「地方就職と都会就職、どっちが良いの?」就職の選択の仕方とは

「就活ってどう進めれば良いの?」「自己分析のやり方がわからない」「面接で落ちてしまう」……など、就活に悩みはつきもの。レバレジーズの執行役員・間山が就活生のお悩みにズバッとお答えします!

 学生のお悩み 
地方の大学に通っています。もともと地方で就職するつもりでしたが、周りの友人たちが東京で就職活動をしているのを見て、迷っています。東京で就職するか、当初の予定通り、地方で就職するか、どちらが良いでしょうか。
 

アドバイザー

間山 哲規(まやま・あきのり)

レバレジーズ株式会社 執行役員。若年層就職支援サービス「ハタラクティブ」、アパレル業界特化人材サービス「FASSIONE」、新卒向け就職支援サービス「キャリアチケット」など主に若年層のキャリアに関わる複数事業を統括。YouTubeチャンネル『就活トーク』『キャリアチケット』出演中。Twitter:@aki_mayama

 

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人生の目標やキャリア観に照らして判断しよう

 

言わずもがなですが、新型コロナウィルスによって、就職活動を取り巻く環境は大きく変わりました。

変化の1つは就活のオンライン化です。

合同説明会をはじめとしたオフラインでのイベントが中止になったり、イベントの機会が減ったりすることで、会社やそこで働く社員の方の雰囲気を直接的に感じることが少なくなりました。その一方で、「場所」と「時間」という制約がなくなったことにより、「情報」という観点では地域格差は解消傾向にあります。

そして、移動を伴わないので交通費負担が必要なくなるという経済面でも、地方の学生にとってはポジティブな影響があるでしょう。
 

結果的に、今まで知らなかったがゆえに選択肢にしてなかった東京や大阪といった大都市での就職を視野に入れ始める学生は例年以上に増えています。だからこそ、周りの変化を見て相談者さんのように迷ってしまう学生も多いかと思います。

結論としてお伝えしたいのはいつも通りではありますが、就活に普遍的な正解はなく、個々の置かれている状況が違う以上、みずからで判断し切り開いていくしかないのです。

そのため、「どこで就職するか」という問題も、自分自身の人生の目標やキャリア観に照らして判断するしかありません。

そういった前提を踏まえ、ここからは「判断に必要な材料(考え方)」と、私たちキャリアチケットが普段から個別カウンセリングで学生に伝えていることを紹介させていただきます。

 

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「地方vs都会」…自分にとって利益が大きいのはどっち?


まず考え方についてです。

複数の選択肢がある場合、それぞれの選択肢のメリットとデメリットを挙げ、どちらの選択肢の方がベネフィット(便益)が大きいのかを合理的に考えましょう。そのうえで重要なのは、できるかぎり客観的な事実から論理的に答えを導き出すことです。
 

……ちなみに、ライフネット生命保険株式会社を創業し、現在、立命館アジア太平洋大学の学長である出口治明さんは、「判断に必要なのは『数字』と『ファクト』と『ロジック』とおっしゃっています。

とても良い本なので、自信がない方はぜひ読んでみてください。
『早く正しく決める技術』(出口治明)

さて、話が逸れましたが、都会就職と地方就職についてメリットとデメリットを挙げてみましょう。

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人との出会い・選択肢が豊富な都会就職


都会就職の最大のメリットはその選択肢の多さです。

例えば、東京都の企業の数は約26万社で、全国の15.2%を占めていますが、資本金10億円以上の企業に限れば、全国の46.1% と半数近くを占めています(※参照はこちら)。

企業が多いということは、ビジネスシーンやプライベートシーン、双方において人との出会いが豊富です。そして、特に人からの情報の得やすさがメリットとして挙げられます。

反面、デメリットとしては生活コストの高さと、人が多いことによるストレスです。
 

例えば、厚生労働省が定める最低賃金を比較しても高いところから東京が1,013円、神奈川が1,012円、大阪が964円。反対に沖縄、大分、佐賀、高知、島根、鳥取、秋田が792円と41位で並んでいます。最低賃金という観点で地方と都会を比べると、2割程度の差があります。

また、都会の電車の混雑状況は地方出身の方にとって「異常で耐え難い」という声も少なくありません。

少し古いデータですが、2018年の東京メトロ東西線は199%の混雑率です。ちなみに200%の混雑率だと、「体がふれあい相当圧迫感があるが、週刊誌程度なら何とか読める」という状態のようです。コロナ禍において、望ましくない密状態ですね。
 

 

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環境の変化によるストレスが少ない地方就職


次に地方就職について考えていきましょう。

まずメリットは、都会就職のデメリットの反対ですね。生活費が相対的に低く済みますし、人の多さにストレスを感じることは少ないでしょう。

また、地元で就職する場合、家族や友人との物理的な距離の近さが最大のメリットとして挙げられます。

学生から社会人なるにあたって、自分の周りの環境が大きく変わるなか、人間関係もすべて新しく構築するのは、出会いという意味ではプラスですが当然ストレスにもなります。そして、就職後に慣れない環境や人間関係で悩んでしまうケースや、いわゆるホームシックにかかる方も少なからずいらっしゃいます。

では、地方就職のデメリットはどうでしょうか。
デメリットは都会就職のメリットの裏返しになりますが、選択肢の少なさや人との出会いが限定されることです。特に情報へのアクセスという点では、たくさん人がいる都会であれば意識しなくても入ってくる類の情報を、地方の場合みずから取りにいかないと得られません。
 

 

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将来のキャリアプランによって都会か地方かを選択しよう


都会就職も地方就職も、当たり前ではありますが、双方にメリットとデメリットがあります。このメリット・デメリットすら、例えばリモートワークがさまざまな企業に広がるなどの世の中の動きよって、変化する可能性があります。ただ、家庭の事情など特別な理由がないかぎり、就活でエリアを絞りすぎることはあまりおすすめしません。

例えば、日本全国に拠点があるような大きな会社だと、本社は都会であっても地方に配属になることもありますし、入社後に引っ越しを伴うような異動命令が下りることもあります。

また、今就活をしている多くの学生は、この先40年、50年と仕事をします。新卒時点では条件重視で判断するよりも、「何を得られるのか」「どんな力が身につくのか」という観点で企業を選択したほうが、中長期的なキャリア形成という観点から見ても望ましいでしょう。

そして、「子育てのタイミングでは地元に戻りたい」「将来的には両親の介護ができるように地元に帰りたい」などと考えている方もいるでしょう。その場合、子育てや介護が必要なタイミングまでに、どこででも働けるようなスキルを身につけ、仕事を受けられるだけの人脈を作っておく、という選択も有効です。

冒頭でも書きましたが、就活に普遍的な正解はありません。一人ひとりの置かれている状況が違う以上、自分で判断し道を切り開いていくしかないのです。

今、自身がいる環境や将来のキャリアプランに応じて、まずは自身にとってのメリットとデメリットを挙げてみてください。自分にとって納得のいく、より良い判断をしていただければと思います。

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