり、日々刺激があるんです。また、採用の仕事は特に会社に直接貢献できている実感が持てるので、大きなやりがいを感じます。チームの求める人材を採用することができ、人事部長やチームメンバーに感謝してもらえたときはとてもうれしいですね。
逆に大変な部分は、イレギュラーな仕事が多いということですね。急な案件が来て忙しくなることもあるので、対応すべき業務が重なってしまうと辛さを感じることもあります。特に人事評価の時期は忙しく、できるだけ1つ1つの業務をスピード感を持ってこなす意識を持って取り組んでいます。
――人事のお仕事に就くにあたって、これは必要だなと思う能力やスキルはありますか?
お伝えしたとおり、人事はイレギュラーな仕事が発生することが多く、その都度内容は変わるので柔軟性やスピーディに物事を進める力が必要になります。また、さまざまな価値観やバックグラウンドを持った人と接する仕事なので、その人に合わせたコミュニケーションを取ることが求められます。採用面接においては、限られた時間の中で適性を探らなければならないため、話す力や聞く力も大切なんです。
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1年間の留学を経て日本での就活を決意。決め手はグローバルな労働環境
――ハッマルさんのご経歴についてお伺いしたいです。どういった経緯でこの会社に入社したんですか?
私はスウェーデン出身なのですが、2015年の秋の交換留学で来日し、1年間日本で勉強していました。1年留学して帰国するつもりでしたが、こちらの生活が気に入ってしまって……(笑)。もっと日本で頑張ってみようと思い、日本で就活を始めたんです。そのとき、長期インターンができる会社を探していたところ、この三菱ふそうトラック・バスに出会いました。
最初は採用チームにインターンとして入り、中途採用のお手伝いをしていました。あとは採用システム・クラウド導入のサポート業務に関わり、2017年の8月に新卒入社したんです。入社後、初めは本部長室というところに配属され1年ほど秘書として働いたあと、2018年の春からHRビジネスパートナーに異動となりました。
――入社の決め手は何だったんでしょう?
グローバルな社風というのを聞いて、外国人である自分にも合っていると感じたからです。弊社の社員は非常に多くの国籍の方が働いており、安心感もありました。また、長期インターンを経験から自分の入社後の働き方もイメージできていたので、その点も決め手になりました。
――入社前から「こんな仕事がしたい」という思いはありましたか?
就活を始めた当初から、ずっと人事の仕事に興味がありました。人事の仕事は会社によっても違いますし、組織全体を見渡せるから面白いな、と考えていたんです。実際に入社してみて、仕事の幅広さに驚きましたね、新しい制度を導入する際には人事が窓口となってたくさん人と関わることになります。思っていた以上に人事として関われる仕事がたくさんあったので、大きなやりがいを感じています。
――ハッマルさんの今後のキャリア展望をお聞かせください。
現在は2年ほど 人事の仕事をしていますが、次のステップとして、人事戦略や企画を行う部署に行きたいですね。会社を今よりもっと良くするために、ずっと人材開発や制度の改革をやってみたいと思っているんです。その後、将来的には管理職に就きたいと考えています。
――今のハッマルさんのように、人事として働きたいという学生にメッセージをお願いします。
人事の仕事内容は会社によってさまざまです。就活で出会った人事の方とコンタクトを取って話を聞き、自分の望む働き方ができるか照らし合わせてみてください。そのうえで、この会社に行きたいかどうか考えてみると良いと思います。あとは、私がしていたように、気になる会社で長期インターンをしてみることもおすすめです。実際の職場環境がわかりますし、実務を体験できるのでぜひ挑戦してみてほしいですね。
人事はさまざまな部署の社員と関わり、日によって仕事内容も変わるので、とても多様性のある仕事だと思います。なので、新しいことにチャレンジするのが好きな方におすすめです。「同じ仕事をするよりもいろいろなことに挑戦したい」という軸で就活をしている人にはぴったりだと思います。ぜひ、頑張ってください!
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