就活スタート時は、有名企業・大手企業の求人を中心に興味関心が集まるでしょう。
大手企業にはエントリーが集中するため、選考で不採用通知をもらいがっかりしている就活生も多いと思います。でもここでくじけないでください。春から秋にかけては、中小企業の求人が増えていきます。
大手ばかりでなく、優良中小企業にも目を向けましょう。
松岡 澄江(まつおか・すみえ)
キャリアコンサルタント。株式会社キャリアポート代表取締役。のべ2000人以上の就活生の相談や就活実践講座、キャリアデザイン講座などを実施しながら就活を支援してきた。就活生から働くひとまで、キャリアカウンセリングや授業・研修を通して自分らしい人生のためのキャリアを考える機会を提供している。著書『自分らしい人生のための働き方・生き方』(セルバ出版)。
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もう一度、働く軸を見直そう!
不採用通知のメールには「○○様の今後のご活躍をお祈りいたします」などの文章が添えられていることが多いので、就活生の間では「お祈りメール」と呼ばれています。「メールが届いてドキドキしたのに、祈られてがっかり」という声も聞こえてきます。でもここであきらめないでください。春から秋にかけて中小企業の求人が増えていきます。 中小企業は、大企業と同じ時期に求人を公開しても学生は聞いたことがない企業に見向きもしてくれないので、大企業の選考が進み始めてから公開をスタートするところが多いのです。
それに年度末・年度初めは人事が忙しく、異動や新人受け入れなどで仕事がいっぱい。こうした業務が落ち着いてくる5月過ぎ頃に採用活動を本格化する傾向もあります。
大企業ばかり見ていた人で、不採用をもらって落ち込んでいる就活生にはぜひ、今一度自分の働く軸を考えてもらいたいと思います。
みなさんは、「ITで人の生活を便利にしたい」「お客様が喜ぶサービスを提供したい」「社会に貢献する仕事がしたい」など、いろいろな働く軸を考えているでしょう。
しかし、それは大企業だから実現できることなのでしょうか? 中小企業で実現できることもあるのではないでしょうか?
学生にとっては名前も知らない企業かもしれませんが、実はニッチな業界でトップシェアだったり、大手と安定した取引があるとか、長年地元の優良企業として存続している、あるいはBtoBでお客様に貢献しているなど、これまで気づかなかっただけでいい会社がたくさんあります。
今一度、自分の軸を見つめ直して、中小企業へのアプローチを考えてみてほしいと思います。
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中小企業の求人の特徴を理解しよう!
中小企業求人にはいくつかメリットがあります。①職種別採用が多い
企業では主に総合職採用(企業側が適性を判断し配属を決定したり、定期的なローテーションを行い転勤が発生したりする)が中心ですが、中小企業では、職種別採用が多い傾向にあります。営業職や事務職、生産管理職、SE職など、職種を限定している分、自分の適性に応じて応募する必要があります。総合職で不本意な配属を受けるより職種別の方が安心する人にとっては向いていると言えます。
②大手の関連子会社もある
「中小企業ってヤバいんでしょ?」と聞いてくる学生もいるくらい、中小=すぐつぶれてしまうという固定観念を持つ学生も、まだまだ多いです。近年、大手企業は事業ごとに会社を分割する分社化が進んでいます。組織が大きくなりすぎることの弊害を避けるためと、生産性向上や効率化を図っての動きです。
そうなると、大手企業名を社名に持つ中小企業も増えています。こういった大手の関連子会社では、大手と同じ福利厚生を備えているところがほとんどです。社会保険や休暇日数など、本社と変わらない待遇が得られ、なおかつ安定しているとすれば、挑戦する価値があると思います。
③求人数は少なめ、だけどそれが狙い目
いざ中小企業の求人情報を手に入れて、就活生がまずひるむのが求人数です。若干名、10名程度など、大企業とは桁が違う求人数に思わず「ムリ」という言葉が出てしまうのではないでしょうか。しかし、よく考えてみてください。大手企業の求人が100名だったとして、そこに何万人ものエントリーが届くとしたら倍率はどうなるでしょうか?
中小企業は就活生が目を向けていないこともあり、そこまでエントリー数は伸びません。求人数が少ないからといって狭き門なわけではないのです。 むしろみんなが知らない企業だからこそ、倍率が低いと考えてチャレンジしてみてください。
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中小企業と出会うために知っておく3つのこと
中小企業の求人を探すとき、今までの就活ナビサイト中心だった求人検索の方法ではなく、少し視野を広げた探し方をしてほしいと思います。①エリアに絞った合同企業説明会や大学主催の学内説明会に参加する
就活ナビサイト主催の合説も、そろそろエリア限定や業界限定で開催する中規模合説になってきています。また、大学主催の学内合説もまだ開催されています。今だからこそこういった合説に足を運んでみましょう。参加学生も少ないのでゆっくり企業と話すことができ、自分に合う企業が見つかる可能性が高まります。
②経営者団体主催の面接会に参加する
国内には多くの経営者団体があります。その中でも中小企業が集まる団体が全国で合説や面接会を開催しています。 地元開催の合説に参加してみるのもオススメです。例)中小企業家同友会
③ハローワークの大卒求人をチェックしよう
「大卒等就職情報WEB提供サービス」というなんとも固い名称ですが、学卒(専門卒・短大卒・大卒・大学院卒)求人が4月1日から公開されています。ハローワークの求人というと中途採用をイメージするかと思いますが、ここは新卒求人と既卒3年以内向けです。使い慣れた就活ナビサイトとは違い、エントリーボタンなどはありませんのでそれぞれの求人の応募方法を確認する必要があります。また中にはハローワーク紹介状を求めているケースもあるので、その際は近くのハローワークに相談に行ってください。
「大学等就職情報WEB提供サービス」
④人材エージェントも活用する
数年前から新卒の人材紹介会社がとても増えてきました。中小企業の経営者とじっくり話ができる説明会を開いているところや、未公開求人を多数持っている、独自の企業選別の基準があるなどの特徴があります。いずれも就活生と面談をしながら求人情報を提供していくスタンスですので、活用してみるのも一つの方法です。孤独な就活を伴走してくれる人がいる安心感も得られるようです。
5月頃は、大手中心の就活で疲れてしまった人も出てくる時期。でも、就活は大学を卒業した後の自分の居場所を探す活動です。幅広い視野を持って自分に合った働く場を見つけていってほしいと思います。
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