初めましての人も、いつもTwitterで「#会計クイズ」に参加してくださっている方もこんにちは。
大手町のランダムウォーカー(@OTE_WALK)です。毎週日曜日の21時頃に財務諸表と経営戦略を絡めた問題をTwitterで出題しております。
「会計クイズ」の開発当初は、多少なりとも会計に触れた経験のある人が主な読者になるだろうと想定していました。
しかし、最近は就活生のような会計や財務に触れたことがない方にも興味をお持ちいただき、会計クイズに参加していただくことが増えました。
そこでよく聞かれるようになったのが「企業分析をした方がいいのはわかるけど、実際どうやればいいの?」ということです。実際に、企業分析の方法は多くの就活生に立ちはだかる壁だと思います。そこで、今回から数回に分けて、就活生に向けて、企業分析の中核となる有価証券報告書(有報)を使った企業分析の方法をお伝えしていきたいと思います!
具体的な有価証券報告書の読み方は次回以降詳しく解説するとして、今回は財務諸表が読めるとどのような良いことがあるのかを知る回にしようと思います。
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有価証券報告書が読めるとどんないいことがあるのか?
まず、就活生の皆さんが企業情報を仕入れている各種手段を振り返ってみます。- ①OB訪問
- ②就活サイトの記事
- ③就職説明会
これらの活動から得られる情報には多少なりともバイアスがかかることがあります。
なぜなら、企業のOBの方や就活サイトの記事を書いていらっしゃる方、就職説明会でお話される方は全て、企業全体を理解している方ではないからです。
役員クラスの方でも、把握しきれていない場合があります。
また、情報を発信する人々はさまざまな目的があって情報を発信しています。
たとえば、「自社に入社してほしい」と思う企業関係者の方は、できる限りマイナスな情報を除いて発信するというインセンティブが働くでしょう。そのため、偏った情報を発信する場合ももちろんあると思います。
株主向けの資料(IR資料と呼ばれる)として企業サイトなどで公開されている「決算報告書」等は、記載事項が法令によって定まっているわけでありません。そのため、企業が出したい情報を優先的に載せる場合があり、必ずしも有用な情報とはなり得ない可能性があります。
そこで役立つのが、一次情報である財務諸表が載った有価証券報告書です。有価証券報告書は、企業サイトのほかEDINETからも見られる書類です。
財務諸表は、企業が日々の事業活動を行ってきた記録の積み上げであり、これらは噓偽りのない情報です。
有報は、財務三表をはじめとして企業の数字情報がもれなく載っているため、客観性のある定量情報で分析をすることができます。
加えて、有報には公認会計士や監査法人による監査が行われ、第三者の目で噓偽りのないことが証明されている場合が多いです。
そのため、有報から情報を正確に読み取る術を身につけることで、どの上場企業に対しても客観性が高く深度のある企業分析を行えるようになります。
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そもそも有価証券報告書って何?
有価証券報告書(=有報)は、上場会社など多くの利害関係者を抱える企業が、その利害関係者に対し、事業や財務の状況を報告するために作成するものです。有報は法令に基づいて作成される書類のため、記載内容はどの企業を見ても同じだけでなく、バイアスのかからない一次情報といえます。
そのため、有報の読み方を覚えることで、自分が気になった企業の分析を深く行うことができるようになります。
有報には財務三表(貸借対照表、損益決算書、キャッシュ・フロー計算書)が必ず記載されています。
実際の記載内容については次回以降詳しく解説していきますが、財務三表については今後必ず必要な知識となるため、それぞれどんなものかを簡単に紹介します。
1.貸借対照表(Balance Sheet)
貸借対照表は、企業がどのような手段でお金を調達し、そのお金をどのように運用しているのかを見られるものです。英語ではBalance Sheetと呼ばれ、B/Sと略されます。2.損益計算書(Profit and Loss Statement)
損益計算書は、企業が特定期間(通常1年間)の間で、どれほどの売り上げを獲得し、どれほどのコストがかかったのかを見られるものです。英語ではProfit and Loss Statementと呼ばれ、P/Lと略されます。3.キャッシュ・フロー計算書(Cash Flow)
キャッシュ・フロー計算書は、企業の現金(=キャッシュ)が、特定期間(通常1年間)の間に、どのような原因で増減したのかを見ることができるものです。英語では、Cash Flow Statementと呼ばれ、C/Fと略されます。次回以降、具体的に有報のどの欄から、どのような情報が得られるのかを解説していきます!
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