「大企業は安定している」「安定した企業に入りたい」と、考える就活生は多いのではないでしょうか。しかし、2021年度の就活市場を見てみると、これまで安定していると言われていた業界が採用を中止していたり、業績が大きく落ち込んだりと、これまでの常識が通じなくなりつつあります。
今回取り上げるのは「“安定”という軸で就活していたものの、安定が何かわからなくなってきた」という学生のお悩みです。「安定」についてどのように考えれば良いかお伝えしたいと思います。
親からは安定している大企業に行けと言われていて、自分としても自分にそこまでの自信がないので「安定」を軸に就職活動をしています。ただ今年の就活だけをみても安定していると言われている業界が採用を停止していたり、また業績もすごい落ち込んでいるのをみると、そもそも「安定」って何なのかよくわからなくなってきました。
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自分にとっての「安定」とは何か考えよう
就活生の中には「安定したい」「安定した会社に入りたい」と考える方がいます。では、どのように「安定」を得れば良いのでしょうか。考え方は大きく分けて2つあります。
「安定」の取り方①:所属組織に守ってもらう
1つ目は、「所属組織に守ってもらう」ということです。
絶対に倒産せず、定年まで雇用が守られる可能性の高い組織に所属することは、「安定」を得ているといえます。
しかし、大企業に入ったからといって、定年まで雇用が守られるかといわれると、そうではなくなってきています。終身雇用が前提だった頃の日本では「大企業に入る=安定」でしたが、時価総額が日本一のトヨタ自動車の豊田章男社長も話していますが、終身雇用制度自体が見直され、また大企業でも人員削減に動いている企業が多かったりしています。
「倒産」からもっとも遠い組織といえば、公務員、もしくは電力会社や鉄道会社などの生活に欠かせない機能を提供するインフラ企業と言われていましたが、今回の新型コロナウィルスの感染拡大防止のための緊急事態宣言により鉄道業界は大打撃を受けました。
また、「所属組織に守ってもらう」ことのメリットとしては、1社でキャリアを積むために専門的な知識や経験が得られることです。デメリットとしては、いわゆるつぶしが利かない状態になりがちということが挙げられます。1社で長年経験を積んできた人が転職や独立を考えても、これまで培ってきた知識や経験が自社ならではのものであると、ほかの業界や職種に応用ができないケースがあるためです。
安定の取り方②:自分で自分を守る
2つ目は、「自分で自分を守る」ということです。所属組織がなくなっても大丈夫なように、キャリアの選択肢がたくさんある状態を作ることも「安定」に繋がります。今所属している会社が倒産したとしても、ほかの会社で評価されるスキルがあれば転職は可能です。また、副業で収入が確保できていれば、会社が倒産したとしても大きな問題にはならないでしょう。このように、「自分で自分を守る」という安定の取り方は、合わないと思う環境から抜け出しやすいという点がメリットです。ただし、それには常に世の中から求められる自分にアップデートし続ける必要があります。
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「所属組織に守ってもらう」という考えは難しい?
皆さんは「所属組織に守ってもらう」と「自分で自分を守る」という2つのうち、どちらの安定の取り方が良いでしょうか?
最近は、所属組織が守ってくれるだろうという考え方では厳しくなってきています。
少子高齢化やグローバル化など、社会は目まぐるしく変化しています。そして、その変化に併せて事業内容や方向性を変える企業は、求める人材も短期間で変わります。
また、企業の寿命はますます短くなっており、「安定」を決め手に入社した会社でも、入社5年後に業績が傾いてきた、というケースもあります。もちろん創業何十年と続いている企業はたくさんあります。ただ、組織の存続とメンバーの存続は一致しません。組織としては何十年も生き残っていても、その過程でリストラがあったり希望退職を募っていたり、メンバーは変わっていたりするでしょう。
同じ組織に属すとしても、その組織で生き残り安定したキャリアを積むためには、入社がゴールと考えずに職能を伸ばしていく必要があるのです。
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自分で自分を守るために、スキルをつけよう
では、「自分で自分を守る」ためにはどうすれば良いのでしょうか。
それは、「自分はこれができます」と自信を持って言えるスキルを身に付けることです。スキルは、大きく分けて「①特定の業界や会社特有のスキル」と「②どの業界や会社でも通用するスキル」の2種類があります。
前者は、特定の業界知識やノウハウなどが、後者は計画力やマネジメント力、営業力などが当てはまります。自分が目指す業界ではどちらのスキルが重要かによって、キャリアは変わります。
どのスキルを身に付けると良いかは、目指す業界はもちろんですが、自分の性格や強みに基づいて決めると良いでしょう。コツコツと物事を積み上げていくのが得意な方は①のほうが良いですし、数年間に渡る下積みを避けたい方は②のほうが向いているといえます。
まずは、自分はどんな生き方をしていきたいのかを考えて業界を選択しましょう。そのうえで、自分で自分を守るスキルを身に付け「安定」を手に入れていってください。
この記事を書いたキャリアアドバイザー
藤岡 亜里沙(ふじおか・ありさ)
大学時代は、起業を目指す学生向けビジネスコンテストの運営、体育会の広報として各部活の活躍を学内外に発信する活動を行う。卒業後はレバレジーズへ入社。キャリアチケットのアドバイザーとして、主に関西圏の学生の就活サポートしている。
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